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『渚にて』 On the Beach (1959)

渚にて [DVD]

THERE IS STILL TIME, BROTHER

作品メモ

1964年、核戦争が起き北半球は全滅。
南半球にも死の灰が迫りつつある状況で、オーストラリアに生き残った人々の最後の日々を描きます。

監督・製作スタンリー・クレイマー、脚本ジョン・パクストン、撮影ジュゼッペ・ロトゥンノ。
出演は、アメリカ人のタワーズ艦長がグレゴリー・ペック、モイラがエヴァ・ガードナー。
オーストラリアの科学者ジュリアン・オズボーンがフレッド・アステア。年齢も60歳近く、このあたりからダンスや歌とは離れて渋い脇役としてのキャリアが始まっています。
オーストラリアの将校ピーター・ホームズがアンソニー・パーキンス。その妻メリーがドナ・アンダーソン。

渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫) 原作はネビル・シュートの同題小説。
いくつか版がありますが、私同様創元文庫で読んだ方が多いかと思います。
昔はもうすこしあっさりした表紙だったような……

エンド・オブ・ザ・ワールド 完全版 [DVD] 『エンド・オブ・ザ・ワールド』はリメイク。
時間は長いですが(もともとテレビドラマ)その分人間模様がたっぷり描かれていて、丁寧な作りとなっています。
原潜で調査に行く原因となった例のアイテムも、形を変えてしっかり登場しています。
  → 『エンド・オブ・ザ・ワールド』 On the Beach (2000)

ソーフィッシュ号 (Sawfish)

アメリカ海軍の協力は得られず、ソーフィッシュ号はイギリス海軍のディーゼル艦HMS.Andrewを原潜に見たてて撮影されています。

復活の日 (ハルキ文庫) 滅び行く世界と原潜となると、小松左京さんの傑作『復活の日』を思い出します。
この本が刊行されたのは、『渚にて』の設定の1964年のことです。
映画版の『復活の日』ではチリ海軍のディーゼル潜水艦が使われていました。

音楽

繰り返し流れるメロディは「ワルチング・マチルダ」Waltzing Matilda

ロケ地

IMDbでは

Canadian Bay, Port Phillip, Victoria, Australia
Frankston Beach, Frankston, Victoria, Australia
Frankston, Victoria, Australia
Melbourne, Victoria, Australia
Mission Inn – 3649 Mission Inn Avenue, Riverside, California, USA
Port Phillip, Victoria, Australia
Riverside International Raceway, Riverside, California, USA
Riverside, California, USA
San Diego, California, USA
Victoria, Australia

大通り

自転車、馬車、路面電車で混雑する通り。
ここに海軍省があるという設定。

800px_Melbourne_Old_Post_Office_Building.jpg ロケ地はメルボルンのElizabeth St.のGeneral Post Office(GPO)前。
この昔の郵便局を海軍省に見たてています。

画像はWikimedia Commonsから(パブリックドメイン)。

  • Google Maps(SV)↓

282008706_aa0754264c.jpg カメラは南向きで、突き当たりに見える塔は駅舎です。

Flinders Street Station

海軍基地

海水浴

タワーズ艦長(グレゴリー・ペック)をモイラ(エヴァ・ガードナー)が出迎える駅とその周辺はこちら。

フランクストン駅 Frankston railway station
Frankston, Victoria, Australia

この場面、駅前にしっかりとコカ・コーラの広告が出ていますね。

その後1馬力の乗り物で走っていく場面は、確証はありませんが、SVなどで見る限り駅前(西側)の通りをそのまま撮影に使っているようです。

潜望鏡で見るサンフランシスコ

このあたり『復活の日』を連想した方も多いことでしょう。

PORT OF SAN FRANCISCO

サンフランシスコ・フェリービルディング
http://www.ferrybuildingmarketplace.com/

無人の坂道

何カットかありますが、ひとつは Hyde Stを海側から南向きに撮っています。

モールス信号

サンディエゴの石油工場とのことです。
ここでもしつこくコカ・コーラの看板が出ています。

San Diego, California, USA

サーキット

Riverside International Raceway
Riverside, California, USA

1989年に閉鎖されています。

800px_Joe_racing_Ferrari_750.jpg ジュリアンのフェラーリはFerrari 750 Monza

Photo from Wikipedia (public domain).

クルマに関するネタは例によってIMCDbを参考にしています。 →  IMCDb > On the Beach

人々が集まる広場

“THERE IS STILL TIME, BROTHER”の横断幕がかかっていた広場。
IMDbなどでは明記されていませんが、おそらく建物はこちらだと思います。

800px_Vic_State_Library_Facade_Pano_19.07.06_edit1.jpg State Library of Victoria (ヴィクトリア州中央図書館 )
328 Swanston Street, Melbourne, Victoria
http://www.slv.vic.gov.au/

Photo from Wikipedia (public domain).

病院

薬を配布していた病院。
“QUEEN VICTORIA MEMORIAL HOSPITAL”とあります。
場所は調査中。

出航を見送る丘

ロケ地マップ

※17/5/19追加

オーストラリアで撮影された映画

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2017/05/19 「ロケ地マップ」項目追加

コメント

  1. ほりやん より:

    (出航を見送る丘)

    IMDbに追加されていました。

    Point Lonsdale, Victoria, Australia
    (scene of Moira Davidson watching submarine exiting Port Phillip Bay)

    もう少し灯台寄りだと思うのですが、SVを利用できるところということで…

    https://www.google.com/maps/@-38.2887242,144.6154261,3a,65y,35.21h,88.57t/data=!3m6!1e1!3m4!1syTwQbnVq088lKJ67MLzjlw!2e0!7i16384!8i8192?entry=ttu

    (モールス信号)

    IMDbに追加されていました。San Diego, California, USA ではないようですね。

    Viva Energy Geelong Refinery – 90 Refinery Road, Corio, Geelong, Victoria, Australia
    (San Diego power station, as Shell Refinery Corio)

    潜水艦から下りた乗組員が桟橋のようなところを駆けていますが、下記SVで左方に伸びているのがその桟橋でしょうか?

    https://www.google.com/maps/@-38.0834342,144.3829394,3a,40.9y,163.81h,91.24t/data=!3m6!1e1!3m4!1s6K_ofnSinWfPT9cWheXB8A!2e0!7i16384!8i8192?entry=ttu

    (サーキット)

    IMDbに追加されていました。

    Phillip Island Grand Prix Circuit, 381 Back Beach Road, Ventnor, Victoria, Australia
    (Australian Grand Prix scenes)

    ゴールシーンは下記SVでしょうね。

    https://www.google.com/maps/@-38.5027607,145.2322099,2a,90y,167.18h,88.43t/data=!3m6!1e1!3m4!1sDEAHlUWX6zah0FVh_2Qo5Q!2e0!7i13312!8i6656?entry=ttu

    アステアさんは、ステアリング操作も見事でした。

    (病院)

    薬を配っている男性の頭の後ろにある表示板に「・・・McPHERSON」、「・・・HOSPITAL」、「・・・**TRANCE ALONG」、「・・・STREET」とあるので、「McPHERSON HOSPITAL」で検索すると、

    「Jessie McPherson Private Hospital」

    Jessie McPherson Private Hospital was first established in December 1930・・・and was named Jessie McPherson Community Hospital.・・・The hospital later moved to the intermediate section of the Queen Victoria Hospital in Lonsdale Street.

    とありました。

    https://en.wikipedia.org/wiki/Jessie_McPherson_Private_Hospital#cite_note-5

    そこで、SVの検索窓に「the Queen Victoria Hospital in Lonsdale Street」と入れると、

    Queen Victoria Women’s Centre が出てきました。階段も特徴のある柱も映画とそっくりです。

    SVは「210 Lonsdale street,Melbourne」

    映画の中の表示板にある「**TRANCE」はENTRANCEなのでしょう。だから「JESSIE McPHERSON COMMUNITY HOSPITAL ENTRANCE ALONG LONSDALE STREET」と書かれていたのだと思われます。

  2. 居ながらシネマ より:

    ほりやんさん、コメントありがとうございます。
    返信遅れてすみません。

    >(出航を見送る丘)
    > IMDbに追加されていました。
    > Point Lonsdale, Victoria, Australia

    おー追加されていましたか。
    ただ潜水艦の向こう側に見えている地形は、どちらかといえば、ネピオーアン砦跡とかパース砦跡とかマークされている岬の東側のように見えます。

    https://maps.app.goo.gl/f4ScB6BGN2YNMqr2A

    なので、これを捉えられるカメラ位置としては、ポイント・ロンズデール灯台のもうちょっと東側、クイーンズクリフ白亜灯台Queenscliff White Lighthouseのあたりかもしれませんね。

    https://maps.app.goo.gl/wVB7WiwuBj4SjgBy9

    このあたりですと、だいたい地形のシルエットが映画と一致しているようです。
    この↓展望台の先っぽなら、雰囲気味わえそう。

    https://maps.app.goo.gl/J8W5pWWkvr49iEDU7

    > (モールス信号)
    > IMDbに追加されていました。San Diego, California, USA ではないようですね。
    > Viva Energy Geelong Refinery – 90 Refinery Road, Corio, Geelong, Victoria, Australia
    > (San Diego power station, as Shell Refinery Corio)

    なるほど、設定はサンディエゴで、撮影はオーストラリアということですね。
    桟橋はご指摘の場所っぽいですね。
    桟橋に沿って今でも何本ものパイプが伸びていますが、タンカーから原油をせっせとコンビナートに送り込んでいるのでしょうね。

    > (サーキット)

    ゴールシーンもそちらでばっちり正解ですね!

    > アステアさんは、ステアリング操作も見事でした。

    さあきっとそうでしょう……

    > (病院)

    この探索は実にお見事 😀 完璧な探索でした 😀 😀
    建物は今ではだいぶ小さくなってしまったようですね。

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