『麗しのサブリナ』 Sabrina (1954)

麗しのサブリナ [DVD]

ばら色の人生♪

作品メモ

前のエントリー『昼下りの情事』に続けて、ビリー・ワイルダー監督製作によるオードリー・ヘップバーン主演作をもう1本。
こちらは3年前の作品で、ヘップバーンはさらに初々しく可憐。
役柄も彼女にぴったりでお話も面白く、『ローマの休日』の次の作品として十分に及第点、といいますか、50年代を代表するロマンティックコメディの傑作であり、ビリー・ワイルダー監督にとっても代表作(のひとつ)となっています。

大富豪のお抱え運転手の娘がパリ留学を経てレディに変身。以前は見向きもしなかった富豪の次男がたちまち鼻の下を伸しますが、せっかく進めてきた縁談が壊れてはと、堅物の長男が間に入り、ヒロインの気をそらせようとします。
そうこうしているうちに彼女は長男に恋心を抱いてしまい……といったロマコメの王道を行くような物語。

ヒロインのサブリナにヘップバーン。
ララビー家長男で仕事一筋のライナスにハンフリー・ボガート。
プレイボーイの次男デヴィッドにウィリアム・ホールデン。
サブリナを暖かく見守る優しいパパ、トマス・フェアチャイルドにジョン・ウィリアムズ。

原作はサム・テイラーの戯曲。音楽はレデリック・ホランダー。
ハリソン・フォード主演の『サブリナ』(1995) はリメイクで英題は同じ。

音楽

『昼下りの情事』では「魅惑のワルツ(Fascination)」が使われましたが、『麗しのサブリナ』では、エディット・ピアフの名曲「ラ・ヴィ・アン・ローズ (La Vie en rose)」W が全編にわたって流れます。

YouTube “la vie en rose hepburn” 検索結果  

これ以外にも良い曲が流れます。リストはIMDbをどうぞ。

http://www.imdb.com/title/tt0047437/soundtrack

衣装

イディス・ヘッドは前年の『ローマの休日』に続いてアカデミー衣装デザイン賞(白黒部門)受賞。
この年カラー部門で受賞したのは、『地獄門』の和田三造さん。

オードリー御用達ジバンシーも衣装を提供していますが、クレジットされていません。
サブリナ・パンツはイーディス・ヘッドの方。

イディス・ヘッドはアカデミー賞にノミネートされること延べ35作品、うち受賞は8回というとてつもない受賞歴。
『麗しのサブリナ』の時点でも既にノミネート9回受賞6回の実績。
他人と受賞を分け合うのはプライドが許さなかったという見方もありますが、他のデザイナーと共同で受賞している作品も多いですし、数年後には『パリの恋人』でジバンシーと一緒にノミネートされています。
ここらへん何か大人の事情があったのでしょうか?

イーディス・ヘッドと言えば、いつぞやミステリーチャンネルで刑事コロンボをぼんやり見ていたら、本人が登場してびっくり。
「偶像のレクイエム」でした。
アン・バクスターが犯人役だったので、そのつながりでしょうか?

少女漫画

ファッションだけでなく、シンデレラ願望や三角関係など女の子の気持ちをいやが上にも盛り上げるこの映画。
少女漫画にあって不思議はない題材ですが……。

むかしむかし、ベルばらよりもさらに昔のこと、少女漫画の草分けといえる水野英子さんの作品で「すてきなコーラ」という中編がありました。
これが実は『麗しのサブリナ』の翻案……といいますか、そのまんまの内容となっていまして、料理教室での卵の割り方なども忠実に再現されていました。
先にこちらになじんでいたため、映画を初めて見たとき、あれっ??とけっこう混乱してしまったものです。

水野英子さんは他にも洋画を翻案した作品を描いていますが、いちばん印象に残っているのは『ジェニーの肖像』をベースにした中編「セシリア」でしょうか。ジェニファー・ジョーンズが少女を演じるには無理があった原作映画よりもずっと出来がよいのではないかと実は思っていたりします。

「すてきなコーラ」と「セシリア」はどちらも集英社マーガレットコミックスの『すてきなコーラ』に収録されていました(1968年発行)。今から入手は難しいかもしれませんが、古書で見つけられたらぜひどうぞ。

※追記
『ジェニーの肖像』もエントリー書きましたのでよろしかったらどうぞ。 → 『ジェニーの肖像』

歳の差リスト

麗しのサブリナ [DVD] オードリー・ヘップバーンは1929年生まれ。
ハンフリー・ボガートとウィリアム・ホールデンにはさまれたメインビジュアルは、今の目線で見るとけっこうキツイものがあります。特にボギー……
「すてきなコーラ」でも、兄弟はとても若々しく描かれていました。俳優の歳の差をそのまま絵にしては、やっぱり夢から醒めてしまいそう。
なのに映画にひたっている間は年齢差から来る違和感はそれほどありません。往年のハリウッド映画の魔法なのでしょうか。

この作品に限らず、特に若い頃のオードリーの映画は、同世代ではなく下手すれば父親のようなスターと共演してたような印象があります。
それを確認すべく、以下余計なお世話ですが、代表作でお相手との年齢差がどのくらいあったのかを計算してみました。
単純に年代だけで引き算していますので、1~2歳の誤差はあります。ご了承を。
(ついでに、当サイトでのヘプバーン出演作のリストも兼ねています。タイトルのリンク先は当サイト内の各エントリー。)

タイトル 年代 年齢 お相手 生年 年齢
華麗なる相続人 1979 50 ベン・ギャザラ 1930 49 -1
ロビンとマリアン 1976 47 ショーン・コネリー 1930 47 0
暗くなるまで待って 1967 38
いつも2人で 1967 38 アルバート・フィニー 1936 31 -7
おしゃれ泥棒 1966 37 ピーター・オトゥール 1932 34 -3
マイ・フェア・レディ 1964 35 レックス・ハリソン 1908 56 21
パリで一緒に 1963 34 ウィリアム・ホールデン 1918 45 11
シャレード 1963 34 ケイリー・グラント 1904 59 25
噂の二人 1961 32
ティファニーで朝食を 1961 32 ジョージ・ペパード 1928 33 1
許されざる者 1960 31
尼僧物語 1959 30
緑の館 1959 30 アンソニー・パーキンス 1932 27 -3
昼下りの情事 1957 28 ゲイリー・クーパー 1901 56 28
パリの恋人 1957 28 フレッド・アステア 1899 58 30
戦争と平和 1956 27 ヘンリー・フォンダ
メル・ファーラー
1905
1917
51
39
24
12
麗しのサブリナ 1954 25 ハンフリー・ボガート
ウィリアム・ホールデン
1899
1918
55
36
30
11
ローマの休日 1953 24 グレゴリー・ペック 1916 37 13

(※12/6/24 『噂の二人』『尼僧物語』追記)

フレッド・アステア、ハンフリー・ボガート、ゲイリー・クーパー、このあたりがちょっとキツメかなという感じです。
ケーリー・グラントやヘンリー・フォンダは予備軍。
ウィリアム・ホールデンは幸運にも2度共演していますが、『パリで一緒に』は作品的にはちょっとどーなんでしょうねー

ロケ地

IMDbでは、

Glen Cove, Long Island, New York, USA
Long Island, New York, USA
Paramount Studios – 5555 Melrose Avenue, Hollywood, Los Angeles, California, USA (studio)

The Worldwide Guide to Movie Locationsの書籍版にも少しだけ記載されています。
主なロケ地はロング・アイランドのグレン・コーヴW

ララビー邸

やたらテニスコートがある超豪邸。

日本語版Wikipediaには「ロケに使われた豪邸はパラマウント社長の邸宅だった。」とあります。
The Worldwide Guide to Movie Locationsの書籍版には、”Welland House, Glen Cove, on Route 107 on the northeast coast of Long Island, New York.”との記述。

グレン・コーヴはこのあたり。

具体的にどの邸宅だったのか、建物は今でもあるのか等はわかりませんでした。
(※15/8/29追記 コメント欄でへほへさんから情報を寄せていただきました。建物は60年代に解体されているようです)

ご参考までに、ハリソン・フォード主演のリメイク版『サブリナ』の豪邸もグレン・コーヴ。
今は撮影用の物件のようなのでマップで示しても大丈夫でしょう。

http://thelocationcompanyny.com/mansions/9045-mgw.htm

ララビー社のビル

ララビー(Larrabee)のグループ会社で占められた高層ビル。
30 BROAD STREETとの表示。これはマンハッタンですね。
ライナスはBroad St.を北からやってきて、こちらのビルに入っていきます。

Continental Bank BuildingW

参考画像

デイヴィッドがサブリナを乗せるところ。
グレン・コーヴの駅。

Glen Cove Station (LIRR)W

(※15/8/29ストリートビュー更新)

 
 

駅舎は今でも同じ姿という素晴らしさ♪

資料

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ヘップバーン出演作

更新履歴

  • 2015/08/29 「ララビー邸」追記  「駅」ストリートビュー更新
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『麗しのサブリナ』 Sabrina (1954)” への2件のコメント

  1. 初めて投稿します。すごい探索根性ですね。頭が下がります。

    「麗しのサブリナ」(1954年)に登場するララビー邸は、パラマウント社長のお屋敷だったという話は、私も昔のIMDbで知りました(現在その文は削除)。屋敷は1960年代に解体されたとも書いてあります。
    このお屋敷は「見知らぬ乗客」(1951年)にも登場するのをご存じですか。悪役ブルーノの父親の邸宅としてちらりと写ります。ちなみに本作はワーナー映画。

    私も、「ビフォア・ミッドナイト」(2013)ロケ地を日本公開前に訪ねようと、Google航空写真で探したことがあります(ストリート・ビューは登録されていなかった)。予告編映像から得られる地形情報を、航空写真で探すのは大変でした。見ている方向が90度違いますからね。
    今後もご活躍を期待しております。

  2. へほへさん、コメントありがとうございます。
    お屋敷はもう無くなっているのですね、ちょっと残念です。
    『見知らぬ乗客』にも登場しているとのことで、あとで確かめてみますね。

    『ビフォア・ミッドナイト』ですか。現地にいらしたのですか?
    3部作の中ではいちばんロケ地チェックが大変そうなのに、予告編の地形情報で、というのがまた厳しい条件でしたね。
    この3部作拙サイト的には格好の素材で、いつかはとりあげたいなと思っていました。へほへさんのコメントを拝見して、がぜんやる気になってきましたので(笑)、そのうちアップしたらぜひまた遊びにいらしてください。

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