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作品メモ
ひとつ前のエントリー『イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国』で主演を演じたモーリッツ・ブライブトロイの初期の作品。
この俳優さん、同じ頃の『ルナ・パパ』から始まり、最近の『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』やら『ミケランジェロの暗号』やら、けっこういろいろ見てきているような。
なかなか日本で紹介されないドイツ語圏映画、見れば出ている売れっ子ぶりと言ったら言い過ぎでしょうか。
いつか出演作を続けてチェックしてみたいと思いますが、今回はとりあえず以前下書きを書いたまま放って置いたこの作品。
ドイツ語原題は「ローラが走る」ですが(„rennen“の三人称現在形)、英題その他各国語版では”Run Lola Run”と日本版と同じノリとなっています。
お話は、ヒロインが彼氏からの電話を受け取るところから始まります。
「俺だよローラ。大変だ、ボスの金をなくしちまった。昼までに10万マルク用意しないと殺される。頼むよ、何とか金を作って持ってきてくれ」
まるで振り込め詐欺みたいですが、彼氏はホントにピンチでパニック中。
びっくりした彼女は街へ飛び出し、大金を工面すべくノンストップで駆け回るのでした……といった内容。
なにより特徴的なのが、物語が何度かリピートされること。
失敗しても、なぜかゲームのように最初に戻って、リトライするのです。
もちろん二巡目は筋道に変化を付けていて、一巡目とは全然違うオチが待っています。
SFというわけではなく、そういう仕掛けの映画なのだと思って楽しむのが吉の映画。
上映時間がとても短いのが良く、まるで読み切りマンガを一冊さらりと読むように気軽に楽しむことができます。
繰り返し繰り返し赤毛を揺らせて走りまくるヒロイン、ローラにフランカ・ポテンテ。
恋人マニにモーリッツ・ブライブトロイ。
他に、マニにテレホンカードを貸してあげる女性役に、モーリッツ・ブライブトロイの実の母親、モニカ・ブライプトロイ(クレジットなし)。『4分間のピアニスト』(2006)で強い印象を残しましたが、惜しくも2009年に亡くなっています。
監督・脚本トム・ティクヴァ、撮影フランク・グリーベ。
ロケ地
IMDbでは、
Mitte, Berlin, Germany
Germany
Behrenstraße, St.-Hedwigs-Kathedrale, Mitte, Berlin, Germany
Berlin, Germany
Friedrichstraße, Mitte, Berlin, Germany
Gendarmenmarkt, Mitte, Berlin, Germany
Oberbaumbrücke, Berlin, Germany (bridge)
Wilmersdorfer Straße, Charlottenburg, Berlin, Germany
と舞台はベルリンです。
この映画はマニアが結構いそうでロケ地も細かく解明されているかもしれませんが、例によって画面とにらめっこでウェブマップを頼りに調べていきました。
答え合わせはしていませんので、もし間違えていたらごめんなさい。間違いのご指摘大歓迎です。
タイムスタンプは最初に登場する時のもの。
当然複数回登場するところもありますが、何巡目かを書いてしまうとネタばれになってしまうので、項目名と説明だけで表現しています。
俯瞰
0:04頃。
真下を向いたGoogle Earthのような俯瞰。
フリードリッヒ通り駅Wのすぐ近く。シュプレー川の北岸側。
映画の映像は上が東。
ローラが赤い受話器をとったのは、この中庭に面した建物という設定。
飛び出す門もこの家のもの。
プライベートな物件と思いますのでSVで示すのは避けますが、すぐそばにカフェがあるので、ここで一服しながらローラが飛び出していく様を想像して楽しんでも良いかもしれません。
電話ボックス
マニが電話をかけてきたところ。
„APOTHEKE“(薬局)の看板の前。
後の方で„Tauroggener Straße“という標識が写ったので、場所がわかりました。
こちらの交差点の東北側の角。
バイクを盗まれたところ
回想シーンの雑貨店。
調査中。
ブツの受取
回想シーン。
ベンツがずらり並んだ水辺。
調査中。
地下鉄駅
マニが荷物を置いてうっかり降りてしまったところ。
DEUTSCHE OPER(ドイチェ・オーパー)Wとはっきり駅名が見えます。
浮浪者が上がっていった階段
調査中。
ダッシュ開始
飛び出してきた門は、上記俯瞰図の家のもの。
その直後の一点透視図的アングルは、門の前の通りとは別。調査中。
ベビーカーの女性
0:13。
レンガ塀をU字に曲がったところで、ベビーカーを押す女性と接触。
調査中。
高架線下
高架線の下でカーブする道。
地下鉄U1号線、Schlesisches Tor(シュレジッシェス・トーア)駅Wの東側すぐ近く。
橋
上記高架下のすぐ近く。
こちらの橋を北岸へ。
通り
0:15。
ローラが斜めに走り抜ける大きな通り。中央に地下鉄の階段があるのが特徴。
Friedrichstraße(フリードリッヒ通り)Wのこの位置。
ローラは北向き。カメラは南向き。
その先左に曲がった角はここ↓。
映画では空き家のような感じでしたが、SVでは現在エルメスが入っているのが確認できます。
左折した角
上記の角の直後、再び左折した角。
„Behrenstraße“ という標識が見えます。
ローラはこの通りを東からやってきて、Mauerstraßeに南向きに入っています。
尼僧
尼僧の集団とすれ違ったのはその1ブロック先。
側の建物は教会と思い込んでいましたが、かつてのドイツ銀行で、今は政府機関が使っているとのこと。
若者が自転車で併走するのもここ。
細い橋
0:16頃。
ガス管のようなライフラインとセットになった細長いトラス型の鉄橋。
調査中。
出てきた車
建物から出てきた車とニアミスするところ。
こちらのホテルのようです。
Park Plaza Wallstreet Berlin Hotel
Wallstraße 23-24, 10179 Berlin
浮浪者
0:17。
浮浪者とすれ違う角。
調査中。
銀行
0:18。
„Deutsche Transfer Bank“(ドイツ外国為替銀行)とありますが、架空の名前でしょうか。
撮影場所はこれまでのマップのあたりをウロウロしていて、なんとか見つけました。
現在はホテルとなっているこちらです。
Hotel de Rome
http://www.hotelderome.com/
1990年以前は、ドレスナー銀行W。 撮影当時は使われていなかったようです。
銀行内部もここでしょうか?
建物があるのは、ベーベル広場 (Bebelplatz)Wの南側。
広場は後ほどちらりと登場します。
銀行を出た後
ローラを真横から捉えたショットで、背景に一瞬青緑色のドームが見えるのはここ。
右の画像の建物に差し掛かったところですが、この建物は上記「銀行」のもの(入口と反対側)。
これは反対側から見たところ。
ドームはSankt-Hedwigs-Kathedrale(聖ヘトヴィッヒ大聖堂)W
右端に少し見えているのが「銀行」の建物の正面左端。
映画に登場した入口はもう少し右側にあります。
右折した角
銀行を出てしばらく走った後右折したところ。
„Charlottenstraße“という標識が見えます。
Französische Straßeを西からやってきて、Charlottenstraßeを南向きに右折。
曲がった後走り抜けるのは、Hotel Sofitel Berlin Gendarmenmarktの東側。
真上から見た広場
真上からの俯瞰で捉えた広場は、上記街角のすぐ東側、Gendarmenmarkt(ゲンダーメンマルクト)W。
中央のシラーの像の真東側から、南西に向って駆けています。
上が西。
救急車
アクション映画お約束、大きなガラスを運ぶ職人さんたち
BOLLE
0:25。
マニが向っていったスーパー。
映画の設定通り、電話ボックスのはす向かい。
鉄橋の下
0:25。
ローラが駆けるトラス型鉄橋の下。
2人で逃げる道
0:29。
IMDbのリストにあるWilmersdorfer Straßeのあたりでしょうか。
調査中。
カジノ
1:04。
大型トラックが停まったショットで、„Hinter dem Gießhaus“という標識が見えます。
トラックの前に飛び出したのはここ。
映画では写りませんが、すぐ隣(西側、カメラの背後)に、『引き裂かれたカーテン』や『グッバイ、レーニン!』で登場したノイエ・ヴァッヘがあります。
カジノは向かい(南側)。
実際にはカジノではなくこういった建物。
Kronprinzenpalais (Crown Prince Palace)W
右の画像はオリジナルの建物。
第二次大戦で破壊されていて、映画に登場したのは東独によって戦後再建されたもの。
ロケ地マップ
わかった範囲で、ローラの軌跡も描いてみました。
下の埋め込み地図では小さいので、大きく表示してご覧ください。
これを20分で走りきるのは無理無理 😉
より大きな地図で ラン・ローラ・ラン を表示
※15/12/28追加
ベルリンを舞台にした映画のロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2015/12/28 「ロケ地マップ」追記
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