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『ミモラ 心のままに』 Hum Dil De Chuke Sanam (1999)

Hum Dil De Chuke Sanam [VHS] [Import] ミモラ~心のままに ― オリジナル・サウンドトラック

みもらと聞こえたからミモラ
ハンガリーロケだけどイタリア

作品メモ

データ

原題 हम दिल दे चुके सनम
ミュージカルパートが加わって、3時間以上にも及ぶゴージャスなインド映画。
ヒンディー語です。

鑑賞メモ

公開されるとは思わなかったのでインド盤DVDにて鑑賞。
後に(2002年)有楽町スバル座にて鑑賞。
ガラガラでしたが、大画面でアイシュワリヤー・ラーイを見られて満足しました。

ムトゥ以後

『ムトゥ 踊るマハラジャ』 のスマッシュヒットで一気に盛り上がったインド映画ブーム。
勢いに乗って続けて公開された作品は、たぶん柳の下のドジョウにはならなかったとは思いますが、おかげでサタジット・レイとはひと味もふた味も違うインド独自の娯楽作品を大画面で見ることができ、その魅力にとりつかれた人もそれなりにいたと思います。
かくいう私も、『ムトゥ』の翌年公開された『ジーンズ 世界は2人のために』をのこのこ見にいって、ヒロインの美しさとCGのでたらめさに度肝を抜かれ、しばらく彼女の出演作にハマってしまいました。

アイシュワリヤー・ラーイ

そのヒロインこそがインドの至宝、アイシュワリヤー・ラーイ。
94年のミス・ワールドで美しさは絶品。
背が高く手足が長いので、とても見栄えがします。
コミカルな役からシリアスな演技までこなし、インドの女優さんに必須のダンスもうまく、まさに死角なしのオールラウンド状態。
ヒンディー映画が生み出した最強の女優さんのひとりといっても過言ではありません。

残念ながら日本ではあまり公開されていないため、彼女の出演作は輸入盤のVCDやDVDで楽しむこととなりました。
さすがにインドのネットショップで買うのは勇気が要りましたので、日本人が運営しているインド映画関連のサイトで1枚また1枚とコレクションしていったものです。

インド映画とDVD

余談ですが、インド映画とDVD、とても相性が良いと思います。
なにしろ上映時間が長いので、従来のVCD(ビデオCD)では3枚組にもなってしまい、ディスクを取り換えるのが大変。
DVDならその手間がなくなりもしかも高画質で高音質。
たいていリージョンALLでNTSCなので、日本人にとってプレーヤーの問題もなく、さらにほとんど英語字幕付きですから [1]中には日本語字幕が入っているものもあります、セリフも十分理解できるという、良いこと尽くしです。

物語

で、ようやく物語に入ります。ざっとご紹介しますと……

有名な声楽家バンディートのもとに、イタリアから青年サミルがやってきて弟子入りします。
イタリア人の母とインド人の父との間に生まれたサミルは、ちょっとお調子者だけど快活で魅力的。たちまち周囲の人気者になります。
バンディートの娘ナンディニも彼に強く惹かれるものを感じ、サミルもまた美しいナンディニにひとめぼれ。恋に落ちた2人は密かに逢瀬を重ねます。
ところがその彼女を青年弁護士ヴァンラジが見初め、周囲のサポートもあって縁談がとんとん拍子に進んでしまいます。
ヴァランジはまじめで誠実、父親も立派な弁護士で、家柄としては申し分ありません。
でもナンディニとってはサミルがすべて。
彼のことを両親に言わなくては……と悩んでいたその矢先、2人は抱き合っているところを父バンディートに見つかり、当然バンディートは激怒。 サミルは国に帰され、絶望したナンディニは……

といったところで、インド映画おなじみのINTERMISSION。 気がつくとすでに開演1時間半ほどたっています。 [2]ちなみに日本での劇場公開時には休憩は入りませんでした。

失意のナンディニはヴァランジと結婚します。
しかし結婚生活は名ばかりのもの。身も心も開こうとしないナンディニに、ヴァランジは悩み苦しみます。なまじいい人で生真面目なだけに、苦悩は人一倍です。
やがてサミルの一件を知ってしまったヴァランジ。
温厚な人柄といえどもさすがに傷つき怒りをあらわにしますが、その後なんと、彼女を連れてイタリアへ行きサミルに会わせよう、そんなことを考えてしまうのです。
いい人を通り過ぎて、もはやお人好し?

ヴァランジの父親もたまらず苦言を呈しますが、
「男の威厳は力ずくで女の幸せを奪うことではない。自分の幸せではなく、愛する人の幸せのためにこそ愛はある」
そう答える息子の気持ちを知って父親も言います。
「私は素晴らしい弁護士だが、お前は素晴らしい人間だ」
と、けっこう盛り上がってきたところで、約2時間経過。
ここまでがインド編で、以後すっぱりイタリア編となります。

残り1時間。
遠い異国で2人を待ち受ける運命は?
果たしてサミルを見つけることができるのか?
そして3人の愛の結末は?

それは見てのお楽しみ。

全体として、物語の構成がよくできていたように思います。
「インド映画にしては」とゲタをはかせるまでもなく、1本の映画として(長ささえ了解してもらえるのなら)人にお奨めできる出来映えだと思いました。

みもらじゃなくて

邦題の「ミモラ」は、(信じられないことに)劇中のミュージカルシーンで流れる歌が「みもら、みもら~」と聞こえたのでこうなったそうな。
ハンガリーロケだけどイタリアってことにしちゃった、というのと、どっちもどっちのアバウトさです。

本当はこうです↓

Nimbooda Nimbooda

あれ、みもらって聞こえる! 😆

ituneでも扱っていますので、ぜひお金を出してお楽しみくださいませ。

itunes

おまけ

このミュージカルジーンは、音楽、ダンス、衣装、セット、カメラ、編集、すべてが行き届いていて、非常に良くできた場面だと思います。
ま、これはサンプルと言うことで、ぜひきれいな画像を正規に入手してお楽しみください。

Dholi Taro Dhol Baje

ロケ地

IMDbでは

Budapest, Hungary
Danube River, Budapest, Hungary
Ramoji Film City, Hyderabad, Andhra Pradesh, India
(studio)

物語通り、前半はインド、後半は海外で撮影されています。

インド編

IMDbで「ラモジ・フィルム・シティ」が挙げられています。
ハイデラバードにあるギネス公認世界最大の映画撮影所です。

Ramoji Film City
Hyderabad, Andhra Pradesh, India
http://www.ramojifilmcity.com/

  • Google Maps

イタリア編

IMDbにあるように、ハンガリーのブダペストです。
アジア人の私が見てもイタリアとハンガリーとではずいぶん町の趣が違うと思いますし、よく見れば町の看板もイタリア語ではありませんが、サルマン・カーンがどーみてもイタリア人ハーフではないのと同じように、アバウトに乗り切って楽しみましょう。

イタリア編でシンボリックに登場するランドマーク。
ブダペスト市内、ドナウ川にかかる橋の中でおそらく一番有名なものがこれ。

341603665_2ab228a14a.jpg 鎖橋  Chain Bridge

ちなみにドナウ川の西側がブダ地区、東側がペスト地区です。

※20/4/12追記
Bill McCrearyさんのブログから、画像を転載させていただきます。
ありがとうございました♪

ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
ブダペスト紀行(2006-2007)(4)

水上レストラン

サミールについて重要な手がかりを得るところ。

宿泊したホテル

ホテルの部屋から外を撮ったカットがありますが、橋の形で橋がわかり、パースで場所がわかりました。

Danubius Hotel Gellért
Szent Gellért tér 1, 1111 Budapest
http://www.danubiushotels.com/en/hotels/gellert
http://www.danubiushotels.hu/hu/budapesti-szallodak/danubius-hotel-gellert-budapest

Google Earthでは3D化されています。

資料

更新履歴

  • 2020/04/12 「橋」にBill McCrearyさんの画像を追加

References

References
1 中には日本語字幕が入っているものもあります
2 ちなみに日本での劇場公開時には休憩は入りませんでした。

コメント

  1. Bill McCreary より:

    >イタリア編でシンボリックに登場するランドマーク。
    ブダペスト市内、ドナウ川にかかる橋の中でおそらく一番有名なものがこれ。

    2006年12月に撮影した写真がありました。

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/2c795af6695eba730222515d43623f75

    当時は、まだこの街も東欧時代の雰囲気(行ったことはありませんが)があったと思います。映画の撮影にもよく使われるのも理解できるというものです。

  2. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    画像1枚お借りしました。

    この橋は映画でよく見かけるような気がしますが、去年終わってしまったレッドブルエアレースで、このあたりの川の上がコースとなっていましたね。
    小型機がブンブンいいながら橋ぎりぎりに高速で突っ込んでいく様は、命知らずにも程があると思いました。

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