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『ラスト・デイズ』 Los últimos días (2013)

ラスト・デイズ [DVD]

ゲーム中毒で家から出ない
日本の若者と一緒かな

作品メモ

ひとつ前のエントリー『鑑定士と顔のない依頼人』ではヒロインが「広場恐怖症」なる症状を持っていましたが、こちらは人類全体がそうなってしまった世界を描く、スペイン製のSFサスペンス映画です。

セリフでは「広場恐怖症(アゴラフォビア)」と言っていますが、この映画で描かれるのは一歩でも建物の外へ出るとばったり倒れ死に至るという、非常に極端で劇的な症状で、それが感染経路が不明のまま急速に人類全体に広がっていったという設定です。
車に乗って移動しようとしてもダメ。なので人々は建物や地下にこもるしかありません。
科学考証やSF考証的な説明はあってなきがごとしで、とにかくたちまち世界中で誰も表に出られなくなり、インフラも機能しなくなってしまったという終末的状況が訪れたわけです。

出先から一歩も出られないため、家族と会えない人も大勢います。
主人公もそのひとりで、恋人とケンカ別れしたきりなので、よけい気になって仕方ありません。
勤務先のビルにいた人たちと協力して地下をくりぬき、なんとか地下鉄坑内まで出ることに成功、帰宅難民たちは目的地へ散り散りに向います。
主人公は恋人のもとへ行きたいところですが、GPSが必要。
カーナビを持った男と行動をともにすることとなりますが、男はよりによってリストラを進めていた嫌われ者の人事アドバイザーなのでした……

……とそこから先はそりが合わない者同士によるロードムービー的なお話となります。
地下に巣くう危険な輩と渡り合うなど、ポストアポカリプス映画お約束の展開もありますが、お約束を通り越したものまで登場して、ツッコミどころもいろいろ用意してくれています。
果たして主人公は無事恋人と再会できるのか、それは見てのお楽しみ。

この映画、映像やお話など作りが甘いところが多少あり、世評はそう高くないかいかもしれませんが、なにより「いかに地上に出ないで目的地へ移動するか」というルールがとても面白く、自分にとっては十分記憶に残る映画となりそうです。

これって、東京駅から八重洲地下街を通り、最近できたサウスタワーの地下を経由して京葉線の改札付近に出て、東京フォーラムの地下を通り、有楽町ビックカメラをひやかしたあと、帝国劇場の地下でお昼を食べ、地下鉄日比谷駅経由で地下道をぐるりと歩き、有楽町マリオンまで来たら、映画館のあるフロアまで上って、東京を眺めわたした後、もう一度地下に潜り、銀座4丁目の交差点まで移動、銀座三越を覗いてから地下道に戻って東銀座まで移動するようなもんでしょうか 🙄

主人公のIT技術者マルク・デルガドにキム・グティエレス(Quim Gutiérrez)。
人事アドバイザー、エンリケにホセ・コロナド(José Coronado)。
マルクの恋人フリアにマルタ・エトゥラ(Marta Etura)。
フリアの同僚で一緒にショッピングモールで玩具店を出しているアンドレアにレティシア・ドレラ(Leticia Dolera)。

『フェーズ6』に続くデイヴィッド・パストールとアレックス・パストール監督作品。

Netflixの定額サービスで見ることができたのでラッキーでした。

 
 
 

ロケ地

IMDbではこれだけ。

Barcelona, Catalonia, Spain

設定も実際の撮影もバルセロナ。
DVDのジャケットも、バルセロナの凱旋門ですね(後述)。
バルセロナということで、ガウディものがいろいろ登場するかと思ったらそうでもありませんでした。
理解がステロタイプ過ぎますね 😆

例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

オフィスからの眺め

冒頭主人公目線で捉えられたバルセロナの俯瞰は、ここからの眺め。

真下の広場(交差点)はPlaça de Francesc_MaciàWと言うようです。

地下

地下鉄坑内はなかなか迫力ある映像ですが、場所不明。
2人の目的地が駅名で語られます。参考までに最後に掲載したロケ地マップにマークしておきました。

マルクはL3WサンスWへ。
そこからL5Wベルダゲ(Verdaguer)W
エンリケはL4Wビジャ・オリンピカWへ。

「ビジャ・オリンピカ」ってオリンピック村のことですね。
バルセロ~ナ~♪は1992年でした。

地下街はセットかと思いますが、これも迫力満点。

アパートからの眺め

0:31。回想。
ベルダゲ(Verdaguer)周辺をチェックしましたが、うまく見つけられませんでした。

凱旋門

0:54(上掲予告編34秒頃)
DVDのジャケットにもなっているバルセロナの凱旋門(Arc de Triomf)W。カメラ北向き。

 

大鹿はバルセロナ周辺ではけっこうウロウロしているのでしょうか??

ビルの上から

煙が上がっていたのは、セリフにあったデル・マル病院(Hospital del Mar)。
ショット全体はVFXですが、素材は実際のものと思われます。

その前に病院が火事であることを教えた3人組が使っていたのはカタルーニャ語でしょうか(エンリケはあまり理解できない)。

マルクが去った次の遠景ショットで、サクラダファミリアが小さく写っています。
カメラ位置はここ。

列柱

ひとりになったマルクが歩いて行くところ。
いかにも地下貯水池のような施設ですが、不明。

ショッピング・モール

1:13
«GRAN VIA 2»という標示の駐車場から上ってきたところ。
フリアのお店があるという設定。
上記病院から直線で6kmほどのところです。

GRAN VIA 2W

実際にここで撮影して、VFXを加えたのでしょうか。

マーケット出口

アンドレアが出られなかったところ。
背景に使われた素材は、上記ショッピングモールの西側このあたり。
なぜか裏焼きです。

Plaza de EuropaW

映画館

建物から出るときに写る看板は、セットではなくリアルで、閉館となった映画館のものでした。
«LAIETANA MULTICINES»とあり、実際にこの映画館で撮影されたものと思われます。

フリアがいた建物

エコー画像に書かれた産婦人科の住所は「ライェタナ通り54(Via Layetana, 54. Barcelona)」で、実在する通りと番地。実際に上記映画館の向かいです。

Via LaietanaW

横断

この建物の前を、左(西)から右(東)へ横断。
ちゃんと横断歩道を渡っているのがよろしいです。

ラスト

景色はなんとなく『2300年未来への旅』を思い出しました。

胸像はフランセスク・カンボ(Francesc Cambó)。

ロケ地マップ

 
 
 

※17/2/12追記
スペインで撮影された映画のロケ地マップ

 
 
 
 

資料

更新履歴

  • 2017/02/15 画像のリンクをPicasaからGoogleアルバムアーカイブへ切替
  • 2017/02/12 「ロケ地マップ」追記
  • 2015/10/31 新規アップ

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