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『呪われた者たち』 These are the Damned (1963)

作品メモ

と見てきましたが、damnedつながり(?)でもう一本。
原題はIMDbでは”The Damned”となっていますが、放送版では”These are THE DAMNED”となっていましたので、エントリーのタイトルもそれにならっています。

昨年(2012年)WOWOWのジョセフ・ロージー監督特集で初めて鑑賞。
日本では劇場未公開&ビデオ化もなし……というわけで、貴重な放映でした。

イギリスのとある海辺の街。
チンピラに追われた男女が逃げ込んだのは政府の極秘施設。
そこで2人は、厳重な監視の下、外界と隔離されて集団生活を送っている子供たちと出会います。
皆同じ週に産まれ、両親を知らないという共通点を持ち、モニタを通して教育を受けている9人の子供たち。
外見は特に変わりはありませんが、驚いたことに肌に触れるとまるで死人のように冷たいのです。
2人は、子供たちを解放しようとするのですが……
……といったお話。

最初は若者たちの無軌道な姿を描いた青春もの?みたいなつかみですが、後半B級SFホラーのような怪しい雰囲気に。
ちぐはぐな展開に大丈夫かと不安になりますが、最後に明らかになる真相はSFそのもの。
壮大ともいえるそのビジョンは『続・光る眼/宇宙空間の恐怖』に通じるものがありますし、思いっきり冷戦が影を落としている点でも共通しているような気がします。
『続・光る眼~』は翌年ですが、こうなると内容といいタイトルといい、かぶっていると見なされても仕方ないような……

既視感と言えば、オヤジ狩りは『時計じかけのオレンジ』(1971)、女性ライダーを正面から撮ったカットは『あの胸にもういちど』(1968)など、あれこれ連想できて楽しめまます。
もちろんこちらが先。

キャスト&スタッフ

出演は……
美女に鼻の下を伸ばしたばかりにオヤジ狩りにあってしまった中年アメリカ人サイモンにマクドナルド・ケリー。
サイモンに声をかけてきた美女ジョーンにシャーリー・アン・フィールド。
ジョーンの兄でギャング団を引き連れるキングにオリヴァー・リード。例の目力の強い怪演で映画を盛り上げます。
秘密の計画を遂行中の政府のお偉いさんバーナードにアレクサンダー・ノックス。
バーナードの恋人、絶壁の上にアトリエをかまえる彫刻家フレヤにヴィヴェカ・リンドフォース。

原作はH・L・ローレンス(H.L. Lawrence)の”The Children of Light”。
翻訳は出ていないようです。といいますか、H.L. Lawrenceって誰??
脚本エヴァン・ジョーンズ。
撮影アーサー・グラント、音楽ジェームズ・バーナード……というわけで製作はハマーフィルム。
ドラキュラやフランケンシュタイン系というよりは、どちらかと言えば『火星人地球大襲撃人』(1967)等のSFホラー系でしょうか。
大人の雰囲気もたっぷり盛り込まれているので、もし子供時代にテレビでこれを見たら、ドキドキものだったのではないかと想像するのでした。

こちらは予告編。

 
 
「ぶらっくれざーぶらっくれざーすまっしゅ!すまっしゅ!すまっしゅ!」のテーマ曲は繰り返し流れますが、この映画のオリジナルなのでしょうか?
「きる!きる!きる!」のくだりなんて、ラス・メイヤーの『ファスター・プシィキャット!キル!キル!』(1965)のテーマ曲としても通じるような(汗)。

ロケ地

IMDbでは、

Bray Studios, Down Place, Oakley Green, Berkshire, England, UK (studio)
Portland Bill, Dorset, England, UK
Weymouth, Dorset, England, UK

海を臨む崖

冒頭ゆったりしたカメラワークで捉えた崖からのショット。
フレイアの住まい兼アトリエの前の空き地と思われます。

Isle of Portland BillWの東側。
具体的な場所は後述。

海岸の時計塔

海岸はIMDbのリストにあるウェイマス(Weymouth)W
時計塔はその真ん中。

Weymouth

この海岸は『小さな恋のメロディ』で、学校をエスケープした2人が遊びにきたところです。
先ほど確認したところ、時計塔はわかりませんでしたが、下記ジョージ3世の像は、2人が水着に着替えたカットで背景に見えていました。
1971年の映画なので、『呪われた者たち』の方が8年昔ということになります。

一角獣とジョージ3世

チンピラたちがたむろっていたユニコーンとジョージ3世の像は、時計塔の南側、数ブロック離れたここ。

Weymouth

カフェ

SVではなくなっていますが、Bing の概観図では建物の前に張り出すようにお店が設けられているのが見えます。

浜辺

若者たちがバイクを停めて遊んでいたところ。

その後バイクで駆け上がる坂はこちら。

サイモンのヨット

サイモンのヨットが停泊していたところ

Weymouth Harbour

背景に見えていた”ROYAL OAK INN”は、今はこんな色。

その後ジョーンがヨットに飛び乗ったのはこのあたり。

施設からの眺め

0:25頃。
カメラが引いていって室内に入っていくショットは、Portland島の西側のこのあたり。カメラ北向き。

最後、カメラが窓の外に出て行くショットは、Portland島の東側のこのあたり。カメラ北東向き。

次のシーンのアトリエや家が画面奥に写っています。

フレヤの住まい

断崖と一体化しているような住まい兼アトリエ。
Portland島東側、上記カメラ位置から200mほと北東。
衛星画像やこの近辺のPanoramioの画像でも確認できます。

側にある「お偉方の家」↓

どちらもプライベートな物件かもしれませんので座標は示しませんが、万が一現地にいらした時には、くれぐれもご配慮を。

教会

St George’s Church

キングの車が落ちるところ。
場所としてはこのあたり↓で、現在は周囲が埋め立てられているようです。

資料

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