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『私だけの紳士探偵』 Double je (2019)

“空想の友達”
心理現象の一つ
真の友情を現実に築けず
空想に求める

作品メモ

ひとつ前のエントリー『バルタザール 法医学者捜査ファイル』同様、一話完結型のフランス製ミステリー。
同じように他人には見えないキャラが出てきて、主人公とだけ会話を交わします。
このドラマの場合は、タキシードを着て口ひげをたくわえたいわゆる紳士。
なぜかいつも彼女の傍に飄々と現れ、アドバイスしたり、コメントをしたり、くるくる踊ったりします。

『バルタザール』と少々異なるのは、この<紳士探偵>はもしかすると本当に彼女から独立して存在しているのかも?と思わせるところ。
『バルタザール』の幽霊キャラは、あくまで主人公の中での話し相手として登場し、自分が知らない事柄は語ることはできません。完全に主人公の脳内の産物と言えます。
ところがこの<紳士探偵>は、彼女が知り得ないこと(たとえば現場の状況)を先回りしてキャッチ、現場に来た彼女に伝えることもできたりします。
この<紳士探偵>の正体は後ほど少し明らかになっていきますが、だからといって疑問がすべて氷解するわけではありません。
どんな仕組みなのか、それをツッコむのは野暮というもので、ともかく原題« Double je »の通り[1]AXNミステリーでの原題は« Alter Ego »ですが、IMDb含めて他にはこの表記は見当たりません、もうひとり自分がいるような不思議な設定をまるっと飲み込むのが吉。

ミステリーとしての出来もまずまず。
ヒロインの持つどこか寂しげで、繊細で内省的な雰囲気がドラマ全体に浸透していて、派手さこそありませんが、その分殺伐さやいたずらな刺激もなく、安心して楽しめるフレンチミステリーとなっています。

フランスではFrance2、日本ではAXNミステリーで、2020/04/11 全8話一挙放送。
今のところ1シーズンのみ。全8話。

キャラクター&キャスト

デア・ヴェルシニ(Déa Versini)/ キャロル・ウェイヤーズ(Carole Weyers)
ボルドー署警部。デアはイタリア語で“女神”。父親がヴェローナ出身。可愛らしい息子テオがいるシングルマザー。
ジミー (Jimmy) / François Vincentelli
いつもタキシードを着ている「空想の友達」。デアだけが見えて話ができる。
マチュー・ベルクール(Mathieu Belcourt) / Ambroise Michel
パリ警察(18区)から転属したばかりの警部補。とても優秀で、なぜ都落ちしたのか謎。四角四面で整頓好きとあって、フランクな雰囲気のデアの部署とは、なかなかなじめない。レ・サント出身。

ロケ地

IMDbでは記載なし。

例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

舞台はボルドー。
これまでのエントリーで言えば、『ヘッドライト』がボルドーでした。

警察署までの道

E1 0:01
警察署までの道のり。

市内

E1 0:13
初回らしく、市内のあちこちがインサートされます。

トラムが走る橋

ピエール橋(Pont de pierre)W

ここと次の「広場」は、『ヘッドライト』(56)で登場しています。

広場

ブルス広場(Place de la Bourse)W

記念塔

カンコンス広場(Place des Quinconces)W
Monument aux GirondinsW

警察署

E1 0:15
ドローン空撮で外観が写ります。
この映像をもとに、ボルドーの町をマップでうろうろ探して見つけました。

マップでplace du champ de-mars(シャン・ド・マルス広場)とある広場の北側。
どういった建物なのかは、不明。

資料

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更新履歴

  • 2022/04/17 新規アップ

References

References
1 AXNミステリーでの原題は« Alter Ego »ですが、IMDb含めて他にはこの表記は見当たりません

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