作品メモ
『オープン・ユア・アイズ』のアレハンドロ・アメナバール監督がハリウッドでメガホンをとったホラー。
第2次大戦中のイギリス、ジャージー島。
深い霧の中に建つ屋敷でひっそりと暮らしながら、 出征した夫の帰りを待ちわびる妻と二人の子供。
3人の周囲で不思議な出来事が次々起こり、やがて屋敷に潜む何者かの存在が……
そんなお話です。
「幽霊屋敷もの」といってしまえばそれまでですが、全編通して静かな筆致といいますか、繊細な描写で物語を紡ぎ上げていく演出の手腕はなかなかのもので、いつのまにか登場人物とシンクロして不安と恐怖が耐えきれないほどつのっていきます。
同じ「お屋敷もの」でもヤン・デボンの『ホーンティング』あたりとは対極にある作品ですね 😉
ニコール・キッドマンの透き通るような美しさも印象的で、最後「アザーズ」の正体を知ってしまったあとでも、また繰り返し見たくなる、とても良くできた作品だと思います。
ネタばれ的メモ
この部分は少しネタばれが含まれていますので、ご注意ください。
もう10年以上も前のことでしょうか、確か六本木のABCだったと思いますが、洋書の写真集のコーナーで物色していてふと一冊の本に目が留まりました。
確か全体が黒い装幀の中判サイズで、タイトルが”SLEEPING BEAUTY” 。
ぱらぱらとめくってみますと、中はセピアがかったレトロな感じの人物写真集で、大人から子供まで皆目を閉じて横たわっている、そんな構図です。
ああなるほど、だからSLEEPINGね……と思ったのもつかのま、被写体の持つただならぬ雰囲気を感じて、ハッとしました。
それは死者たちの写真集だったのです。
何も心の準備をしていなかったので、惹きつけられる気持ちと遠ざけたい気持ち、両方が一度にわき起こって、かなりざわざわっとしてしまいました。
後で知りましたが、(映画の中でも述べられているように)一時期のアメリカでは、亡くなった人をきちんと写真に収める習慣があったそうで、そういった写真を集めて本にしたものなのですね。
第2集も出たということでそれなりに反応があったものと思われますが、さきほどAmazonで検索してみたらどちらも絶版のようで、日米ともに結構なプレミア価格となっていました。
正式なタイトルは「Sleeping Beauty: Memorial Photography in America」のようですので、詳しいことをお知りになりたい場合はそれで検索してみてください。
ロケ地
お屋敷
映画の中ではイギリスのチャネル諸島ジャージー島という設定。
実際の外観はスペインで撮影されています。
Palacio de Los Hornillos (Los Hornillos Palace)
Las Fraguas , Cantabria
解像度はやや低いですが、Google Mapsではこちら ↓
他
IMDbでは他に
Oheka Castle – 135 West Gate Drive, Huntington, Long Island, New York, USA
とありますが、映画の中でどの部分なのかはわかりませんでした。
公式サイトとネットのマップだけ記しておきます。
ロケ地マップ
※17/2/12項目追加
スペインで撮影された映画のロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2017/02/12 「ロケ地マップ」項目追加
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