『橋』 Die Brücke (1959)

橋 [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『史上最大の作戦』(’62)でドイツのパートを担当したベルンハルト・ヴィッキの3年前の監督作。
IMDbのフィルモグラフィーではこの前に1本あるようですがドキュメンタリー映画のようです(ドイツ語版Wikipediaによる)。

1960年のアカデミー賞最優秀外国語映画賞にノミネート、ゴールデングローブ賞最優秀外国映画賞受賞(同時受賞は市川崑監督『鍵』他全5本)。
この作品の高い評価があって、『史上最大の作戦』のメガホンをとることになったのかもしれませんね。
監督作としては、『史上最大の作戦』(62)の後、バーグマンの『訪れ』(64)をはさんでチェック済みの『モリツリ/南太平洋爆破作戦』(65)が続き、先の戦争を描いた作品が多い印象があります。

原点とも言える『橋』は、第二次大戦末期敗色濃厚となったドイツの小さな町で、召集されたばかりの若者たちが橋を死守しようとする姿を描いています。
橋は実は爆破が決まっていて、新兵たちをそこに配属したのは少しでも戦闘から離れて無事でいられるようにとの配慮から。それなのに誤解とアクシデントが重なり、若者たちは守る必要のない橋に陣取り、彼らだけでアメリカ軍の戦車隊と真正面から戦うことになってしまいます。
反戦映画はたいてい重苦しい内容のものとなりますが、まだあどけない彼らが実戦の凄まじさに押しつぶされるかのようにひとりまたひとりと倒れていく姿は、テレビで見た映画の中でもかなりしんどく記憶に残るものがありました。

1945戦場への橋─ナチス武装戦線─ [DVD] 『橋』は2008年にテレビドラマとして同題のリメイクも作られていています。
日本では『1945戦場への橋 ナチス武装戦線』というタイトルでビデオリリース。
内容を考えると、この邦題はどうよ……という感じでしょうか。

ロケ地

IMDbではこれだけです。

Cham, Bavaria, Germany

読みはカームでしょうか。ドイツの南東部、チェコとの国境に近いところですね。
川はレーゲン川。この先西へ50kmほどのレーゲンスブルクでドナウ川に合流します。

最初に爆弾により水柱があがり、タイトルがかぶさるところ。
全編通して主要な舞台となります。
1995年に新しい橋に架け替えられているとのことで、橋の外観は変わっていますが、周囲の建物は今でも同じように並んでいるように見えます。

Florian-Geyer-Brücke (フロリアン・ガイヤー橋)


大きな地図で見る

現在の橋の南側のたもと近く、丸く出ている部分に、フィルムの形をした映画にまつわるプラークが飾られています。

OPの水柱が上がるショットは、カメラ位置は橋の西側でカメラ東向き。

0:17頃、3人で見に来て「なんともないな」と言うショットの背景(東側)はこういった感じ。

(駅からも見える)2つの塔(北側)はこういった感じ。

北側にある間口が広い建物は、現在はミュージアム。

Gruppe SPURW

  • http://www.cham.de/Kultur-Freizeit/Kultur/Galerien-Museen/SPUR-Museum

教会と町

続いてサイレンとともに教会の塔が写りますが、こちらのもの。

Stadtpfarrkirche St. Jakob (Cham)W

ジギの母親(ベルンハルト夫人)が洗濯物を引き取りにきたのはここ。

女手ひとつで息子をを育てていて、息子を愛する気持ちは人一倍。
ボルヒェルト夫人が牛乳を配達していたのは、その北側、教会西側の広場。

代々軍人の地主の家で、夫が戦地にいる今は夫人が外国人労働者を使って切り盛りしているという設定。息子はユルゲンで、ジャケットを着ているいかにも育ちが良さげな子(細かいことですが、キネマ旬報データベースではBarchertとなっていますが、おそらくBorchertが正解)。

話しかけてきたのは同じく夫が応召しているムッツ夫人で、演じたルース(ルート)・ハウスマイスター(Ruth Hausmeister)は『史上最大の作戦』でロンメル夫人役の人。息子はアルバート。同級生のハンスも同居していますが、親戚か知り合いの子が疎開して来ているという設定でしょうか。

その後洗濯物の台車が進むのは、広場北側から延びるこの通り。

爆弾について人々が立ち話していた角を曲がると、地区長の車が停めてあったところ。

地区長は妻を疎開させようとしています。その息子はヴァルター。

学校

川縁にある学校。
場所はおそらく川が大きく蛇行しているあたりですが、今は別の建物が建っているようです。

ここで主人公である若者たちがまとまって登場します。

地区長の息子ヴァルターは妙にコケティッシュな女教師となにやらある雰囲気。教室で一番奥の窓際、紅一点フランツィスカの後ろに座ります。その後母親を見送りに駅まで自転車を飛ばしますが、どうも父親とはうまくいっていない様子も描かれます。
フランツィスカを橋に誘ったのは、クラウス。スエードのようなジャケットを着ています。彼は母親から離れ、こちらに疎開しているようです。
黒っぽいカーディガン姿がアルバート(・ムッツ)。
その彼にネズミを見せたベスト姿の少年は、理髪店の息子カール。教室では一番後ろに座り、授業にも身が入らない様子。
授業前熱心に地図を見ていたきれいなジャケット姿の若者は、地主の息子ユルゲン。さすが身なりも躾もよさそう。
そのユルゲンの隣、窓際に座ったのは洗濯店の息子ジギーで、ユルゲンあたりと比べるとちょっと幼い感じでしょうか。
アルバートの隣に座ったのが、ムッツ家で一緒に暮らしているハンス。

……という男子7人が主人公たち。
『わが青春のマリアンヌ』でも感じましたが、短パンはいた彼らの姿は16歳というわりには年齢不詳のところもあります。
IMDbでそれぞれ生年を調べ当時の年齢を求めてみましたが、出演俳優はみなハイティーンだった模様。

Cham駅。

ヴァルターが駆けていったホームの端↓

背景に2つの塔が見えますが、こちら↓

  • Wikimapia
  • http://www.panoramio.com/photo/20709982

理髪店

0:11。
カールが帰ってきたところ。
どうやら従業員のバルバラに憧れている様子。

ラストのネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
ラスト、アメリカ兵の「幼稚園」という言葉に激しく反応してしまったカール。”Kindergarten”は英語でも同じ単語だったという悲劇……

水辺

0:18。
クラウスとフランツィスカが歩く水辺。

練兵

新兵が鍛えられるところ。
撮影場所は不明。
先生が教え子たちの保護を頼んだフレリヒを演じていたのは、『史上最大の作戦』で情報部マイヤー大尉を演じたハインツ・シュピッツナー(Heinz Spitzner)。
そんなこと出来るものかと一喝したものの、フレリヒも息子が戦死したばかり。結局気配りしたところが泣かせます。

リメイク版の橋(参考)

リメイク版の『1945戦場への橋 ナチス武装戦線』で登場したのは、IMDbのリストにあるラトヴィアのこちら。

Kuldiga(クルディーガ)W, Latvia

By Bernt Rostad via Flickr (CC BY 2.0)

タイトルがかぶさるショットで、町の対岸にも建物がいろいろ写っていますが、VFXの産物。
実際には右の画像のように何もありません。

資料


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