『オー!』 Ho! (1968)

オー! [DVD]

作品メモ

『冒険者たち』(追記)『若草の萌えるころ』と見てきて、ジョアンナ・シムカスをもう1本。
監督はやはりロベール・アンリコで、撮影ジャン・ボフェティ、音楽フランソワ・ド・ルーベと3本みな同じ。
今回は原作まで同じでジョゼ・ジョヴァンニ。”HO!”のタイトル直後にクレジットされています。

お相手、といいますか主役はあくまでジャン=ポール・ベルモンド。
『勝手にしやがれ』で鮮烈に登場、軽快なアクションコメディで2段目に点火して絶好調の60年代後半の作品。

ここで演じているのはレーサーくずれのフランソワ。強盗を繰り返すギャング一味のお抱え運転手で、ネクタイにこだわる粋なタイプ。ボスの死をきっかけに今度は自分主導でお仕事しようとしますが、警察に厳しくマークされ事態はどんどん悪い方へと転がり落ちていく……といった展開。
同じ裏街道でも『ボルサリーノ』のような劇画的なかっこよさはなく、むしろ悲哀のようなものを感じてしまうキャラでしょうか。

ジョアンナ・シムカスはその恋人ベネディット役。モデル、といっても”lui”の表紙を飾ったりしています。フランソワのやっていることを知り、離れたくてもなかなか離れられないそんな間柄。
どうしても添え物のようになってしまうのはしかたありませんが、そうでなくても数少ない出演作のうち、DVD化されていて比較的容易に見ることができる貴重な1本です。

出演は他に、記者ブリアン役にポール・クローシェ。『冒険者たち』ではマヌーをひっかけた飛行クラブのメンバー、『若草の萌えるころ』では医師役と、3連続出演。

ロケ地

IMDbには記載がありません。
あとは映像とにらめっこ。
まあご覧になった方も少ないでしょうから、ざっくりとチェックしていきます。

銀行その1

運転席で待機する街角。
そばの銀行が一味の目的。
背景の看板などから場所を見つけました。パリ市内のこちら。


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このSVの左側に見える建物、つまり交差点の南東側で、Rue du Quatre-Septembleに面した建物が銀行という設定。
SVをぐるりと回すと、一連のショットがこの場所で撮られていることがわかります。

逃走に使ったお洒落なクルマは、IMCDbによれば Citroën ID 19 Ambulance で、救急車。
その他登場するクルマは例によってIMCDbに完全な資料があります。

http://imcdb.org/movie_63072-Ho!.html

銀行その2

懲りずに狙った2番目の銀行。
場所は調査中。

※2012/04/29追記
コメント欄でmilouさんから情報いただきました。
“BANK FOR BUILDING”なるこの銀行、かつてこのあたりに実在していたとのこと。

すっかり再開発されているので確認しようがありませんが、ご参考までに(コメント欄もごらんください)。

銃が暴発したところ

キネマ旬報の「ストーリー」では「ボスが何者かによって射殺された」とありますが、クルマから降りた際に持っていた銃が落ちて暴発したということですね。
場所は調査中。

自動車泥棒

長い高架線の脇で様子をうかがうフランソワ。
彼が立っていたのはこのあたり。


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新聞を突っ込んだゴミ箱も、形こそ変わっていますが同じ街灯にくっついています。
SVをぐるりと回すと映画とは店名が変わっていますがやはりカフェがあり、自動車を盗もうとしたのはその前。といいますかちょうどSVのカメラ位置ですね。
高架線はメトロ6号線で、Glacière駅Wのすぐ東側。なのでお店の名前がCAFE GLACIEREだったのでしょう。

面通し

救急車やタバコを用意しての面通しはセーヌ河畔北側、ポンヌフの東側。 ……ではなくて、シテ島のこの位置。
(コメント欄でmilouさんからご指摘いただきました。こちらの間違いです。以下のマップは修正済み)

出所するところ

ラ・サンテ監獄(Prison de la Santé)W という設定ですが、撮影もホンモノです。カメラ南向き。

さすがに空撮はボカしてありますね。

12/5/24追記

milouさんから画像提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)

©1978 milou アルバム「パリ」から
©1993 milou アルバム「パリ」から
12/11/4追記

milouさんから画像追加提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)

正門。
並んでいる人たちは面会人と思われますので拡大画像は無し。

©milou
©milou アルバム「パリ」から

こちらは壁面の掲示。
内部で射殺された18人のレジスタンスの名前、とのことです。

サーキット

『冒険者たち』と同じく、モンレリー(Montlhéry)W

ロケ地マップ

『オー!』他ジョアンナ・シムカス出演作、パリ中心部


より大きな地図で ジョアンナ・シムカス出演作 を表示

資料


『オー!』 Ho! (1968)” への7件のコメント

  1. まず面通しの場所ですが
    “セーヌ河畔北側、ポンヌフの東側”では不正確、というか間違いですね。
    書いてあるSVはポンヌフの上から東を見た景色で奥に見える橋は
    “N”のマークのあるPont au change です。

    車のバックに見える橋こそポンヌフ、つまりポン・ヌフは2つ(?)あるので
    手前の左岸からシテ島にかかる“ポンヌフの東側”の Quai des Orfevres
    まさに“パリ警視庁河岸”で留置場のすぐ裏なのでしょう。

    2番目の銀行はBank For Building という変な名前ですが調べると実在します。
    ただかってあった場所 174 Avenue France(Rue Raymond Alon との交差点)
    は再開発甚だしいベルシー地区なので風景はまったく違い似たようなビルはあるとはいえ
    断定することは出来ません。
    しかし映画でも古そうな(?)高層ビル群と伝統的なアパルトマンが近接し現在のパリ市内で
    そのような場所はやはりベルシーからPlace d’Italie までのチャイナタウン付近なので
    多分間違いないでしょう。

    ちなみにオランはサンテから脱獄しAlsene Lupin + Al Capone と有名になるが
    言うまでもなく、あの脱獄方法は本家ルパンの第3作「ルパンの脱獄」で使われたからで、
    孫(?)のルパン三世も同じ方法で脱獄します。
    僕は77年と93年にサンテ刑務所を訪問しました。もちろん中には入れませんが
    最初の時は当時正門前にあったカフェ La Sante で面会者の行列を眺めました。

  2. あ、間違えていました! 
    milouさん、ご指摘ありがとうございます。直しましたが、これで大丈夫でしょうか?
    ”BANK FOR BUILDING”って実在したのですね。その名前ではいくらなんでもと思って調べもしませんでした。
    情報いつも多謝です。
    そういえば、ルパン三世ってベルモンドがモデルでしたっけ?

  3. またしても映画に関係ない話だが
    ちょっと気づいた僕だけ(?)面白いこと。
    車を盗む場所の街灯、ゴミ箱の上に(Boulevard Auguste Blanqui)
    72番地の表示が見える。
    現在の店を望むSVでも同じ街灯に72の表示が見える。

    そして現 Havane Cafe の右隣の店 Blanchisserie とPoint Fort の間に
    70番地の表示がある。したがって本来ならCafe の番地は72になるはずだが
    実際は70bis で72番地は街灯の表示にしか残っていない。

    番地は原則1つのビルに1つだが、実はビルに対してではなく入り口に
    対して付けられるので1階が商店の場合1つのビルでも複数の番地が付く。
    しかし店が分割されたりして入り口が増えると新番地は付けられないので
    bis、ter、quater と続く。

    つまりさらに昔は角に Cafe Glacier もなくカフェのあるビルの入り口はカフェの左側
    Rue Edmond Condinet の7番地だった。
    角にカフェが出来てBd.Auguste Blanqui 側に入り口を作ったので
    70bis になったが反対側なら7 bis になっただろう。

    さらに道を進むと次の建物はル・モンドだが番地は80。
    やはり建物は残っていないがPaul-Gervais との交差点が今も74なので
    少なくとも 76,78,80 の3つのビルを壊してル・モンド1つになった。
    複数のビルを壊して1つのビルにする場合の番地の規則は知らないので
    推測だが、さらに先の番地は86番地らしいので82,84 もル・モンドになり
    76~84の5つの真ん中80が新番地になったのではないかと思う。

    いずれにしろサンテ刑務所もすぐ側だし この辺りの古いモダンなビル群は
    銃の暴発辺りと似ているしメトロのGlacier はPlace Italie から2つめ、
    13区での撮影が多いようです。
    ちなみに Glacier の次が『シャレード』で乗ったはずのSt.Jaques 駅で
    近くに巨大ホテル PLM Hotel St.Jaques (現Marriott)がありました。

  4. 訂正:橋の名前

    “N”のマークのあるPont au change と書いてしまったが
    ポン・ヌフと違い中之島を2つの橋で結ぶので、ほぼ同じデザインでNのマークもあるが
    北側が Pont au change 南側は Pont Saint Michel なので訂正します。

  5. 間違いじゃなかった??
    僕の文章は一番最初に記載されたSVに対してだから
    Pont au change で正解ですね。念のため再訂正。

  6. このブログに関わりだして映画を見ながら
    今まで以上に、場所が特定できそうな細部に
    注意するようになった。

    今日ゴダールの『あたりまえの映画』を見て
    唯一分かったのが、Rue de la Sante で
    まさに上の写真と同じ位置、刑務所前に
    機動隊が整列、遠くに高架メトロが見えた。
    Glaciere と Saint-Jacques の間ですね。

  7. 『あたりまえの映画』はまだ見たことないです。来月WOWOWで放送するみたいなので、チェックしたいですね。
    ゴダールは『はなればなれに』等下書き状態で溜まっているのが何本かありますので、そのうちアップしてみます。

    > 今まで以上に、場所が特定できそうな細部に注意するようになった。

    おっしゃる通りですね。もう画面の隅っこばかり見てしまっています(汗)。

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