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『パワーズ・オブ・テン』 Powers of Ten (1977)

EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]

Google Earthの原体験

作品メモ

Google Earthのオモシロサのひとつに、ズームアップの連続があります。
宇宙空間にぽつんと浮かぶ青い地球にぐ~んと迫っていき、映画的に言えばズームアップの連続で突き進んだ末にワンカットで目的地に降り立つという摩訶不思議な映像体験があっさりと自分のパソコン上で実現できてしまうのですから、えらい時代になったものです。

このワンカットでぐ~んとズームアップという映像は、70年代に「パワーズ・オブ・テン」という短編映画で体験することができました。
公園で寝転がっている男女の映像からはじまり、1m×1m→10m×10m→100m×100mという具合にカメラがぐんぐん引いていき、広大な宇宙空間に到達したところで、逆にズームアップの連続で男女の映像に復帰。
今度はそのまま拡大を続けて、男性の手の甲のあたりにぐんぐん迫っていき、以後ズームアップの連続で素粒子の世界にまで到達するという、ワンシーンワンカットの究極のような作品でした。

CGもろくすっぽなかった時代にここまでの映像を作り上げるのですから、大したもの。
監督は、チャールズ&レイ・イームズ。つまり、椅子で有名なあのイームズ夫妻です。

椅子以外も色々デザインしているはずですが、どうしてもイームズといえば椅子が頭に浮かびますね。
とりわけ名匠ビリー・ワイルダー監督のために作ったというラウンジ・チェアが有名。文字通りのディレクターズ・チェアです。

私、老後の自宅のホームシアターの椅子をこれにするのが夢なのですが、お値段はオットマンだけで今使っている椅子の何倍もしますね……
同じン十万出すのならマッサージ・チェアにしようかと考えている今日この頃 😉

EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD] チャールズ&レイ・イームズ 映像作品集 DVD-BOX さてこの作品、教育映画的な短編映画ですのでもう見るのが難しい……と思いきや、これは特別なようでして、DVDが入手可能です。 あとはあまり大きな声で言えませんが、Youなんとかとか。 → YouTube「powers of ten」検索結果

わずか10分足らずの作品ですので、未見の方はぜひご覧になってみてください。
センス・オブ・ワンダーに満ちた作品内容は、Google Earthの体験が当たり前になった現在でも決して古びていないと思います。

11PMの思ひ出

「パワーズ・オブ・テン」を最初に見たのは、科学技術館……ではありませんがそんな感じの施設での上映会だったかと思います。
あとは11PM。え~、あの「しゃばだば」のイレブンPMです。
確か大橋巨泉さんの枠で時々CG作品(あるいはCG的なオモシロい映像)を特集していて、それで見たような記憶があるのです。
今でこそCGは珍しいものではありませんが、当時は番組のターゲットである独身男性が喜ぶ企画だったのでしょうね。

例えばピクサーの初期の短編、「ルクソーJr」や「レッズ・ドリーム」もこれで見ることができました。
アニメ版『ゴルゴ13』のCG部分も同様で、ゲストに制作した大村皓一さんが招かれていたと思います。
当時の非力なマイコンをいくつもつなげて並列処理でレンダリングしたわけですが、今ではハンディなゲーム機ですら簡単にリアルタイムで計算して描画できるのですから、ホントに隔世の観があります。

ロケ地

実際のロケ地ではないかもしれませんが、設定上の場所はシカゴ市内、ミシガン湖西南のほとりにある公園。

  • Google Maps ↓

powersoften_m.jpg Google Mapsでその場所に「Powers of Ten」と地名表示されていたことがあります。

資料

パワーズ オブ テン―宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅 書籍もあるようですね。

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