作品メモ
『コナン・ザ・グレート』(82)、『エル・コンドル』(70)とチェックしてきましたが、この『外人部隊フォスター少佐の栄光』も『コナン』同様『エル・コンドル』のセットの再利用組。
『エル・コンドル』で19世紀のメキシコ軍の砦として作られたセットが、『コナン』では超古代のヒロイックファンタジーの都として活用され、この映画では第一次大戦後のモロッコにおけるフランス外人部隊の基地として登場しています。
原題の”March or Die”は砂漠での厳しい行軍訓練中のセリフから。
歩けないなら死ね、みたいな感じでしょうか。
外人部隊を率いる元アメリカ軍人フォスター少佐にジーン・ハックマン。
部隊はフランス政府が強引に再開した遺跡発掘調査の警護にあたりますが、少佐の目にはそれがただの墓泥棒としか映りません。
しかも流れ者の集まりである外人部隊はしょせん使い捨て。
それでも兵士を鍛え上げ、現地部族との戦いに備える他生きるよすがのないキャラを好演しています。
罪を逃れるために入隊した泥棒マルコにテレンス・ヒル。
モロッコ行きに同行するピカール夫人にカトリーヌ・ドヌーヴ。
遺跡発掘の責任者であるルーブル美術館のマルノーに、『コナン』では王様だったマックス・フォン・シドー。
モロッコの部族長エル・クリムにイアン・ホルム。
フォスター少佐の腹心の部下トリヤン軍曹にリュファス。
力持ちのロシア人イワンにジャック・オハローラン。
製作のひとりにジェリー・ブラッカイマーの名前があります。
監督ディック・リチャーズ、撮影ジョン・オルコット、音楽モーリス・ジャール。
『エル・コンドル』もモーリス・ジャールでしたが、こちらのタッチはやっぱり『アラビアのロレンス』♪
歌
この映画、セリフはほとんどが英語となっていますが、冒頭駅の場面で自然発生的に歌われた「ラ・マルセイエーズ」はさすがにフランス語。
それに続く場面で、仲間を祝い讃える定番ソングもフランス語で歌われます。
英語では映画やドラマでよく耳にしますが、フランス語では珍しいかも。
Wikipediaによるとメロディの元は18世紀から伝わるフランスの歌だそうでして。
実は今までベートーベン作曲だと思い込んでいました……
歌詞が違うとは言え、この場面でこのメロディを歌うのはかなりブラックなような……
もう一曲、楽士出身の隊員のテーマ曲のように流れていたのは、
ど~でもいいことですが、むか~しプレスリーの「好きにならずにいられない」のオリジナルだと知り、一生懸命覚えた記憶があります。
人生2番目に覚えたフランス語の歌詞。
1番目は、「オー、シャンゼリゼ」でした……
それから途中やラストで歌われたのは、
ベルギー人にとってはさんざんな歌ですね。
ロケ地
IMDbでは、
Tabernas Desert, Almería, Andalucía, Spain (location)
Yuma, Arizona, USA
Morocco
Madrid, Spain (Train station scene)
La Calahorra, Granada, Andalucía, Spain (Train scenes)
La Alcazaba, Almería, Almería, Andalucia, Spain (Archaeological site interior scene)
Cabo de Gata, Almería, Andalucía, Spain (Camp between palm trees)
Almería, Almería, Andalucía, Spain (Aboard ship scenes)
Cueva de Roque, Almería, Almería, Andalucía, Spain
Imperial County, California, USA
例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
パリの駅
部隊が帰還した冒頭の駅。
IMDbでは、
Madrid, Spain (Train station scene)
と素っ気ないですが、おそらく『ドクトル・ジバゴ』(65)や『レッズ』(81)でチェックしたマドリードのこちらでしょう。
ブサーダの町
上述の通り、『エル・コンドル』でメキシコ軍の砦として組まれたセットの再利用。
『エル・コンドル』の時と基本的な構造は同じように見えますが、切妻屋根を陸屋根に変えるなど意匠の変更がほどこされ、雰囲気は別物になっています。
- Google Maps
- WikiMapia ……カメラ位置
セットは現在残骸放置状態。
発掘現場
設定ではエルフード。
ロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2017/03/26 新規アップ
コメント