ポランスキーが描くディープな愛憎劇
作品メモ
フランス語原題 Lunes de Fiel
詳しい物語は資料に記した映画サイトをご覧ください。
出演は、
Peter Coyote ピーター・コヨーテ (Oscar)
Emmanuelle Seigner エマニュエル・セニエ (Mimi)
Hugh Grant ヒュー・グラント (Nigel)
Kristin Scott Thomas クリスティン・スコット・トーマス (Fiona)
といった具合に、アメリカ人の作家がフランス人の娘とのディープな関係をイギリス人の青年に赤裸々に語る構造となっています。
男女の愛憎がエスカレートしていく様はかなり強烈に印象に残ります。
初めて見たときは、ピーター・コヨーテの話を聞いているヒュー・グラントのようにぽかんと口を開けるようにして見入ってしまいました。
ヒロインのエマニュエル・セニエはポランスキーの奥さんです。
『ナインスゲート』でもけっこう濃厚な場面を演じていましたが、自分の妻のそういった場面を撮る監督の心理はいかばかりのものか……そのことを考えると、さらにディープな感情に浸ることができるかもしれません。
ヴァンゲリスによるシンセサイザーの音楽も意外と良く合っていて、グッジョブでした。
ロケ地
IMDbでは
Paris Studios Cinéma, Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
Paris, France
と素っ気ないです。
バス停
彼女を捜し求めたところ
- Google Maps
この通りの東側です。
背後の赤い看板のお店は、
Culinarion
Le magasin de PARIS 6
99, rue de Rennes, 75006 PARIS
タイ料理のレストラン
Blue Elephant
43-45 rue de la Roquette, 75011 Paris, France
http://www.blueelephant.com/paris/index.html
聖堂の前のベンチ
ノートルダム大聖堂の東側のところ
- Google Maps
遊園地
背景の建物からみて、おそらくテュイルリー庭園の移動遊園地。
場所としてはこのあたり。
事故現場
橋
ミミに付き添われて車椅子で渡る橋。
ルーブルの南側からCollège des Quatre-Nationsへ向かって渡っています。
窓からの景色(13/8/8追記)
1:49等。
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
時計台のある建物はSaint-Jacques-du-Haut-PasW。
画像もmilouさんご提供によるもので、撮影は1990年3月とのこと。
塔の見える角度から見てカメラ位置はRue Gay-Lussac とRue Louis Thuillier の東南角。
コメント
1:49分などのオスカーのアパルトマンから見える景色。
左手にエッフェル塔、やや右にアンヴァリッドのドーム、そして目の前に四角い時計台が見える。
この建物には見覚えがあり探すと写真もあったのだが(追加しておきました)肝心の場所が分からなかった。しかし前後の写真から推測して何とか突き止めることができた。
建物は Paroisse Saint-Jacques-du-Haut-Pas で252 Rue St.Jacques にある。塔の見える角度から見てアパルトマンはRue Gay-Lussac とRue Louis Thuillier の東南角である。北向いのグラン・ゼコールの屋根でも確認できる。ちなみに最寄り駅は96番のバス・ルートにはなく27番である。また彼はヘビー・スモーカーだが異邦人なので(?)やはりジタンヌを吸っている。
ほとんどが船内でパリはそれほど多くはないが、さすが作家(?)カルチエ・ラタンが多いようで多分ほかにも何カ所か解明できるだろう。
オスカーの出会いの話は96番のバスから始まる。もとろん台詞どうりモンパルナス駅からポルト・デ・リラを結ぶ路線で車内に見える路線図も当然以下の実際と同じ。所々分岐しているのは言うまでもなく一方通行のため往復でルートが変わる部分。ちなみに例えば90番台ならモンパルナス駅発着、20番台ならサン・ラザール駅発着と大まかな規則を知っていれば実際にパリの街を歩くとき便利。
http://www.ratp.fr/informer/pdf/orienter/f_plan.php?nompdf=96&loc=bus_paris/
そして恐らくは実際の路線で撮影したと思われるので車窓の景色で場所を特定できそうだが、まだ断言できる場所は少ない。12分過ぎのマダムが検札を受けるバックにLe Soleil d’or というレストランが見える。現在も15 Boulevard du Palais に存在するがレストランの右側に建物が続くのでバスはサン・ミッシェル橋を南下している。
余談だがオスカーのパリの部屋でPCの左にもモニターの付いた機械が見える。
あとで実際に使うから分かるがPCではなくミニテルという昨年までサービスをしていた家庭用情報端末。日本でも昔ANGEL という自宅で番号検索のできる端末を希望者に無料配布したがミニテルも最初は無料で配布された。僕もホテルの部屋で見たことはあるが使ったことはない。
3615がその専用番号でショッピングや列車予約などインターネットが普及する遙か昔から大いに利用されていたのだが、当然(?)出会い系サイトが進出してくる。『ニノの空』など時々映画にも現れる。
この映画の場合最初から96番のバスの後ろに、いかにもウソっぽく3615ULLA の広告があり、ほかにも何度も執拗に現れると思ったら実際に使う場面が出てくる。調べると架空ではなく実在した有名な出会い系サイトだった。