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『モンタルバーノ ~シチリアの人情刑事~』 Il commissario Montalbano (1999-) / 『ヤング・モンタルバーノ』 Il giovane Montalbano (2012-)

Il Commissario Montalbano - Il Ladro Di Merendine [Italian Edition]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『ドクター・マーティン』はイギリスの架空の村が舞台のコメディですが、こちらはシチリアの架空の町ヴィガータ(Vigàta)で起きた事件を地元警察が解決していく、イタリア製のドラマシリーズ。

本国では1999年に放送開始。今年(2016年)3年ぶりに第10シーズン2エピソードが放送され、今のところ全部で28エピソード。
日本では2013年からAXNミステリーで放送。現在(2016年5月)最新2エピソード以外は放送済み。
(※18/7/21追記 その後本国ではシーズン11と12がそれぞれ2エピソードずつ作られ、計32エピソード。日本でもこの7月にAXNミステリーで29~32話が放送され、すべて放送済みとなりました)

2012年には若き日を描く『ヤング・モンタルバーノ』(Il giovane Montalbano)がスタート。2シーズン12エピソードが作られ、日本でもすべて放送済み(2014年からAXNミステリー)。
こちらは十数年前という設定かと思いますが[1]第2シーズンのオーラスで劇的な展開となり、そこではっきり設定年代がわかるようになっています。※18/7/21追記 … Continue reading、だいぶ齢を重ねてきたレギュラー陣が若手にリフレッシュされたことで、何より見た目がとてもスッキリ(汗)。
お話の上でも前日譚が描かれることで本家の設定がぐっと奥行きを増すわけで、ヤングスタトレやヤング島耕作みたいになかなかうまい展開となっています。

本家もヤングもシチリア島の美しい風景が大きな魅力。
イタリア語の陽気な響きが心地よく、どこか呑気な警察署の面々も回を追うごとに親しみが増してきて、毎回会えるのが楽しみとなってきます。
シチリアという土地柄、「マ」の人がらみの事件もたびたび扱いますが、暴力的な描写は控えめで、その点も安心して見ていられるかもしれません。

原作

おやつ泥棒―モンタルバーノ警部 (ハルキ文庫)

原作アンドレア・カミッレーリ。
翻訳本もハルキ文庫から2冊出ています。
本家第1話の原作は、この『おやつ泥棒』。

ヴィガータ(Vigàta)Wは架空の町で、やはり架空の大きな町モンテルーザ(Montelusa)Wの近隣にあるという設定。[2]「モンテルーザ」は「モンテルーザ県」の県庁所在地という設定

実際には「ヴィガータ」は原作者の生まれ故郷であるポルト・エンペードクレ(Porto Empedocle)Wと考えられ、「モンテルーザ」はアグリジェント(Agrigento)Wであると見なされるようです。

なお「コミッサリオ(commissario)」は字幕では「警視」ですが、原作では「警部」と訳されています。

キャラクター&キャスト

ヴィガータ署の愉快な仲間たちも魅力のひとつ。
よく考えてみたら本家とヤングの間で人事異動が全然ないわけですが(汗)、とにかく年齢を別にすればキャラ設定が同じで、変わったこといえば、主人公の髪が……(略)

本家 ヤング
Il Commissario Montalbano - Box 01 (5 Dvd) [Italian Edition] Il Giovane Montalbano - Serie Completa (6 Dvd) [Italian Edition]
サルヴォ・モンタルバーノ
Salvo Montalbano
Luca Zingaretti Michele Riondino
ファッツィオ
Giuseppe Fazio
頼れる部下。
父親Carmineも同署勤務だった
Peppino Mazzotta Beniamino Marcone
Andrea Tidona(父)
カタレッラ
Catarella
お笑い担当の愛すべきキャラ。
来客者の名前を正しく伝えられた試しがない
Angelo Russo Fabrizio Pizzuto
ミミ・アウジェロ
Mimì Augello
副長で親友
女性に目がない
2人はいわゆるキャリア組でしょうか
Cesare Bocci Alessio Vassallo
リヴィア
Livia Burlando
恋人。ジェノヴァ在住。
Katharina Böhm
Lina Perned(S9)
Sonia Bergamasco(S10)
Sarah Felberbaum

 

 
 
 

 
 
 

ロケ地

本家もヤングも、自宅や警察署など主なロケ地は共通しています。
Wikipediaにいろいろ情報がありましたので参考にしました。
シチリア島南東部で撮影が行われた模様。

例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

住まい

海辺にある素敵な住まい。
ヤングではこの家に住むことになるいきさつも描かれます。
場所はこちら。

Punta SeccaW

現在こういった名前となっていて、宿泊できるようです。

La Casa di Montalbano
http://www.lacasadimontalbano.com/

マップではこちら↓

灯台は住まいの南東側。

ヴィガータ署

モンタルバーノたちが勤務しているところ。
撮影に使われたのは、シクリ(Scicli)Wの庁舎。

今にもカタレッラが飛び出してきそう♪

ドラマではよく署を出て向かいのバールのようなもので話をしていますが、実際にあるみたいですね。

 
 
 

本部長の部屋

モンタルバーノが時折訪れる上司(本部長?)の部屋は、設定では大きな町(おそらくモンテルーザ)にある警察本部ということかと思いますが、撮影に使われているのは、上記庁舎の中にあるホンモノの市長の部屋とのこと。

教会の前の広場1

奥に階段がありその上に教会が建っているところ。
タイトルバックの空撮で、空中都市のように映し出されている街ラグーザ・イブラの中心にあります。
ラグーザ・イブラはラグーザの東側、谷によって隔てられた旧市街地。

ラグーザ・イブラを東側から見た画像。

サン・ジョルジョ聖堂(Duomo di San Giorgio, Ragusa)W

『カオス・シチリア物語』でも登場していたこの場所、『モンタルバーノ』ではいろいろな場面で撮影に使われています。
たとえばヤングS2E1で魅力的な支店長ステラ(Serena Iansiti)がいた商業銀行は、向かって右手のこちら。

ヤングS2E3で農業銀行として登場したのはその向かいのこちら↓

教会の前の広場2

こちらの教会の前も何度か登場したように思います。
上記教会前広場の200mほど手前(東側)。

Chiesa di San Giuseppe (Ragusa Ibla)W

山上の街が見えるところ

上記山上のラグーザ(・イブラ)を横から見ることができるところで、確かヤングでバールのようになっていた記憶があります。
おそらくこちら↓

バス乗り場がある教会前

ヤングでリヴィアが利用していたバス乗り場がある教会前はラグーザのこちら↓

サンテ・アニメ・デル・プルガトリオ教会(Chiesa delle Santissime Anime del Purgatorio)W

上記「山上の街が見えるところ」からわずか100mほど北側。

葬儀が行われる教会

背後に絶壁が迫っているところ。
葬儀が行われる場所として登場していたような記憶があります。
場所はラグーザではなくシクリ。

サン・バルトロメオ教会(Chiesa di San Bartolomeo (Scicli))W

モンタルバーノの銅像(参考)

前述のように、架空の街ヴィガータは原作者アンドレア・カミッレーリの生まれ故郷、ポルト・エンペードクレ(Porto Empedocle)がモデルとのこと。
残念ながら撮影地には選ばれなかったようですが、その街にモンタルバーノの銅像があります。
場所はVia Romaのほぼ中央南側ですが、ドラマとは別人28号で、イメージが違いすぎ。

日本語版WikipediaWでは

2003年に、コムーネは作家アンドレア・カミッレーリによる架空の地名である「Vigata」をポルト・エンペードクレの正式名称に付加する事を決定した。

とありますが、英語版Wikipediaでは、

However, the decision was revoked in 2009.

となっています。

とはいえ、おそらくこの地を探せばいろいろなVigata物件が出てきそう。
たとえば銅像の数軒東側のこちちらは、”Bar Vigata”。

神殿跡(第30話)

第30話(S11E2)「手順どおりに」 Come voleva la prassi

イングリッドと会ったところ。リヴィアには内緒♪
アグリジェントの神殿の谷Wにあるこちら↓

Tempio di Giunone (Agrigento)W

ピランデルロの墓(第32話)

第32話(S12E2)「愛のかたち」 Amore

アグリジェントのカオス(Caos)。『カオス・シチリア物語』のカオスですね。

生家はすぐ近く。

ロケ地マップ

 
 
 

資料

本家

ヤング

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海外ドラマ本部はここ

更新履歴

  • 2018/07/28 「神殿跡」「ピランデルロの墓」項目追加
  • 2018/07/21 「作品メモ」にその後の放送状況を追記
  • 2016/05/12 新規アップ

References

References
1 第2シーズンのオーラスで劇的な展開となり、そこではっきり設定年代がわかるようになっています。※18/7/21追記 第1話の時点で年代がわかるようになっていました orz
2 「モンテルーザ」は「モンテルーザ県」の県庁所在地という設定

コメント

  1. amore より:

    初めまして。イタリアのamoreです。
    過去記事へのコメントですが、お許し下さい。年末のシチリア旅行で映画やドラマの舞台になった町を中心に回りたく、『モンタルバーノ』のロケ地を検索していてこちらに辿りついたら、、、とても興味深いブログで、『太陽がいっぱい』とかオードリー・ヘップバーンの作品とか…思わず読みふけってしまいました。これだけ丁寧で詳しい資料があると、自宅に居ながらロケ地に行った気分が味わえますね。また遊びに来ます。ttp://kspacey.exblog.jp

  2. 居ながらシネマ より:

    amoreさん、コメントありがとうございます。
    ブログも拝見しました。
    ケビン・スペイシー、私も大好きです。
    出演映画もとても良いですが、昔アクターズ・スタジオ・インタビューで絶妙のトークを見て、ますます好きになりました。

    北イタリアにお住まいなのですね。
    なかなかまとまった休みがとれず、海外はアジアの近場に限られていますので、ヨーロッパへはこんな感じでバーチャルに旅行しています 🙂
    時間がとれるようになったら、自分のサイトのロケ地マップをスマホで参考にしながら、各地をぐるぐる回ってみたいと思います。

    シチリアは同じイタリアでも北部とはまた風土や気質が違うのでしょうね。
    ぜひ年末のご旅行楽しまれてください。

  3. imagine より:

    はじめまして~
    以前からこちらを時々見させていただいてます。
    先日シチリアに旅行して 偶然にも モンタルバーノ新シーズンの 撮影に 遭遇しました。
    彼らはとても ファンに優しく 一緒に 写真を撮ってもらったり 握手したりお話ししたりとても幸せなひとときでした。
    シクリの 警察署の出来事でした。

  4. 居ながらシネマ より:

    imagineさん、コメントありがとうございます。
    お~シチリアへ旅行されたのですね。しかもモンタルバーノ撮影現場に立ち会えるとは、おめでとうございます。良い想い出になりましたね 🙂
    撮影に遭遇となると、やはりシクリが確率高そうでしょうか。
    この町はモンタルバーノのロケ地としてだけでなく見所がいろいろありそうで、ご旅行とても楽しまれたことと思います。
    もし現地をご覧になった目でこのページの内容に何か間違いを見つけられましたら、ご遠慮なくツッコンでくださいね。

  5. imagine より:

    コメントありがとうございます。
    ちょっと前にはラグーサでも撮影されていたという話しは聞きましたT。

    私はあの警察署前をみるだけでいいと思いシクリは一泊しか予定に入れてなく、翌日ホテルをチェックアウトしてからまた撮影現場に行ったらその日も撮影がありそうで、後ろ髪引かれる気持ちでシクリを後にしました。
    シチリアは感動もののいい所でした。
    お時間できたら是非!

  6. 居ながらシネマ より:

    imagineさん、今は1シーズン2話ずつだけ作られているようですから、撮影期間も限られているでしょうし、1泊だけのご予定で現場をご覧になれたのは本当に良かったですね 🙂
    「後ろ髪」で思いましたが、ヤングの方が2シーズンで停まっていて、なぜあのフサフサがああなったのか、シーズンを続けてぜひミッシングリンクを埋めて欲しいと思っています……

    シチリア行きます行きます。シチリアを舞台にした映画は好きなものが多いですし、なによりあの景色や建物に惹かれます。
    何かもし発表の機会に恵まれない画像や、モンタルバーノのファンの人に見て欲しい画像などありましたら、こちらで載せますので、Contactページなどからご遠慮なくお寄せください。

    ではどうもありがとうございました!

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