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『ブーベの恋人』 La ragazza di Bube (1963)

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壊れた橋の村

作品メモ

監督ルイジ・コメンチーニ、原作カルロ・カッソーラ、脚本ルイジ・コメンチーニとマルチェロ・フォンダート、製作フランコ・クリスタルディ、撮影ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽カルロ・ルスティケリ。

ブーベの恋人 原作本はまだ入手可能。
(Amazon.co.jpのアソシエイトによる表紙画像使用)

ブーベの恋人 La Ragazza Di Bube (Bebo's Girl) [Import CD from Italy] ブーベの恋人

テーマ曲はかなり有名。
それに比べて、実際に映画を見たことがある人は意外と少ないかもしれません。

ヒロインのマーラにクラウディア・カルディナーレ。
お相手のブーベにジョージ・チャキリス。
『ミラノの恋人』とは違って「ブーベ」は地名ではなく男の名前です。

中身はかなりシリアス。
2人の組み合わせとメランコリックなテーマ曲で甘いロマンスを期待すると、しっぺ返しを食らいます。

数年前のBS放送版での鑑賞。
画質はあまりよくなく、へたするとYouなんとかの方が良いかもしれません。
英題”Bebo’s Girl”。

ロケ地

IMDbには記載がありません。
他のサイトでもこれといってロケ地情報は見つかりませんでした。
じ~っと画面を観察する他ありません。

壊れた橋と村

前半の舞台となるマーラの住む村。
川縁にあり、すぐ近くに半分崩落している昔の橋があるのが特徴的。

ヒントとしては、セリフで「コッレ」という地名がたびたび出てきますが、Colle Val d’ Elsaでしょうか。
また”Buonconvento”という道路標示が映りますので、それらの近くと推測されます。

川幅はけっこう広いので、そのあたりを流れている川をウェブマップで川幅が広い方に向かってたどっていき、ようやく見つけることが出来ました。
シエナの南20km弱の、こちらです。

Buonconventoは東へ15km。Colle Val d’ Elsaは北北西に30数km。
村の家々があったあたりは、今はホテル&レストランとなっています。

Locanda Del Ponte
Ss 223 Loc. Ponte A Macereto, Monticiano
53015 Monticiano, Italia
http://www.locandadelponte.it/

マーラの家も施設の一部としてそのまま残っているようです。
マップではピンポイント的にこちら。

画像はたとえば……↓

  • http://www.bookinitaly.com/strutture/pag.php?id_stru=102239

橋の画像はたとえば……↓

  • http://www.flickr.com/photos/tizianomarinelli/3777766668/

近くの道路でSVが使えるのでなんとか橋を見ようとしましたが、映画とは逆の北側からの眺めになってしまいました。  

※2013/05/14 追記
SVが更新され、草木で視界が遮られてしまったので、位置を少し移動。
Googleの車が映っているミラーの背後が橋という、ナイスなアングルとなりました。
(追記終わり ※2015/11/05 SV更新)

橋やホテルの由来についてはホテルのサイトの沿革に書かれてあります。
『ブーベの恋人』の撮影に使われたことも書かれてありますので、ここで紹介しても構わないでしょう。

  • http://www.locandadelponte.it/index.php/storia.html

“Locanda Del Ponte”は訳せば「橋の宿」でしょうか。
もともとは歴史ある旅籠で、1530年に洪水で壊れた橋が再建された時にまでさかのぼることができるそうです。
長らく地元の人の集会所や商人の旅籠として使われていましたが、1900年に火災が発生。さらに第2次大戦で荒廃は決定的に。
橋も1962年に再び洪水で壊れてしまい、撮影はこのあたりがすっかり寂れてしまった時分に行われたことになります。
橋が壊れたのは戦火のせいではありませんが、崩れた橋といい痛んだ建物といい、戦争直後の雰囲気をとても良く出していて、ロケ地として適していたような気がします。

なお現在のホテルは1990年に作られました。
料金もお手頃のようですので、これは一度は訪れてみたいと思いました。

※15/11/5追記
いつの間にかホテルでインドアビューが使えるようになっていて、その一環で外観も見ることができるようになりました。
マーラの家がそのままホテルとなっているようですね。

橋の画像も1枚使えるのがありましたが、上掲SV同様映画とは反対側からの眺めですね。

ハイヒールを買った町

様々な表情を見せるクラウディア・カルディナーレが可愛らしい場面。
長~くまっすぐ続く坂道や銅像が立っている広場などが特徴的な町ですが、前夜の会話からそこは「コッレ」、つまりColle di Val d’Elsaのはず……
ところが、ウェブマップをいくらみてもColle di Val d’Elsaではぴったりくる場所が見つかりませんでした。
そこで近くの町を片端からあたってみたところ、ようやく見つけたのがこちら。

アンギアーリ AnghiariW
http://www.comune.anghiari.ar.it/

像のある広場は Piazza Baldaccio というそうです。
画像は例えば……

  • http://www.panoramio.com/photo/5419951
  • http://www.flickr.com/photos/maong/2412272915/
  • http://www.panoramio.com/photo/15811169

像はガリバルディのようです。

台座の「1883…1914」はなんの年号でしょう??

なぜコッレで撮影しなかったのかはわかりません。
撮影上の制約でもあったのでしょうか?

※SV(2011年9月追記)
SVが利用できるようになっていましたので追加(※15/11/5 SV更新)

 
 
 

「ファシスト司祭」を村人が取り囲むところ。
手がかり少なく調査中。

都会

村を出て働きはじめたところ。
手がかり少なく調査中。

気になるのは、『哀愁』の映画館や噴水など。

手がかり少なく調査中。

資料

更新履歴

  • 2015/11/05 「壊れた橋と村」SV更新 画像更新 「ハイヒールを買った町」画像差替 SV更新

コメント

  1. ほりやん より:

    そうですか、ばたんきゅーの生活でしたか、それでは今回のQに、お答え、いたし、ます。

    (台座の年号)

    「Eine Stadt in der Toskana」というPDFの330ページに、

    Das erste Garibaldi-Denkmal (1883) mit einer Büste und das zweite Garibaldi-Denkmal (1914) mit einer Statue.

    とあります。

    chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://www.roland-guenter-werke.de/PDF/Anghiari%20Buch%20Deutsch.pdf

    ちなみに、333ページには、レストランがあったアーケードが写っていますね(裏焼き写真になってるのが残念ですが)。

    それはそうと、この映画はヴィスコンティの「白夜」に似ていますね。
    クラウディア・カルディナーレと「白夜」のマリア・シェル
    ジョージ・チャキリスと「白夜」のジャン・マレー
    マルク・ミシェルと「白夜」のマルチェロ・マストロヤンニ

    この類似、違ってたら、ごめんチーニ。

  2. ほりやん より:

    前のコメントのPDFをスマホで見るとエラーが出てしまいました。そこで、

    http://www.roland-guenter-werke.de/Content.aspx?mID=53&pageID=28

    を訪ねてから、そこに記載の「PDF Eine Stadt in der Toskana (Buch) Deutsche Fassung」を
    クリックすると、見ることができます(496ページもあるのでダウンロードに時間がかかりますが)。

  3. 居ながらシネマ より:

    ほりやんさん、コメントありがとうございます。
    ドイツ語の文書から見つけてこられるとは、さすがほりやん-0.1 😆
    と思っていたら最後に「ごめんチーニ」が待ち構えていたので、リビジョンを0.01ぐらいロールバックさせてください。

    なるほどー、数字は像の履歴なのですね。
    おかげさまでスッキリです。
    ご自分の書籍をまるっとアップしてくださったギュンターさんにも感謝。

    このエントリーは純粋にマップをぐりぐりいじってロケ地を見つけることができたので、愛着がある……はずなのですが、中身はすっかり忘れていました。
    本編も長いこと見ていないので(焼いたディスクがどこかにあるはずですが例によって……)うろ覚えとなりますが、
    確かにヴィスコンティ……といいますか『白夜』に人物配置が重なるところがあるかもしれませんね。
    ただまあジョージ・チャキリスはマズいことになったわけで、その場合は早めに損切り?して別の人生を歩む選択肢もあったのでは……(でもそれでは映画にならない)

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