目次
作品メモ
原題のFlicは英語のCop。
4人組の銀行強盗と彼らを追う刑事の物語。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の遺作で、監督らしいクールなタッチが見どころ。
アラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーブ共演ということで、列車を舞台にしたメロたっぷりの切ないサスペンスドラマ……を期待すると肩すかしを食らいます。
日本では2008年11月にDVD化。
大きなレンタルショップに行かないとなかなか見る機会がなかったので、とてもありがたい商品化でした。
余談ですが、その昔タイトルだけパロった『バスボン特急』というマンガがありました。
今となっては解説が必要かもしれませんが、資生堂にバスボンというブランドがありまして、それとかけあわせているわけです。
ロケ地
IMDbでは
Avenue des Champs-Élysées, Paris 8, Paris, France
Studios de Boulogne, Avenue Jean-Baptiste Clément, Boulogne-Billancourt, Hauts de Seine, France
海辺の銀行
海岸沿いの人影のないマンション群に悠然と姿を現したクルマ。
激しく打ち付ける風雨の中、ゆっくりと銀行に向かっていきます……
冒頭、見事な映像でつかみはバッチリ。
場所はフランス西部の太平洋に面したこちら。
Saint-Jean-de-Monts サン=ジャン=ド=モン
大きなマンション(たぶん)が連なっていますが、クルマが現れるのは一番右側の棟の右手(東南)から。
そのまま建物に添って進み、銀行がある次の棟との間で止まります。
銀行はBANQUE NATIONALE DE PARIS (国立パリ銀行)
クルマはクライスラーのプリムス・フューリー(Plymouth Fury)。
例によってIMCDbからの受け売りです。 → IMCDb “Un flic”
逃走中に立ち寄った駅
近くの鉄道を片っ端からたどってみました。
確証はありませんが、ここかもしれないというところをメモしておきます。
銀行から東へ約16kmのChallansにあるこちら。
Gare de Challans
- Wikipedia(フランス語)Gare de Challans
- http://picasaweb.google.com/lh/photo/1mlcDIyIi1QFP8k4MYnc9A
1カット映る駅舎がこの↑画像と似ています。
マップ↓
クルマが左折する踏切はすぐ南。
画面ではLa Roche-sur-Yonと標識が出ていて、地図上でもRue de La Roche-sur-Yonという道路です。
そういった点からみても、駅や踏切はおそらくここだと思うのですが、どうでしょう??
※2012/02/20追記
SVが使えるようになっていたので確認してみたところ、やはりこの駅と踏切で正解でした。
駅の向かい側にあったホテルの建物は建て替えられていますね。
ギャビーから情報を仕入れるところ
プランタンの側、Rue de Provence。
- Wikipedia(日本語) オ・プランタン
- http://www.panoramio.com/photo/5289713
この画像↑が映画のアングルと一致しています。
マップ↓
©milou アルバム「パリ」から |
※2012/07/04追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
警察
でこぼこした壁面が特徴的。
調査中。
Simon’s
Rue d’Armaille(アルマイユ通り)の標識が映されます。
店を出た時に通りの向こうまで見えるショットがありますが、スクリーンプロセスのようですので、外観も内部もスタジオ撮影と思われます。
※2012/02/20追記
コメント欄でご指摘いただきましたが、このスクリーンプロセスの映像は実際の Rue d’Armaille から見ている景色と同じとのこと。SVでも確認できました(milouさん、ありがとうございます♪)。
カメラ位置は通りの南端、カメラ南向き(凱旋門の方角)。
美術館
上記スクリーンプロセスの街角にイメージが重なるかのように絵画に切り替わり、美術館の場面となります。
ゴッホの自画像などが展示されている部屋でけが人以外の3人が相談するところ。
背景に見えるカマボコ型の天井が特徴的で、ルーヴル美術館のこのあたりという設定でしょうか?
でも場所よりもなによりも、その背景がやたらチープな書き割りなのが気になります。
法医学研究所
鉄橋を捉えていたカメラが左へパンして映す建物。
INSTITUT MEDICO LEGALという表示。
場所はこのあたり。
カメラは北側から南向きに撮っています。
建物は橋の北東側。
Wikimapiaによると”Forensic medicine institute (Paris)”。
ということで、少なくとも外観はホンモノのようです。
(※2012/02/20追記 もしかするとそうではないかもしれません。milouさんのコメントご覧ください)
鉄橋はオーステルリッツ高架橋。
リスボン行きの列車が出る駅
オーステルリッツ駅。
警察が張り込んでいた駅
ボルドー=サン=ジャン駅
この後の列車の場面は見どころのひとつ……のはずですが、個人的にはヘリコプターの微妙なできばえや、コントのような巨大な磁石など、別の意味で見どころになってしまっているかもしれません。
SPLENDID HOTEL
シモンが宿泊していたところ。
凱旋門間近のこちら。
Hotel Splendid Etoile
http://www.paris-hotel-splendid.com/
シモンが出てきたのはこの角。
ロケ地マップ
※17/1/15追加
パリが舞台となる似通ったジャンルの映画をまとめてみました(随時更新します)。
資料
更新履歴
- 2017/01/15 「ロケ地マップ」追加
- 2014/06/09 milouさんの画像をPicasaウェブアルバムに切替
コメント
このサイトにたどり着いたきっかけは定かでないが、同様の趣味があるので
ヒマを見つけて色々調べています。
Simon’s
スクリーンプロセスだとしても画面通り rue d’Armaille の右がL’Ecluse(1番地)と
左角のパン屋の間から見た映像は、左手先の建物の下がり具合や道路幅からみて
現在と同じように思えます(並木がなければ分かりやすいのに)
このゴッホの自画像はアムステルダム、ゴッホ美術館蔵でルーブルにはない。
(場所はルーブルでしょうが)
INSTITUT MEDICO LEGAL は現在もあるが住所は 2, place Mazas で
(オステルリッツ鉄)橋の北東側のForensic medicine institute とは違い
オステルリッツ橋の北東側です。
http://www.prefecturedepolice.interieur.gouv.fr/Vos-demarches/Autres-demarches/Institut-medico-legal-de-Paris
ただSVはなく航空地図ではそれらしき建物が分からない。
ちなみにbing の地図ではPlace Mazas がオステルリッツ橋の両サイドに
延びているがGoogle Mapでは左側のみ(北)でこちらが正解。
milouさん、いつもコメントありがとうございます。
返信遅れてすみません。手元にあったはずなのに見つからないので、DVD借りてきてしまいました。
映像確認しつつご指摘いただいたところを追記しています。
法医学研究所に関しては今からでは確認難しそうですね。
鉄橋渡っているのはメトロの5号線のようですが、緑の車両の間に赤い車両がはさまっていて、『シャレード』連想しました。
それにしても改めて観ても美術館の背景はホントに書き割りって感じで、いったいどうしてしまったのだろうと心配になります……