『ジャガーノート』 Juggernaut (1974)

ジャガーノート [DVD]

どちらを切るか

作品メモ

大西洋航行中の豪華客船に大型爆弾が仕掛けられ、ジャガーノートと名乗る犯人から大金を要求する電話がかかってきます。
急遽イギリス軍の爆弾処理特殊部隊が現地へ向かいますが、トラップの数々に作業は難航。
一方地上で懸命の捜査を続ける警察は少しずつ犯人に迫っていきますが、残された時間はあとわずか。
はたして爆弾の解体は? 乗客の運命は如何に??
……といったお話。

最初に見たのはテレビでだったと思います。
爆弾処理の緊迫感はただごとではなく、『恐怖の報酬』とはまたひと味違った胃が痛くなるようなサスペンスにぐいぐいひきつけられました。
その後この手の映画はいくつも作られていますが、個人的には爆弾処理と言えばこの映画的な強烈な印象がある作品です。

主演のリチャード・ハリスは好きな俳優でした。
この映画でも、孤高という言葉がぴったりくるような独特の存在感で、時にクールに時に熱く男の中の男を演じてくれた彼。
アメリカ的な単純な二枚目ヒーロー像と一線を画していてとても魅力的でした。
ただパイプくわえて爆弾処理はやりすぎでしょう。 😉

この後、『カサンドラ・クロス』『オルカ』『ワイルド・ギース』と70年代の一連の作品でこちらの男心をくすぐってくれました。
願わくばこの時代の彼主演で、デズモンド・バクリイやギャビン・ライアルなどのイギリスの優れた冒険小説をどんどん映画化して欲しかったような。

地上側で指揮を執るのは若き日の名優アンソニー・ホプキンス。
それほどずば抜けた能力を発揮するわけではないのがちょっと残念ですし、妻子が船に乗っているという設定もそれほど効果的に生かされていなかったうらみがあります。

若いと言えば、船会社の代表として出ているのはやはり名優イアン・ホルムですね。
『エイリアン』のビショップ役は5年後のこと。

ネタばれ的メモ

最後の最後にどっちの線を切るのか……のくだりは、この映画が嚆矢とのこと。
きちんと調べたわけではありませんが、確かに記憶の上ではそんな気もします。
ひとつの文法を作ったという点からも、映画史に残る作品……とは大げさでしょうか?

もひとつ、この場面で。
ファロンはこれから切ると予告した方とは違う方をいきなり切ってます。
ここでもし「どかん」といってしまったら、次に切る部下は違う方を選ぶわけですから、やっぱり「どかん」といってしまったような……

ロケ地

IMDbではこれだけです。

St. Thomas’ Hospital, Lambeth, London, England, UK (porter’s office)
TS Maxim Gorkiy, Atlantic Ocean (doubled as the ship ‘Britannia’)
Twickenham Film Studios, St Margarets, Twickenham, Middlesex, England, UK (studio)

出航

おそらくサザンプトン Southampton港だと思います。
タイタニックが出航したところですね。

なんで女性の脚から入るのか、大作のOPにしては志が低めというのがまたイギリス映画の渋さでしょうか??

ブリタニック号

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主な舞台となる客船。
名前自体はもちろん架空のものです。

ドイツのハンブルグ号 The Hamburgが当時のソ連に売却された際、就航前に映画撮影用にレンタルされました。
ソ連での名前はTS Maxim Gorkiyですので、この名前で検索すると画像など見ることができます。

右の画像はflickr.comから。

こちら↓は最強のサイトです。
http://lmc-hamburg.blogspot.com/

ファロン少佐登場

小手調べ的お仕事。
ささっとやっつけて”Fallon is the champion ♪”
かっこよすぎます。

てっきり大英博物館かと思いましたが、よく見ると違いますね。
現在調査中。

※19/11/25追記
コメント欄でほりやんさんから情報を寄せていただきました(2019年11月14日 13:19)。

University CollegeW, Gower Street, London

情報ソースはこちら↓です
https://www.reelstreets.com/films/juggernaut/

By Txllxt TxllxT
via Wikimedia commons
(CC BY-SA-4.0)

ポーター氏のオフィス

船会社重役のオフィス。
窓の外にはビッグ・ベンがよく見えます。

St Thomas’ Hospital
Westminster Bridge Road, London SE1 7EH

ブティック

逆探知した警察が踏み込んだところ。
セリフで「グロブナー街50」と言っていますが、ホントにその場所にありました。

電話ボックス

犯人が電話をかけたあと、対岸のポーターのオフィスを見るところ。
おそらくこのあたりに電話ボックスのセットを設けたのだと思います。

  • Google Maps(SV)


大きな地図で見る

正面のタワー型のビルのあかりがついているフロアがオフィスという設定なのでしょうけど、先の場所とは違いますし、窓からの眺めとも一致しません。
ちなみにこのビル、『ウィークエンドラブ』でスティーブのオフィスだったところです。 → 『ウィークエンドラブ』

資料

更新履歴

  • 2019/11/24 「ファロン少佐登場」追記

『ジャガーノート』 Juggernaut (1974)” への4件のコメント

  1. またまた、ここから教えてもらいました。

    https://www.reelstreets.com/films/juggernaut/

    「ファロン少佐登場」は、

    University College, Gower Street, London

    大英博物館に似てますね。

    なお、A special operations centre は、

    St Stephen’s School on Winchester Road, Twickenham

    にセットを組まれたようです。

    電話ボックスから見えるビルが、あのオフィスということですが、よく見つけられましたね。

    ヘミングスは爆死しますが、他のメンバーが名人ハリスの指示どおりにすんなり出来たというのがお話として、ちょっと物足りなかったと思いました。

  2. ほりやんさん、遅くなって済みませんが、先ほど「ファロン少佐登場」記事に反映させていただきました。
    手元にあったはずの録画ディスクが見当たらず、たまたま先週FOX MOVIEで放映してくれたので、それで録画、確認できました。

    久々に見ましたが、けっこう処理に失敗して爆発してしまっていますね(汗)
    区画を封鎖している限りそれほど大きな被害もなくて済むという設定でしょうか……なら残りも全部爆発させてしまえばよかったかも???

    やはり爆弾ものといいますか、爆弾処理ものは、胃がキリキリしてきますね。
    『ブローン・アウェイ』とか『ハート・ロッカー』とか……
    最近は、Netflixで配信している『ボディガード -守るべきもの-』で、また胃がキリキリしました。映画見るのも命がけです。

  3. 昨日この映画を観ることができました。

    それで、最初『新幹線大爆破』はこの映画を参考にしているかもと思いましたが、『ジャガーノート』の日本公開が1975年の3月21日で、Wikipedia『新幹線大爆破』によると4月29日クランクインですから、たぶん参考にはしていないのかなです。6月24日にクランクアップで公開が7月5日だそうですから、さすがに編集も宣伝も厳しいですね。映画産業の規模の違いといってしまえばそれまでですが、もう少しスケジュールに余裕が必要でした。『ジャガーノート』も、船のレンタル期間が厳しかったので、やや撮影が大変だったようですね。なおこちらのサイトはすごいですよ。

    http://takizawanaoki.web.fc2.com/shinkansen-daibakuha.html

    >なんで女性の脚から入るのか、大作のOPにしては志が低めというのがまたイギリス映画の渋さでしょうか??

    あ、同じことをお考えになりましたか(苦笑)。私も、かわいい子かもとつまらん期待をして、そうでもないなあと思いっきりよろしくないことを考えました。

    で、英国人というのはやっぱり美人じゃないなあと数回英国に行って思います(笑)。『小さな恋のメロディ』も、トレイシー・ハイドはさすがにかわいいと思いますが、ほかの女の子たちはそんなにかわいいとはいえないし、トレイシーも大人になったら普通の顔です(てめえ! といわれるかも)。

    それから爆弾物でしかもタイムリミットがある作品ですと、やはりストーリーがご都合主義にはなっちゃいますよね。その簡に爆破物も処理して犯人も逮捕しなければいけないわけですから。

    >ただパイプくわえて爆弾処理はやりすぎでしょう。

    ちょうどおととい、岸恵子と萩原健一の『約束』を観て、2人の煙草の吸い方に驚きました。女性はともかく、この時代は世界中成人男子は煙草くらい吸わねばという観念があったんでしょうねえ。私は当然吸いません。

    >それほどずば抜けた能力を発揮するわけではないのがちょっと残念ですし、妻子が船に乗っているという設定もそれほど効果的に生かされていなかったうらみがあります。

    そうでしたね。実に淡々とした演技でした。これは、シナリオと演出の問題ですかね。なおアンソニー・ホプキンスはさすがにすぐわかりましたが、イアン・ホルムはわかりませんでした。

  4. Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    (毎度おなじみ? いったん非表示となってしまっていて、済みませんでした)

    『新幹線大爆破』は『動脈列島』とかぶってますよね。
    当時名画座へのこのこ見に行った記憶がありますが、『新幹線大爆破』の方が特撮場面が多く、全体に勢いがあって面白く見た記憶があります。

    仰る通り『ジャガーノート』との関係は偶然なのでしょうけど、逆に
    同じ時期に公開された東宝の『東京湾炎上』は、もしかするとフォーサイスの『悪魔の選択』とネタが同じでにお役に立っているかもしれません(もちろん『東京湾炎上』が先)。

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