記事内の商品画像には広告リンクが含まれています

『プリンセス・ブライド・ストーリー』 The Princess Bride (1987)

プリンセス・ブライド・ストーリー ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]

As you wish.

作品メモ

少し間が空いてしまいましたが、先月はVODで見られる作品を続けていたところでした。
最後の頃は『Misfits』『フォルティ・タワーズ』とHuluで配信中の作品をとりあげてましたが、NetflixやAmazonプライムビデオと比べると、Huluはさすが先行していただけあって番組数の充実度合いは一番でしょうか。
現在は日本テレビ系が運営しているようで、当初に比べるとだいぶ編制が日本の番組寄りになっているような気がします。このへんがお好きな方にはおすすめできるかと。

ひとつ残念なのが、アカウントホールド機能が劣化してしまったこと。
以前は視聴を中止したらすぐに課金が止まったのに(正確には、1ヶ月ごとの請求日が中止した期間だけ後ろにずれていく)、現在の仕様では、いつ中止しようが、課金が止まるのは次の請求日からとなり、それまでの期間は全然見なくても課金されることになります。

というわけで次の請求日までまだ数日あるので、もう少しhuluの番組をチェックしてみようと思いメニューを見たところ、ちょっと懐かしいこの映画が最近アップされていました。

http://www.hulu.jp/watch/750120

最初に観たのは確かテレビで深夜のノーカットで放送する枠だったように思います(違っていたらごめんなさい)。
マジメなのかふざけているのか、とぼけた雰囲気が面白く、録画しながら結局最後まで見てしまったような記憶があります。
ソフトを買うほどでもなく、さりとて時折借りて見るほどでもなく、でも久々に見てみるとやっぱり面白いこういった映画が定額配信で見られるのは、やはり得した気分。
アカウントホールドの劣化など契約し続けていれば関係ないわけで……とすっかり定額配信のワナにハマってしまっている自分がいるのでした。

THE PRINCESS BRIDE 原作はウィリアム・ゴールドマンの『プリンセス・ブライド』W
映画公開時にハヤカワ文庫FTで翻訳出版されました。原作自体は1973年に出版されています。
右はペーパーバックの表紙ですが、ハヤカワ文庫版も同じイラストを使っていました。
花柄はもちろんキンポウゲ。
イラストは©Cover Art by Norman Greenとあり、たぶんこちらのサイトの方だと思うのですが、残念ながらサイト内にbuttercupはありませんでした。

http://www.normsart.com/

映画も原題は原作と同じですが、邦題は「・ストーリー」を付けています。

作者のウィリアム・ゴールドマンは、もともと小説畑のようですが、『明日に向って撃て!』、『ホット・ロック』、『華麗なるヒコーキ野郎』、『大統領の陰謀』などの脚本、『マラソンマン』の原作と脚本と、とりわけ映画の方で有名。
『プリンセス・ブライド』は遊び心がたっぷりで、小説家としても並々ならぬ才能を発揮しています。
監督ロブ・ライナー、撮影エイドリアン・ビドル、音楽マーク・ノップラーで映画化。脚本はもちろんウィリアム・ゴールドマン自身。

キャスト

ヒロイン、キンポウゲ(Buttercup)にロビン・ライト。
そのお相手ウェスリーにケイリー・エルウィス。

キンポウゲをさらった3人組は……
リーダー、ビジニ(Vizzini)にウォーレス・ショーン。最近では『モーツァルト・イン・ジャングル』のゲスト出演で楽しませてくれました。
スペイン人の剣術の名手で父親の仇を探し求めているイニゴ(Inigo)に、ドラマの『クリミナル・マインド』や『ホームランド』でおなじみマンディ・パティンキン。このキャスティングは今回リストを見て初めて知り、びっくりしました(だって髪型が……以下略……)。
気は優しい大男フェジック( Fezzik)に、アンドレ・ザ・ジャイアント。個人的にはどちらかといえば「モンスター・ロシモフ」の方がぴんときます。

キンポウゲと結婚しようとするフンパーディンク王子(Prince Humperdinck)にクリス・サランドン。
冷酷なルーゲン公にクリストファー・ゲスト。
人物名としては他に「恐怖の海賊ロバーツ(Dread Pirate Roberts)」やら「六本指の男」なども出てきますが、見ていれば誰なのかはすぐにわかります。

原作はお話が入れ子になっていますが、映画ではおじいちゃんが孫に話を聞かせるという設定に変えています。
このおじいちゃんに、ピーター・フォーク。
孫にフレッド・サベージ。

 
 
 

ロケ地

IMDbでは、

Cliffs of Moher, County Clare, Ireland (as Cliffs of Insanity)
Haddon Hall, Bakewell, Derbyshire, England, UK (Prince Humperdinck’s Castle)
Penshurst Place, Penshurst, Kent, England, UK (The Barons Hall was used for the sword fight)
Castleton, Derbyshire, England, UK
Hever Castle, Hever, Kent, England, UK
Sheffield, South Yorkshire, England, UK
Ireland
Burnham Beeches, Buckinghamshire, England, UK
England, UK
Lee International Studios, Shepperton, Surrey, England, UK (studio)
Shepperton Studios, Shepperton, Surrey, England, UK (studio)

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

フンパーディンク王子の城

Haddon HallW, Bakewell, Derbyshire, England, UK (Prince Humperdinck’s Castle)
http://www.haddonhall.co.uk/

小橋を渡る羊さんたちを写しながらお城を捉えた最初のショットは南側から。

王子の演説は、南西側の中庭の南東側の城壁だと思いますが……

立っていた高い部分が見当たりません。
合成なのか、セットを継ぎ足したのか、元はあったのか不明……

こうして見ると、やっぱり合成でしょうか。

王子の上メセ。

この図面(上が南)では、右側のLOWER COURTYARDが撮影場所。

その後キンポウゲが馬で渡った橋はこちら。

このお城は、いろいろなバージョンの『ジェーン・エア』で登場しているようです。

当サイトのエントリーで言えば、『プライドと偏見』で、Lambton Innのダイニングルームの撮影に使われています。

乱心の崖

アンドレ・ザ・ジャイアントの怪力ですいすい登っていくところ。

Cliffs of Moher(モハーの断崖)W, County Clare, Ireland (as Cliffs of Insanit)
http://www.cliffsofmoher.ie/

※18/4/22追記
似たような崖が連なっているので、どれがどれだかわかりづらいですが、Bill McCrearyさんから画像を提供していただいて、ようやくマップ上での位置を特定することができました。

まず本編ではこんな感じ(1:30頃)↓ 

 
 

上掲画像は、本編にできるだけ近いものを再使用可能な画像の中から選ばせていただいたものです(本編ではもう少しカメラ位置が右手)。

続いてこちらはBill McCrearyさんの画像ですが……

ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
アイルランド・英国紀行(2015年9月)(51)

これは上掲画像とちょうど逆向きに撮られています。
中央の崖(の左手の方)が『プリンセス・ブライド・ストーリー』や上掲画像でのカメラ位置となり、アンドレ・ザ・ジャイアントが上っていったのはその手前(左手1/3ほど)の崖の裏側となります(こちらからは見えない)。

Bill McCrearyさんの画像の位置はおそらくこのあたり(南南西向き)

『プリンセス・ブライド・ストーリー』でのカメラ位置はこのあたり(北北東向き)。

Bill McCrearyさんがコメント欄でお書きの通り、ここは『ライアンの娘』の冒頭の撮影地でもあり、Bill McCrearyさんの画像は映画で崖を横から捉えたショットと同じ景色となっています(『ライアンの娘』のカメラ位置はもう少し前方左手)。

Bill McCrearyさんは他にもご自身のブログで多くの画像をアップされていますので、ぜひご訪問ください。

ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

Burnham BeechesW, Buckinghamshire, England, UK

資料

更新履歴

  • 2018/04/22 「乱心の崖」にBill McCrearyさんの画像を追加。各画像のリンク先をPicasaウェブアルバムからGoogleアルバムアーカイブへ変更。
  • 2015/12/23 新規アップ

コメント

  1. Bill McCreary より:

    あ、すみません。モハーの断崖の写真は、くさるほどあります。

    ttps://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a79d97d52f3231513977c0dfeeb489bc

    ttps://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/92fc0640669c31a053018c339062ff96

    ttps://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a5dd36fb0e01a2a70f2baf8caf01e3fb

    ttps://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/e071757e0b21f61fbcf4c558d96adfda

    それで「ライアンの娘」のファーストシーンがここでしたが、あの映画の舞台はディングル半島という設定なので、かなりワープしています。

    なお「ライアンの娘」は、実際には南アフリカのケープタウンで海岸などをロケーションしたそうですが、アパルトヘイト下なので、これはあまり知られていないようですね。現在はIMDbのロケーションのページにもあります。私がアイルランドに興味を持ったきっかけは、実はこの映画をテレビで小学生の時に観たからであり、私もおませな人間です(苦笑)。

    ところでこんな本もあります。買おうか思案中ですが、やっぱり買おうかな。最近英語の本もろくに読んでいませんが、私のような人間にはとても面白そうです。

    ttps://www.amazon.co.jp/dp/1848891458/

  2. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、どうもです。
    お写真全然くさっていないです。有り難く使わせていただきました。

    最初は位置関係がよくわからなかったのですが、Bill McCrearyさんは塔の北側を散策されたのですね。
    『プリンセス・ブライド』は塔のある崖の南側の崖から北向きに撮られていました。
    こんなことでも判明するとスッキリするものです。
    ありがとうございました。

    いろいろスッキリしたため『ライアンの娘』は近いうちにエントリー書くかと思います。その節はまた画像使わせてください。
    (しかし小学生で『ライアンの娘』って確かにませてます 🙂 )

  3. Bill McCreary より:

    どうもありがとうございます。お役に立って何よりですし、私もいろいろ勉強になります。仰せの通り、観光拠点から歩いて、私の場合、左、方角は北に向かって歩きました。特に『ライアンの娘』を意識したわけではないのですが、期せずしてかなり近いところにいたというわけですね。たぶんこの映画が撮影された69年ごろは、現在ほど観光客がいるわけでもないでしょうが、こちらの記事を拝読しまして、あらためて感慨深いものがあります。

    >『ライアンの娘』は近いうちにエントリー書くかと思います。

    申し訳ございません、私がなんだか記事を書くことを要求したようで。15年の旅は、涙をのんでディングル半島へは行くことができませんでしたが、やはりここも行かねばと考えています。

タイトルとURLをコピーしました