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『月下の恋』 Haunted (1995)

月下の恋 [DVD]

作品メモ

一つ前のエントリー『暁の7人』のルイス・ギルバート監督、アンソニー・アンドリューズ出演によるイギリス製ホラー。
同監督はこのあと1本撮っていますが日本未公開で、日本公開作としてはおそらくこれが最後。

邦題はロマンティックですが、原題は「ホーンテッド」。つまり「出る」話。

幼い頃水の事故で双子の妹を亡くした男が主人公。
今では大学教授となり心理学の立場から超常現象を批判的に研究してます。
普段はいんちきな降霊術のトリックをあばいたりしていますが、ある日地方から招聘され、とある屋敷の怪奇現象を解明することになります。
そこで知りあった女性と親密になるうちに、次々不思議な現象に見舞われ…… といったお話。

学者の先生がお屋敷の怪異現象と対峙するという点ではまるきり『ヘルハウス』ですが、テイストはちょっと違っていて、どちらかといえば『回転』の路線。イギリス映画らしさがより出ている作風です。
美しい映像で綴られるお屋敷もの、という点では『アザーズ』を連想される方も多いでしょう。
個人的には冒頭などの雰囲気にオーストラリア・アメリカ映画の『記憶のはばたき』や韓国映画の『箪笥』なども思い出しました。
これらの作品に比べて、ややストーリーやアイデアが弱いかもしれませんが、この雰囲気たっぷりの映像とヒロインの美しさだけでも十分見るに値する映画だったかもしれません。

キャスト、スタッフ

主人公デビッド・アッシュに、おでこがいつも印象に残るエイダン・クイン。
彼を駅まで出迎えた美しきヒロイン、クリスティーナにケイト・ベッキンセイル。
何度も大胆なシーンをこなしていますが、果たしてホンモノでしょうか??

その長兄ロバートにアンソニー・アンドリューズ。
『衝撃の告発!QBセブン』『暁の7人』に比べると完全におじさん化していますが、こっちも同じ。他人のことは言えません。いかにも育ちが良さそうな感じがこの役にぴったり。
もうひとりの兄サイモンにアレックス・ロウ(Alex Lowe)という人。こちらの全裸は本物(汗)。

さらに、この家族の世話をしている乳母がいて、いつも何かを言いたげにしています。
以上たった4人が人里離れた広大な屋敷に長らく住んでいるという、そりゃ出るものも出ますって。

月下の恋 原作はジェイムズ・ハーバート。
翻訳は初め『悪夢』の邦題で講談社文庫から出ていましたが(1990/8)、映画公開にあわせて学習研究社から(1996)映画と同タイトル『月下の恋』が付けられ、スチールも使った単行本として発行されています。
原作はほとんど覚えていませんが、映画とは設定が若干違っていたような。
確か主人公のスタッフに本物の霊能力者がいて物語に絡んできたような記憶があるのですが、そのへんの枝葉が映画でばっさりカットされているのはいた仕方ないかもしれません。

ジェームズ・ハーバートは映画関連で言えばやはり『ジャンボ墜落 ザ・サバイバー』の原作者として知られているでしょうか。
個人的には最初に読んだのが『鼠』。エグい描写が話題でしたが、その前に西村寿行さんの『滅びの笛』を読んでいたのでなんてことなかったのを覚えています(出たのは『鼠』の方が先)。
この『鼠』、allcinemaを見たら映画化されているようですね。『巨大ねずみパニック』(allcinema)といういかにもしょーもなさそーなタイトル……

『月下の恋』に戻りまして、今から見るとなるとなかなか難しいものがありそうです。
DVDも出ていたようですが、Amazonではすんごいプレミアム価格。
手元にあるのはVHS。出来るだけ良い画質で見たいので、DVD……というよりは、HD放送を希望したいです。

製作・監督ルイス・ギルバート。
撮影トニー・ピアース=ロバーツ、音楽デビー・ワイズマン。

※15/4/12追記
月下の恋 [Blu-ray]

先月(2015年3月)Blu-rayが出たようです。
画質が気になりますね……

ロケ地

IMDbでは、

East Sussex, England, UK
London, England, UK
Parham Park, Storrington, West Sussex, England, UK
West Sussex, England, UK

大学

ケンブリッジという設定のようですが、別の場所のようです。

▼25/2/25 追記

コメント欄(2025年2月22日 16:58)でほりやんさんから情報を寄せていただきました。

Christ’s Hospital SchoolW, West Sussex, England

0:12

“EDBROOK”と表示されていますが、架空の駅名。
お屋敷の名前も”EDBROOK HOUSE”という設定。

下記ロケ地の最寄り駅を探してみましたが、これというところは見つかりませんでした。

 

▼25/2/25 追記

コメント欄(2025年2月22日 16:58)でほりやんさんから情報を寄せていただきました。

Bluebell RailwayWのこちら↓

Sheffield Park stationW

お屋敷

この手の「お屋敷もの」で気になるのはやはり「あのお屋敷はどこよ?」ですが、IMDbのリストにもあるようにウェストサセックスのこちらです。

Parham House and GardensW
Storrington, Nr Pulborough, West Sussex RH20 4HS
http://www.parhaminsussex.co.uk/

帰ってきた駅

▼25/2/26 項目追加

1:38

コメント欄(2025年2月22日 16:58)でほりやんさんから情報を寄せていただきました。

Bluebell RailwayWのこちら↓

Horsted Keynes stationW

列車がやってくるのはいちばん東側の線路で、カメラは中央のホーム北寄りのこのあたり↓で南から来る列車を捉えています。

向きは逆ですが、こちら↓のホーム。

資料

更新履歴

  • 2025/02/26 「帰ってきた駅」項目追加
  • 2025/02/25 「大学」「駅」にほりやんさんの情報を追記
  • 2015/04/12 Blu-ray情報追記

コメント

  1. ほりやん より:

    お気に入り映画「セレンディピティ」のケイト・ベッキンセイルが出ているので、U-NEXTで今回初めて観ました。大胆なシーンはケイトとは別、均整のとれた体の女優さんが演じているようです。

    (大学)

    建物全体が映るシーンを画像検索すると、

    Christ’s Hospital School, West Sussex, England

    (駅)

    「British Railway Movie Database」を調べると、

    Horsted Keynes station

    https://railwaymoviedatabase.com/haunted/

  2. 居ながらシネマ より:

    ほりやんさん、U-Nextで配信されているのですね(お値段高めなので契約していませんでした……)。
    アマプラにも『幽霊』とかいうしょーもないタイトルで配信されてるみたいですね。

    ロケ地情報ありがとうございました。

    Horsted Keynes stationはラストで帰ってきた駅でしょうかね。
    やってきた駅(“EDBROOK”)の方は、背景にちらりと映る跨線橋がHorsted Keynesでは見あたらず、同じ鉄道を辿って別のところで見つけました。
    この駅(Sheffield Park)、自分で自分のサイトを検索してみたら、『回転』でも登場していました。
    「出る」映画御用達ですね 😇

  3. ほりやん より:

    「British Railway Movie Database」の記事には、二つの駅の写真が載っていて、両者は明らかに違う駅であるにもかかわらず、両方とも「Horsted Keynes station」であるかのように読めてしまうので、私は早合点してしまい、“EDBROOK”が「Horsted Keynes station」だと決めつけてしまいましたが、さすがキャプテン、よくぞSheffield Parkを見つけてくださいました。『回転』も見直しましたが、プラットホームの屋根を支える柱の形が一緒ですね。
    では、ラストで帰ってきた駅こそがHorsted Keynes stationか?ですが、なんかこの記事が信用できなくなったので、ほぉ~んとのところ、どこなんでしょうね。

  4. 居ながらシネマ より:

    今画像で確認しましたが、やはり帰ってきた駅がHorsted Keynes stationですね。
    またまた自分で自分のサイトを検索してみましたが、『刑事フォイル』や『眺めのいい部屋』に登場していました。
    まあこの手の時代ものの映画やドラマには、欠かせない駅のようですね。

    というわけで、情報いただかなければ到底調べられなかったわけで、おかげさまでスッキリしました。
    お見事マーク 😀 を謹呈いたしますので、切り抜いて大切にとっておいてください。

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