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『ギルバート・グレイプ』 What’s Eating Gilbert Grape (1993)

ギルバート・グレイプ;WHAT'S EATING GILBERT GRAPE [DVD]

まだ立っているあの給水塔

作品メモ

前のエントリー『終着駅』からのつながりです。 [1]劇中ギルバートがテレビで見る映画が『終着駅』

アイオワのひなびた田舎町に住む青年ギルバート・グレイプが主人公。
太りすぎて日常生活もままならない母、知的障害を持つ弟アーニー、そして2人の姉妹。
長男が出て行ってしまった今、それら家族の面倒を見なくてはならず、町を去ることもできずに鬱屈した日々を送っています。
永遠に続くかに思えたそんな生活も、彼の周囲に少しずつ変化が起きていき、やがて……

といったお話。

見終わった後に「いいもの見たな~」的感動がじわじわと広がっていき、ふっと優しい気持ちになれる映画です。
監督はラッセ・ハルストレム。
主人公をめぐる様々な出来事を、時にユーモラスに時に(ちょっぴり)シニカルに描いていきます。
静かな眼差しとも言えるその繊細なタッチはこの映画の見どころです。
ボグダノビッチ監督の『ラスト・ショー』と重なるところが見受けられる作品ですが、もしかするとお役に立っているのでしょうか?
比べてみるとポジとネガのように肌触りが異なりますが、時代の違いなのか監督の違いなのか、あれこれ考えてみたくなるところです。 (→ 『ラスト・ショー』

今見返してみると、ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオという今をときめく大スターが出ているわけですが、2人とも演技力は抜群で、実は(って当たり前ですけど)素晴らしい実力派俳優であることを知るのに格好の作品となっているかもしれません。

もうひとり絶対に忘れられない出演者が、あのママ。
階段上るのもちょっと大変だったようで、寝室の場面は実は1階で撮っているとのことです。
この方Darlene Catesさんという人ですが、今でもご健在のようでなにより。
公式サイト(らしきもの)もありますが、開くと音楽が流れますのでご注意を。
http://www.geocities.com/Hollywood/Heights/1787/

ロケ地

IMDbでは

Austin, Texas, USA
Denton, Texas, USA
Lockhart, Texas, USA
Manor, Texas, USA
Pflugerville, Texas, USA

というように、テキサスで撮影されています。

劇中ではアイオワ州のエンドーラ(Endora)というところ。
架空の町で、実際にはテキサス州Manorでの撮影です。

食料雑貨店と給水塔

劇中では”LAMSON’S GROCERY”と看板が出ていました。

Manor, Texas, USA

  • Google Maps (SV)

映画の構図(0:03頃)と同じにしてみました。
こんなふうにネットのマップでうろうろしたあげくズバリ場所が見つかると、とてもうれしいです。 🙂
実際にもgroceryのようですね。

この概観図だと全体がわかりやすいですね。
雑貨店やその並びの店舗は”Old TX-20″という通りに面していて、右側の方に給水塔が見えます。
向かいのソフトクリームの看板が出ていた店も建物は残っているようです。

カーヴァーさんの家

ギルバートの家

Manorから北へ15kmほど離れたところです。

Hodde Lane, Pflugerville, Texas, USA

場所はここ↑とのことですが、ご覧になった方はおわかりのとおり建物自体はもうありませんので場所を特定するのは難しいかもしれません。 このあたりかも……というところを記しておきますが、確証はありません。

ちなみにあの家のちょっとした撮影裏話はこちら↓
http://www.ew.com/ew/article/0,,300812,00.html

警察

アーニーが拘留されてしまったところ。

524320557_47d91b76e1.jpg Caldwell County Courthouse
Lockhart, Texas, USA

資料

References

References
1 劇中ギルバートがテレビで見る映画が『終着駅』

コメント

  1. Bill McCreary より:

    こんにちは。この映画はエアポケットで観ていなかったので、昨日「午前十時の映画祭」で観ました。なるほど、ロケ地はテキサスだったのですね。エンドクレジットを見て「あ、テキサスでのロケだったのだな」と思いました。前に貴ブログの「イージー・ライダー」の記事を参考にして、共和党の強い米国地域の話を拙ブログで書きましたが、まさにプワーホワイト、弱者へのいたわりの少ない米国の典型という感がありますね。実際この映画では、非白人はほとんど見ませんでした。

    それで「残された日々」の記事で、「残された・・・」とこの映画と「バクダッド・カフェ」が3大給水塔映画だと書かれておられて、映画を観て納得しました。あるいは「バグダッド・カフェ」とこの映画が「午前十時の映画祭」でカップリングで現在上映されているのは、給水塔つながりの部分もあるのかなと愚考します。サイトによるとテーマは、「田舎町の人生」だそうですが、「バグダッド・カフェ」の舞台は田舎町と呼ぶべきかどうかも疑問です。

    なお、すでにご存じでしょうが、Darlene Catesは昨年お亡くなりになっていますね。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%84

    現在ならCGで肥満体にするのも手ですが、彼女は本当の肥満体だったわけですね・・・。それにしても笑われたくないから自宅ごと火葬にするというのも、もちろんフィクションだからありな話ですが、すごい発想ですよね(苦笑)。ていうかあれだけのことをしたら、ギルバートらもちょっとやそっとじゃすみません。

  2. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    「3大給水塔映画」自分で書いていて完全に忘れていました。
    『バグダッド・カフェ』と『ギルバート・グレイプ』がカップリングとは、なんともニヤニヤしてしまいますね。「田舎町の人生」なら『ラスト・ショー』を混ぜてほしかった気もしますが。
    Darlene Catesさん、亡くなられましたか。これ1本で永遠に記憶に残る女優さんですね。合掌。

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