『男と女の詩』 La bonne année (1973)

La bonne année

らぼんなね~♪

作品メモ

『男と女』で知られるクロード・ルルーシュ監督+フランシス・レイの作品。
「詩」は「うた」と読むようです。

『男と女』がらみの商魂たくましい邦題が付けられていますが、実際この映画の冒頭はなぜかまさにその『男と女』。
あの名ラストシーンが最後まできっちり再生されるところから物語が始まるという、変わったイントロとなっています。

そのへんの謎解きはぜひ実際にご覧いただくとして、主人公は新年の恩赦で娑婆に出てきた男。
男が過去に何をして刑務所に入ったのか、そして刑務所から出てきた男がどこへ向かい何をしようとしているのか……そういった事柄が時間軸をいじったり妄想と現実を混在させたりモノクロとカラーのパートを切り替えたり……と様々な表現で語られます。
そう書くとなんだかめんどくさそうな映画ですが、お話の根幹はちょっとしたクライムサスペンスと大人のメロ。
全体の流れが把握できたとき、ラストが一体どうなるのかがぜん興味津々、ドキドキしながら見守る自分がいたりするのでした。

英題”Happy New Year”。

出演は、男シモンにリノ・ヴァンチュラ、女フランソワーズにフランソワーズ・ファビアン。
監督・脚本クロード・ルルーシュ、撮影ジャン・コロン、音楽フランシス・レイ。

日本ではVHSのみでDVDは出ていないようです(2013年5月現在)。
手元にあるのはレンタル落ちのVHSとアメリカ盤DVD。

このエントリー、下書きを書いただけでずっとほったらかしにしていました。
というのは肝心のお店がどこだか見つからず、他にロケ地的に面白い物件もなかったため。
ところがいつも貴重な画像やコメントを提供してくださっているmilouさんから最近ひょいと送られてきたのが、なんとそのお店そのものではあ~りませんか。
そこで急遽下書きに手を入れて公開モードに昇格。
これまで何百とエントリー書いてきましたが、このパターンは初めてです。
milouさん、どうもありがとうございました♪

テーマ曲

いかにもフランシス・レイ的甘美なメロディ。
歌うはミレイユ・マチュー。
劇中本人が登場しますが、似ても似つかない人物が「らぼんなね~♪」と歌っているので、疑問符が脳裏に渦巻いたりします。
この映画、そんなギミックがいろいろあって、ちとややこしいです……

ネタばれ的メモ

ネタばれ的内容につき折りたたんでいます(クリックで開閉)。

ロケ地

IMDbには記載なし。

刑務所(13/5/20追記)

コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。

『オー!』でも登場したラ・サンテ監獄ではないかとのことです。
詳しくはコメント欄をどうぞ。 また『オー!』のエントリーに提供していただいた画像をアップしてありますので、そちらもあわせてご覧ください。

一人目が降りたところ(13/5/20追記)

こちらもコメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。

タクシーに乗った恩赦の3人。
一人目が降りるところこちらの前。

Le Grand RexW

©milou アルバム「パリの映画館」から

画像も提供していただきました。
 
二人目が降りたところも考察されていますので、コメント欄をぜひご覧ください。

シモンが降りたところ

日本語字幕では「サントノーレ街へ」。
英語字幕では”Now, to Faubourg St Honore.”

フランソワーズの住まいという設定でしょうか。

※13/5/20追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
こちらではないかとのことです。

確かに入口の左右下にある金具が映画と全く同じですね。

ナイトクラブ

ナイトクラブ「ミシュー」。

※13/5/20追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
実在する Michouで間違いないとのことです。

カンヌ駅

0:17頃。
シモンが「カールトンへ」と言ってタクシーに乗るところ。

空撮では線路が見えませんので地下にもぐったのかと思いましたが、道路が上に架かっただけようですね。
Wikipediaによると、67年にリノベートが始まり、75年に現在の形となったとか。
SVで周りをうろうろしたら、北側から中を覗くことができました(ストーカーか……)。

わざわざ擬装する意味もないですから、やはり当時のホンモノのカンヌ駅と思われます。

※13/5/20追記
……とか書いたら、milouさんからコメント欄でこれは擬装ではないかとご指摘いただきました。とほほ。
いくつか理由を挙げられていますが、「僕の理論(?)」とお書きになっているのは、『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』』のコメント欄で書かれている、「駅名標示は普通線路と平行なので、直角の場合擬装の可能性が高い」こと。これは確かに説得力あります。

海沿いの道

0:18頃。
シャルロがベンツでやってくるところ。
道路としてはカンヌの海岸沿いの道ですが、車を寄せた具体的な場所は確認しづらいです。

※13/5/20追記
コメント欄でmilouさんが解明してくださいました。

ここでどんぴしゃですね。お見事♪

宝石店

©1986 milou
アルバム「フランス南部」から

これが上記の通りmilouさんから提供していただいた画像。
撮影は1986年とのことです。
まさにここですね。

場所は、milouさんが『『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』のコメント欄で教えてくださったのでわかりました。
カンヌの海沿いの通り、Carltonの右側。

内部もここで撮影されているようですね。
リアルな店名ですが、こういう内容で大丈夫だったのでしょうか?

※13/5/21追記
milouさんがCarltonの部屋や、宝石店、アンティクショップの位置関係などをコメント欄で細かくチェックしてくださっています。
ぜひご覧ください。

1:11頃。
これもカンヌ駅でしょうか。

変装して降りる駅

1:12頃。
アナウンスが「フレジュス」と言っています。

フレジュス(Fréjus)W

カンヌから30kmくらいでしょうか。
降りた後ホームを列車の進行方向に向って歩いて行きますが、実際の出口は逆。

タクシーから飛び降りた角

1:40。

Pagoda Paris,
48 rue de Courcelles,
75008 Paris France


大きな地図で見る

※13/6/17追記

©milou

パリにはもう一つパゴダがあるとのことで、milouさんからそちらの画像を提供していただきました。

ラ・パゴッドW

©milou

現在映画館となっているとのことです。

パーティー会場

1:40頃。
シャルロと再会するところ。
電話をとった女性が、オーベルビリエ(Aubervilliers)、ジャン・ジョレス通り(rue Jean Jaures)といった地名を挙げますが、確認できませんでした。

空港

オルリー空港。

窓からの景色

1:51頃。

ロケ地マップ(13/6/14追記)

クロード・ルルーシュ監督作品 パリを中心に(※16/4/2マップ差替え)

 
 
 

南フランスが舞台の映画(※16/4/2追加)

 
 
 

資料

関連記事

フランシス・レイ

更新履歴

  • 2014/06/09 milouさんの画像をPicasaウェブアルバムに切替

『男と女の詩』 La bonne année (1973)” への6件のコメント

  1. いえいえ、こちらこそ感謝です。
    わが家は3年少し前までダイヤルアップだったのでメール中心でネットは殆ど使わなかった(使えなかった)。当然SVなんて見ようとも思わなかった。何しろ航空券を買おうとJALのHPを開いてもトップ画面が出そろうまで5分はかかる。
    しかし1年少し前から光にし偶然このサイトに関わるようになりSVを駆使することで、どこで撮ったかも分からない古い写真の撮影場所が徐々に判明してきた。
    街を勘違いしていたことも多くジュネーブだと思ってたらチューリッヒだったとか…

    さてあの写真は30年近くも前で当然何の情報もなく、かすかな映画の記憶だけで、ここじゃないかなと撮っておいたものです。知っての通り『男と女』で衝撃的なデビュー(?)を果たしたルルーシュも当時の映画青年からは評価されなかった。何しろベルイマンやアントニオーニ・フェリーニ、あるいはゴダール筆頭のヌーヴェル・ヴァーグやポーランド派とATGで上映される監督と較べられたのですから。僕は評価はしないまでも好きな監督でした。特に興味を引かれたのがほとんどの作品に付けられたマトモじゃないタイトル(??)ですが、その話はおいといて…

    ☆冒頭の刑務所は当然サンテのはずで入っていたカフェは正門向かいにあった77年に僕も入った La Sante に間違いないはずだが、少し気になるのは正門が2メートルほど奥に入っている。『オー!』で載せてもらった写真でも現在のSVでもまっすぐ。恐らく門は二重で普段は表にある人用の小さな入り口から入るが映画のように車の出入りの時だけ開放されるのだろう。

    ☆乗ったタクシーが最初に止まるのは『101匹わんちゃん大行進』をやっている映画館で Bd.Poissonnier にあるGrand Rex。Grand Ecran(大画面)と書かれているが僕の撮った写真にも『エンドレス・サマー2』の下に projetee en grand large と書かれている。つまりまだシネコンのない時代に大画面で有名だった豪華な劇場でした(wikiによると2800席)。次にタクシーが止まるのは Chez bebert というレストランの前だがcouscous と書かれアラブ人街だと推測される。調べるとChez bebertは20区の242 Rue des Pyrenees に(も)あったようだ。ショットは短くここだと断定はできないが地域的には十分あり得る。最後のパーティ会場のレストランLuka’s にもcouscous やmerguez と書かれている。この会場は52 Av.Jean Jaures だと思われるが台詞は80番地と言っているようだ。現AubervillierのSVではどちらも合致しないが56番地のアーチの形は似ているので可能性はある。

    ☆次に車はFg.Saint Honore に向かう(いくら3人の行き先が違うとしても例によって遠回りすぎるが)。僕が持っている2005年BS2放送分でもサントノレ街で、まあ字幕としては仕方ないだろうが同じ名前でもFg.が付けば場合によっては大違い。サントノレ街は(パリナビによれば)“高級ブランドが立ち並ぶパリ随一のゴージャスな通り”だが、faubourg とはクラウン仏和では“ 郊外,場末(パリなどの昔城郭外だった)街, 通り(地名として残る)の例としてFg. Saint-Honor が挙げられている。

    ☆フランソワーズの家だが11番地の現 Carita ではないかと思われる。門のあたりは変わっているが左右下の金属はまったく同じだから。ラストの窓からの眺望も違うと断定はできない。

    ☆そのあとナイトクラブ、ミシューに行く。これも店内の写真がなく断定できないが今もモンマルトルにあるドラーグ・クイーンのキャバレー Michou (80 rue des Martyrs)に間違いないだろう。なおミレイユ・マチューのあとに登場するのはシルヴィ・ヴァルタンとライザ・ミネリ。
    ちなみに、このあとの電話で“ボタンを押せ”という台詞がある。何度か書いたが相手の声が聞こえないから公衆電話からだと思ったということ。

    ☆カンヌ駅は僕の理論(?)から言えば偽装ですね。これ見よがしにCannes という駅名表示が直角に設置されている。記載のSVでも駅名は平行。
    フレジュスのSVはもう少し前(東)、大きな看板の向こうの建物は木で隠れているが看板をすぎると映画で見える白い建物と道路右の三角屋根の家も確認できる。

    ☆逃走のシュミレーションの通過点 Restaurant Felix、Hotel Miramar、 Hotel Martinez など現在も存在する。ただ字幕では次に“すぐに曲がる”から150キロ以上出すな、とあるが150キロで(直角に)カーブなんてあり得ず50の間違いと思ったが確かにtoujour 150 と言っている。実際に曲がるときは40キロ以下と字幕が出るが急ブレーキでも掛けなければ150から一気に減速できないだろう。チューンアップしろなんて台詞もあるから速度ではなく回転数のことだろう(メカは知らないが)。そもそも150も出せば即警察に捕まるだろう。なお au bout de quai まで右折して左折、走行距離は1.5キロ。

    ☆カールトンの部屋(629号室)は店が見えるということは東側のカナダ通りだと思われるが、どこであれ画面で見えるバルコニーの鉄柵はモダンなものでカールトンとは一致せず山も見えているから場所も違うはず。

  2. 車庫判明。
    走行を捉えたカットはBd.Jean Hibert のレストランLe Madrigal 越しで屋根は変わっているが裏向きの最後の“L” が確認でき右端の街灯も同じ。車庫はレストラン右のレジデンスのもので今もまったく変わっていない。

    なおカンヌ駅が偽装ではと言う、もう1つの根拠。着いたときも出るとき(はっきり分かる)も駅のホームだけでなく線路の上にも鉄骨の屋根がある。
    マルセイユの駅は実物だが、パリ市内の駅同様ターミナル駅(入って逆方向に出て行く)なら駅全体に屋根があるがカンヌやフレジュスのような通過駅では屋根はあっても普通はホームの上だけで線路の上にはない。これは多くの日本の駅でも同様。しかも着いたときタクシーに乗る場所が、駅舎と反対側。
    普通タクシーは駅正面で待っている。

    ちなみにマルセイユでのアナウンスにも疑問がある。
    Marseille ici Marseille, 7 minuites d’arret. レ・ボージョー(?) sur la direction d’Aix-en proven ce. と言ってるがボージョーと聞こえる部分の意味が分からないのだが着いた列車に対してのアナウンスならエクス行きは逆方向になる。

  3. milouさん、いろいろ情報ありがとうございます。
    とりいそぎ追記させていただきました。
    カンヌの駅はそうなると確かに擬装っぽいですね。
    フレジュスの駅のSVは少しだけ前に進めました。PS3の広告は入れたかったので……

    ルルーシュ監督作はけっこう好んで見ていました。でも好きだと言い切るには案外勇気がいる監督かもしれませんね。
    中ほどのディナーの場面で、ベルトリッチやベロッキオを見ていないと言うシモンが『男と女』なら見てるよね、と皮肉を言われるくだりがありますが、ここらへんルルーシュ監督の自虐ネタでしょうか。
    私なんかは難しそうな映画は全然ダメで、ディナーの場面でタイトルが挙がっていた『革命前夜』も、ヒロインがやたらきれいなのをスチルで見て、はじめて見る気になったという体たらく。

  4. 補足と訂正です。
    カールトンの窓から観察するショットは(クレーンやオープンセットでない限り)カールトンの窓から撮ったものに間違いない。そして双眼鏡で見える角度や店の屋根の具合からは日本式の3階からでバルコニーはなく窓の外に金属の柵のみがある右の尖塔の下の左隣の部屋(円形の前面から数えて4つ目で斜めカーテンは3つめの小窓)。

    ホテルがカールトンでないと書いたのは走行シュミレーションのあと、窓際で本を読んでいるときの窓外の白い金属の直線的な模様がカールトンの黒い曲線模様と一致しないと思ったのだが、数秒前に戻ると現在のホテルの室内からの写真と色以外はまったく同じ模様だった。内装も似ていて上が丸いほうの窓の形も同じだから室内もカールトンに間違いない。しかし逆に店からズームアップで見上げるカーテンが斜めに開いた部屋は日本式6階で先に書いた読書の場面も6階ぐらいからの眺めなので629号室で正解なのだろう。つまり少なくとも2つの部屋で撮影している。

    http://www.myluxurylink.com/wp-content/uploads/2013/05/Carlton-Cannes-Suite-Junior.jpg

    ちなみに窓からのショットで店の屋根にTABLEAUX という文字が見え店の正面にも書かれている。つまり(なぜか実在の)超有名宝石店と同じく撮影当時は実際にアンティークの店Le Drap d’Or だったと思われる。ところが面白いことに現在(86年も)1階は銀行のようだが同名のレンタルアパートが地図上では同じ場所に現存し今も受け付けている(当然今週は空きなし)。
    http://www.primaryrentals.com/437/

    SV(2008年6月撮影)をよく見ると1階の屋根の上に(Villa)Le Drap d’Or という映画と同じ飾りが今もある。1階正面にはATMがあるが2階以上は確かにVilla 風ではある。ところがところが、アパートの説明では(外観の写真はない)1階のみの4部屋。つまり後ろの建物は別らしいが、それでは4部屋もないだろうから後ろの1階部分も含み2008年以降改装されたのだろう…

    さらに面白いことに映画に戻ると、8時45分に店長が出勤するとき宝石店ではなく Drap d’Or の左の通路から入っていく。台詞でも passage de deriere(字幕は裏口)と言っていて建物の構造がよく分からないがアパートの説明では中庭があるから、やはり奥を含む1階部分がアパートらしい。

    なお車の走行は約1.5キロで地点6まで1分17秒なので、時速60キロ程度だろう(画面では80キロぐらい?)

  5. milouさん、細かい補足ありがとうございました。
    しかも物件案内までチェックされるとは(笑)。

  6. フランス映画祭2013がらみで、WOWOWで6月にルルーシュ監督特集があるみたいです。
    「マトモじゃないタイトル」が並んでいて、『男と女の詩』も入っています。

    http://www.wowow.co.jp/pg_info/wk_new/007646.php

    この際こちらもルルーシュ監督シリーズやりましょうか 🙂

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