『闘牛に賭ける男』 (1960)

闘牛に賭ける男 [VHS]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『さらば夏の光』(1968)に続いて60年代の海外ロケ映画をもう一本。
以前「ちょっと昔の日本を舞台にした外国映画」を特集してみましたが(→ タグ「日本で撮影」)、しばらくはその逆、つまり「海外ロケをしたちょっと昔の日本映画」を特集してみたいと思います(→ タグ「海外ロケ」)。

今回の『闘牛に賭ける男』はすでにチェック済みの『世界を賭ける恋』(1959)と同じく石原裕次郎主演映画。
翌1960年12月公開で舞台はスペイン、実際に現地でロケしているという力の入った一本です。

やはり協力はスカンジナビア航空(SAS)。
最初にわざわざ、

この映画はスカンジナビア航空会社の
協力により製作されたものであります

と出る他、映画のあちこちに”SAS”の文字とセリフが登場するのであります。

『世界を賭ける恋』はいまいちタイトルが意味不明でしたが、こちらはタイトルそのまんまの内容。
本場スペインの闘牛を日本に招聘しようと奔走する男の話です。
なんだか『詩城の旅びと』で、プロヴァンス駅伝を実現しようとして駆け回っていた緒形拳さんを連想しますね。

主な共演者は、北原三枝さんと二谷英明さん。
ふたりはかつて婚約したことがある間柄なのですが、北原さんは裕ちゃんといろいろあったという設定です。 そのふたりがスペインの闘牛場でプロモーターに食らいつく裕ちゃんの姿を見かけたところから物語は始まり、裕ちゃんの奮闘ぶりが描かれる一方で、3人のそれまでのいきさつを描く回想シーンが繰り返し挿入されるという構成。

映画の中ではああいう終わり方でしたが、リアルの世界では裕ちゃんと北原さんの共演作はこれが最後。翌年2人は結婚しているという、すごいハッピーエンドぶりです。

監督舛田利雄、撮影山崎善弘、音楽佐藤勝。

こういう「スペインもの」を見るといつも連想するのが逢坂剛さんの小説、特に『カディスの赤い星』。
一度ドラマになったとき、イメージが壊れるのがいやでパスしてしまいましたが(2時間で原作を描き切れるわけないし)、もし出来が良かったのでしたら、ごめんなさい。

ロケ地

HD放送の録画が手元にありますので、文字などけっこう細かく確認できました。
それでも全部チェックすると大変なので、気になったポイントをピックアップ。

空港

コペンハーゲンで乗り換え。
行き先はマドリッドです。

タイトルバック

見晴らしの良い通り

白いトレンチコートの裕ちゃんが歩いてくるショット。
やけに見晴らしが良いと思ったら、こちらの橋の上でした(裕ちゃんは北向き)。  

Viaducto de SegoviaW

行く手に見える高いビルは Torre de MadridW

交差点

シベーレス広場 (Plaza de Cibeles)W

from Wikimedia Commons(public domain)

正面右側に見えていたこの建物は2007年から市庁舎、それ以前は郵便局だったとのこと。  

©1978 milou アルバム「スペイン」から

※13/8/9追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♩)
撮影は1978年8月とのことです。
こちらの方が、映画のアングルに近いですね。

©1978 milou アルバム「スペイン」から

こちらは「シベーレス広場の閉鎖されコンクリートで固められた駅への階段」とのことです。
『闘牛に賭ける男』撮影時に使える状態だったかは不明。

道を訊いたところ

道路を横断してきて、風船売りのおじさんに道を訊いたところ。
編集の繋がりから言えば上記交差点のはずですが、ワープしてこちら。

背後のY字路に建つEdificio Metrópolis(Metropolis Building)Wは修復中に見えます。

大広場

  マヨール広場(Plaza de Mayor)W

市場

バスに飛び乗るところ。
調査中。

闘牛場

『さらば夏の光』と同じく、ラス・ベンタス闘牛場(Plaza de Toros de Las Ventas)W

街角

二谷さんが裕ちゃんを探してやってきたところ。
背後に見えるのは映画館でしょうか。
調査中。

ジプシー部落(台詞ママ)

山間の村。
「ガルシア氏を追ってジプシー部落へ行きました」との台詞に続いて写されるところ。
景色から粘ればわかるかも。

ノミの市

なくしたパスポートを求めてやってきたところ。
これは再びマドリッドに戻っていますね。

El Rastro de Madrid(エル・ラストロ)W

最初の俯瞰ショットはここ。

周囲の建物はほとんど映画と変わっていません。
それにしても、すごい人の数。この中でどうやってパスポートを探すつもりだったのでしょう。

パリへ向う空港

0:40頃。
ガルシア氏に会いにパリへ向う裕ちゃん。
背景のターミナルは今でも同じ姿。

マドリード・バラハス国際空港

上野駅

回想の上野駅。
このホーム、ホンモノでしょうか?

パリ

つかみ

0:57。
凱旋門 → ノートルダム寺院 → サクレクール寺院(とケーブルカー)とランドマークを捉えます。

確かにこれらはパリの物件なのですが……

©1979 milou  アルバム「パリ」から

※13/8/9追記
milouさんから画像を提供していただきました。
撮影は1979年1月とのことです。

©1979 milou  アルバム「パリ」から
ホテル

ガルシア氏が出てきたところ。
その前に二谷さんが「パリのウェリントンホテル」と言っていましたが、実は撮影場所はパリではなくマドリッド市内にあるこちら。

Hotel Wellington
http://www.hotel-wellington.com/


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どうやら裕ちゃん、スペインロケだけで手一杯だったようですね。
もしかするとパリの映像は『世界を賭ける恋』の際に撮ったものかもしれませんが、一応ロケ地のカテゴリーとしては「パリ」も入れておくことにします。

レストラン

ガルシア氏が車を降りたところ。
入口上と背後の袖看板に”RESTAURANTE RECOLETOS”とあります。
“RESTAURANTE”……という綴りからみて、どうやらここもパリではなくスペインの模様。

撮影場所はこちらだとわかりましたが、残念ながらマンションに建て替えられています。

右隣の建物は映画と模様が同じなので、場所はここで間違いないでしょう。

裕ちゃん、ガルシア氏にうまくまかれますが、乗客名簿を見せてもらって(汗)行き先がパルマであることを突き止めます。
SASサービス良すぎ?

パルマ

マジョルカ島は、今までのエントリーで言えば、『熱愛』『わらの女』など。
どれもリッチな世界でしたね。

港が見える坂道

バスが右カーブしながら下っていくところ。

『世界を賭ける恋』のSASのリムジンバスも恰好よかったですが、こちらのバスもお洒落ですね。

ロケ地マップ


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資料

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海外ロケを行った日本映画

更新履歴

  • 2014/05/29 milouさんのスペインの画像について、Picasaウェブアルバムのリンクを修正。

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