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『ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー』 The Survivor (1981)

ジャンボ・墜落 / ザ・サバイバー [DVD] ジャンボ・墜落 ザ・サバイバー [DVD]

作品メモ

2つ前のエントリー『月下の恋』で原作者ジェームズ・ハーバートに少し触れましたが、そこでも書きましたように代表的な映画化作品が『ザ・サバイバル』(サンケイノベルス)で、映画がこちら。
1つ前のエントリー『記憶のはばたき』と同じくオーストラリア映画。
劇場未公開で、allcinemaによると、テレビ放映時のタイトルが『墜落大空港』、DVDタイトルが『ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー』。
個人的にはテレビで見たことがなく、世評が高いのが気になっていたところ、数年前にDVDが出てようやく見ることができました。

飛行機事故でただひとり奇跡的に助かった機長が主人公。
体はぴんぴんしているのですが当時の記憶が失われ、事故解明の役に立ちません。ひとり調査の蚊帳の外に置かれ、大勢の乗客を死なせてしまった責任感や記憶を取り戻せない焦りから、独自の調査を進めていきますが、彼とその周辺で次々不思議な出来事が起こります。
そこで登場したのが霊感の強い女性。彼女は事故で亡くなった人たちが何かを訴えていることを感じ取り、機長に近づきます。
はたして2人は事件の真相に迫ることができるでしょうか? ……といったお話。

最初はなにやら『フィアレス』的設定ですが、その後の展開はよりホラー色が強いものとなっています。
アン・ハサウェイが出ていた『パッセンジャーズ』も似たような設定でしたので、比べてみると面白いかもしれませんね。

事故の場面で予算を使い果たしたのか、ビジュアル的にはしょぼかったりするところもありますが、じわじわくる不安感や焦燥感はなかなかのもので、うまいんだか下手なんだかよくわからない演出や編集も含めて、もやもやっとした夢のような感覚にひたらせてくれる映画です。
あまり書くとネタばれの恐れもあるでしょうからここらへんで控えておきますが、一つだけ付け加えるなら、この映画に関してはストーリーのアイデアよりは全体に漂う雰囲気や不条理感を楽しむのが正解ではないでしょうか。

主役の機長デヴィッド・ケラー(David Keller)にロバート・パウエル。
事故を間近で目撃した女性ホッブス(Hobbs)にジェニー・アガター。
事故現場近くの教会の牧師にジョセフ・コットン。これが最後の出演作。

監督デヴィッド・ヘミングス、撮影ジョン・シール 。
音楽はブライアン・メイ。ってもちろん博士号持ってるギタリストじゃない方のオーストラリアの映画音楽家(『マッドマックス』等)。

だるまさんがころんだ

スペイン映画の『永遠のこどもたち』でも登場していましたが、世界共通の遊びなのでしょうか。

「高速増殖炉」

格納庫で残骸を調べている場面。
字幕で「高速増殖炉は?」と出て、核燃料で飛ぶ飛行機だったのかとおったまげましたが、画面に写っているのは赤い容器ですし、セリフでも”FDR”(flight data recorder)と言っていますので、これ を”FBR”と間違えて訳したのではないでしょうか?
原語はどうであれ、日本語レベルで変だと気づかないのはちょっと……  

ロケ地

IMDbでは、

Adelaide Hills, South Australia, Australia
Adelaide, South Australia, Australia
Edinburgh, South Australia, Australia
Panorama, South Australia, Australia (airplane crash sequence)
Royal Australian Air Force Base, Edinburgh, South Australia, Australia
South Australia, Australia South Australian Film Corporation, Norwood, South Australia, Australia (studio)

エンドクレジットでは、

Filmed on location in South Australia
and at the studios of the
SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION
Norwood, South Australia

と、南オーストラリア州で撮影されています。

事故現場

残骸が横たわる事故現場。
近年では『アンノウン』の墜落シーンも凄まじかったですが、どこか「しょせんCGでしょ」的醒めた感覚もありました。
が、こちらは実物大のセットと天をも焼き焦がすかのような火炎を使った手法で、重量感や実在感はたっぷり。
『フィアレス』同様正視できないすさまじさがありました。

IMDbによれば、南オーストラリア州のPanoramaWのはず。
映像を見る限り、周囲に住宅が見えますので、普通に街中のよう。
マップをたどったところ、地形などからこの三角形のエリアではないかと判明しました。

今では似たような建物がすらっと並んでいていかにも再開発しました的住宅地となっていますが、背景に写っていた周辺の建物がSVで確認できましたので、ここで間違いなさそうです。

ご参考までに、ハリウッドですとユニバーサルスタジオにはこんな↓感じで、飛行機事故現場のセットが用意されています。

墜落現場のセットって、そんなにニーズあるんでしょうかね。
因果な商売という言葉もちらりと浮かんだりします。
ちなみに、機体のすぐ上(北側)にあるのが『サイコ』のモーテルと母屋。 → 『サイコ』

線路

フラグが立ったカメラマンが予想通り退場するところ。
地形や日差しの方向、線路の構成を考えると、IMDbのリストにあるAdelaideWのこのあたりではないかと思うのですが、どうでしょう?

こんな場所を探したところで何にもなりゃしませんが、場所がわかると何だかスッキリするのでした。

ロケ地マップ

※17/5/19追加

オーストラリアで撮影された映画

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2017/05/19 「ロケ地マップ」項目追加

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