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『鬼火』 Le feu follet (1963)

鬼火 [DVD] (HDリマスター版)

作品メモ

ひとつ前のエントリー『恋人たち』と同じくルイ・マル監督作。
死に取り憑かれた男の最後の二日間を描きます。
どうやら仲間内では知られた人物だったようですが、近年はアルコール中毒の治療を受けていた様子。
病院を出てからかつての友人のもとを次々訪れ様々な人生模様と接しますが、結局は誰とも心のつながりを持てません。
力なく去って行く彼の後ろ姿に、友人たちは死の影を感じとるのでした。

……と書いているだけで生きる意欲が低下する陰の極のような映画。体調良くないときに見るのはお勧めできないかも。
そんな困った主人公アラン・ルロワを演じたのはモーリス・ロネ。
他のキャストは「ロケ地」の各場面でメモしました。
監督脚本ルイ・マル。撮影ギスラン・クロケ。

使用曲

音楽はエリック・サティのピアノ曲。
『恋人たち』同様、既存の音楽が効果的に使われています。
順に並べますと……

  • ベッドでの会話 「ジムノペティ 第3番」
  • ホテルを出る時 「グノシエンヌ 第1番」
  • 療養所に着いたとき 「ジムノペティ 第2番」
  • 療養所の裏庭 「グノシエンヌ 第2番」
  • 部屋でのひとりごと 「グノシエンヌ 第3番」
  • 医師との会話の後 「ジムノペティ 第3番」
  • デュブールと会って 「グノシエンヌ 第2番」
  • エヴァの住まいの前 「ジムノペティ 第1番」
  • カフェでひとり 「グノシエンヌ 第1番」
  • ソランジェたちの家を出て 「ジムノペティ 第1番」

最初に観たのは確か池袋文芸座のオールナイトでしたが、けだるいピアノにあっという間に眠りの海に沈没しました。
昔見た映画はどこで見たのかなどすっかり忘れているのに、これは眠ってしまったことで覚えているという変な映画となっています。

ロケ地

IMDbでは、

Café de Flore – 172 boulevard Saint-Germain, Paris 6, Paris, France
Hotel du Quai Voltaire, Quai Voltaire, Paris 7, Paris, France
Jardin du Luxembourg, Paris 6, Paris, France (park)
Théâtre de l’Odéon, Paris 6, Paris, France (exteriors: Leroy and Dubourg strolling)
Versailles, Yvelines, France
87 Boulevard de la Reine, Versailles, Yvelines, France (exteriors: rehabilitation clinic)
Hôtel du Quai Voltaire, Paris, France
Paris, France
Place Saint-Sulpice, Paris 6, Paris, France (Leroy and Dubourg strolling)
Rue de Buci, Paris 6, Paris, France (street market)
Rue de Vaugirard, Paris 6, Paris, France

と『恋人たち』同様けっこう細かく記載されています。
例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしました。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

冒頭のホテル

リディア(Léna Skerla)と過ごしたところ。
出たところは広い駐車場のようになっています。
場所不明。

カフェ

リディアと朝食をとったところ。
場所不明。

タクシー移動

0:12
この通りは粘ればわかるかも。

療養所

0:14
表札には、«MAISON DE SANTE du DOCTEUR LA BARBINAIS (ラ・バルビネ医師療養所)»とあります。

外観はこちら。
これはIMDbのリストがなければ到底わかりませんでした。

87 Boulevard de la Reine, Versailles, Yvelines, France (exteriors: rehabilitation clinic)

プライベートな物件かもしれませんが、はっきり住所も書かれているのでマップで示してしまいますと、こちら。

翌日のテラスの場面はこちらですが、館内もこちらで撮影されたかどうかは不明。
0:27頃の部屋からの眺めは別の場所のように見えます。

タバコを買った店

直前に横断したのはこちらの交差点。北から南へ。

店の場所は交差点とは別と思えます。場所不明。

背景にクルマのロゴが«Lafa?ettes»と見えていますが、ギャラリー・ラファイエットでしょうか??

IMCDbでは当然のように車種がチェックされていました。
1959年式 Citroën U23 HZ とのこと。

この他登場するクルマについては、こちらをどうぞ。

※15/10/20追記
参考画像となりますが、milouさんからギャラリー・ラファイエットの画像を提供していただきました。

撮影は1981年12月とのことです。

パリまでの道

特徴的な5棟の集合住宅がゆっくり写されます。
場所はこちら↓でクルマは南に向っていますが、ヴェルサイユからパリへのルートかと言えば微妙。

パリ到着

大通りや銀行など。
場所不明。

※15/10/18追記
コメント欄でmilouさんから情報を寄せていただきました。
大通りはシャンゼリゼで、このあたり。

ホテル

0:45
「ヴォルテール河岸ホテル」と出ますが、そのままの名前で実在します。

Hotel du Quai Voltaire [19 quai Voltaire, 75007 Paris]

左側のバーは、ちょっと入ってみたい気がしますね 🙂

こちらはmilouさんから提供していただいた画像です。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は1979年1月とのことです。

デュブール

タクシーでやってきたところ

デュブール(Bernard Noël)とファニー(Ursula Kubler)の住まい。
場所不明。

シルヴィー・ヴァルタンが好きだという子供も、今ではもう60歳ぐらいでしょうか 😉

公園

 
 

 
Jardin du Luxembourg, Paris 6, Paris, France (park)

 
テニスコート脇は、おそらくこちらの南側。

その後の像は、最初の方(レスリング?)はわかりませんが、その次はこちら。

Monument to Jean-Antoine Watteau, by Henri Désiré Gauquié, 1896

便利な同公園の像のマップ↓

坂道

BAR DE L’ODEONとある店の前をオデオン座に向って。

※15/10/18追記
コメント欄でmilouさんから情報を寄せていただきました。
BAR DE L’ODEONは現在Le Barとなっているとのことです。

回廊

オデオン座の西側。南西の角を曲がるまで。

※15/10/20追記
milouさんから画像を提供していただきました。

撮影は2002年10月とのことです。
ちょうど2人がやって来る部分のようですね。

タクシーの美女

タクシーから美女がすっと降り立ったのは、交差点で、噴水に面したカフェがあるところ。 もしかすると『個人教授』で登場したこちらでしょうか。

書店前

早足での会話。
場所不明。

ベンチ

腰掛けての会話。
背景はリュクサンブール宮の正前に見えます。
このあたりでしょうか??

IMDbのリストのRue de Vaugirard, Paris 6, Paris, Franceはここのことかもしれません。

エヴァ

1:05頃からのエヴァ(ジャンヌ・モロー)との場面。
ギャラリーから始まり、買物をして住まいへと移動しますが、買物の場面はIMDbのリストではこちらのようです。

Rue de Buci, Paris 6, Paris, France (street market)

※15/10/18追記
コメント欄でmilouさんから情報を寄せていただきました。
買物の場面、背後に写っているCafe du Marche Buciはこちら(現Bar du Marché)。

カフェ

マンヴィル兄弟との会話。
Romain Bouteille(François Minville)とJérome Minville(François Gragnon)。

場所は、書店の女性のセリフの通りこちら。

Café de Flore – 172 boulevard Saint-Germain,

 
 

カフェの後

1:18
雨に濡れながら横断した時、背景にLe Relais Odéonと見えます。

轢かれそうになったのもこの近くと思われますが、不明。

その後歩いてきた公園はヴォージュ広場(Place des Vosges)W
左岸から右岸へワープしています。

こちらは以前milouさんから提供していただいた画像です。
1977年7月撮影とのことです。

公園から出て、(おそらく)シリルたちの住まいがあるという設定の建物へ向う通りは、広場南側のこちら。

シリルとソランジュ

バーからの電話で8時に約束した親友のシリル・ラヴォー(Jacques Sereys)。
その妻ソランジュ(アレクサンドラ・スチュワルト Alexandra Stewart)とはかつていろいろあった模様。
ディナーに招かれたのは他にブランシオン(Tony Taffin)など。
論客のようで、字幕で「引越し理論」とありましたが、何なのか気になります。

夜の街

フレデリック(アンリ・セール Henri Serre)と語った夜の街。
バスに飛び乗るところなど印象的ですが、場所不明。

参考画像

milouさんから提供していただいた画像です。
「鬼火」という名前のレストランのカード。

ロケ地マップ

 
 
 

資料

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ジャンヌ・モロー関連作

更新履歴

  • 2018/03/11 タグ「ジャンヌ・モロー」追加
  • 2015/10/20 「タバコを買った店」「回廊」にmilouさんの画像を追加
  • 2015/10/18 「パリ到着」「坂道」「エヴァ」追記。 「ホテル」のmilouさんの画像の©を1984から1979に修正
  • 2015/10/15 新規アップ

コメント

  1. milou より:

    ☆アランが滞在するBd.de la Reine のクリニックの場所は 87という番地表示も見えimdb で正解だがGoogle のSVでは建物の前には立てない。しかしWindows10 のマップ(Streetside) ではOKだった。
    映画では番地表示の左の金属の門扉に銘板が付いている。現在銘板はないが付けるなら右の木製扉かその右のレンガの柱のはずで、あんな端っこの車用(?)門扉につけるのは不自然。imdbにあるように外観だけで恐らく映画のために銘板を設置した個人の屋敷だろう。建物からの景色も大通り側と半円形バルコニーがある裏側が見えるが裏はヴェルサイユRD駅なので一致しない。しかも大通りを見下ろしヴァイオリン・ケースを持った女性が通るとき、何とSaint Germain らしき道路表示が見える。もしやパリのサンジェルマンかと思ったが R.du Maréchal Foch との交差点の場面でParis ⇒ の表示(現在のSVでは緑色でBd.de la Reine を東方面)が見え交差点の反対側には St.Germain ⇒ (西方面)の表示がある。どうやら宮殿前から右折してずっと北にあるSt.Germain-en-Laye のことらしい。

    いずれにしろ87番地の大通りに面した部屋なら窓の外壁はレンガで映画のように白い壁ではないし交差点からも離れすぎている。部屋の2つの窓から見えるのが同じ交差点なら古くて特徴的な南西角のCaisse d’epargne が見えるはずだが映画ではむしろ南東角の Credit Foncier の可能性が高い。だとすれば建物はずっと西で交差点北西角から2軒目の3階で雨戸(Volet)と蝶番が一番外に見える。

    ☆タバコを買うカフェは交差点にある Paris ⇒ の真向かいなので現Credit Foncier になるが、入る直前にカットが変わり外の雰囲気も違い確かに別の場所である可能性が高い。なおトラックはGaleries Lafayette で正解で運転手の帽子にはAux Galeries La(fayette) トラック前部にも Galeries Lafayette と書かれている。

    ☆41分過ぎパリについてすぐ横断舗道を渡る場面。バックには『勝手にしやがれ』で見慣れた細かいヨコシマ(?)が見える。これは映画館 Normandie でシャンゼリゼの116番地。さらに左隣の118 番地には今はないCinema des Champs-Elsée (現ベンツ)の文字が見える。従って銀行は現 HSBC あたりのはずだが確認できない。
    銀行員の襟にはCNEP No.7? のバッジが見えるが CNEP(La Caisse Nationale d’Epargne et de Prévoyance) は64年8月設立なので話が合わない。

    ☆Bar de l’Odéon の現在の店名は Le Bar 。オデオン座の回廊に入る時バックには僕も2回行った『オーソン・ウェルズのフェイク』にでてくる海鮮レストランLe Mediteranée が見えている。

    ☆62分頃ジャンヌ・モローがチーズを買う後ろに見えるCafe du Marche Buci は現在 Bar du Marché で Rue de Seine との角の大理石の円柱は今も同じ。従って買い物をした店は真向かいの現 Restaurant Paul になる。

    ☆Le Relais Odéon から横断したとき映画館のポスターらしきものが見えるが、これは現 MK2 Odéon だろう

    ☆夜に飛び乗ったバスは29番のサン・ラザール駅行きだが Voges 広場の北側 R..des Francs-Bourgeois は逆方向なので1つ北のR.St-Gilles のはずだが画面で見る限り大通りなので、どちらでもなくBd.Beaumarchais ではないかと思われる。

    余談だが僕が86年にヴェルサイユで泊まったホテルがまたしても偶然クリニック右(東)の角を曲がった Impasse de Clagny (写真もある)だったので、この建物の前も何度も通ったはず。

    さらに余談だがクリニックの銘板が最初にアップで映る場面。DOCTEUR LA BARBINAIS (バルビネ) なのにDVD の字幕では“ラ・ファルビネ博士 精神病院”になっている。後の台詞では当然バルビネで単なるチョンボだがどうみてもFには見えないのにチェックで見過ごしたのが不思議…
    ついでながら字幕ではさらに“安静療法 医学的保護観察”とよく分からない大げさな解説(?)をしているが、例えば英辞郎 では Maison de Santé は私立病院、Google では老人ホームとしている。映画を見ても自由に出入りでき長期滞在可能なホテル(?)のようで“精神病院”(現在では不適切な表現)は大げさ過ぎる。もちろんアルコール依存や自殺願望など精神的な問題があるからこそ専門医の監察下にはあるがアランの居室を見ても普通の個人の家にしか見えず“病院”の雰囲気はドクターの白衣ぐらい。

    何度も映るタバコはアイルランド(イルランド)の Sweet Afton でサルトルが愛用した銘柄とかで『鬼火』のほか『ロイヤル・テネンバウム』にも登場するらしい。字幕では“英国のスイータフトン”で発音はリエゾンするにしてもパッケージのアップもあるしスイート・アフトンとすべきだろう。

    そうそう、僕が2回行ったレストラン「鬼火」のマダムはデュブールの奥さんファニー役だと思う…

  2. 居ながらシネマ より:

    milouさん、情報ありがとうございます。
    不明だったところがだいぶ埋まってきて有り難いです。
    少しずつ追記しているところですが、最後の1行がビックリでした。

  3. うめ。 より:

    サティの曲を演奏してるのは誰なんでしょうか?
    わかりますか?

  4. 居ながらシネマ より:

    うめ。さん、コメントありがとうございます。
    今本編見てみましたが、オープニングのクレジットで、au piano Claude HELFFER(クロード・エルフェ)とありますので、その方ではないでしょうか?
    IMDbのスタッフリストでもそのように記載されていますし。

    こちら↓はサントラEPレコードのようです。「グノシエンヌ1~3」「ジムノペティ1」の4曲が収録されていますね。

    https://www.youtube.com/watch?v=TGtSizyh0_M

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