『逃走迷路』 Saboteur (1942)

逃走迷路 [Blu-ray]

作品メモ

先週Dlifeでお昼の時間帯に「ランチでショックなヒッチコック」と称してヒッチコック監督作を特集。
9/1(月)から5日(金)まで、『サイコ』『ロープ』『ハリーの災難』『逃走迷路』『裏窓』を次々放送した他、深夜の時間帯で『めまい』と『知りすぎていた男』も放送しています。
今月下旬に再放送があるようですので、せっかくの無料チャンネル、未見の方はいかがでしょう?

http://www.dlife.jp/hitchcock/

この中で『サイコ』『めまい』は当サイトで取上げ済み。 → 『サイコ』『めまい』
スタジオ中心の作品を除くと、ロケ地的に興味を惹くのは『逃走迷路』と『知りすぎていた男』ぐらいでしょうか。
というわけでまずは『逃走迷路』。

原題は「破壊活動家」。
似たような原題ですが、イギリス時代の『サボタージュ』(1936)とは別の映画です。
アメリカでの公開は1942年4月。
いよいよ第二次大戦に参戦した直後であり、映画も時代の雰囲気が色濃く反映されています。
当然日本では公開されるはずもなく、映画サイトによると1979年4月28日に初公開。実に37年後のことでした。

とはいえ娯楽映画であることに変わりはなく、ヒッチコック監督お得意の「巻き込まれ型」サスペンスが大がかりな撮影とともに西部の荒野やニューヨークで展開されます。
マットペインティングやスクリーンプロセス、実物大セットなどがショット毎に巧みに組み合わされ、今日のデジタルVFXにも負けない視覚効果をあげていました。

主演バリー・ケインにロバート・カミングス。
パットにプリシラ・レーン。
ふたりとも映画の中ではあちこち移動しているはずですが、映像をよく見るとほとんどスタジオから出ていないようにも見受けられます。

ロケ地

IMDbでは、

Owens Lake, California, USA (Soda City)
Universal Studios – 100 Universal City Plaza, Universal City, California, USA (studio)
Alabama Hills, Lone Pine, California, USA (second unit)
Boulder Dam, Nevada, USA
Liberty Island, New York Harbor, New York City, New York, USA
Radio City Music Hall – 1260 6th Avenue, Rockefeller Center, Manhattan, New York City, New York, USA
Red Rock Canyon State Park – Highway 14, Cantil, California, USA
Rockefeller Center, Manhattan, New York City, New York, USA
Springville, California, USA (ranch scenes)

いつものように特に資料は用意せず、このリストとウェブマップをたよりに画面とにらめっこでチェックしていきました。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

牧場

Springville, California, USA (ranch scenes)

牧場自体は見つかりませんでしたが、続く橋の場所の手掛かりとなりました。

川に飛び込んで難を逃れたところ。
上記牧場の近くをうろうろして見つけました。


大きな地図で見る

西側に新しい橋が作られたようですね。上掲ストリートビューはその橋からの目線となっています。
飛び降りたのは新しい橋がある側。
追っ手が降りていったのは南端のこちら。

Wikimapiaあたりには撮影地であることが記されているかと思いましたが、何もなし。
こういうの一番乗りするとちょっと嬉しいかも 🙂

ソーダ・シティ

0:52。
IMDbによるとこちら。

Owens Lake, California, USA (Soda City)

このあたりは『トレマーズ』の舞台になったところですね。

ダム

フーバーダム(Hoover Dam, Boulder Dam)W

By Bureau of Reclamation
(public domain)

1:03頃車が去って行くショットの場所は調査中。

ニューヨーク夜景

“Beautiful Funeral”の看板の直後のショット。
ブルックリン橋プロムナードのブルックリン側から。

Photo from Wikimedia Commons
(public domain)

この後車が到着した店の外に、ヒッチコック監督の姿が見えます。

高層ビル

パットが高層階で監禁されていたところ。
1:29頃の最初の俯瞰ショットはマットペインティングのような気もしましたが、よく見るとガラスに道行く車が映っていますのでホンモノのビルのようです。場所は調査中。

1:31頃のメッセージがひらひら落ちていくショットは、ロックフェラーセンターにそびえ立つGEビルディング(当時RCAビルディング)Wの東南側。カメラ東向き。

Photo from Wikimedia Commons
(public domain) 

眼下左右に走る道路の向こう側に見えるビルは、2ブロック東側、5番街に面して今でも建っているこちら。

Saks Fifth AvenueW

その位置からメッセージを落としたビルの上階を逆に見ると、きっとこうなるはず。

By Ethan S. Klapper via Wikimedia Commons
(public domain) 

メッセージを見た運転手が指さしたのは、このGEビルではなく、その北東側はす向かい、上の画像で右端に写っているこちらのビル。
カメラ位置はGEビルのすぐ北側(50th St.)で、カメラ東向き。

これも最初の俯瞰ショットのビルとは違いますね。
つまり3つのショットは全部別のビルなのでした。

ややこしいので、マップにカメラアングルも加えてみました。

進水式

設定ではブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)W
リアルではこちらにあります。

ホンモノの進水式の映像を取り入れているようですね。
煙の向こう、船の行く手に見えるのはウィリアムズバーグ橋。
向きを考えると、このあたりのドックでしょうか。

By Bain News Service via Wikimedia Commons
(public domain)

参考までにこちらは戦艦アリゾナの進水式の様子(1915年6月19日)。
やはり背景にウィリアムズバーグ橋が見えます。

ビルの出入口

1:34
車が入っていくビルの出入口。
“ROCKFELLER CENTER TRUCK ENTRANCE”とありますが、GEビルの50th St.を挟んですぐ北側の建物(の南側)で見つけました。
70年以上経った今でも全く同じたたずまいですね。

この建物が、このあと活劇の舞台となるRadio City Music Hallのビルです。

劇場

ラジオシティ・ミュージックホール(Radio City Music Hall)W

By Historic American Buildings Survey (HABS)
via Wikimedia Commons (public domain)
By Historic American Buildings Survey (HABS)
via Wikimedia Commons (public domain)

横転した船

1:37。
車からの視線で、大きな船が横倒しになっていてギョっとします。テロリストはにんまり。
設定では戦艦アラスカ号ですが、実際には元フランスの客船で、アメリカの輸送船として改造中だったこちら。

ノルマンディー号(SS Normandie)W
1942年2月9日に火災とその後の浸水により転覆。改造作業中の失火で、破壊工作ではありません。

By USN via WIkimedia Commons
(public domain)

場所はハドソン川に面したPier 88。

By USN via Wikimedia Commons
(public domain)

これらの空撮は上が西になっています。

 
 
 
  

自由の女神

『逃走迷路』ときたらやはりこの場面。
『北北西に進路を取れ』のラシュモア山を連想する方も多いかもしれません。

下からあおっていくのは、このあたり。

ロケ地マップ


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資料

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更新履歴

  • 2014/09/11 新規アップ

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