『昨日にさようなら』 Say Hello to Yesterday (1971)

プレミアムプライス版 昨日にさようなら [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『個人教授』に続いて、もう一本寄り道。
この後またフランソワーズ・アルヌール出演作に戻る予定です。

『個人教授』でルノー・ヴェルレーがブレイクしたのと同じ頃、『ロミオとジュリエット』で人気を博していたのがレナード・ホワイティング。
その1971年の作品です。

71年と言いますと、一方のルノー・ヴェルレーは浅丘ルリ子さんとの共演作『愛ふたたび』が公開された年。『個人教授』の後『さらば夏の日』や『哀愁のパリ』といった同じような路線でやってきたものの、そろそろ胸突き八丁にさしかかった頃でしょうか。
一方レナード・ホワイティングはその後はこれといった作品がないまま。日本では『ロミオとジュリエット』以来の公開作。
昨年なぜかDVD化され、キャッチが《「ロミオとジュリエット」のL・ホワイティング最後の映画 ついに初パッケージ化!》となっていました。

内容ですが、やはり年上の女性もので、役名はただの”Boy”。
お相手の”Woman”は、ジーン・シモンズ。実年齢では20歳ほど異なる歳の差カップルです。
メロとして成り立つギリギリでしょうか。このあとは一気に『少年は虹を渡る』まで行きそう 😉

この”Boy”、仕事はなくロンドンでブラブラしている様子。
22歳の誕生日に郊外の実家に戻ってきて、お小遣いをもらったりしています。父親は工場で地道に働いているのに……
ロンドンへ戻る列車で”Woman”を見初めます。彼女は中の上ぐらいの暮らしぶり。夫とちょっとした諍いがあって、鬱憤晴らしかロンドンへショッピングに向うところ。
その”Woman”にしつこくつきまといはじめた”Boy”。今ならストーカーや変質者として通報されても不思議はない行為を繰り返します。
『約束』のショーケンが極端にデフォルメされたような感じといいますか、どうもエキセントリックで非常識な行動ばかり目立ってしまい、イラっとくる人も多そう。
とはいえ普通の青年が普通のことばかりしていては映画にならないわけでして、そのあたりのさじ加減が難しいものだと思ったりもします。
その後は次第に”Woman”が心を開き、むにょむにょとなるものの、結局むにょむにょとなるという、予想通りの展開。
お話に目新しさはありませんが、ラストの歌は、ほんのいっとき光輝きやがては消え去る運命にあるアイドルたちへ向けられたようにも受け取れ、意味深なものも感じてしまいました。

明日はすぐにやってくる……
昨日に”さようなら”を言うために
歩みを止めてはいけない
見回してごらん
世界は自由なんだ

キャストは他に、”Woman”の母親役にイヴリン・メイ。
監督アルヴィン・ラコフ、撮影ジェフリー・アンスワース、音楽リズ・オルトラーニ。

 
 

ロケ地

IMDbでは、

Twickenham Film Studios, St Margarets, Twickenham, Middlesex, England, UK (studio)
Berwick Street, Soho, London, England, UK
Chelsea Common, Cale Street, Chelsea, London, England, UK
Holland Park Adventure Playground, Holland Park, Kensington, London, England, UK
Kensington High Street, Kensington, London, England, UK
Kings Road, Chelsea, London, England, UK
Knightsbridge, London, England, UK
Marylebone Road, Marylebone, London, England, UK
Slough, Berkshire, England, UK
St Mary Abbots Hospital – demolished, Marloes Road, Kensington, London, England, UK (London General Hospital)
The Iris Garden, Holland Park, Kensington, London, England, UK
The London Planetarium, Marylebone Road, Marylebone, London, England, UK
Victoria Station, Westminster, London, England, UK
Walker’s Court, Berwick Street, Soho, London, England, UK

と昔の映画にしては結構充実した情報が記載されています。
これをもとに後は例によって画面とにらめっこでチェック。
お話はともかく、ロケ地的には当時のロンドンや郊外の街の雰囲気が楽しめる一本だと思います。

実家

父親と歩いていると、3基の冷却塔が見える場所に出ます。
それとIMDbのリストを照合すると、該当するのはこちら。

Slough(スラウ)W, Berkshire, England, UK

By Sloughmani via Wikimedia Commons
(CC BY 3.0)

現在冷却塔は2基しかないようですが、1基は解体されたものと思われます。

冷却塔と煙突の位置関係から、各ショットも判明しました。

父親と曲がる角はこちら。

曲がった後の冷却塔が見える眺めはこういった感じ。

映画ではこのアングルになったとき日差しは右側(西側)から。
設定は朝ですが、撮影は夕方だったことになります。

Production Designerのクレジットが出る時のあおりのカメラ位置はこちら。

こんな風に街の中に冷却塔が立っていると、『ひまわり』を連想します。
当サイトの『ひまわり』の記事は、「ひまわり 映画 原発」で検索して来てくださる方が多いのですが、やはりこの形の冷却塔はどうしても原発だと思い込みやすいのかもしれませんね。
スリーマイルの事故か、あるいは『チャイナ・シンドローム』で記憶に刷り込まれてしまったのでしょうか。

乗った駅

0:05。
WomanとBoyが乗った駅。
Cobham(コブハム)とありますが架空の駅名。
撮影場所不明。

着いた駅

Victoria Station, Westminster, London, England, UK

外観がど~んと写ります。ラストもここ。

©1980 milou アルバム「ロンドンの駅」から

こちらはmilouさんに提供していただいた画像。
1980年12月撮影とのことです。
(いつもありがとうございます♪)

映画でも駅前に2階建てバスが集まっていますが、この画像のような屋根はついていません。

©1980 milou アルバム「ロンドンの駅」から

こちらはその左側の部分。
2枚並べるとパノラマになるかもしれませんね。

バーゲンセールの後

横断しながらWomanに声をかけるところ。
IMDbのリストにあるKings Road。
具体的にはこちら。

道路向って右側に大きな施設が見えますが、”REGIMENTAL HEADQUARTERS ROYAL SIGNALS”という標示が見えます。
現在はなくなっていますが、角地の建物は現存。

その後入ったお店はこちら。

追いかけっこ

三角地帯をぐるぐるするところなど、調査中。

公園

0:25。
バスから降りて入っていったところ。

Holland Park(ホランド・パーク)W

入口はここ。

噴水のある庭園はここ。
IMDbのリストに拠れば、”The Iris Garden”というようですね。

By Herry Lawford via Flickr
(CC BY 2.0)

噴水部分はモダンな形に作り替えられていますね。

プラネタリウム

The London Planetarium(ロンドン・プラネタリウム)W, Marylebone Road, Marylebone, London, England, UK

上のSVで180°振り返るとWomanがタクシーに乗った場所。

高層ビルのレストラン

テムズ川が一眸できるところ。
おそらくこちら。

Millbank TowerW

食べ歩き

フィッシュ&チップスを食べながら歩く通り。
場所不明。
このおまわりさんには和みました 🙂

母親の住まい

「ロンドン総合病院」

0:51。
病院はすでになくなっているようです。

St Mary Abbots Hospital – demolished, Marloes Road, Kensington, London, England, UK (London General Hospital)

タクシーに乗るのを止めところ。

結局乗らなかったバス乗り場

資料


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