『太陽を盗んだ男』 (1979)

太陽を盗んだ男 [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『ダイナマイトどんどん』に続けて、菅原文太さん出演作。
公開は1979年10月6日で『ダイナマイト~』のほぼ1年後です。

中学校の教師がひとりで原爆を作り上げ国家を脅迫するという、かなり過激な設定のお話。
設定が大胆なだけでなく、見るからにゲリラ的にやっているとしか思えない撮影方法もまた大胆でした。

当時かなりの期待を持って劇場まで足を運びましたが、大丈夫だったところと今いちだったところ、みんなひっくるめてとにかく強く惹かれるものを感じました。
その感想は今見返してもかわらず。
時代を突き抜けた不思議なエネルギーと魅力を持った作品なのかと思います。

主演の表向きは昼あんどんの教師、城戸誠に沢田研二さん。
当時まだまだ……と言うよりいよいよ凄い段階に到達していたスーパースターにとって、この役柄を引き受けるのはリスクを伴ったかと思いますが、沢田さん以外に考えられないようなハマリぶりでした。

彼がとある事件で知りあった山下満州男警部に菅原文太さん。
沢田さんの役がどこか今日のネット世代の若者を思わせるようなフワフワしたものであるのに対し、リアルの世界をがっちり体現していて、存在感がありました。

ヒロインのDJゼロこと沢井零子にキレイすぎる池上季実子さん。
また、バスジャックして皇居に突っ込もうとする男の役で、伊藤雄之助さんが特別出演。

監督は、2本だけで映画監督という肩書きを永久に手に入れてしまったかのような長谷川和彦監督。
製作は山本又一朗さん。すでにエントリー済みの『ベルサイユのばら』と同年の作品です。

原案脚本は『ザ・ヤクザ』のレナード・シュレイダー。

太陽を盗んだ男 ― オリジナル・サウンドトラック 音楽はショーケンの映画やドラマでもおなじみの井上尭之さん。
星勝さんも編曲で参加していたようです。

その他この映画については多くが語られていることでしょうから、私の下手な説明よりそういった資料をご覧ください。

ロケ地

原子力発電所

設定では東海村のようですが、これは横須賀の火力発電所ですね。

横須賀火力発電所W

By Ketsudan via Wikimedia Commons
(CC BY-SA 3.0)

城戸が潜んでいたのは発電所西側のこのあたり。

城戸のアパート

国鉄(当時)の線路近く。
やや離れて新宿の高層ビルが見えます。
線路は中央線や総武線が西へ大きく曲がるところですね。そのすぐ外側。
昔の空撮では塔屋含めて建物を確認できますが、すでに建物全体が建て替えられているようです。
マップでは大ざっぱな場所だけ示すことにします。

皇居

伊藤雄之助さんがバスジャックして突っ込んでいくのは坂下門。

突っ込んでいくように見えるショットだけここでのゲリラ撮影で、あとは別の場所でしょう。

ここはふだん入ることは出来ませんが、なんと現在(春のお花見の時に続いて)紅葉狩のため坂下門から乾門までの道が一般公開されているようです。
きっとものすごい人出でしょうけどお時間がおありの方はどうぞ。
(公開は12月7日まで)

ジョギング

高層ビル群

京王プラザホテルの西側斜め前あたり。カメラ北向き。
今なら左側に都議会議事堂が見えるはず。

ガソリンスタンド

高層ビルを背景に走った後、鋭角となっているガソリンスタンドの角を曲がりますが、もしや新宿駅南口の甲州街道が上っていくあたりでしょうか??

ここがガソリンスタンドだったかどうか、まったく覚えていません……

国会議事堂

この場面もゲリラ撮影かと思いますが、ハラハラしますよね。

DJスタジオ

ゼロのDJブースがあったのは、新宿住友ビルの下、「三角」のちょうど南側の頂点のあたり。

高層ビルのスカスカ具合は今では信じられませんけど、たしかに当時はこんな感じでしたね。
電話ボックスからスタジオをとらえたショットで右側背後に写っているのは現KDDIビルですが、こんなふうに見渡せるのもこの時代ならではです。

その後城戸が彷徨うのは、靖国通りに面した松竹会館や新宿コマ劇場前など。

城戸と零子

出会い

城戸と零子が会ったのも新宿住友ビルの下。
恥ずかしながら、当時ここでビルを支えるマネをしちゃったりしました。
ヒマだね。

By Rs1421 via Wikimedia Commons
(CC BY-SA 3.0)

この場面で、背後に見えるパイプのようなものはこちら。
「東京水道発祥の地」のモニュメント。

なので2人がいたのは「三角」の西側。

喫茶店

大ガード向かいの店。
今は回転寿司になっていますね。

都電

おそらく鬼子母神駅と都電雑司ヶ谷駅の間の坂と思われます。
線路に入っていますが、絶対にマネしてはいけません。

勝鬨(かちどき)橋
カメラ西向き。

丸太渡り

背景にガスタンクが見えるところ。
川は江東区の東雲(しののめ)運河。
今では丸太が浮いていたところは埋め立てられ、カメラの方向(東南→北西)に道路が走っています。
当時の面影はまったくありません。

零子を落としたところ

これは特定が難しいかもと思いましたが、池上さんの背景にお台場の石垣が見えたので、なんとか判明。

当時の空撮画像を見ると、レインボーブリッジのすぐ南側、正方形の第三お台場の南側の縁にそって、なにやら延びている線があります。
桟橋ではなく、材木を留めたり作業員が移動に使ったりするための柵のようなものでしょうか。
その西側の先端のように思えます。

現在のマップでは見えません。

ここだとすると、放り込んだのは柵の内側(南側)ですが、それにしても女優さんをスタント無しでこの扱いはちょっとムチャかと。
『旅情』のキャサリン・ヘプバーン、『突然炎のごとく』のジャンヌ・モローに並ぶ女優さん3大入水シーンでしょうか。

夕陽をバックに城戸が戻ってくるショットで、背景に写っているのは、第三お台場の西側にある第六お台場。

言葉ではわかりづらいので、このエントリーの最後にマップを掲載、そこでカメラアングルも書き込んでおきました。

また昔話になってしまいますが、この映画の頃のお台場は、埋め立ては終わっていたもの、さりとて何ができるのが不安になるようなだだっぴろい平地がひろがっていました。 施設らしいものは端っこにある船の科学館ぐらいのもので、これは映画でもカーチェイスの背景にちらりと登場しています。

尾行

尾行されているのではないかと不安になり、ダッシュするところ。
おそらく神宮球場かと。

ここで尾行していた男が姿を現しますが、若くてビックリ。一瞬誰だかわからなかったりします。

歩行者天国

バッグのアップに続いて、手ぶらでカメラに向って歩いてくるところ。
向って左側に映画館、その隣にインテリアの井門ということで、道玄坂を渋谷駅側から撮っています。

デパート

屋上遊園地の俯瞰は、渋谷の東急百貨店本店。
逆探知に成功したときのセリフでも「東急百貨店」。
確かに当時屋上遊園地がありました。

ところが警察車両が駆けつけるところを建物正面から捉えたショットは、東急百貨店日本橋店です。東へ7,8kmワープ。
現在は建て替えられてコレド日本橋となっています。

店内もおそらく日本橋店。こんな風に天井が低かったです。
その左隣(中央通り沿い・北側)のビルは今でも建っていますね。
ボルシチでおなじみ「たいめいけん」はこの裏(関係ないでしょ)。
金をばらまいた向かいのビルは、最近解体されました。

喫茶店

山下を移動させたところ。
城戸のセリフ通り、代々木駅間近にありました。

カーチェイス

目が疲れてきたので、これは少しだけチェック。
当時も今も一番ゾクっとするのが、首都高を疾走して湾岸のジャンクションを右へ曲がった直後、左からパトカーが強引に合流 → マツダRX-7がひらりと避けて前へ出る、このショットです。

湾岸のジャンクションは、浜崎橋。

次の合流点は、ちょっとバックして、一ノ橋ジャンクション。

右側に見える日進ハムの広告とそのビルは今でも確認できます。

武道館

屋上での対決

最近のエントリーでは『昭和怪盗傳』でチェックしたばかりの科学技術館のてっぺん(の塔屋のてっぺん)。
よく撮影に使えたものです。

キネマ旬報データバースでは「武道館の屋上」となっていますが、城戸の背後にその武道館が見えていますのでこれは間違い。

2人が落ちていったのは、北側のこの部分。
こちら側はその後増築されて凹んだ部分がなくなってしまい、落ちていったという想定の壁はもう見ることはできません。

ラストの歩行者天国

調査中

※14/12/5追記
銀座中央通り。カメラは銀座6丁目のあたりから、4丁目方面を向いています。
背景左側に見える建物がメルサなので、判明しました。
そのとなりの袖看板の赤い文字は「ワシントン靴店」のはず(現在ユニクロGU)。

ロケ地マップ

 

資料

更新履歴

  • 2014/12/05 「ラストの歩行者天国」追記
  • 2014/12/04 新規アップ

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