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『明日を夢見て』 L’uomo delle stelle (1995)

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作品メモ

ひとつ前のエントリー『マレーナ』に続けて、ジュゼッペ・トルナトーレ監督のシチリアものをもうひとつ。

1950年代のシチリアを舞台に、ローマの映画会社を騙りオーディション詐欺をはたらく男を描きます。
参加費は1500リラ也。
フィルム代や現像費と称してだまし取っているわけですが、偽物のカメラテストとはつゆ知らず、俳優を夢見る人々はなけなしのお金を握りしめて次々登場。カメラの前で懸命に演技し、あるいは自分語りを始めます。
こうした形で彼の地の様々な人間模様が短く綴られていくというのがうまいアイデアで、その部分だけでも結構楽しめます。

一方、かんじんの本筋の方は、村から村へと渡り歩くロードムービーのスタイルをとっていますが、カメラテストの小ネタ集合体に比べればやや平板。ラストもいささか後味がよろしくなかったような……。
トルナトーレ監督の映画もの、となるとどうしても『ニュー・シネマ・パラダイス』を連想して期待値が上がってしまうわけですが、最後見事に着地した『ニュー・シネマ~』に比べるとやや分が悪かったかもしれません。
さらに言えば、この映画に限らずその後の作品も、それなりに面白くとも「もひとつなにかほしいかも……」と毎回感じてしまったような気がします。
作品の質はずっと保たれていると思いますので、きっとこれは受け止める側の問題で、単にトルナトーレ・ブランドについての限界効用の逓減なのかもしれませんね……。

ローマからやってきて、シチリアのありさまにあきれつつ、スイスイと詐欺を遂行していく主人公ジョー・モレッリにセルジオ・カステリット。
オーディション参加をきっかけに主人公に同行する天涯孤独の娘ベアータにテッツィアーナ・ロダート(Tiziana Lodato)。これがデビュー作。トルナトーレ監督作では『シチリア!シチリア!』(2009)で端役出演。
ベアータのキャラ設定は、もしかすると『道』のジェルソミーナに重なるものがあるかもしれません。
比べてはいけないと思いつつ……

監督脚本(共作)ジュゼッペ・トルナトーレ、撮影ダンテ・スピノッティ、音楽エンニオ・モリコーネ。

タイトルの読みは、Wikipediaでは「あしたをゆめみて」。
Kinenoteでは「あすをゆめみて」。
どちらが正解?[1]チラシやVHSでは「あすをゆめみて」と書いてあるので、おそらくこちらが正解
ちなみにallcinemaのタイトル検索で、「明日」の部分一致は206件ヒット。
果たしてそのうち何件「あした」と「あす」を正しく区別して読むことができるでしょうか??

ロケ地

IMDbでは、

Poggioreale, Sicily, Italy (Ghost Town)
Matera, Basilicata, Italy
Ragusa, Sicily, Italy

エンドクレジットが地名の宝庫で(笑)、多すぎてとても全部はチェックしきれませんでした。

長いので折りたたんでいます。クリックで開閉します。
i Comuni di RAGUSA IBLA
MATERA
MARZAMEMI Fraz. di PACHINO
MONTEROSSO ALMO
POGGIOREALE
PORT EMPEDOCLE
SCILLATO
CIVITA DI BAGNOREGIO
ALIA
ALIMENA
BLUFI
BOMPIETRO
CALTAVUTURO
CASTELBUONO
CASTELLANA SICULA
CEFALU
COLLESANO
GANGI
GERACI SICULO
PETRALIA SOPRANA
PETRALIA SOTTANA
POLIZZI GENEROSA
SAN MAURO CASTELVERDE
VALLEDOLMO

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

タイトルバック

海辺の道

背景に見えるのは、シチリア島南東部のこちら↓

Tonnara di Vendicari

Tonnaraはイタリア語でマグロ。Vendicariはこのあたりの地名。
マグロの加工工場跡のようです。[2]http://www.vendicari.net/tonnara-of-vendicari/

0:03

顔を洗っていたところ。
とあるものがどんぶらこと流れてきてたまげますが、地元の人達は平気の平左。

場所不明ですが、背景の煉瓦造の橋が手がかりになるかと。

最初の村

クレジットが進むうちに、最初の村に到着。
これはIMDbのリストにあるこちら。シチリアではありません。

Matera(マテーラ)W, Basilicata, Italy

石灰質の山を削り出して作られた家々が並ぶこの町、シチリア以上にシチリア的雰囲気??

マテーラの洞窟住居W

トラックが進む通り

オープニングクレジットが続きます。
トラックが進んでいく一人称ショット↓

この通りを道なりに行くと、オーディション会場である教会前広場に出ます。

眺めの良い階段

途中インサートされる眺めの良い階段↓

オーディション会場

教会は↓

Chiesa dei Santi Pietro e Paolo (Matera)W

映画では分かりづらいですが、凄いところに造られていますね。

去っていく道

0:23

巡査

0:25

古代劇場の遺跡で、マストロパオロ巡査のテイク27……
シチリア語でダンテの『神曲』を詠いあげます。

シチリア島のこちら↓

モルガンティナ(Morgantina)W

山賊兄弟

0:27

石切場でしょうか?

共産党議員

0:31

舌先三寸で難を逃れた後、ヒッチハイクで乗せたのは共産党の地区議員。
主人公はさっそく「我が社は『揺れる大地』であなた方と仕事をした」とか吹かします。

ヴェルガが原案?
同志トリアッティが協力の?

『揺れる大地』は数本後のエントリーで取り上げる予定。

2番目の村

エンドクレジットにあるこちら。

モンテロッソ・アルモ(Monterosso Almo)W

オーディション会場

0:33

マップでは、Piazza Sant’Antonioとある広場。

広場に面した教会は、マップではSaint Antonio。
こちら↓の画像では、Chiesa dell’Addolorataとなっています。

羊飼いの良いところは
星と話せることだ

言葉を失った老人が見下ろしていたのは、こちら↓

こちら↓の画像が、ちょうど同じアングル。

スペイン内戦に参戦したという設定のこの老人、演じたレオポルド・トリエステ(Leopoldo Trieste)は『ニュー・シネマ・パラダイス』のアデルフィオ神父。

翌朝

0:45

村を去る途中、医師を乗せた右カーブ。

山岳の村

0:48

洞穴が気になりますが、場所不明。

選挙の村

0:49

選挙中の比較的大きな村。
これはIMDbのリストにあるこちら↓

Ragusa(ラグーザ)W, Sicily, Italy

トラックがやってくる通り

最初にトラックを捉えるショットはこちらの丁字路。

左手前の井戸は本物。

通りには緑、青、赤の横断幕が吊られていますが、緑はイタリア共和党(Partito Repubblicano Italiano)W、青はキリスト教民主主義(Democrazia Cristiana)W、赤はイタリア共産党(Partito Comunista Italiano)W

すれ違った車は、キリスト教民主党のもの。

修道院の前

ベアータがトラックを見に顔を出すところ。
ラスト近く、1:39でも写ります。

マップではコルソXXVアプリーレという通り。オーディション会場のすぐ東側。

シスターたちが選挙協力していた中庭部分や奥の湾曲した階段もこちらのもの。1:39では整備工場となっています。
これらが左隣の教会のものなのかは不明。

オーディション会場

こちらの教会の前。

Chiesa di San Giuseppe (Ragusa Ibla)W

この教会、『モンタルバーノ』で何度か登場しています。

広場に面した映画館« CINEMA ITALIA »は、こちら↓の建物を擬装しています。

葬儀

1:01

ドンのお葬式。

こちら↓の教会の脇の階段。

Chiesa di Santa Maria delle Scale

ベアータを連れ帰ったところ

1:10

荒廃した村

1:12

自称公爵夫妻にレッカーされてきたところ。
『マレーナ』で戦災の街角として登場したこちら↓

Poggioreale, Sicily, Italy (Ghost Town)

“モンデューゾ公爵夫人”を撮ったのは、こちら↓の廃屋。

この後バス移動中写真を撮っていた二人組は、ドルチェ&ガッバーナのカメオ。

トラックを取り戻したところ

1:21

図らずもベアータと合流。
トラックの背後に少し年季の入った門が見えます。 その後ベアータと会話する中庭も含めて、こちら↓の修道院跡。
イタリア語版Wikipediaに名前がありましたので判明しました。

abbazia di Gangi Vecchio

  • Google Maps
  • 37.778423,14.229231  ……門の位置(カメラ南南西向き)
  • 37.778752,14.228986  ……中庭

Tripadvisorではホテルになっているようですが、詳細不明。

誰もいない村

1:26
設定では「トレポルトニ」という名前のようです。
撮影は、シチリアではなくエンドクレジットのリストにあるこちら↓ 

チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(Civita di Bangnoregio)W

せっかくの絶景空中都市ですが、引きの映像はありません。
あくまでシチリアの設定ということなのでしょうね……

ここは劇場版『ホタルノヒカリ』でも登場していましたが、村に架かる長い橋の手前から全景を捉えただけで、その先綾瀬はるかさんが「ぶちょお~~」と探し回るのは別の場所かと思います。

トラックの進路

トラックが建物の下をくぐってやってくる最初のショット。

その次の一人称ショットは、こちら↓を南西向き。

……とここで気づきましたが、この村って車は入ってこられるのでしょうか 😅 ???

教会

3ショット目がこの教会。

Chiesa di San Donato (Bagnoregio)W

4ショット目は、教会南側の道を西向きに進み、再び教会前広場に出ます。

見晴台

フードをかぶった老人に手招きされた見晴台。

映画では素朴な石造りに見えた腰高の壁が、SVでは素材が異なって見えますし手すりまでついています。傍にあった井戸も見当たりません。
撮影の際に擬装したのか、あるいはリノベートしたのかは不明。少なくとも井戸はセットのように思えます。
ついでに、ここからの眺めも映画とは全然違いますね(汗)
「こっちじゃよ 皆集まっとる」のセリフのショットでは、グリーンバックのスタジオセットに替わっているかもしれません。

港町

1:20

これはもうヴィスコンティの『揺れる大地』ですね 😉
上の方でも書きましたが、何本か後のエントリーでとりあげるつもり。

とうとう御用となったこの場面は、エンドクレジットにあるこちら↓で撮影

MarzamemiW

港の塔

1:47

シチリアの北東、メッシーナ。

Stele della Madonna della LetteraW

ロケ地マップ

資料

更新履歴

  • 2021/11/03 新規アップ

References

References
1 チラシやVHSでは「あすをゆめみて」と書いてあるので、おそらくこちらが正解
2 http://www.vendicari.net/tonnara-of-vendicari/

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