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『ブラインドネス』 Blindness (2008)

ブラインドネス スペシャル・エディション(初回限定生産2枚組) [DVD]

作品メモ

ジュリアン・ムーア出演作をさらに続けて……。

南米のとある都市で、車を運転中にドライバーが突然失明する事件が発生。
真っ暗になるのではなく白い闇に包まれるというちょっと変わった症状なのですが、原因も治療法も全く不明。おまけに患者の妻や患者に接した医師までも発病するという感染力の強さで、奇病はたちまち世界中に蔓延します。
人々が次々視力を失う中で、なぜか医師の妻は失明を免れるのですが、この役を演じたのがジュリアン・ムーア。
彼女は目が見えないフリをして夫とともに隔離施設に残りますが、外界から隔絶された施設内で事態はどんどん悪化していき……といったお話です。

人類が失明し大混乱に陥るという設定は、ジョン・ウィンダムのSF『トリフィドの日(トリフィド時代)』とその映画化の『人類SOS!』っぽいですが、『ブラインドネス』の方は全体のトーンが高尚と言いますか観念的。クールな色調の映像とあいまって、まったく違うジャンルの趣があります。
まるで「これはただのSFではなく……」とSF好きならムッとくる言い回しを聞かされたような気分にもなりますし、個人的な好みもトリフィドの方なのですが(汗)、映画としてはしっかりフェルナンド・メイレレス監督作となっていて、見応えは十分あるかと思います。

日本・カナダ・ブラジル合作映画ということで、出演者は様々。
役名は氏名ではなく職業や肩書きで示されます。

「最初に失明した男」に伊勢谷友介。
「最初に失明した男の妻」に木村佳乃。
「最初に失明した男」を診察した「医師」にマーク・ラファロ。
「医師の妻」にジュリアン・ムーア。

白の闇 新装版 原作ジョゼ・サラマーゴの『白い闇』。
監督フェルナンド・メイレレス、撮影セザール・シャローン、音楽マルコ・アントニオ・ギマランイス。

ロケ地

IMDbでは、

Guelph, Ontario, Canada
Montevideo, Uruguay
Rua Piauí, São Paulo, Brazil
São Paulo, São Paulo, Brazil
Toronto Film Studios, Toronto, Ontario, Canada (studio)
Toronto, Ontario, Canada

エンドクレジットでは、

Filmed entirely on location in Toronto & Guelph, Canada
São Paulo, Brazil and Montevideo, Uruguay

主にブラジルのサンパウロですが、ウルグアイのモンテビデオなどでも撮影されているようです。
当サイトでは珍しい南米のロケ地。楽しみながらチェックしていきました。

交差点

OPの交差点。
サンパウロのウェブマップで大きな通りをひたすら辿って見つけました。
Av. Brg. Faria LimaとAv. Pres. Juscelino Kubitschekが交わるところ。
伊勢谷さんが右折しようとして止まってしまったのは、北西の角。


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隔離施設を出た後

やや不謹慎ですが、『28日後…』同様、荒廃した街並みをセットではなく現実の街を使って表現しているのが見どころ。
実際のロケにはさぞ苦労したことと思います。

川縁

アングル的にはこんな感じ。


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斜張橋は、Ponte Octávio Frias de Oliveira(オクタヴィオ・フリアス・ジ・オリヴェイラ橋)W

Ponte Octávio Frias de Oliveira (建設中)

完成は2008年とのこと。
映画では、右の建設中の画像同様、まだ足場が組まれているように見えます。
この後の高架の場面など含めて、完成前に撮影に使わせてもらったのかもしれません。

Photo from Wikipedia (public domain).

 

高架

斜張橋が奥に見え、裸の男がふらふら歩いているカット。
橋の東南側のこのあたり。

手を繋いで渡る高架

橋の東側のこのあたり(カメラ西向き)。

カフェ

とあるカフェに身を寄せる一行。
店の前は長い上り坂となっているようです。
ここらへんの撮影はサンパウロではなくモンテビデオかも? と思えたのでそちらをチェックしてみました。

たとえば通りに入るところの右手の建物(=カフェの右隣)は、こちらのように見えます。

ただ画像で建物の形を確認すると、Panoramioのマップの位置が間違っているように思えます。
あれこれ探してみたところ、5ブロック西のこちらだとわかりました(ズレ過ぎ……。お世話になったので、修正のリクエスト出しておこうかと思います)。

通りとしては、Piedrasから左折してColonに入り右手。
カフェはずばりここ。

このサイト http://inventariociudadvieja.montevideo.gub.uy/ 、最初に見つけたとき詳細なデータにびっくりしてしまいましたが、どうやらモンテビデオの旧市街地をデータ化しているようです。
建物が「通り+番地」ではなく通し番号で管理されているので、私のようなこの町のシロウトにはとても扱いやすいですね。

食料を求めて

医師夫妻が妻の視力を頼りに食料を探す場面。

石段のあるホール

2人が通り過ぎる石段のある建物。
コンサートホールという設定のようです。
建物全体は写りませんが、周囲の景色などからサンパウロのこちらと思われます。

Teatro Municipal de São Paulo(サンパウロ市立劇場)W

Theatro Municipal

スーパーマーケット

逃げ出したときに通り(下り坂)の先に教会か時計台の塔のようなものが見えるのでそれが手掛かりになりそう。
Montevideoのような気もしますが、今のところ場所不明。

教会が背景に見える角

スーパーからの帰り道。
このあたりは周囲の建物から見てウルグアイのMontevideoで撮影されているようです。
曲がった角はここ。

背景に見える教会は、

Parroquia San Francisco de Asís

Parroquia San Francisco de Asís  Montevideo

例のデータベースではこちら。

画像としては、こういった感じ。

ひと休みする石段

柱の形などから、上述、教会が背景に見えるカットの右側にある建物の石段と思われます。
ウルグアイの国有銀行のようですね。

Banco de la República Oriental del UruguayW

例のデータベースではこれ。

教会(内部)

聖母像が目隠しをされていたところ。
設定では上述石段のある建物となっていますが、教会ではないので撮影場所は別のところと思われます。

再び移動

このあたりはサンパウロでの撮影と思われます。

歩道橋
陸橋

下にU字型の道路が見える陸橋。
前述サンパウロ市立劇場のすぐ東側。

Viaduto do CháW

Teatro Municipal de São Paulo

最後の俯瞰カットで写る像は、劇場正面の左側の上にあるもの。

PIANO LESSONS

ここで流れるピアノ曲は、『スローターハウス5』でおなじみ、バッハの「チェンバロ(ピアノ)協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056」第2楽章、または「カンタータ第156番 BWV156」(エンドクレジットではカンタータの方になっています)。

高架の下

高架の下を通る一行。そのままカメラが上がっていきワンカットで高架の上を歩く一行が写されますが、このギミックの意味がいまいち不明。
場所は調査中。

資料

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