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『恐怖の足跡』 Carnival of Souls (1962)

恐怖の足跡 新訳版 [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『愛人関係』は心に問題を抱えたヒロインのお話で、彼女が人気のない冬の海岸をひとり歩く場面が印象的でしたが、こちらの映画も事故をきっかけにヒロインが精神的によろしくない状態となっていく展開で、閉鎖された水辺の遊興施設が効果的に登場しています。
……と無理矢理つなげてしまいましたが、ぶっちゃけサスペンスというよりはホラー。
アメリカのホラー映画でありがちな過剰なスプラッター描写はないのでその点は安心?できますが、代わりにヒロインの身の回りで不気味な出来事がじわじわ進行し、見る者をひんやりとした世界へと誘います。
Wikipediaなどで「カルト映画」とされていますが、なんとなくわかるような。

英語版Wikipediaによると、この映画は著作権表記の欠落でパブリックドメインとなっているとのこと。
本編はネットのあちこちに落ちていますので、日本語字幕にこだわらない方はそういったものでどうぞ。
たとえばWikimedia CommonsやInternet Archiveでしたら、こちら↓

Internet Archiveの方を埋め込んでおきます。 

 

こちら↓は予告編

 
 
 

こんな↑感じで車ごと橋から川へ転落してしまったものの、なんとか助かったヒロイン、メアリーにキャンディス・ヒリゴス(Candace Hilligoss)。
彼女を含め出演俳優さんたちはちょっとなじみのない人ばかり。

監督・製作ハーク・ハーヴェイ。IMDbを見る限り、他に監督作はShortやらDocumentaryやらで、劇場用長編はこれ一本だけでしょうか。
ヒロインをおびえさせる男”The Man”役でご本人が登場しているようですが、顔知らないので確かめようがありません。
とある有名作品のお役に立っていると言われがちなこの映画、監督自身が出演している点も似ているかも??

音楽ジーン・ムーア、撮影モーリス・プラザー。

Carnival Of Souls (1962 Film)

モノクロの映像にパイプオルガンのBGMが雰囲気ありすぎとなっていますが、なんとサントラも出ていました。

恐怖の足跡 ビギニング [DVD] 『恐怖の足跡ビギニング』は邦題類似品ですが別物。

この手のお話(汗)

関連作品について書いてしまうと、相互にネタバレとなってしまいます。
ネタバレ大丈夫な方だけ、以下ご覧ください。

ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。

すぐに『シックス・センス』やら『ジェイコブズ・ラダー』やら思い浮かびますし、当サイトで取り上げ済みの映画では、他に『ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー』などもモロそれですね。

この手のお話の基本形は、アンブローズ・ビアスの短編小説、「アウル・クリーク橋のできごと」An Occurrence at Owl Creek BridgeWかと思われます。

ビアス短篇集 (岩波文庫) アウルクリーク橋の出来事/豹の眼 (光文社古典新訳文庫)

この小説、まだ小学生だか中学生だかの時に、子供向けの新聞で読み切り小説として読んだことがありました。
リライトしているとはいえこんな内容を子供向けの新聞に載せるというのがまたなかなかのセンスでありますが、おかげでこちらはほぼトラウマに近いインパクトを受たものです。

英語版WikipediaのAdaptationsWを見ると、映像化作品や派生商品??のリストがずらりと並んでいてビックリします。
こちら↓のロベール・アンリコ監督による短編映画もそのひとつ。

ふくろうの河 [DVD]

『ふくろうの河』Le Riviere Du Hibou (1962) (IMDb allcinema Wikipedia

アメリカでは「トワイライト・ゾーン」(邦題「ミステリーゾーン」)第5シーズンで放送され、64年の米アカデミー賞受賞。
日本では放送されなかったエピソードの一つのようで、日本盤DVDにも収録されていません。

 
 
 

Wikipediaのリストにはありませんが、こちら↓のPV(Babybird “Unloveable”)も同じストーリー。
監督はジョニー・デップ♪

 
 
 

ロケ地

IMDbでは

Saltair Amusement Park, near, Magna, Utah, USA (carnival)
Centron Studios – 1621 W 9th Street, Lawrence, Kansas, USA (studio) (interiors)
Kaw Bridge, Lawrence, Kansas, USA (car crash – opening sequence)
Lecompton, Kansas, USA (car crashing off bridge scene)
Salt Lake City, Utah, USA
Saltair Pavilion, near, Magna, Utah, USA (carnival)
Lawrence, Kansas, USA (Reuter Pipe Organ company)
Great Salt Lake, Utah, USA

あとは例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

Kaw Bridge, Lawrence, Kansas, USA (car crash – opening sequence)
Lecompton, Kansas, USA (car crashing off bridge scene)

こちらの橋でしょうか。

Lecompton Road BridgeW

すでに架け替えられていますが、こちら↓で昔の姿を見ることができます(30 1899 BRIDGE)。

http://www.lecomptonkansas.com/historic-walking-tour/

2台のクルマが突っ込んでいったのは、南側から。

こういった↓橋からの眺めが、映画でもありました。

パイプオルガンの会社

Lawrence, Kansas, USA (Reuter Pipe Organ company)

ホンモノの職人さんたちが登場しているように見えます。

当時とは場所が違うかもしれませんが、参考までに現在はこちら。

水辺の施設

恥ずかしながら、ここずっと海辺だと思っていました。
実際にはグレートソルト湖で、そのほとりに建つこちら↓

Saltair PavilionW, near, Magna, Utah, USA (carnival)

英語版Wikipediaで同施設の歴史をチェックすると、映画に登場したのは1959年に閉鎖されたSaltiar IIのようです。
現存するのは1981年にできたSaltair III。

水飲み場

男におびえた公園の水飲み場(上掲本編動画40分過ぎ)。
IMDbのリストにあるソルトレイクシティだとすると、こちらの公園の角のように思えます。
残念ながら、水飲み場は見当たりません。

ラスト近く、ヒロインが逃げ込んだところ(上掲本編動画1時間11分頃)。

Salt Lake City Union Pacific Depot(Salt Lake City Union Pacific Railroad Station)

鉄道駅としての使命は1986年に終えているようです。

 
 

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