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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 Darkest Hour (2017)

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作品メモ

ひとつ前のエントリー『不滅の恋 ベートーヴェン』で、ベートーヴェンを演じたゲイリー・オールドマンについて「ドラキュラやチャーチルは誰だか全くわかりません」と書いちゃいましたので、今度はそのチャーチルをチェック。

時に1940年5月、侵攻を重ねるナチスドイツに対し、和平交渉か抗戦かで揺れるイギリス。
チェンバレンの後任として首相の座に着いたチャーチルが、孤立無援の中、土壇場で国王と議会の信任を得て、挙国一致で徹底抗戦の道を歩み出していく様を描きます。
今となってはちょうど80年も前の出来事。史実とは異なるところが見られたり、記憶が美化されているようなところもありそうですが、一本の映画としては丁寧に作られていて十分見応えがあるかと思います。特にイギリス人にとっては、胸アツ、あるいは胸キュンとなる場面が多そうですね。

原題は”Darkest Hour”。よく言われる「夜明け前が一番暗い」ってやつでしょうか。

ウィンストン・チャーチルにゲイリー・オールドマン。
どうしても特殊メイクに目が行ってしまいますが、安定の演技力はやはりさすが。
Netflixの『ザ・クラウン』ではジョン・リスゴーが背中を丸めた熱演でエミー賞を受賞していますが、俳優さんにとってチャーチルは演じがいのある役なのでしょうね 🙂

妻クレメンティーン・チャーチルにクリスティン・スコット・トーマス。
秘書エリザベス・レイトンにリリー・ジェームズ。実在の女性です。
国王ジョージ6世にベン・メンデルソーン。
保守党の領袖、外務大臣ハリファックス卿にスティーヴン・ディレイン。
国難に辞任せざるを得なかったネヴィル・チェンバレン前首相にロナルド・ピックアップ。元々はジョン・ハートの役でしたが、役柄と重なるかのように病で降板しています。

監督ジョー・ライト。当サイト的には『プライドと偏見』『つぐない』。特に『つぐない』は、ダンケルクからの撤退(ダイナモ作戦)がぴたりとこの映画と重なります。エリザベスの役は以前だったらキーラ・ナイトレイが演じていたかも?

撮影ブリュノ・デルボネル、音楽ダリオ・マリアネッリ。

 
 
 

スタッフについては、やはり辻一弘さんのお名前を挙げないと。
他2人(ルーシー・シビック、デヴィッド・マリノフスキー)とともに見事米アカデミー賞メイクアップ・ヘアスタイリング賞受賞。

 
 
 

ロケ地

IMDbでは、

Wentworth Woodhouse, Wentworth, South Yorkshire, England, UK (Buckingham Palace)
Bicester Aerodrome, Bicester, Oxfordshire, England, UK (Aircraft shots)
Manchester Town Hall, Albert Square, Manchester, Greater Manchester, England, UK
Ministry of Defence – Horseguards Avenue, London, England, UK (Externals)
Abington Street Gardens, Westminster, London, England, UK (Chamberlain and Halifax plot their resignations)
John Rylands Library, University of Manchester, Manchester, England, UK (Scene following meeting with the French ambassador.)
Fort Amherst, Chatham, Kent, England, UK (Calais Fortress sequence)
Greenwich, London, England, UK
St Stephen’s Hall, UK Parliament, Westminster, London, England, UK
Chartwell House, Sevenoaks, England, UK (features in the telegram sequence which sees Churchills’ secretary receive a telegram at Buckingham Palace)
Fort Amherst, Kent, England, UK (features as the location for both General Ramsay’s Operations HQ and the Calais Garrison)
Houses of Parliament, Westminster, London, England, UK (Internals)
Ealing Studios, Ealing, London, England, UK (war cabinet scenes)
Brodsworth Hall, Brodsworth, Doncaster, South Yorkshire, England, UK (interiors standing in for 10 Downing Street)
Warner Bros. Studios, Leavesden, Hertfordshire, England, UK (House of Commons)
Manchester, England, UK
10 Downing Street, London, England, UK (exterior view)
UK
Westminster Hall, Palace of Westminster, London, England, UK (May 10- May 13 caption)

この他DVD収録の監督によるオーディオコメンタリーも参考になりました。
例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

チャーチル邸

0:12

ミス・レイトンが電報を受け取るところ。

Chartwell HouseW, Sevenoaks, England, UK (features in the telegram sequence which sees Churchills’ secretary receive a telegram at Buckingham Palace)

ホンモノの居宅だったところで、現在はナショナルトラスト物件。

https://www.nationaltrust.org.uk/chartwell

バッキンガム宮殿(玄関口)

0:15

IMDbのリストにはありませんが、監督コメンタリーに拠れば、車が到着するのを内部から捉えたショットはこちら↓

サマセット・ハウス(Somerset House)W

カメラ北向きで、背景はVFXの産物。

Netflixの『ザ・クラウン』でもホンモノを使っているとしか見えないシーンがありましたが、VFX技術的にはCGで可能でしょうから、ここらへんもう少し要確認。

バッキンガム宮殿(内部)

宮殿内部は、ヨークシャーにあるこちら↓での撮影のようです。

Wentworth WoodhouseW, Wentworth, South Yorkshire, England, UK (Buckingham Palace)
https://wentworthwoodhouse.org.uk/

たとえば首相が国王に謁見する部屋は、こちら↓で言えば上から3,4枚目のおじいちゃんが写っている部屋。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-2827831/Yours-7million-mansion-makes-Downton-look-modest-s-past-bit-scandal-filled-says-ROBERT-HARDMAN.html

あるいはこちら↓の上から3,4枚目。
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/wentworth-woodhouse-inspired-jane-austens-5738894

公式サイトに見る、ここで撮影された作品例↓

https://wentworthwoodhouse.org.uk/film-tv/

首相官邸

0:19
チャーチルがやってくるところ。
いわゆるダウニング街10番地ですが、セットかCGと思いきや、IMDbのリストにもありますし、何より監督コメンタリーで実際の官邸前と言っているので、ホンモノですね。
ただ監督は「ここでの撮影を許可されたのは今回が初めて」とコメントしてますが、例えば『クロスボー作戦』でもホンモノが登場していませんでしたっけ?  探せば他にもあるかも??

10 Downing Street, London, England, UK (exterior view)

0:42頃チャーチルが向かいの建物へまっすぐ入っていきますが、これもホンモノでしょうか?
ここは現在の外務および英連邦省。

首相官邸(内部)

内部はこちら↓のようです。

Brodsworth Hall, Brodsworth, Doncaster, South Yorkshire, England, UK (interiors standing in for 10 Downing Street)

ついでに、SVでこういうの↓を見ることができるのですが、どの部分でしょうね?

階段に飾られた歴代首相。
チャーチルの左隣は前首相チェンバレン。
その上が、チャーチルの後に首相となったクレメント・アトリー。映画冒頭、議会で向かい側からチェンバレンを激しく糾弾していたメガネの労働党党首。

議事堂

0:23

10 MAY → 13 MAY 
と日付が変わるテロップが出る階段場面は、ホンモノのウエストミンスター・ホール。

Westminster Hall, Palace of Westminster, London, England, UK (May 10- May 13 caption)

1:45頃地下鉄を降りたチャーチルが議場に向かう場面も同じ。

そこから先、毎度おなじみ、「3密」で向かい合っている庶民院議場はさすがにスタジオセット。

Warner Bros. Studios, Leavesden, Hertfordshire, England, UK (House of Commons)

チェンバレンとハリファックス

0:28
議事堂が見える庭園でちょこんと腰掛けて会話する二人。

IMDbのリストではこちら↓となっていますが……

Abington Street Gardens, Westminster, London, England, UK (Chamberlain and Halifax plot their resignations)
https://www.westminster.gov.uk/my-parks/parks/abington-street-gardens/

どうもこれはアングル的に難しいような……
VFXを使っているような気もします。

と思って監督コメンタリーを聞いたら、やはり議事堂は合成で、手前の部分はなんとチャートウェルハウスとのこと。
リアルなチャーチル邸外観の他、バラ園も(別の場所として)登場していたことになります。

よく見ると、チェンバレンの頭の背景に、邸宅の屋根が見えています(下の画像の左上角)。

なので2人が座っていたのは、おそらくバラ園の西端でこの↓石垣の上

戦争省(外観)

0:30
エリザベスがやってきたところ。
丸い中庭は大蔵省のもの。入っていったのは北側から。
だいぶ汚れていますが、ホンモノにVFXをトッピングしたもの。
俯瞰はフルCGでしょうか。

なお、IMDbのリストの

Ministry of Defence – Horseguards Avenue, London, England, UK (Externals)

は場面を確認できませんでした。

戦争省(階段)

監督コメンタリーによると、母校であるこちら↓とのこと。

Central Saint Martins

  • https://www.flickr.com/photos/randydandy/3110375047

図書館

0:36

John Rylands Library(ジョン・ライランズ図書館)W, University of Manchester, Manchester, England, UK (Scene following meeting with the French ambassador.)

映画では写りませんが、外観も素晴らしいですね。

ドーバー、カレー

1:01
ラムゼイ提督がいたドーバー司令部。
撮影はIMDbのリストのこちら↓で、カレー守備隊がたてこもっていた城砦(1:16)も撮影場所は同じ。

Fort AmherstW, Kent, England, UK (features as the location for both General Ramsay’s Operations HQ and the Calais Garrison)
Fort Amherst, Chatham, Kent, England, UK (Calais Fortress sequence)

https://www.fortamherst.com/

ここは、これまでのエントリーでは『ミッション』でメンドーサが捕らえられていたところとして登場。

地下鉄

地下鉄のくだりはもちろんフィクション。
撮影はすべてセットでしょうか。

Then out spake brave Horatius,
The Captain of the Gate:
“To every man upon this earth
Death cometh soon or late.
And how can man die better
Than facing fearful odds,
For the ashes of his fathers,
And the temples of his Gods.”
 ……Thomas Babington Macaulay “Lays of Ancient Rome”W

資料

更新履歴

  • 2020/05/24 新規アップ

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