作品メモ
マイコーがこの世を去ってしまいました。
個人的には衝撃の大きさといいますか、喪失感の大きさはフレディ・マーキュリーの時以来かもしれません。
ケーブルテレビの音楽専門チャンネルでは、特番が組まれPVが次々放映されています。
地上波テレビの中身の薄い特番を見る気にはなれなかったので、こちらの方をずっと見ていてKing of Popを偲びました。
“Thriller”はジョン・ランディス監督による空前の大作PVでしたが、”BAD”もマーティン・スコセッシ監督がメガホンをとった本格的なものです。
特にロングバージョンは16分以上あり、短編映画に匹敵するボリューム。
前半はモノクロでドラマ部分、後半にカラーとなって歌とダンスが繰り広げられるという構成です。
“BAD”のPVとしてよく目にしていたのはこの後半部分ですし、今回もロングバージョンが流れたところは目にしませんでしたので、ここで少しメモしておこうと思います。
物語は、いいところの学校に通っているらしい主人公ダリル(Darryl)が、休みに入って故郷の街にもどっていく様子から始まります。
街は貧しく荒れ果てたところ。売人もウロウロしていて危険な雰囲気が漂っています。
いったんは温かく迎えてくれた旧友たちとも、どこかぎくしゃくしてしまうのをお互い感じてしまうのでした。
「すっかりヤワになりやがって」と非難する旧友に、ダリルは「誰がホンモノのワルだか見せてやる」と地下鉄構内へと連れて行きます。
そこで彼らが目にしたものは……といったお話。
主な出演者は旧友のひとりにウェズリー・スナイプス。
ワルっぽい役ではありますが、まだ『ブレイド』シリーズの迫力には至っていない状態です。
また母親の声はロバータ・フラックとのこと。
これは資料として書かれていなければ、到底わからなかったでしょう。
脚本はリチャード・プライス。
スコセッシ監督とは前年の『ハスラー2』、89年の『ニューヨーク・ストーリー』でも組んでいます。
ロケ地
IMDbでは
New York City, New York, USA
とあるだけです。
学校
“THE DUXSTON SCHOOL”と出ていますが架空のもの。
撮影場所は不明。
地下鉄駅
後半に登場するダンスシーンの舞台はブルックリンにあるこちらの駅。
Hoyt Schermerhorn Streets Station
スタジオ撮影という気もしますが、この駅が舞台という設定であることは確かです。
この駅は使われていないホームがあるそうで、そのためか『ウォリアーズ』、『クロコダイル・ダンディ2』、『星の王子ニューヨークへ行く』、そしてマイケル・ジャクソン自身がかかし役で出演した『ウィズ』など、いろいろな作品の撮影に使われています。
確かに『ウォリアーズ』の地下鉄構内での追いかけっこの何カットかには、『BAD』に登場した地下部分(柱がずらりとならんだところ)が映っています。
コメント