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『ダーケストアワー 消滅』 The Darkest Hour (2011)

ダーケストアワー 消滅 [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『ラスト・デイズ』はNetflixの配信で見たので、続けてNetflixものを取上げていこうと思いましたが、その前に「人気が消えた町」や「誰も居ないショッピングモール」でこちらを思い出したので、ちょっと寄り道。

モスクワにやってきたアメリカの青年2人が、浮遊する謎の発光生物に襲われ次々人が消滅していく市内で、現地の女性らとともにサバイバルしていく姿を描くアメリカ・ロシア合作のSFサスペンス映画です。
モスクワへやってきた理由がネットビジネスを売り込みに来たというのが今日的で、彼らの目に映るのは、20年前までは社会主義国、その後も経済が低迷していたのが嘘のようにいけいけドンドンで盛り上がっているバブリーな街。

以前とりあげた『太陽に灼かれて』(94)『こねこ』(97)などは、ソ連邦解体後に製作本数が激減する状況で、かの地の映画人たちが苦心して生み出した作品でした。
それが21世紀に入りプーチン大統領のもとで経済の建て直しが図られると、映画産業は息を吹き返し、原油価格の上昇とともに(汗)活況を呈していくようなります。
その頃『ナイト・ウォッチ』(04)や『デイ・ウォッチ』(06)といったSFファンタジーのヒット作が生まれますが、監督・製作だったのが『ダーケストアワー 消滅』の製作者ティムール・ベクマンベトフ。
独特の映像表現が評価を得たのか、その後ハリウッドで『ウォンテッド』(08)のメガホンをとっていますし、現在は『ベン・ハー』のリメイクを監督中(主役は3つ前のエントリー『リスボンに誘われて』のアマデウ役ジャック・ヒューストン)。
『ダーケスト~』のような合作映画が出来上がったのも、こうした人物がいたからなのでしょうね。

肝心のSF映画としての出来映えですが、「消滅」をもたらす謎の生命体は目にははっきり見えず、エネルギー体といいますかそんな感じのとらえどころのない生態。
人間を見つけるとジョーズ目線ならぬエイリアン目線でぐ~~っと迫っていき、くるっとすくい上げるように捉えると、犠牲者は文字通り粉々に砕けちり、粉末となって消滅してしまいます。
イギリス製SF映画の『火星人地球大襲撃』 Quatermass and the Pit (1967)でも書きましたが、エリック・フランク・ラッセルの古典SF『超生命ヴァイトン』を映像化したらこんな感じかも。

主役の2人が終始軽~いノリで全然感情移入できないタイプであるのは困ったものですが、ぼーっと見ているといつのまにかヒロインが入れ替わっていたり、ゴーストバスターズみたいな武器を持って立ち向かっていたり、マッドマックスみたいなことをしてたりして油断も隙もありません 😆
そんなこんなで、見ている間は案外楽しんでしまいました。

出演はエミール・ハーシュ、マックス・ミンゲラ、オリヴィア・サールビー、レイチェル・テイラー、ヨエル・キナマン。
製作ティムール・ベクマンベトフ、監督クリス・ゴラック、音楽タイラー・ベイツ。
ロシア語原題は«Фантом»(ファントーム)。

 
 
 

Blu-ray盤には「生存者たち」”Survivors”という短編が収録されていて、各地の生存者を通して後日談が描かれています。
呼びかけの無線が妙になじみのある発音の英語なので、あれ?と思ったら、東京大学の地下にいる日本人という設定でした。
本編はなんちゃってなオチでしたが、この短編によっていちおう落とし前が付けられる形になっていて、これは好印象。
もっとも、それなら本編でちゃんとやってくれればなお良かったのですが。

Darkest Hour "Survivors" from Michael Mintz on Vimeo.

 

日本人役は、女性はともかく男性たちは日本語がネイティブと思いますが、どういった俳優さんたちなのか気になります。

ロケ地

IMDbでは、

Moscow, Russia
Academy of Science Plaza, Moscow, Russia
GUM Department Store, Moscow, Russia
Lenin Library, Moscow, Russia
Lenin Square, Moscow, Russia
Red Square, Kitai-gorod, Tverskoy District, Moscow, Russia

VFXが多用されているとはいえ、実際にモスクワで撮影されています。
以前『ホワイトナイツ/白夜』『レッズ』『ドクトル・ジバゴ』『テレフォン』『レッド・ブル』など、西側の映画会社がいろいろなやり方で「ソ連」を絵にしようと工夫していた作品をチェックしたことがありましたが、彼らの苦労はなんだったのか、まったくもって隔世の感があったりします。

ロケ地を真剣に追究するような映画ではありませんので、以下ざっくりと。

モスクワ

俯瞰

ノーヴィ・アルバート通り(Новый Арбат)Wを西向き。

立体交差出口
スターバックス
マクドナルド
到着したビル

0:07。

夜の赤の広場

0:09。
ナタリーとアンがいたところ。ちょっと合成っぽいですが、きれいな夜景なのでOK。
電飾はストリートビューでも見ることができます。

大通り

0:23。
地下から出て、大通りに現れたところ。ここのVFXはなかなか良くできていました。
CGの質や物量は、『ラスト・デイズ』をやや上回っているでしょうか。

聖堂と橋

0:25。

救世主ハリストス大聖堂W

赤の広場

0:26。

無人の赤の広場は、VFXでうまく表現されていたような……
ダッシュしていったのは、GUM(ГУМ)Wの角から。

パトカーが停まっていたのは、広場の真ん中、レーニン廟の真ん前。
このぽつんと置かれたパトカーはCGや合成ショットではなく、実際に俳優と一緒に広場で撮影しています。

残りの3人が隠れたのはGUMの玄関。

GUM

GUM(ГУМ)W

ここの内部の場面が冒頭書いた『ラスト・デイズ』で連想したところ。
セットやCG、デジタルマットの産物かと思いますが、まあまあのレベルかと。
エンドクレジットの謝辞にGUMも含まれていますので、実際に撮影も行っていることと思います。

米国大使館

0:37。
撮影場所不明。

ホンモノは現在こちら↓

Embassy of the United States in MoscowW

生存者がいたビルに向って

0:47。
4人が大きな建物に向って行くところ。

 
 

位置はこちらなのですが、実は映画のショットは裏焼きとなっています。
本編お持ちの方は、ぜひ上のストリートビューと比較してみてください♪
クルマは(右側通行なのに)左側の車線に停まっていて、ヒロインのひとりも斜めがけしたバッグの位置が他のショットと反対側です。
意図は不明。正しい向きでも問題はないように思えます。
裏焼きを使っているところも『ラスト・デイズ』に似ていますね。

ビルは『モスクワは涙を信じない』でタイトルバックのカメラ位置になっていた、Жилой дом на Котельнической набережной(Kotelnicheskaya Embankment Building)W
入口もここ。といってもVFXの産物でしょうけど。

ネコ

けっこう痛々しい感じになっていますが、エンドクレジットに恒例の”No animals were harmed…”はありませんでした。

夕景

0:51頃。

武装グループ

0:57。
武装グループに助けられたところ。

ロシア科学アカデミーW

この場所で宇宙人相手に派手なドンパチって、かなり盛り上がってしまいました。
ここだけで個人的には十分見る価値があったかも。

図書館

1:00。
武装グループが立てこもっていた建物。
こちらも『モスクワは涙を信じない』で登場していた、ロシア国立図書館(旧レーニン図書館)W

像はドストエフスキー。

地下鉄駅

地上に出たところ

1:07。

潜水艦

1:12。
潜水艦が停泊していたのはこの位置。

停泊している川の川縁には工場が見えますが、SVではすでに撤去されています。

この原子力潜水艦はK-152 ネルパ(Нерпа, Nerpa)W(という設定)。
剛性感というよりは合成感が漂っていましたが、頑張っている方だと思いました。
ラスト、艦が向って行ったのはモスクワ川の上流、そのまま行けばカスピ海。
地下鉄漫才ではありませんが、モスクワ川を行く潜水艦って、どこから入ってきたのでしょうね……

ロケ地マップ

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2015/11/02 新規アップ

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