目次
作品メモ
このところ成りゆきでエスピオナージュものを続けていますが、こちらはひとつ前のエントリー『0(ゼロ)の決死圏』同様学者の先生が専門知識を生かして敵国から機密を盗み取るお話。
東ドイツを舞台に、ポール・ニューマン演じる物理学者マイケル・アームストロングが、亡命をするとみせかけて核兵器に関する先端理論を持ち帰ろうとするサスペンスです。
一緒に付いてきてしまった婚約者サラにジュリー・アンドリュース。
製作・監督アルフレッド・ヒッチコック。
『鳥』と『マーニー』でいろいろあった後の(汗)作品で、この後は数年に1本のペースとなり、『トパーズ』(69)、『フレンジー』(72)を経て『ファミリー・プロット』(76)が最後。
撮影ジョン・F・ウォーレン。音楽ジョン・アディソン(『遠すぎた橋』)。
音楽ははじめヒッチコック監督作でおなじみのバーナード・ハーマンが書いていましたが、ボツとなり監督とはそれきりとなっています。
ロケ地
IMDbでは、
Hotel d’Angleterre, Copenhagen, Denmark (Armstrong’s hotel in Copenhagen)
Nyhavn, Copenhagen, Denmark (book shop)
Tivoli, Copenhagen, Denmark (restaurant)
Berlin, Germany
Bovard Administration Building, University of Southern California, Los Angeles, California, USA
Copenhagen, Denmark
New York Street, Backlot, Universal Studios – 100 Universal City Plaza, Universal City, California, USA
Stage 28, Universal Studios – 100 Universal City Plaza, Universal City, California, USA (studio)
Stage 32, Universal Studios – 100 Universal City Plaza, Universal City, California, USA (studio)
こういった映画の常ですが、とうてい撮影が許されない場所をいかにそれっぽく映像化するか、あれこれ創意工夫がうかがえる作りとなっています。
今ではそれらの場所もストリートビューや俯瞰図などでいとも簡単に見ることができるわけで、文字通り隔世の感を禁じ得ません。
コペンハーゲン
街並みの俯瞰。
カメラは、H.C.Andersens Blvd.に沿って北西向き。
中央に見える高い塔は市庁舎。
その向かいの緑は後で登場するチボリ公園。
ホテル
電報に記された通り、実在するこちらのホテル。
Hotel D’Angleterre(ホテル・ダングルテール)W
ホテル外観ショットの直後のロビーで、恒例ヒッチコック監督の登場となります。
運河沿いの道
ELMO BOOK STORE(エルモ書店) があるという設定。
ホテルと目と鼻の先のニューハウン(Nyhavn)W。
※18/3/21追記
Bill McCrearyさんに画像を提供していただきました。ありがとうございます♪
映画のショットと同じ場所の画像を選ばせていただきました。
Bill McCrearyさんのブログには他にも画像が多数アップされていますので、ぜひご覧ください。
ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学) コペンハーゲン、マルメ、フレンスブルク紀行(2014年7月~8月)(63)
レストラン
東ベルリン
空港ビルはマットペイントでしょうか?
ちょっと不明。
車が行く街角
0:32頃。
湾曲した建物の間から車が現れるところ。
道路沿いの建物にU-bahnのサインが見えます。当時の西ベルリンでしょうか?
調査中。
※2014/10/15追記
ベルリン・テンペルホーフ国際空港に隣接するこちらかと思いましたが、違いました orz
引き続き調査中。
※15/10/21追記
ベルリン市内のこちらでした。
HOTEL BERLIN
ホテル前はセットのように思えます。
ホテルの外の建物
翌朝ホテルの前でマイケルが目にした石柱が並ぶ建物。
『グッバイ、レーニン!』Wでも登場していましたね。
これは絵が動いていますし、実際に撮影しているようです。
資料映像なのかこの映画向けにこっそり撮ったのかまではわかりません。
美術館
外観はこちらで違いなさそうですが……
旧国立美術館 (Alte Nationalgalerie)W
実際には外観や内部などマットペインティングっぽいですね。
ライプツィヒ
背景にある大きな建物は当時のカール・マルクス大学(現ライプツィヒ大学)。
カメラ西向き。
こちらも絵が動いているので、ノイエ・ヴァッヘ同様実際に撮影しているようです。
建物はすでに建て替えられていますが、アングルをSVで無理やり再現すると、
港
ラストの港。
設定ではスウェーデン。
調査中。
ロケ地マップ
※2014/10/15追加
『二つの世界の男』と合わせて作ってみました。
より大きな地図で ベルリンが舞台の映画 ロケ地マップ を表示
※15/12/28追記
「ベルリンを舞台にした映画のロケ地マップ」として、他の映画と合わせてみました。
- 『二つの世界の男』 The Man Between (1953)
- 『引き裂かれたカーテン』 Torn Curtain (1966)
- 『善き人のためのソナタ』 Das Leben der Anderen (2006)
- 『グッバイ、レーニン!』 Good Bye Lenin! (2003)
- 『イーオン・フラックス』 Æon Flux (2005)
- 『ボーン・スプレマシー』 The Bourne Supremacy (2004)
- 『ラン・ローラ・ラン』 Lola rennt (1998)
境界線は目安として描いたもので、正確ではありません。ご注意ください。
※18/3/16追記
コペンハーゲンで撮影された映画のロケ地マップ
資料
関連記事
ヒッチコック関連作
- 『めまい』 Vertigo (1958)
- 『サイコ』 Psycho (1960)
- 『引き裂かれたカーテン』 Torn Curtain (1966)
- 『知りすぎていた男』 The Man Who Knew Too Much (1956)
- 『逃走迷路』 Saboteur (1942)
- 『鳥』 The Birds (1963)
更新履歴
- 2018/03/21 「運河沿いの道」にBill McCrearyさんの画像を追記
- 2018/03/16 「ロケ地マップ」に「コペンハーゲンで撮影された映画のロケ地マップ」追記
- 2015/12/28 「ロケ地マップ」更新
- 2015/10/21 「車が行く街角」追記
- 2014/10/15 「車が行く街角」追記、「ロケ地マップ」追加
- 2014/09/11 タグ「ヒッチコック」付加。関連記事「ヒッチコック関連作」追加。
コメント
Elmo 書店の住所はKANALGADE 14 とはっきり表示され運河沿い(?)を歩くときも設定どうり18番地を過ぎて14番地の階段を上がる。しかし、あくまで架空の住所で調べるとKANALGADEN は実在するが全然別の場所で実際の場所は特定できない。
ただし最初に映る運河沿いの道は確かにNyhavnの北東側の岸で現在とあまり変わらず丸い衛星アンテナもそのまま。アンテナの2軒左は7番地の現Hongkong V/søren Dybholm で変わったようだが、その左5番地の白い建物のレストランは今も変わらずNyhavns Færgekro で映画では最後の“kro”が確認できる。
もし映画の番地が実際どうりなら対岸になり14番地も実在するが右から左に歩けば番地が増えるので18も14も実際の建物の番地ではない。しかし街灯の形などは同一らしいので恐らく岸沿いのどこかだろう。かすかな記憶では、このあたりも歩いてビデオを撮っているので見つかれば判明するかもしれない。
milouさん、コメントありがとうございます。
この場所は、番地の方は早々にあきらめて、アナログ的に建物の並びが一致する場所を探して、マップで示すだけにしてしまいました(青い尖った家が目立つので目印になりました)。
映像の方も見つかりましたらまたよろしくお願いします。
コペンハーゲン市内はいつのまにか水路までストリートビューが記録されていて、Googleのお仕事は徹底してますね。
矢印キーでスイスイとすっかりクルージングを楽しんでしまいました。
ちゃんとピッタリのSVが記事に記載されてましたね。見過ごして自分で探しました。
ビデオも一部出てきたが人魚姫も噴水もニューハウンも含まれていなかった。
余談だがkanal は運河、gade は通り、gaden は庭ではなく通りの複数だが発音はゲーズン、デンマーク語も1年だけ習ったことがあるが発音が難しい。H.C.Andersens は日本では通例ローマ字読みに近い(ハンス・クリスチャン・)アンデルセンと表記するがデンマーク語の発音はホ・セ・アナスンとまるでスペイン人みたいになる。Google 翻訳で発音させてみると3語個別ならホ、セ、アナスンと正しいが1語にすると、ピリオドを含む “1文字”ずつ発音することを発見(?)した。
有名だがデンマーク語で面白いのは時刻の表現。30分が基準なので15分ごとに過ぎ、前が変わり例えば6:28分なら7時の半分前の2分前のような感じで全然分からない。まあ、フランス語などで 93が4(x)20(+)13 となるように日本語も含むどこの言語でも数字は非常に難しいですが…
ついでながら、サラが自宅の住所を402 maryland Ave.SW,Washington D.Cと書くのでmap で調べると400 番地が政府機関 Department of Education Building で隣に住宅は無く402もないようなので彼女はビル内の独身寮にでも住んでるのかな??
milouさん、コメントありがとうございます。
さすがにDCの住所はリアルではないだろうと思って調べもしませんでした。まったく作り事で良いのに、なぜまたぎりぎりリアルな場所を小道具に使うんでしょうね。
近いといえば以前ドイツ語をかじっていたので、オランダ語はかえってごっちゃになりそうで手を付けたことはありませんでした。
ホ・セ・アナスンですか。日本人にはまったく通じない発音ですね(笑)。
こんにちは。コペンハーゲンは、ごってり写真があります。
チボリ公園です。
//blog.goo.ne.jp/mccreary/e/3d728614b7f8b5d6a91c7e97f9984422
//blog.goo.ne.jp/mccreary/e/74bc65c0d4fde418a51b97bd2c996b3d
かなりの込みかたでした。人気はあるようです。2番目の記事にコペンハーゲン市庁舎も写っています。
他記事ですが、クリスチャンボー城の写真がこちらです。
//blog.goo.ne.jp/mccreary/e/e8168d70c77ce9b855094fb3a0c0a897
//inagara.octsky.net/reptilicus
これは不要かもですが、人魚の写真を。
ttps://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/dda42505c051bb3a2b70850426c102c4
人魚の後ろは軍港なので、行くと、人魚の写真のアングルがだいたい同じ理由もよく理解できます。
ニューハフン
//blog.goo.ne.jp/mccreary/e/f906a91175298215f5a056221a8dbe52
よろしければ、他記事でコペンハーゲンを扱っているところもふくめて写真をお使いになってください。なおチボリと人魚と市庁舎は2014年7月、ほかは8月です。
余談ですがコペンハーゲンの印象を申し上げますと、物価の高さに辟易したということにつきます。日本は四半世紀インフレがなく、しかも最近はやや円高気味ですが、円安主導がつづいているので、なるほど、これなら欧州ほかから日本に来たがるのも無理はないなと思います。
>こういった映画の常ですが、とうてい撮影が許されない場所をいかにそれっぽく映像化するか、あれこれ創意工夫がうかがえる作りとなっています。
先日のワルシャワをアントワープでそれっぽく映像化したというのも、あの市庁舎はワルシャワの建物とはだいぶ雰囲気が違うという気がしますが、未見なのでよくわからないのですが、観ていればそれなりにもっともらしく見えるんでしょうね。
冷戦下のロケ困難な事例ではありませんが、「ミュンヘン」では、地中海沿岸の場所はマルタで、欧州のいろいろな都市はブダペストでロケーションしたわけで、古い欧州というのはブダペストのような東欧の街がふさわしいというところもあるんでしょうね。50年代のニューヨークをモントリオールでロケーションするような。
Bill McCrearyさん、お写真いろいろとありがとうございます。
あちこち行ってらっしゃいますね 🙂
自分でエントリー書いておいてなんですが、お写真に該当する作品にどういったものがあるのか、自分のサイトを検索して(汗)、少しずつ追加させていただきます。
(更新半年以上サボっていたため、画像のアップの方法から思い出しているところです……)
ワルシャワがアントワープでというのは、建物だけ並べて見たら無理かも(笑)
ただ本編の中で見る分にはそれほど無茶ぶりではないようにも思えました。
あちらで追記しましたが、アントワープを撮影地に選んだのは、収容所跡としてアントワープ近くの施設を撮影に使ったことも大きかったかもしれませんね。むしろそちらがメインで、市庁舎の方は撮影のついでみたいな感じで。
アメリカ映画が旧東欧で撮影というのは『レマゲン鉄橋』みたいに例があったみたいですが、ソ連本体で撮影となるとなかなか難しいようで、逆にチェックしていて面白いのはやはりその時代の「なんちゃってソ連」ですね(「なんちゃって日本」もですが……)。
すみません。「引き裂かれたカーテン」とは違うんですが、ロケ地の話ということで。先日「ジャコメッティ 最後の肖像」という映画を観まして、舞台は60年代半ばのパリですが、エンドクレジットでロケ地はロンドンとあって、「なるほどねえ」と思ってしまいました。
http://www.imdb.com/title/tt4494718/locations?ref_=tt_dt_dt
英国制作の映画ですからロンドンのロケだったのかもですが、パリとロンドンというあまり共通点はなさそうな都市でもわからんもんだなと感心しました。
最近昔の大映映画をまとめて観ていて、古い京都の街を楽しんでいます。半日ほどですが、桜の花見を京都でする予定ですので、あるいは写真で協力できるかもしれませんので、その節はまたご連絡します。
Bill McCrearyさん、最近の上映作には疎いのですが、ジャコメッティを誰が演じているのかと公式サイト見たら、ジェフリー・ラッシュとのこと。去年ナショジオでやっていたアインシュタインものもとても良かったので、こうなるともう実録映画だったらみんなこの人に頼んでしまえば間違いなさそうですね。
「完成しない絵」とかで思い出しましたが、『美しき諍い女』もぼかしの有無が話題になりましたね。こちらの方が『1984』より後かと思いますが、どちらも東京国際でかかった時にその点だけがクローズアップされてしまった記憶があります。今となってはお笑いぐさかもしれませんが。
それはともかく、「舞台は60年代半ばのパリですが、エンドクレジットでロケ地はロンドン」とのことで、がぜんこの映画見たくなってきました。うまくロケ地を選んでいるかあるいはVFXをかぶせているか、気になるので、とりあえずソフト出るのを心待ちにします(意地でも「居ながら」)。
あとコペンハーゲンのお写真、『引き裂かれたカーテン』より『原始獣レプティリカス(冷凍凶獣の惨殺)』の方がぴったり合いそうなので、そちらで少しずつアップしているところです。PCで貴サイトとDVDを並べて開きチェックしているのですが、まさかこの映画をこんなに熱心に見返す時が来るとは思っていませんでした(笑)
Bill McCrearyさん、ニューハウンの画像使わせていただきました。
また『レプティリカス』で何枚かアップさせていただきました。ありがとうございます。
ついでに『レプティリカス』は大幅加筆となりました。拙サイトの怪獣映画の中で、一番の長さかと思います(笑 再)。