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『マルタの鷹』 The Maltese Falcon (1941)

マルタの鷹 [DVD]

作品メモ

『カサブランカ』Wをとりあげたので、ハンフリー・ボガートの代表作をもう一本。『カサブランカ』の前年の作品で、高価な像をめぐる事件に巻き込まれた私立探偵の活躍を描きます。

マルチーズ (2015年大判カレンダー) ([カレンダー]) 「マルタ」と読むとカッコイイですが、原題通り「マルチーズ」と読むととたんに可愛らしくなったりしますね。
どちらももちろんマルタ島由来で、「マルタの鷹」はマルタ騎士団にからんだお宝(という設定)です。

原作は、ダシール・ハメット(1930年)。
『マルタの鷹』はサム・スペード、前年の『血の収穫』はコンチネンタル・オプで、どちらもハードボイルド(小説)史上に名を残す有名キャラ。

「ハードボイルド」の定義はいろいろあるかと思いますが、「感情描写を排した第三者的視線の描写」とすると、映画はカメラが外観をとらえるだけですから、もともとしっかりハードボイルドなメディアといえます。
でもたいていの映画やドラマは、情緒たっぷりで感情表現だだ漏れに見えるのは、編集やらモンタージュやら音楽のせいでしょうか??

一方で「ハードボイルド」と聞くと、「トレンチコート、ソフト帽、酒、煙草、ピストル」的イメージもありますね。これはやはりハンフリー・ボガートに一因ありそう。

サンフランシスコの私立探偵サム・スペードにそのハンフリー・ボガート。少なくともこの映画では『カサブランカ』のようなコートは着ていません。
事務所に依頼に来た美女ブリジッド・オショーネシーにメアリー・アスター。
続いて事務所にやってきた男ジョエル・カイロに『カサブランカ』のウーガーテ役ペーター・ローレ。この俳優さん、「ミスター・モト」なんですね。全然日本人には見えませんが……
お宝を狙っている肥った男ガットマン(グトマン)に、やはり『カサブランカ』のフェラーリ役シドニー・グリーンストリート。

ジョン・ヒューストンの初監督作品。脚本もジョン・ヒューストン。
撮影アーサー・エディソン、音楽アドルフ・ドイッチ。

 
 

 

ロケ地

IMDbでは、

Bush Street, San Francisco, California, USA (death of Miles Archer)
Ferry Building, San Francisco, California, USA
Golden Gate Bridge, San Francisco, California, USA
Stage 14, Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA
Stage 17, Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA
Stage 6, Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA
Stage 9, Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA

原作では現地の地名や施設名がぽんぽん出てきますが、映画はほとんどスタジオ収録のように見えます。

OP

ゴールデンゲートブリッジやフェリー乗り場の時計塔でサンフランシスコであることを大いにアピール。

マイルズの殺害現場

原作では、「ブッシュ・ストリートがストックトン・ストリートの上を横切るところで、スペードはハイヤーを降りた」。
映画でも「ブッシュ通り(BUSH ST.)」の標識が写ります。
IMDbのリストには通りの名前がありますが、スタジオ撮りのようにも見えます。

原作の「上を横切る」というのは、現場を見ると意味がわかります。

アーチャーが倒れていたのは、こちらのバリット横丁(小路)。
Wikimapiaではしっかり”Burritt Street Alley: Maltese Falcon locale”とマークされています。

ストリートビューでチェックすると入口右側の壁になにやら銘板が見えますが、なんとこのフィクションの中の殺人事件を記念?した内容。
すんごいネタばれとなっているので、映像をご覧になるときはご注意を……

小説や映画を知らない人がわざわざここへ来ることはないでしょうから、ネタバレは大丈夫でしょうね。
マップでは特定しませんが、この近くにダシール・ハメットの住まいがありました。

マルタ島

マルタ島は映画の設定上の場所でも撮影地でもなんでもありませんが、『カサブランカ』同様現地では「なんちゃって」がちらほらしているようです。

milouさんから以前提供していただいたこの画像、やっと使う機会がやってきました。
マルタの鷹のレプリカを売っているマルタ島のお店。 😀

「関係ないのに小説に出てくるバーまでありました。」とコメント付けてくださっています。

資料

更新履歴

  • 2015/09/06 SV更新
  • 2014/11/16 新規アップ

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