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『最後の橋』 Die letzte Brücke (1954)

1956年映画パンフレット 最後の橋 日比谷スカラ座の館名入り ヘルムート・コイトナー監督 マリア・シェル ベルンハルト・ヴィッキ カール・メーナー

作品メモ

ひとつ前のエントリー『橋』を監督したベルンハルト・ヴィッキの俳優としての作品。元々俳優で、フィルモグラフィーには50年代だけでも20本以上並んでいますが、そのうちの一本。
オーストリア・ユーゴスラビア合作映画で、ドイツ軍の野戦病院で働いていたところをユーゴスラビアのパルチザンに拉致され、傷病兵の治療を命じられた女医を描きます。

悩みながらも治療にあたるヒロイン、ヘルガを熱演したのは、『居酒屋』や(ヴィスコンティの)『白夜』のマリア・シェル。
ベルンハルト・ヴィッキはパルチザンの隊長役。
他にパルチザンの女性役にバルバラ・リュティング、恋人のドイツ軍人マルティンにカール・メーナー。

オーストリア・ユーゴスラビア合作映画。
監督ヘルムート・コイトナー。
1954年カンヌ国際映画祭で、国際賞とOCIC賞を受賞(グランプリは衣笠監督の『地獄門』)。
マリア・シェルもスペシャルメンション(For her acting performance)を受賞しています。

ロケ地

IMDbでは、

Mostar, Bosnia-Herzegovina
Neretva valley, Bosnia-Herzegovina

最初の橋

見事なアーチ型の橋やモスクの塔が印象的なオープニング。
ナレーションでも触れられているように、IMDbのリストにあるボスニア・ヘルツェゴビナのこちら。

Mostar(モスタル)W, Bosnia-Herzegovina

有り難いことに映画のカメラ位置と同じ場所でピンポイント的にストリートビューが利用できます。

カメラ位置は橋の北側ですが、現在(14/7/2)SVのマップ上でのカメラ位置がズレていて、実際には上のWikimapiaで示した位置です(近くにある別の塔と間違えてピンを立ててしまったのかもしれません)。

橋はスタリ・モスト(Stari Most、古い橋)W

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に破壊されていますので(1993年)、映画で写されているのは昔の姿となります。
Wikimedia Commonsにあったこの画像は、日付が1962年とされています。

川はネレトヴァ川。

再建後の姿(2006年10月22日)。

映画でも登場した橋の上の様子。
この画像は新しい橋ですが、映画で見られたような姿にきちんと復元されているようですね。

橋の上でもピンポイント的にSVが使えました。
こちら↓の中央に見えるモスクの塔が映画であおりで撮られていたもの。

パルチザンの村

川縁にはモスクがあり、山の上には昔の要塞跡が残っている村。
IMDbのリストにはありませんが、塔や地形などからこちらと思われます。

ポチテリ(Počitelj)W

冒頭のモスタルから20数km下ったところ。
やはりここも1993年に破壊が進んでしまったようです。

映画でも何度か登場したアングル。
右下に病院という設定の建物が見えます。

画像ではたとえばこちら(手前の円蓋が並んだ屋根)。

破壊を免れたのか、あるいはきちんと復元されたのか、今でも映画と同じ形で残っているように見えます。

映画でも登場した山腹に残る中世の要塞。

逃げだそうとしたヒロインが隊長に連れられて猫と一緒に戻ってくるのはこちらの↓小さいアーチのある坂道。

この村では孫をドイツ軍に殺された老婆がその靴をヒロインに履かせてあげるエピソード等、シリアスな出来事が続きますが、逃げようとしたときにニャンコがついてきてしまったところではつい和んでしまいました。

吊り橋

これはさすがに判明しませんでした。

最後の橋

こちらも同様。

資料

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