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『チャイナ・シンドローム』 The China Syndrome (1979)

チャイナ・シンドローム コレクターズ・エディション [DVD]

作品メモ

NHK BSプレミアムで12月5日(月)22:00~放映。

アメリカでの公開は1979年3月16日。
スリーマイル島原子力発電所事故Wは直後の3月28日でした。

日本での公開は同年9月。
記憶では、警報とともにゴゴゴ~と揺れ動く原発、凍りつく人々、といったディザスター映画風の宣伝を見せられ、そこから先は映画館で、みたいな雰囲気がありました。
乗せられてのこのこ見にいってある意味がっかりした人も結構いたかもしれません(自分もそのひとり)。
実際に見てみればおわかりの通り、サスペンスも盛り込んだ社会派ドラマです。

日々の仕事に疑問を抱くTVキャスター、キンバリー・ウェルズにジェーン・フォンダ。
仕事はこなしていても心は満たされない孤独なキャリア・ウーマンという役柄は実にぴったりでしたが、惜しむらくは、ペットが大きな亀という設定があまり生かされていなかったような。
彼女と一緒に働くカメラマン、リチャード・アダムスにマイケル・ダグラス。この映画では製作も兼ねています。ヒゲもじゃで顎が隠れているため、なかなか本人だとわかりません。
原発の欠陥を知り、悩む技術者ジャック・ゴデルにジャック・レモン。さすがの存在感でした。
ジャックの同僚テッドに、頑固オヤジならこの人ウィフフォード・ブリムリー。
発電所の広報ビル・ギブソンにジェームズ・ハンプトン。

製作総指揮ブルース・ギルバート、監督ジェームズ・プリッジズ。

原発問題もさることながらテレビ業界の問題も描いていて、BSプレミアムの翌日同枠がシドニー・ルメットの『ネットワーク』だったのが、NHKの編制ナイスでした。

音楽

いわゆる劇伴は使われていないのが特徴。
エンドクレジットも一切音楽なし。

オープニングクレジットの空撮でオリジナルの曲が流れますが、これもカーラジオからという設定。
曲はスティーブン・ビショップStephen Bishopの”Somewhere In Between.”
IMDbのtriviaによると、元々はドゥービーブラザーズの”What A Fool Believes” だったのが、プロデューサーの意向で変更になったとのこと。
確かにちょっとそぐわないような。

ロケ地

IMDbでは、

1000 N. Crescent Drive, Hollywood, Los Angeles, California, USA
California Institute of the Arts, Valencia, California, USA
El Segundo, California, USA
Hollywood, Los Angeles, California, USA
Los Angeles, California, USA
Playa del Mar, Los Angeles, California, USA
San Fernando, California, USA (entrance to plant)
Scattergood Power Plant – 12700 Vista del Mar, El Segundo, Los Angeles, California, USA
Sewage Disposal Plant, El Segundo, California, USA (plant exteriors)
Valencia Fairways Housing Development, Valencia, California, USA (Jack Lemmon’s house)

エンドクレジットには記載がありません。

The Worldwide Guide to Movie Locationsの書籍版にも少し載っていますが、あまり役立ちませんでした。
ロケ地を楽しむ映画でもありませんので、ポイントとなりそうなところだけチェックしてみます。

原子力発電所

設定では”The Ventana nuclear power plant”(ヴェンタナ原子力発電所)で、もちろん架空の名前。
実際の撮影は複数の(原発ではない)発電所が使われています。

IMDbのリストにある発電所をチェックしてみますと……

Scattergood Power Plant, 12700 Vista del Mar

リストのすぐ下にある”Sewage Disposal Plant”は、この発電所のすぐ隣(北側)にある処理場です。
おそらく原発周辺の場面はこのあたりで撮られたのではないでしょうか。

このエリアの当時の様子は、例によってこちらのサイトの航空写真で確認できます。

California Coastal Records Project

なお、上部が丸い建屋部分が何ショットか映りますが、おそらくマットペイントでしょう。
担当は『未知との遭遇』『ブレードランナー』マシュー・ユーリシッチ(Matthew Yuricich) W。  

制御室

これはセットでしょう。
IMDbのtriviaによると、当時アメリカで唯一制御室を見学できたTrojan Nuclear Power PlantWをもとにしているとのこと。

たとえばこうした↓画像を見ると、制御室がかなり忠実に再現されているのがわかります。

http://laughingsquid.com/trojan-nuclear-power-plant-demolition/

場所はオレゴン州のこちら。

既に解体されていますが、Google Earthを使うと過去に遡って画像や位置関係を確認できます。

川縁にあることや丸い建屋など映画に登場した原発に共通していますが、マップで位置関係をチェックすると直接外観撮影に使ったと考えるには無理があります。
外観を利用したとしても、あくまでマットペインティングの参考資料としてと考えるのが妥当でしょう。

バー

キンバリーがゴデルたちと合流したところ。

The Worldwide Guide to Movie Locationsのウェブ版に答えが載っていました。

http://www.movie-locations.com/travel/la/travel_coast_3.html

Hinano Cafe
15 Washington Blvd
Venice, CA 90292

画像検索でも、映画と同じ内装を確認できます。
例えば、ゴデルたちが陣取っていたカウンターの角は、こちら↓の右端に写っています。

ttp://www.flickr.com/photos/johnkuo/3496554910/

資料

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