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『鑑定士と顔のない依頼人』 La migliore offerta (2013)

鑑定士と顔のない依頼人 [DVD]

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作品メモ

このところVODで視聴できる作品をチェックしていますが、こちらはHulu、Netflix、Amazonどれも配信されていないようです。
最近ムービープラスで録画して見ました。 ひとつ前のエントリー『リスボンに誘われて』を書いていて、この映画をチラリと思い出しましたので、ちょっと寄り道のメモ書き。

主人公が、知識は豊富で高い能力はあるかもしれないけど人間本体としては「退屈」な初老の男であるとか、それが若い娘と出会って云々とか、記憶力抜群のキャラが登場したりとか……。
そうそう、「退屈」なはずの主人公がいざ女性と接すると意外とステキな会話能力を発揮するというところも、似ていたかも??

まあ似てるかなと思ったのはこれぐらいで、他は激しくベクトルが異なる映画ですけど。

一流の鑑定士にして人気のオークショニア、でもプライベートでは人との関わりを断ち、自宅にある秘密の部屋で不当に収集した女性の肖像画に囲まれてウットリするという偏屈な男が主人公。
その彼にあるとき広大な屋敷に遺された品々の鑑定依頼が来ますが、依頼人はいっこうに姿を見せようとしません。
どうやら広場恐怖症という症状で隠し部屋に閉じこもり、何年も人前に出たことがないとのこと。
最初は依頼人の態度に瞬間湯沸かし器となっていた主人公ですが、壁越しに話す彼女のことが気になりはじめて……

というミステリアスなお話。
事の顛末はツッコミどころ多数ですけど、映像は美しいですし雰囲気もたっぷりあるので見ている間は十分楽しめます。
そのへんはトルナトーレ監督は手堅いですね。

2次元の女性好き? でも心のどこかでリア充を求めている鑑定士ヴァージル・オールドマンにジェフリー・ラッシュ。映画の屋台骨をしょって立つ演技は見事でした。
画家志望だったのが今ではヴァージルの片棒をかつぐビリーにドナルド・サザーランド。
屋敷の相続人で、隠し部屋に何年もこもっている顔の見えない依頼人クレアにシルヴィア・ホークス。のっぺらぼうではなくて顔はちゃんとあります。
優秀な技師で、数少ない相談相手ロバートにジム・スタージェス。

監督脚本ジュゼッペ・トルナトーレ、撮影ファビオ・ザマリオン、音楽エンニオ・モリコーネ。

 
 
 

ロケ地

IMDbでは、

Trieste, Friuli-Venezia Giulia, Italy Parma, Emilia-Romagna, Italy
Rome, Lazio, Italy
Prague Astronomical Clock, Old Town Square, Old Town, Prague, Czech Republic (final scenes in Prague)
Vienna, Austria
Bolzano, Trentino-Alto Adige, Italy
Milan, Lombardia, Italy
Florence, Tuscany, Italy
Old Town Square, Old Town, Prague, Czech Republic (final scenes in Prague)
Merano, Bolzano, Trentino-Alto Adige, Italy
U Milosrdných, Old Town, Prague, Czech Republic (Restaurant final scenes)
Villa Mainardis, Via Gorizzo 31, Gorizzo, Italy (Old villa scenes)

映画の中では意図的に舞台がどこなのか触れていないようです。
追究すること自体興ざめという方もいらっしゃるかと思いますが、以下は拙サイトで毎回繰り広げられているお遊びということでご了承ください。

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

ヴァージルの住まい(入口外観)

入口まわりが写りますが、これは以前とりあげたところなのでビビっときました。

場所はウィーン。
『第三の男』でハリーの住まいだったところです。

Palais PallaviciniW, Josephsplatz 5, Vienna, Austria (Harry Lime’s apartment)

屋敷

この映画、ロケ地チェック的にいちばんの関心はあのお屋敷はどこ? でしょうね。
屋敷の外観そのものは実在しますが、周囲はVFXの産物のようです。

Villa Mainardis, Via Gorizzo 31, Gorizzo, Italy (Old villa scenes)

正面からのショットはうまく処理していますが、横向きの(ヴァージルが館に向う時、背景にクレーンが見えている)ショットはどこかしら合成素材がなじんでいなかったような……(このショットが必要だったのか疑問)。

※15/12/26追記
屋敷の側から見たショット(教会や突き当りにカフェが見える通り 上掲予告編0:21頃)は、トリエステのこちらの教会の前でした。

Chiesa evangelica luterana in ItaliaW

突き当りのカフェですが、現在はお店らしい外観ではありません。
ただ12年5月のストリートビューに限り、映画に登場したものと同じ店の構えを見ることができます。

このストリートビューでは、店の前の通りは駐車禁止のロープが張られています。
Wikipediaによると、撮影はトリエステで12年4月30日からとありますので、もしや撮影用の規制ではないでしょうか?
お店は当時実在したのか映画用のセットかはわかりませんが、とにかく映画撮影中の状態をストリートビューで観察できるというとてもレアな映像になっているのかもしれませんね(未確認)。

教会前の12年5月はこういった感じ↓ で、やはり規制されています。

ロバートの店

トリエステの広場をチェックしていき、判明しました。

レストラン

ロバートが彼女と楽しく食事していたレストランSteirereck。
調査中。

その後ヴァージルがひとり侘しく入ったところも気になるので調査中。

※16/7/15追記

レストラン前の回廊部分は、柱の装飾や照明などからおそらくウィーンのオペラハウス。

ヴァージルがひとりで入ったのは、同じくウィーンのパルメンハウス(Palmenhaus)W内のレストランでした。

 
 
 

プラハの時計塔

プラハの天文時計W

今までのエントリーで言えば、アシュレイ・ジャッドのアクションドラマ『ミッシング』でも登場していました。

Night and Day

U Milosrdných, Old Town, Prague, Czech Republic (Restaurant final scenes)

上記時計塔から北へ500mほどのところ。

ロケ地マップ

※16/1/31追加

チェコ(スロヴァキア)で撮影された映画のロケ地

 

資料

更新履歴

  • 2016/07/15 「レストラン」追記
  • 2016/01/31 「ロケ地マップ」項目追加
  • 2015/12/26 「屋敷」追記
  • 2015/10/27 新規アップ

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