ローラ・リニー誕生
作品メモ
前のエントリー『コンゴ』に続くローラ・リニーの出演作。
大司教殺害を巡る傑作法廷ミステリー。
犯人とされたのは、司教を父のように慕っていた内気な若者。実行犯が他にいることをほのめかすものの、記憶がとぎれていて身の潔白を証明することができません。
名前を売るために担当を買って出た弁護士は、調査を進めるうちに事件に隠された真実を突き止め、無罪を勝ち取るために奮闘しますが……
……といったお話。
原作はあるようですが、それにしてもよくできたシナリオで、筋立てや結末がわかっていても何度でも楽しめる内容となっています。
被告役のエドワード・ノートンはこれが映画デビュー作にして出世作となっています。
この映画、どうしても彼の見事な演技に目線が行ってしまいがちですが、ローラ・リニー的には、『コンゴ』の翌年の作品。
博士と呼ぶにはちょっと初々しくて存在感も薄かった前作に比べて、わずか1年後には女性検事として、かつての上司にして恋人のリチャード・ギアと法廷で丁々発止とやりあうバリバリのキャリア・ウーマン(死語?)ぶりを発揮しています。
この作品で今日のローラ・リニーが誕生したといっても良いでしょう。
苛立ってタバコを吸う姿のなんとさまになること。
リチャード・ギアにとっても代表作の1本といって良いと思います。
序盤の悪辣敏腕弁護士ぶりは後の『シカゴ』に通じるようですが、弁護士としてのあり方にふと疑問を抱いたり、被告の無罪を信じて奮闘するあたりは、「どこか純粋な少年の部分を持っている男」といった彼のイメージともよくあっていました。
弁護士を主人公にした映画やドラマはかの国では星の数ほどあるでしょうけど、その中でも印象に残るキャラクターだと思います。
それにしても大司教閣下のスピーチはナイスでした。
Well, I must say I haven’t seen this many lawyers and politicians gathered together in one place since confession this morning.
(こんなに多くの弁護士と政治家を見たのは、今朝の懺悔以来です。)
ロケ地
IMDbでは
Ballroom, Park Plaza Hotel – 607 S. Park View Street, Los Angeles, California, USA
Chicago, Illinois, USA
Groningen, Groningen, Netherlands
Keystone, West Virginia, USA
Park Plaza Hotel – 607 S. Park View Street, Los Angeles, California, USA
と、シカゴ他で撮影されています。
(オランダの地名もありますが、どの場面かはわかりません。)
エンドクレジットでは、
The Producers Gratefully Acknowledge the Following:
THE CHICAGO FILM OFFICE
THE ILLINOIS FILM OFFICE
COOK COUNTY DEPARTMENT OF CORRECTIONS
COOK COUNTY SHERIFF’S DEPARTMENT
ILLINOIS CENTRAL RAILROAD
METRA COMMUTER RAIL
THE U.S. SOCCER FEDERATION
WEST PUBLISHING CORPORATION
シカゴ弁護士会カトリック・チャリティー・パーティー
これがおそらくIMDbの以下の場所なのでしょうけど、未確認です。
Ballroom, Park Plaza Hotel
607 S. Park View Street, Los Angeles, California, USA
ただし、マーティン(リチャード・ギア)の車が到着する建物の外観はヒルトン・シカゴだと思います。
Hilton Chicago
720 South Michigan Avenue, Chicago, IL 60605, United States
事件現場
下のWikipediaの写真でおわかりの通り、エンドクレジットにある”THE U.S. SOCCER FEDERATION”の建物が大司教の住まいという想定で使われています。
左側に隣接する教会はCGで追加した映像(VFXはDream Quest Image社)。
個人宅ではないので、マップも示しておきます。
空撮
ピネロのところへ行くマーティンのベンツを捉えた空撮。
シカゴ市内です。
車はS Morgan St.を南へ向かっていて、線路をくぐった後すぐ右折。
電車が映るタイミングもばっちりで、見事な空撮でした。
プールバー
ピネロと会うところ。
空撮と地理的につながっています。
- Google Maps(SV) ↓
警察
事件後、マーティンが接見に来たところ。
背景から場所がわかりました。
なんとホンモノの警察です。
7th District Police Station
949 W Maxwell St, Chicago, IL, United States
上記空撮の近くですね。
拘置所
これもホンモノです。
Cook County Department of Corrections
2700 South California Avenue, Chicago, Illinois 60608
裁判所
上記拘置所の北側。
Cook County Court House
Chicago, Illinois
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