作品メモ
防衛システムを任された巨大コンピューターが自我を持ち、人間を支配しようとする恐怖を描いた近未来SFスリラー。
原題のフォービン・プロジェクトとは、巨大コンピューターにアメリカの防衛を一任して、感情に左右されない完全な防衛システムを作り上げる計画のこと。
フォービンは計画を指揮する博士で、コロッサス(Colossus)は巨大コンピューターの名前です。
コロッサスは作動するやいなや、ソ連にも同様のシステム<ガーディアン>があることを指摘。
ガーディアンとの直接のコンタクトを要請しますが機密漏洩を恐れた人間側はそれを拒否。
するとコロッサスは勝手に核ミサイルを発射するという暴挙に出て、人間側を屈服させます。
ガーディアンと緊密に情報を交換したコロッサスは、以後核ミサイルを盾に無理難題を次々ふっかけてくることに。
フォービン博士たちはなんとかしてコンピューターの裏をかき、支配権を取り戻そうとするのですが……といったお話。
日本では劇場未公開。
70年代に何度かテレビで放映され、SFファンの間でけっこう評判を呼びました。
邦題で損していてチープなパニックものと思われがちですが、なかなかよくできたコンピューターSFです。
人間が作り出したものに人間自身が攻撃されたり支配されたりする恐怖という点では、フランケンシュタインにさかのぼれるかと思いますが、コンピューターに限定しても『2001年宇宙の旅』のHALから『ウォー・ゲーム』のジョシュア、『ターミネーター』のスカイネットなど、多くのコンピューターが暴走して人間を困らせてくれました。
このコロッサスも十分その仲間入りができる魅力的なキャラだと思います。
全体のテイストは、冷戦を反映してか重く暗く、四六時中監視され命令されるという状況は『1984』のビッグ・ブラザーに通じるものがあります。
なかなか見ごたえがある作品だと思うのですが、残念ながらソフト状況は不遇をかこっていて、日本ではビデオは出ていません。
※追記
日本では2008年8月にとうとうDVD化されました。
ロケ地
IMDbでは
Lawrence Hall of Science – Centennial Drive, University of California, Berkeley, California, USA
Tiber Island, Rome, Lazio, Italy
コントロール・センター
コロサス本体はロッキー山脈の地下深くにあり、管制センターはカリフォルニアにあるという設定。
撮影はこちらです。
Lawrence Hall of Science
Centennial Drive, University of California, Berkeley, California, USA
クプリン博士が暗殺されるところ
ローマ市内のティベリーナ島の南の端。
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