『恋のエチュード』 Les deux anglaises et le continent (1971)

恋のエチュード〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選10〕 [DVD]  

作品メモ

原題は「二人の英国女性と大陸」。
イギリス人の姉妹とひとりのフランス人男性(=大陸)の15年にもわたる関係を描きます。

『突然炎のごとく』と同じく、アンリ=ピエール・ロシェ原作をフランソワ・トリュフォー監督が映画化。
『突然~』はロシェ73歳の時に書いた最初の本で、『恋のエチュード』はその3年後のもの。ロシェの小説はこの2冊のみ。
男2人女1人の『突然~』に対して、こちらは男1人女2人という組み合わせ。
重なるところ、異なるところ、いろいろ見比べてみると面白いかもしれません。

脚本ジャン・グリュオー、フランソワ・トリュフォー……とこれも『突然~』と同じ。
音楽も同じくジョルジュ・ドルリューですが、今回は出演もしています。IMDbの役名では”Claude’s Business Agent”。主人公に資産管理を助言しています。俳優ジョルジュ・ドルリューの珍しい1本。
見事なカメラはネストール・アルメンドロス。

出演は、フランス人男性クロードがジャン=ピエール・レオ。
姉妹の姉アンがキカ・マーカム。その後も映画出演作はいろいろあるようですが、個人的には『ひかりのまち』で久々に見たという感じでしょうか。実生活ではコリン・レッドグレイヴ(ヴァネッサ・レッドグレイヴの弟)と結婚しています。
妹ミュリエルがステイシー・テンデター。IMDbを見る限り、映画の出演作はこれ1本です。とても印象深い女優さんなのにちょっと残念。
母親ブラウン夫人がシルヴィア・マリオット。この後『アデル恋の物語』にも登場しています。
他に、中盤に登場する女性フォトグラファー役のイレーヌ・タンク(Irène Tunc)は、映画公開直後に交通事故で亡くなりこれが遺作。

DVDには脚本のジャン・グリュオーによるコメンタリーが付いていて、撮影時のエピソードなど語っています。

ロケ地

IMDbでは

Auderville, Manche, France
Calvados, France
Cherbourg, Manche, France
Gare Maritime, Cherbourg, Manche, France
Jura, France
La Hague, Auderville, Manche, France
Manche, France
Paris, France
Vivarais, France

イギリスの場面もすべてフランス国内で撮影されています。

美術館

アンとデートするところ。
後で出てくるロダン美術館ではないような……

イギリス

設定では姉妹と母親の家はウェールズにあることになっていますが、撮影はフランス、ノルマンディー(コタンタン半島)で行われています。

トリュフォーが、言葉が通じないことと、『華氏451』の経験から海外ロケを敬遠していた。
例外は『アデル恋の物語』のガーンジー島とゴレー島だけ。 (住民がフランス語を話すので)

汽車

コメンタリーによると、「汽車は保存されていたものを使って、中央山地で撮影した」とのこと。
具体的な撮影場所は不明。

クロードが自転車でやってきたところ。

Goury

  • http://www.panoramio.com/photo/6816800
  • http://www.panoramio.com/photo/50893
  • Google Maps

ブラウン家の住まい

地形からしてこのあたりかもしれません。
個人宅を借りて撮影したと思われますので、細かい場所の特定は避けることにします。

絵を描く海辺

海上に掘削プラットフォームかブイのような施設が2つ見え、背後にうっすらと半島か島のようなものが見えます。
調査中。

  • クロードとアンが並んで描く場面は、崖だか高台のようなところで手前の施設が右側。
  • 後の方でアンが描きミュリエルが見ている場面は、水際で足下は岩場かテトラポッド。手前の施設が左側。太陽光は海側左手奥から。

“DOLGELLAU”と駅名がありますが、撮影はフランス。
最初の汽車とは別だそうです(コメンタリーから)。

ロダン美術館

ロダン美術館
Musée Rodin
79, rue de Varenne – 75007 Paris
http://www.musee-rodin.fr/

資料

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ジョルジュ・ドルリュー


『恋のエチュード』 Les deux anglaises et le continent (1971)” への2件のコメント

  1. こんにちは。先週の日曜日(3月31日)に、池袋の新文芸坐で、「突然炎のごとく」とカップリングでこの映画を上映していたので鑑賞しました。実はこれが初めての鑑賞でして、「突然・・・」とセリフが重複しているあたり(このインクは私の血で・・・)は、「おお!」と思ってしまいました。

    >ステイシー・テンデター

    英語版Wikipediaによると、舞台とあと初期は、テレビドラマの出演が主だったようですね。ただもっとも知られているのが、この映画の出演だとも記されています。晩年は、長きにわたる闘病であまり女優業ができなかったとも記されていますね…。映画女優としても、かなり嘱望されていたのでしょうが、以下私の勝手な推測ですが、あるいはこちらの出演で、やや不快なことでもあったのかなという気もします。2008年59歳の死は早いですよね・・・。

    https://en.wikipedia.org/wiki/Stacey_Tendeter

    それでゴダールの「気狂いピエロ」などもそうですが、ロケ地に関する情報がネット上には驚くほどないですね。私も相当一生懸命探しているのですが、この映画をふくむフランス映画(とくに70年代くらいまでのもの)は、ゴダール、トリュフォーレベルの監督の作品ですらあまりいい情報がありません。むしろ研究書とか当時の雑誌などを確認したほうがよさそうです。私もちょっと確認してみます。

    なお、IMDbのロケ地情報は、若干詳しくなっていました。ただオミットされている項目もありまして微妙ですね。

    >Flamanville, Manche, France
    (painting on the cliff)

    Goury, Manche, France
    (small welsh harbor)

    Auderville, Manche, France
    (Browns’ house)

    Port de Cherbourg-Octeville, Manche, France
    (as Calais port)

    La Hague, Manche, France
    (Wales)

    Lac d’Ilay, La Chaux-du-Dombief, Jura, France
    (Swiss lake)

    Musée Rodin – 77 rue Varenne, Paris 7, Paris, France

    それにしてもノルマンディーをよくウェールズっぽく撮影していますよね。さすがアルメンドロスです。

  2. Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    新文芸座でかかっていたのですね。「居ながら」になってしまってから劇場へはあまり足を運ばなくなりましたが、文芸座は昔から貴重な作品をよく上映していましたよね。IMDbのロケ地情報が更新されていましたか。
    IMDbはどうしても英語圏中心で、フランス映画やフランスの俳優さんについては情報が浅くなっているようですが、更新されるだけマシでしょうか。

    > それにしてもノルマンディーをよくウェールズっぽく撮影していますよね

    確かこのエントリーを書いたときは、家があるとおぼしきあたりはストリートビューが使えず衛星画像だけで場所を判定した記憶がありますが、今Google Mapsを開いて見たら、家のすぐ側までストリートビューで行けますね(笑) プライベートな物件と思われますので、ピンポイントではやはり示しませんが……

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