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『冒険者たち』 Les Aventuriers (1967)

冒険者たち 40周年アニヴァーサリーエディション・プレミアム [DVD]

Google Earthで真っ先に訪れたところ

 

作品メモ

Google Earthをインストールして、とにもかくにも見てみたかったのが『冒険者たち』のあの要塞でした。
映画に魅せられて実際に現地を訪れた熱心なファンもきっと数多くいることでしょう。
お金も時間もない身としてはせめてGoogle Earthで……と思ったものの、これが当時は案外苦労しました。
要塞の名前とおおよその場所まではすぐにわかりましたが、肝心のGoogle Earth上での位置がなかなか解明できず、結局フランスのサイトでkmlデータが出ているのを見つけてようやくたどりつくことができました。
今ならきっと簡単に行き着けると思いますが。

というわけで、バーチャルなロケ地巡り、栄えある第1回は『冒険者たち』です。

※以下、「ロケ地 > 海上の要塞」以外はすべて2012年4月以降に追記しています。

作品データ(12/4/18追記)

監督ロベール・アンリコ、原作ジョゼ・ジョヴァンニ、脚本ロベール・アンリコ、ジョゼ・ジョヴァンニ、ピエール・ペルグリ、撮影ジャン・ボフェティ、音楽フランソワ・ド・ルーベ。

出演は、クールなパイロット、マヌー(Manu)にアラン・ドロン、その親友のメカニック、ローラン(Roland)にリノ・ヴァンチュラ、ある日ふらりとやってきた新進アーティスト、レティシア(Laetitia)にジョアンナ・シムカス。
他に、財宝の情報を持つパイロットにセルジュ・レジアニ。

原作と再映画化(12/5/3追記)

原作は・ジョゼ・ジョヴァンニの”Les Aventuriers”。
翻訳は『生き残った者の掟』というタイトルで、最初ハヤカワノベルズから(1971年1月)、その後は河出文庫から出ています(1986年4月)。どちらも絶版ですが、今から読むとなると河出文庫の方がまだ入手しやすいかもしれません。
この小説を作者みずからメガホンをとって映画化したのが『生き残った者の掟』La loi du survivant (1967)で、日本では未公開、かなり後からビデオスルーとなっています。
DVDにはなっていませんので、今から見るとなると大きなレンタル屋さんを探すか、衛星放送などに期待するしかないかもしれません。
(余談、と書くと失礼なのですが、『生き残った~』のエントリーで書こうと思ったことをとりあえずこちらで。河出文庫版の解説は内藤陳さん。ビデオ版の解説、といいますか最後についていたコーナーも内藤陳さんで、コーナー名が「見ずに死ねるか」でした。昨年末惜しくも亡くなっています。合掌。)

IMDbに拠れば、『冒険者たち』のフランス公開は1967年4月12日、『生き残った者の掟』は同年4月19日。一週間しか違いません。
日付を見る限り、巷間良く言われる「『冒険者たち』に不満を持ったジョゼ・ジョヴァンニが自分で再映画化した」というのはちょっと疑問なのですが、ここらへんちゃんと調べたわけでないので何かわかったら追記することにします。

映画版『生き残った者の掟』はいずれ別にエントリー書こうかと思っていますが、とりあえず小説と2つの映画をざっくり比較してみますと……

ネタばれ的内容につきクリックすると開きます。

同じ原作の2本の映画、まず一番違うのがテイストで、『冒険者たち』がちょっとセンチな青春ものであったのに対し、小説&映画の『生き残った者の掟』はガチガチにノワールしています。
さらに違うのが、死んでしまう仲間が男であること。
つまりレティシアというヒロインは『冒険者たち』オリジナルなのでした。
男2人の名前は原作では「マニュ」と「ローラン」で『冒険者たち』と同じ。映画版『生き残った~』は全然別の名前です。

肝心のストーリーも、1本の原作を分担したような内容。
原作は、死んでしまった仲間の埋葬から始まり、男たちが仲間の遺族を探し回るところが序盤となっています。
ようやく探し当てた従姉妹夫婦は死んだ男とは関わり合いたくない様子。よそよそしい態度に怒りを覚えながら遺品を渡して帰りかけたその時、無垢な少年が帰ってくるのですが、なんと死んだ仲間にとても似ているのでした。
それならこの少年に、とうなずきあった2人。ど~んと取り出したのが札束の山。アタフタする少年の親……

ちょっとアレンジされていますが、『冒険者たち』の名場面は原作からしっかりとられているのがわかります。 逆に言えば小説の読者はそこで初めて3人の男たちが大金にまつわる何かをした後だということがわかる仕掛けとなっていて、この場面の効果が原作と『冒険者たち』では大分異なるのが面白いですね。
で、そこから先要塞島のくだりは『冒険者たち』のオリジナル、その前のお宝探しのくだりも全部オリジナルですから、『冒険者たち』は原作のピンポイント的な場面をキャラクター含めてとてもうまくふくらませて1本の映画にしていることになります。

逆に映画の『残された~』は親戚を訪れる部分はなく、原作のそれ以後の部分を映像化しています。
なので同じ原作を持っているとはいえ、『冒険者たち』と映画版『残された~』はストーリー上重なる部分がありません。

クルマ(12/4/18追記)

映画に登場するクルマのことならIMCDb。
例によって完璧なデータがありますので、こちらをどうぞ。

http://www.imcdb.org/movie.php?id=61376

解体中のクルマまでチェックされているのはさすがというか何というか。

お役に立つ(12/4/18追記)

リンクはallcinema。

※13/7/10
『冒険者カミカゼ』のエントリー書きましたので、よろしかったらそちらもどうぞ。
  → http://inagara.octsky.net/adventure-kamikaze

ジャケットでモーフィング(12/4/18追記)

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PPMとドリカムは反則ですね。すみませんm(_ _)m

ロケ地

※12/4/12追記
久々に更新しました。
「海上の要塞」以外はすべて追記したものです。

海上の要塞

Fort BoyardW

当時はこのあたりの解像度はあまり高くありませんでした。
洋上にぽつんと浮かぶ楕円形……が見えるはずが、まるでぼやっとした小惑星の映像のよう……。
これでは地元の人でない限り、地球儀をくるくる回すだけで見つけられるわけがありません。
今ではこの部分も解像度アップしていて、形も細かいところまでかなり判別できます。
もしかすると『冒険者たち』のファンの要望だったりして 😉

※12/6/2追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(コメント欄をご覧ください。)

コメント欄にもありますように、この要塞島は私有地かつフランスの同題TV番組Wの舞台となっていて、一般の人は上陸できません。

※19/9/24追記
milouさんから絵はがきの画像を提供していただきました。
このアングルの画像があると、このエントリーも盛り上がります♪
ありがとうございました。

アルバム「フランス西海岸」から

OP(12/6/10追記)

レティシアが物色している川べり(あるいは水辺)の自動車スクラップ場。
背景にかなり大規模なマンション群が見られます(右端にキノコ型給水塔も有り)。
調査中。

ローランの仕事場(12/6/10追記)

スクラップ場同様、背景にマンション群が見えますが、別の場所。
調査中。

飛行場(12/4/18追記)

格納庫の位置や形などから、こちらの飛行クラブと思われます。

Les Ailerons d’Enghien Moisselles
http://www.lesailerons.fr/

クラブハウス(?)も映画のまま残っていますが、素通しの可愛らしい管制塔は見当たりません。

※12/6/10追記
フランス語版Wikipediaでは、”Aérodrome d’Enghien-Moisselles, Moisselles, Val-d’Oise”となっていますが、同じ場所を示していると思われます。

凱旋門(12/4/18追記)

ロケ地チェックするまでもありませんが、レティシアのアップから入る最初のカットの背後に、”CHAMPS-ÉLYSÉES”(シャンゼリゼ)という標識を入れているのがなごみます。
わざわざ入れることもないのに……

彼女が立っていたのはこの位置。
街灯はいくつかありますが、おそらく一番手前のもの。

マヌーがやってくる(想定)のは、そのシャンゼリゼ通り。

※12/6/10追記
こちらもmilouさんに画像を提供していただきました。
1979年撮影とのこと。

「映画ではまだ柵がないので身を乗り出して下を見られたが今は無理。当然ながら普通の人は柵の隙間から写真を撮るが僕は映画との違いを見せたいとわざと柵を入れて撮っています。」と解説をいただきましたが、ロケ地マニアの王道を突き進んでいらっしゃいますね♪

キヨバシさん(12/4/12追記)

演ずるはヴァレリー・インキジノフ。
背景のポスターは松山善三監督の『戦場にながれる歌』(1965)。

テストコース(12/4/12追記)

画像検索でチェックしてみましたが、Monthléry のようです。
つまり『男と女』のコースと同じ。
『男と女』は『冒険者たち』の前年の作品。

レティシアの個展(12/4/12追記)

最初の場面では何が何だかわかりませんが、マヌーが想い出にひたる場面では周囲が写っていますので探す気になりました。
高架が入り組んでいることからパリの環状線のジャンクションをチェックしていき、何とか発見。もし間違っていたらごめんなさい。(※14/10/13 ストリートビューがずれていたので修正 16/10/10再修正)

 
 
 

SVではこれが限界ですが、カメラやマヌーの立ち位置はもうすこし北側。
(※16/10/10 個展の場所が確認できるストリートビューが見つかったのでそちらに切り替えました)
カメラは南向き。
さらに北側、高架があまり高くないところは現在も駐車場になっていて、マヌーが車に乗って出て行くのもそこ。
高架沿いの道を走り去るショットで、右側に写っている特徴的な石の柱がこれ。

マヌーが立っていたとおぼしき場所は立ち入れないかもしれませんが、せめて手前の歩道のところでトレンチコートを着て立ってみたいものです(サングラスも必携 😎 )。

アフリカ

フランス語版Wikipediaによると、チュニジアのジェルバ、セネガルのダカール(Djerba, Tunisie, Dakar, Sénégal)。

フランス語版Wikipediaによると、ブーシュ·デュ·ローヌのラシオタ(La Ciotat, Bouches-du-Rhône)。

タンプル村(Tomple)

戦時中ヴァイス一家(レティシアの家族)が疎開していたところ。

フランス語版Wikipediaによると、commune de Quézac (Causse Méjean – Lozère)W

レティシアの故郷(12/4/12追記)

正確には親戚に引き取られて育てられた島。
要塞島のすぐ北東側にあるこちら。

Ile d’aix(エクス島、イルデクス)W
http://www.iledaix.fr/

アフリカ博物館

コメント欄でmilouさんに情報を寄せていただきました。
詳しくはそちらをご覧ください。

場所としては、島の南側ナポレオン通りの一番奥、ナポレオン博物館の向かいみたいです。

 

▼25/6/7 追記

マップ情報はこちら↓

 
今頃気づきましたが、フランス語版Wikipediaに博物館の項目がありました。

ラクダさんは、実際にはこんな↓感じ。
記念に毛を抜いてはいけません。

日時計

マヌーが宿泊している部屋の入口右側に見られます。
コメント欄で情報寄せていただいたmilouさんが、写真も提供してくださいました。
他の家にもかかっていた可能性もあるとのことですが、少なくともモノとしては全く同じに見えます。
といいますか、今回初めて日時計があることに気づきました。 😉

※12/6/10追記
milouさんに画像を追加提供していただきました。

船着き場

再び島にやってきたマヌーが要塞島に向かうとき小舟に乗り込むところ。
これもmilouさんから写真を提供していただきました。

場所は、島の南端東側のここ。

 

Genkiさんの訪問記

▼25/6/7 項目追記
現地を訪問されたGenkiさんが、画像を提供してくださいました。

マヌーとローランがラクダさんと一緒に島へやってくるのは、1:20頃。

↓ラクダさん御一行とすれ違う街角。

カメラが2人を捉えたまま移動すると、背後にこちら↓のナポレオン博物館が映ります。
行列が入っていくのは、(画像では写っていませんが)右手前のアフリカ博物館。

↓アフリカ博物館入口

↓1:30
少年がローランに要塞島を指差してみせるところ。
口笛でレティシアのテーマがかぶさる名場面。

↓1:40頃、島に戻ってきたマヌーが入っていく宿。
日時計が、milouさんご提供による「日時計」の上の方の画像と同じに見えます。
窓や扉の構成なども映画と一致していますので、お二方ともこちらでお見事大正解かと思われます 😀

↓続いてローランを呼びながら歩くところ。

↓その後マヌーはここから要塞島へ。

Genkiさんは、これらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。

ロケ地マップ

『冒険者たち』他、ジョアンナ・シムカス出演作広域マップ

資料

更新履歴

  • 2025/06/07 「Genkiさんの訪問記」項目追加 「アフリカ博物館」追記 「レティシアの故郷」地名修正
  • 2019/09/24 「海上の要塞」にmilouさんの画像を追加
  • 2016/10/10 各画像のリンクを旧Picasaウェブアルバムからアルバムアーカイブへ変更 「レティシアの個展」SV修正
  • 2014/10/13 「レティシアの個展」ストリートビュー修正

コメント

  1. milou より:

    封切り以来何度見たことか…

    というわけで、僕も行きましたよ。
    最初1986年に行ったのですが悪天候で観光船が欠航、意外やフランスでは結構有名な観光地で何軒か安ホテルを探したが空きがなく気落ちして泊まらずに退散。2000年に再訪して長年の夢が叶いました。

    と言っても、もちろん上陸することはできず要塞の周囲を回るだけです。映画や下記のYoutubeでも分かるように小舟でしか近づけませんから。

    しかし“La Rochelleより要塞へ 1971年8月28日日本人初上陸であった”なんて文章を見つけたがテレビのサバイバル番組以外で上陸は無理なので本当だとしたら番組に出たのでしょう。

    念のためツアーを調べたところ、やはり僕も行ったles iles d’Aix 島に上陸するだけで
    あとはavec approche FORT BOYARD と近づくだけの海上散策だけみたいです。

    http://www.inter-iles.com/destinations.php

    http://www.youtube.com/watch?v=407q7Bezcv4&feature=player_detailpage

  2. inagara より:

    milou様

    コメントありがとうございます。
    こちらもいらっしゃったことがあるのですね。うらやましいです。 しかも封切り時にご鑑賞とは!

    この要塞は上陸できないとのことですが、テレビ番組でさんざん使われているのに意外ですね。観光で行けば簡単に上がれるものと思い込んでいました。

    要塞に入るのはあきらめるとして、あの少年が番をしていた小さな博物館のようなところは、どこなのでしょうね。気になります。

  3. milou より:

    今でこそネットでの情報収集が容易なので要塞島も簡単に見つかるでしょうが
    昔なら闇雲に文字通り海を“漂流”しても見つけるのは困難だったことでしょう。

    僕が訪れた2000年でも当然ダイヤルアップだったしメール中心でネットで調べる発想すらなかった。

    それはさておき恐らく誰でも『冒険者たち』のロケ地探しといえば最初に要塞島とアフリカ博物館でしょう。
    要塞島は簡単に見つかるが博物館は難易度が高いからかネットでも情報がない。

    早速映画を見直すとヒントがあった。
    ラクダの頭のパレードをする時、背景に博物館案内の掲示がある。
    それによって住所は30 Rue Napoleon のMusee Napoleonien だと分かった。
    (アフリカ博物館併設)

    http://www.musees-nationaux-napoleoniens.org/homes/home_id25138_u1l2.htm

    場所は要塞への観光船が途中によるエクス島。さすがにSVはなく写真だけ。
    僕が行ったときは確か島で1時間ぐらいの自由時間があり、何となく歩いたが
    当時は博物館がこことは知らなかった。次回行くときは必ず寄ります。

    マヌーが再訪して要塞島へ行くとき小舟に乗り込む場所は恐らく
    http://imgll.trivago.com/uploadimages/56/92/5692082_l.jpeg

    でしょう。これは僕が行ったときも雰囲気が似ているなと写真を撮りました。
    あとマヌーが島で借りている家の壁に日時計がある。
    まったくの偶然だが僕も興味を持って日時計の写真を撮ったのだが
    7割ぐらいの確率で同じ家だと思われる。

  4. inagara より:

    milouさん、また承認待ちになってしまってすみません。
    複数のURLが貼られているときに承認待ちになる機能が働いてしまいました。
    直したので以後は大丈夫だと思います。
    「ナポレオン博物館」は見ていて気づきましたが、アフリカ博物館が併設だったとは……
    あの少年も今はもうおっさんなんだろうなあ……

  5. milou より:

    時代は変わる!
    映画で少年は“泥棒はいない”と言い一億フランの入ったカバンを置いたが
    博物館のHPを見ると
    Due to recent thefts of rhino horns, the African Museum will remain closed until further notice.
    だって。展示されたサイの角が盗まれ博物館は当分閉鎖とは…
    島のいくつかの写真を見ると観光馬車まで走っている。
    僕が行ったときは土産物屋が1軒あるぐらいで、見るべきものもないかな、
    と思ったが観光船が立ち寄るぐらいだから結構有名なんでしょうね。
    そうそう、やはりマヌーが乗った場所は間違いないようです。
    僕の写真では右手にギャングが座っていたカフェらしき店も映っていました。

  6. inagara より:

    milouさん、画像アップしてみました。
    どうもありがとうございます。

    サイの角で休館って、あのラクダだけじゃやっていけなかったのですね……

  7. milou より:

    このサイトのおかげで(?)僕の映画を見る面白い性向の理由が分かった。
    昔から映画を見ながら“数字”に注意が向き車のナンバープレートや
    電話番号、番地などのメモを取る。自分では数字に対するフェティッシュな好みと思っていたが
    (それもあるが)本当の理由は舞台がどこかを知りたいという欲求だったような気がする。

    というわけで舞台の場所を特定するのに道路の標識や郵便・電話番号などは有効な手がかりになる。
    この映画ではカジノからの帰りにN11、パリから70(?)という標識が見える。
    これで決まりとN11を調べると、ポアティエからラ・ロシェル方面で本物の標識だとすれば
    設定とまったく合わない。ラ・ロシェルでの撮影途中かとも思ったが調べるとパリから471キロなので
    パリから70(0)キロでは合わない。現実と合わないし映画のために設置したとは思えないのだが…

    調べるとカジノはフランスに196個所もあるようだがパリからならドーヴィルの可能性が高い。
    パリが舞台の映画で海岸が出てくれば大半はドーヴィル近辺である。
    『男と女』に代表的なように車で2時間少し(200キロ)だから。
    ということでN11が今のところ何の役に立たなかった。

    ちなみに『離愁』のときNの番号が大きすぎると書いたが日本式の思い込みで調べてみると
    9463 まである(もちろん連続ではない)。

    http://fr.wikipedia.org/wiki/Liste_des_routes_nationales_de_France#Routes_nationales_1_.C3.A0_25

  8. inagara より:

    N11の標識は気になっていましたが、少し調べただけではわからなかったので放置していました。
    この道路についてのWikiの項目は詳しくて、今後役に立ちそうですね。ありがとうございます。
    確かに地理的関係がおかしいので、書かれた数字は意味のない単なる小道具でしょうか。日本の国道11号は四国にあるみたいですが、「国道11号 東京まで70km」といったところですね。 🙂

  9. inagara より:

    作品メモとロケ地(飛行クラブ等)追記しました。
    ローランの仕事場はまだわかりません。

  10. inagara より:

    milouさん、要塞島の画像、アップさせて頂きました。
    そういえば数日前WOWOWで放送されましたね。
    かなりよい画質でしたので、ローランの仕事場再チャレンジしてみます。

  11. milou より:

    フランス語Wikiに以下のロケ地情報がありました。

    Scene d’essais du dragster : Autodrome de Linas-Montlhery, Essonne.
    Scenes a l’interieur du hangar de l’aero-club de Manu :
    Aerodrome d’Enghien-Moisselles, Moisselles, Val-d’Oise.
    Scenes en Afrique : Djerba, Tunisie, Dakar, Senegal
    Scenes sous-marines : La Ciotat, Bouches-du-Rhone
    Scene de visite de la bergerie des parents adoptifs de Laetitia :
    Le Tomple – commune de Florac (Causse Mejean – Lozere)
    Scene sur l’ile : Ile-d’Aix, Charente-Maritime, Poitou-Charentes.
    Scenes de la visite du musee par le petit garcon pour Manu et Roland :
    Musee Africain, 30 rue Napoleon, Ile-d’Aix, Charente-Maritime.
    Scene des adieux entre Roland et Manu :
    Fouras pointe de la Fumee, Charente-Maritime.
    Scene finale : Fort Boyard (46°00′00″N 1°12′40″O ) (situe sur la commune de l’Ile d’Aix), Charente-Maritime.

    ということで飛行場やレース場は正解ですね。
    台詞にもあったレティシアの生地Tomple 村は似た風景を確認。
    マヌーがパリに帰ると言って別れた桟橋は
    映画では編集のせいで l’Ile d’Aix にしか思えないが
    実際は対岸Furras で調べると今でもl’Ile d’Aixの2個所に
    1日2便しかフェリーがないのでローランが急ぐのも納得だし
    マヌーが車でパリに帰るのも納得。
    どうやらl’Ile d’Aixに車は乗り入れられないようなので、
    マヌーは対岸のホテルに滞在していたのでしょう。

    なお以下のブログで僕の写真と同一及びもう1つの日時計
    (やはり僕も撮っているが)の写真があった。
    同じものに興味を示した人がいるようです。
    http://virjaja.over-blog.com/article-cadrans-solaires-82363949.html

    さてパリのローランの仕事場の場所はまだ分からないが
    少なくとも9割の確率で“川べり”ではないと思います。

    恐らく最初のタイトルバックから判断したのでしょうが
    あれはレティシアがスクラップを物色する別の場所で
    自転車で行く場面、上下黒い服、上下赤い服と
    少なくとも日も違う複数の場所。

    何度も仕事場のバックにマンション群は見えますが
    川らしきものは確認できません。
    レティシアが自転車で来る場面が広範囲に映る。

    さてヒントになるか分からないが2人が失敗し土地を売りに出し、画面に“A vendre 220-1107”という看板が見えます
    (920の可能性も)。
    パリ20区内なら局番でカルティエが分かるのだが
    残念ながら郊外なので該当する局番がない
    ただしローランのトラックはパリ市の登録なので近郊は間違いない。

  12. inagara より:

    Wikipediaに記述がありましたか orz……
    そういえば『冒険者たち』に関してはWikiは全然チェックしていなかったかもしれません。
    最近のエントリーは、IMDbと一緒にWikiも最初に見ることにしているのですが。

    飛行場は、Google Earth かMapsを使ってパリのあたりで飛行クラブを検索。出てきた施設を片っ端から映画に登場したものと照合していきました。これだけで1時間ぐらいはかかったかもしれません。時間を無駄にしたかも……といっても、調べているときがまた楽しいんですけれどね。

    Wikiの情報は後で追記しておきます。
    それからローランの仕事場は確かにそうですね。タイトルバックのスクラップ場とは切り分けなくては。ごっちゃにしてました。
    仕事場はもちろんですが、スクラップ場の方も気になります。背景右のギリギリにキノコ型の給水塔が見えるのですが、これがどこだか知りたくて。
    背景にあるようなマンション群、フランス語だとgrand ensembleWというらしいですね。

  13. hachiro より:

    半世紀前になぜか学校の映画鑑賞会で見ました、今考えると中学生だったからカットだらけでしたが、「友情」を学びました。そしてこの要塞! いま見せて頂いてとても感動しました、ありがとうございました。

  14. 居ながらシネマ より:

    hachiroさん、こちらにもコメントありがとうございます。
    これは拙サイトの記念すべき第1回エントリーとなっておりまして、それだけ思い入れのある映画となっています。
    ところで中学校の映画鑑賞会でこの映画ですか?!
    まさか、ネズミたちが力を合わせてイタチをやっつけるアニメだったとか……

  15. hachiro より:

    そうですよね、いくらなんでも高校ですね、でも校内での鑑賞でした。内向的な生徒だったので要塞シーンに感動して、いつかここの近所に住みたいと思っていました。その前の年は「わんぱく戦争」だったかな、子供がモザイクで走ってきて笑いました。「太陽がいっぱい」の年は、体育館で技師がその場でキスシーンをカットしたフィルムが落ちていたので拾ってみんなで切り分けました(ああ懐かしい)

  16. 居ながらシネマ より:

    キスシーンをカットしたフィルムって、まるきり『ニュー・シネマ・パラダイス』ですね。きっと校長先生がチリリンとベルを鳴らして、技師さんがカットしていったのでしょうね 😉
    それにしても毎年60年代フランス映画を上映というのが、うらやましい企画です。

  17. 匿名 より:

    inagara さん、milou さんの位置データを基に念願の「冒険者たち」と「ボルサリーノ」フランスロケ地巡りロードトリップに行ってきました。
    「冒険者たち」はイルデ島訪問だけですが、沖合にフォートボヤールも見えて最高でした。
    画像をアップして頂きありがとうございます。

  18. genki より:

    失礼しました。
    上記コメントはgenkiです。

  19. 居ながらシネマ より:

    genkiさん、コメントありがとうございます。
    すっかり忘れていましたが、「冒険者たち」は記念すべき拙サイトの最初のエントリーでした。
    映画本編をモニタの隅っこで再生しながら作業しましたが、なつかしさにどっぷり浸かることができました。

    現地でこれだけどんぴしゃりの収穫があるとは、はるばる行かれた甲斐がありましたね。
    貴重な画像の数々、ありがとうございました。

    余談ですが、ラクダさんが一緒に島に戻って来るあたり、『獄門島』の釣り鐘を思い出してしまったりしました 😇

  20. milou より:

    必要があって『冒険者たち』の原作ハヤカワノヴェルズを読みました。
    まったくと言っていいほど映画と原作は違い、“冒険”については
    たった1行“俺たちは海の底で金をめっけたんだ、引き揚げたんだよ”
    とあるだけで“冒険”の記述はいっさいない。しかも映画化権を
    売却したからか再映画化では自分原作のタイトルも使えず
    『生き残った者の掟』になりマヌーとローランの名前も変更されている。
    調べると、実は『生き残った者の掟』も2019年に見ていたが、内容は
    全く憶えていない。もし『冒険者たち』の原作だと知らなければ
    気づくこともないだろう…
    ジョヴァンニが『冒険者たち』に不満があったことは十分考えられるが
    トップのクレジットには3回もジョヴァンニの名前が出てくるし、
    積極的に関わったと推測され、ほぼ同時期に自分で再映画化するのも
    不可解ではある…

    ところで原作小説最後の訳者解説ではジョヴァンニはレジスタンスに
    参加、戦後暗黒街に入りパリのサンテ監獄に入る、とあるが
    ウィキではファシスト党に属しナチスの協力者だったと正反対の記述。
    小説のエレーヌはナチスのコラボだったため娼館に閉じ込められている
    設定なのでウィキのほうが正しいようだ。
    なおマヌーもローランも刑務所仲間で1958年の小説第一作の『穴』
    から登場し実在の人物名も登場する

  21. 居ながらシネマ より:

    milouさん、お久しぶりのコメントありがとうございます。

    自分が持っているのは河出文庫版ですが、ついつい読み返してしまいました。
    これが『冒険者たち』の原作と言われても、まったくわかりませんよね。

    > 映画化権を売却したからか再映画化では自分原作のタイトルも使えず

    やはり権利の関係なのでしょうか、タイトルや人物名が使えないというのは、なかなかつらいですね。

    翻訳本タイトルが『生き残った~』になっているのは、再映画化の方に合わせているのでしょうけど、カバーの原題表記が « Les Aventuriers »となっているので、なんだか微妙な気持ちになります。どこかに« LA LOI DU SURVIVANT »も添えて欲しかったかも。

    > トップのクレジットには3回もジョヴァンニの名前が出てくるし、

    今見返してみましたが、脚色、セリフ、原作ですね。
    ちなみに『生き残った~』の方で何回出てくるかもチェックしてみましたが、「脚本監督」でひとまとめのようです。
    てっきり『侍タイムスリッパー』みたいに同じ名前が何度も出てくるかと思っていました 😇

    ところで記事内で、

    > 映画版『生き残った者の掟』はいずれ別にエントリー書こうかと思っています

    とか書いちゃっていましたが、どうやらその後全然手を付けていなかったようでして。
    こんな感じでやり損なっている作業があちこちありそうで、そろそろマジメに更新しなくては、と思っています。

  22. milou より:

    失礼しました??
    記事内のネタバレで僕が書いたものとかなりダブることが
    すでに書かれていたのを見過ごしていました…

    いずれにしろ『冒険者たち』では要塞島(小説ではコルシカの城が少し近い) にしろ
    レティシアにしろ、反則とも言えるほど換骨奪胎し原作を無視(??)した
    内容になっているが、本来 映画は小説や漫画とは別の表現手段なので
    原作と比べるのは無意味と言えなくもない。
    (それにしても最近の特に日本映画はオリジナルが少なく漫画原作が圧倒的に多い)

    とはいえ、例えば気に入った小説が映画化されると知って映画を見に行く人も
    多いだろうし、逆に映画が気に入り原作を読んでみたいと思う人も多いだろう。
    僕の場合は読んでみたいとは思っても実際に読むことはまずない。
    読み比べたと確実に思い出せるのは『リトル・ロマンス』『ディーバ』
    タイ映画『ホームステイ』ぐらい…

    ちなみに早川版のあとがき(71年初版)では、当然翻訳者も映画『生き残った者の掟』を
    観ていないが未公開の同名映画があることを紹介し、小説の原題 Les Aventuries
    (冒険者たち)ではなく
    “刊行にあたっては、そのジョヴァンニの意をくんで、『生き残った者の掟』を書名とした”
    とある。しかし逆に考えれば、ジョヴァンニが冒険などまったく出てこないのに、なぜ
    小説のタイトルを Les aventuries にしたのか不思議。 もしかしたら
    “海底から宝物を引き上げる”『冒険者たち』のような冒険を前日譚として
    書くつもりだったかもしれず、アイデアとしてアンリコに提供したかもしれない、
    だって脚色・台詞もジョヴァンニ自身がメインだと思われるから…

    ちなみに普通翻訳書にはコピーライトとして一番最初に例えば
    LA COMTESSE DE CAGLIOSTRO by Maurice Leblanc …
    のように翻訳権取得の記載があるが 「生き残った者の掟」には一切記載がなく
    原題が Les aventuries であることも、あとがきを見ないと分からない

  23. 居ながらシネマ より:

    > ちなみに早川版のあとがき(71年初版)では、当然翻訳者も映画『生き残った者の掟』を
    観ていないが未公開の同名映画があることを紹介し

    気づいていませんでしたが、翻訳本が出たときには映画« LA LOI DU SURVIVANT »の邦題はなかったわけで、翻訳本の方で先に(見ていない)映画の邦題を決めうちしてしまったのですね。
    さすがにこの内容では、いくら原題が« Les aventuries »でも『冒険者たち』……とはできなかったでしょうし。

    > 読み比べたと確実に思い出せるのは『リトル・ロマンス』『ディーバ』
    タイ映画『ホームステイ』ぐらい…

    私はとりあえず『太陽がいっぱい』でしょうか。映画が先ですが、原作は全然違う展開と聞いて、読みたくなりました。

    > 普通翻訳書にはコピーライトとして一番最初に例えば
    > LA COMTESSE DE CAGLIOSTRO by Maurice Leblanc …
    > のように翻訳権取得の記載があるが 「生き残った者の掟」には一切記載がなく
    > 原題が Les aventuries であることも、あとがきを見ないと分からない

    河出文庫版の『生き残った~』はカバーだけですね。扉や奥付には原題の記載が見られません。同じく河出文庫版の『太陽がいっぱい』も、扉にはありませんが、奥付にはちゃんと”The Talented Mr. Ripley”と記されていました。
    どうも『生き残った~』についてはいろいろモヤモヤが残りますね。

  24. 居ながらシネマ より:

    記事内で「日本では未公開、かなり後からビデオスルー」と書いてしまいましたが、正確にはビデオ化の翌年、1989年に『冒険者たち』とセットで劇場公開されていました。

    あとで本文に追記しておきますが、とりあえずまとめて時系列にすると、こうなるようです。

    ・1960    小説『Les Aventuriers』
    ・1967/04/12 映画『Les Aventuriers』フランスで公開
    ・1967/04/19 映画『La loi du survivant』フランスで公開
    ・1967/05/18『冒険者たち』日本で公開
    ・1971    翻訳『生き残った者の掟』(ハヤカワノヴェルズ)
    ・1986/04/01 翻訳『生き残った者の掟』(河出文庫)
    ・1988/02/21 VHS『生き残った者の掟』
    ・1989/09/02 映画『生き残った者の掟』『冒険者たち』とカップリングで初公開

    『生き残った~』は20年以上経ってようやく劇場公開されたわけですが、こうしてみると小説の原題«Les Aventuriers»を『冒険者たち』とせず『生き残った~』にしたこだわりが、最後に報われた感じですね。

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