こじゃっく ばんばん!
作品メモ
70年代を代表するロマンティック・サスペンス・コメディ
……だと個人的には勝手に思っているのですが、日本ではビデオのみでDVDはありません(アメリカでは出ています)。
評価はそれほど高くないのでしょうか。
冷静に考えればそれほど高くなくていいような気もしますが(汗)、記憶に残る1本なのでご紹介。
ストーリーは、ひとりの平凡な女性がヒッチハイクの男性を乗せたことから大事件に巻き込まれるというもの(詳しくは下の資料に挙げた映画サイトをどうぞ)。
どこかしらヒッチコックの影響が見られますが、さらに明るく楽しく軽い仕上がりになっています。
例えばバリー・マニロウの”Ready To Take a Chance Again” (邦題「愛に生きる二人」)がテーマ曲として使われていますが、いかにも彼らしいしっとりと甘く切ないバラード。
これがオープニングクレジットで、海岸線を走る黄色いビートルを延々空撮するところで流れるのですが、これから始まる物語への期待感といいますか、雰囲気をうまく盛り上げています。
当時サントラLP買いましたが、劇中で使われている「コパカバーナ」も収録されていてお買い得な1枚でした。
現在アメリカでサントラCDが出ているかどうかはわかりませんが、どちらも右のようなベスト盤に入っているでしょうからサントラにこだわる必要はないかもしれません。
(しかしこのジャケットいつの写真?)
ゴールディ・ホーン、チェビー・チェイス、バージェス・メレディス、ダドリー・ムーアといったキャスティングがなつかしいですが、半数はすでに故人というのが残念。
ダドリー・ムーアはとてもおいしい役ですが、彼にとってはこの映画がハリウッド進出作となっていて、このあと『テン』『ミスター・アーサー』でぐんぐん人気が出ることになります。
DVDも出ていないとなると、レンタル屋さんにもあまり置いてなくてなかなか見る機会がないかと思いますが、スカパーやケーブルなどで放映された時には試しにご覧になってみてください。
以下手持ちのレンタル落ちVHSをチェックしながらのメモ書きとなります。
(2011年2月マップ等追記)
日本でもDVD化(追記2011年12月)
ロケ地
IMDbのリストは件数が多すぎるので省略。
直接こちらをどうぞ。 → IMDb Filming locations for Foul Play
主にサンフランシスコが舞台となっています。
ビートルが走る道(2011年2月追記)
最初に登場する海辺の道
IMDbのリストにはありませんが、サンフランシスコの北、ベルヴェディアのここ(※15/11/22 SV更新)。
登り坂の途中で左折
左にカーブして崖っぷちに出るところ
ここから急に大西洋側へワープ。
ショアライン・ハイウエイ Shoreline Hwy をサンフランシスコ目指して走っています。
その次のショット
duddley mooreのクレジットが出るところ。 上記から1km少々東へ移動。
アパート
IMDbに書かれているように、このあたりです。
画面に番地が映ってしまっていますが、まさにここです。
窓からの眺めもここのお向かいが映っていますので、内部での撮影もここを借りて行ったのかもしれません。
勤務先の図書館
入口の上に”Sarah B. Cooper Public Library”とあります。
IMDbのboardによると、実際にその名前で建っていた建物だそうですが、すでに無くなっているそうです。
港を見下ろすベンチ
友人と話をするところ
アングル的にこのあたりだと思いますが、もう公園ではなくなっているみたいですね。
ダドリー・ムーアの部屋へ行く路
この坂を登っています。
チェビー・チェイスのハウスボート
見つけるのに苦労しましたが、おそらくここでしょう。
ゴールデン・ゲート・ブリッジを渡った先のMarin City
Google Earthでそれっぽいアングルを作ってみました。
電話で呼び出されるところ
劇中では”The Venus Massage Parlor”という設定ですが、撮影場所に使われたのは健全なお店です。
Pawtrero Hill Bathhouse & Feed Co. LTD
199 Mississippi Street, Potrero Hill, San Francisco, California, USA
http://www.pawtrero.com/
カーアクション
サンフランシスコの坂道をぶっ飛ばすカーアクション言えば『ブリット』ですが、『ファール・プレイ』のアクションシーンもなかなか見応えがあります。
なお登場するクルマについては、お約束のIMCDbをご覧ください。 → IMCDb
クルマが突っ込むピザ屋
不幸なピザ屋さんはUncle Luigi’s Pizza Palaceという名前。
実際には、IMDbに書かれているこちら。
Hayes Valley Care
601 Laguna Street, Hayes Valley, San Francisco, California, USA
クルマはLanguna Stを南からやってきて、Hayes Stとの交差点あたりでスピンするという設定。
クルマが店に突っ込むところをスローモーションで見せるというのはありがちかもしれませんが、案外この映画が最初かもしれません。
ただどーせだったら『ピンクパンサー2』のように音声もスローでやってほしかったかも。
ガソリンスタンド
スレスレに通過する場面。
20th Stを西からやってきて、S Van Ness Aveとの交差点を左(北)に曲がります。
エアポート・リムジンに乗り換え
ケーブルカーと遭遇する交差点
Larkin Stを北からやってきてCalifornia Stを西に曲がります。
このあとに「こじゃっく ばんばん!」のくだりになるわけですが、中途半端に聴き取れる日本語が悩ましいです。
カットバックされる『ミカド』の舞台と音楽がアイタタタ度数をさらに増幅してくれますが、もうここまでくれば、日本人としては開き直って楽しむしかないかもしれません。
参考までにこの日本人乗客は、クレジットではRollin Moriyama さんと Mitsu Yashima さん。
ローリン・モリヤマさんはいろいろ出演作があります。 → IMDb Rollin Moriyama
ミツ・ヤシマさんはIMDbではこれしか資料がありません。 → IMDb Mitsu Yashima
こちらの文章によると、Taro Yashima(八島太郎 → Wikipedia日本語 八島太郎)さんの奥様だった方で、あのマコ岩松さん(→ IMDb Mako)や妹のモモ・ヤシマ(八島モモ)さん(→ IMDb Momo Yashima)のお母様ということになります。
※19/9/16追記
milouさんから画像を提供していただきました。
上記の交差点のひとつ西側(クルマとケーブルカーが去って行った方向)、Polk St.との交差点です。
惜しくもニアミス賞でした♪
撮影は1994年とのことで、4travelに旅行記をアップされています。そちらもぜひご覧ください。
4travel.jp > 1994年 久し振りの周遊 1/:まずはサンフランシスコから
電話ボックス
Sacramento Stを西からやってきたエアポート・リムジンはこの角にある電話ボックスを吹っ飛ばして走り去って行きます。
日本人観光客大喜びの図。
工事現場でジャンプ
Laguna Stを北からやってきたエアポート・リムジンはこのあたりでジャンプ。
日本人観光客さらに大喜びの図。
クルマはそのまま南へ進み、Sacramento Stと交わったところで左折。
オペラハウス
War Memorial Opera House, San Francisco War Memorial & Performing Arts Center, Veterans Building
401 Van Ness Avenue, Civic Center, San Francisco, California, USA
http://www.sfwmpac.org/operahouse/oh_index.html
市庁舎の向かいですね。
少しネタばれ的メモ
劇中上演されているのはサリヴァンの『ミカド』 The Mikado (Sullivan) 。
プッチーニの『蝶々夫人』より20年ほど前の作品です。
(画像は英語版Wikipediaより、パブリックドメイン)
『炎のランナー』でも登場しています。 → 『炎のランナー』
※19/9/16追記
milouさんから画像を提供していただきました。
D’OYLY CARTE OPERA COMPANY のSavoy Theatre 公演(1999年12月)のチラシ(両面)とのことです。
ロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2019/09/16 「少しネタばれ的メモ」「ケーブルカーと遭遇する交差点」にmilouさんご提供の画像を追加
- 2015/11/22 「最初に登場する海辺の道」SV更新
コメント
素晴らしい!「ファール・プレイ」大好きな映画です。いつかサンフランシスコに行ってロケ地めぐりしてみたいと思っています。(54歳男性)
コメントありがとうございます。本当に楽しい映画ですよね。
ほとんどリアルタイムで見た記憶がありますが、劇場でのウケも良かったように記憶しています。
この記事を書いたときは見る手段が限られていましたが、今ではDVDが出ているのでいつでも楽しめるのが有り難いですね。
昨夜家でDVD観てました。ちょっぴり元気が無くなってきた時にいつもこの映画を観て元気を頂ます。ゴールディン・ホーンが本当にキュートでたまりません!ぼくの生涯ベスト3の1本です。ちなみにあとの2本は「天国から来たチャンピオン」と「ルパン三世カリオストロの城」です。先のコメントされた方と同じく、いつかサンフランシスコに行ってロケ地めぐりをするのが夢です。って書いたけど、先のコメントもひょっとしてぼくかな~(^^;(笑)(来月55歳男性)
コメントありがとうございます。
確かに元気が出る映画ですね。
バリー・マニロウの歌がまたよくマッチしていて、昔何度か名画座で見ましたが、最後にとても良い気分で映画館を後にしたものです。
生涯ベスト3とおっしゃる他の2本もなるほどなるほど……納得のベストセレクションですね 🙂
詳細な解説ありがとうございます。
寂しい大学浪人だった時にラジオで聞いて好きになったテーマ曲。バリーマニロウのレコードは、受験勉強の慰めでした。昨年、縁あってサンフランシスコを訪れ、サンフランシスコからレンタカーでロケ地よりずっと南のパシフィック コースト ハイウェイを走りました。
このサイトを知っていたら、ロケ地を走ったのにと残念ですが、再訪する楽しみでもあります。
苦しかった若い日を甘い思い出にしてくれた映画です。
55歳 カリフォルニアドリームさん、コメントありがとうございます。
バリーマニロウのこの曲は、映画と完全一体化してますよね。どこかで流れていたらすぐにこの映画を思い出します。
ぜひ次の機会には、ビートルと同じコースを走ってみてください。もちろんBGMはこの曲で。
それにしても、このページすっかり50代の憩いの場になってきましたね 🙂
ふとした検索から、貴ブログに辿り着きました。まさかファールプレイ撮影ロケーションに特化したサイトがあったなんてビックリです。サンフランシスコの海岸線を直走るイエローのビートルガブリオレ、そしてBarryのReady To Take A Chance Again が美しく降り注ぎ
最高に楽しく素敵だった名俳優陣は残念ながらゴールディ・ホーンだけとなってしまいましたが、Barry Manilow 81歳はいまだガッツリ現役で来年もラスベガスのステージを継続する予定となっています。
ちなみにサントラCDは一時期USのサントラ専門サイトで購入出来ましたよ。
さて今宵は、Google Maps重ね合わせながら懐かしい珠玉のDVDを鑑賞しましょう〜 どうもありがとうございました。