『トロン』 TRON (1982)

トロン [DVD]

Greetings, programs!

作品メモ

ひとつ前のエントリー『アリス・イン・ワンダーランド』を観に行った時、『トロン:レガシー』の予告編が流れました。
昔なつかし『トロン』の続編で、今年(2010年)12月公開予定のお正月(クリスマス)映画のようです。
30年近くの間に映像面では長足の進歩を遂げているはずですが、アイテムの基本はそのまま。
蛍光ラインが入ったコスチュームや、「門」の形をした飛行体、ライトサイクル、フリスビー的武器など、それぞれブラッシュアップされて再現されていました。
リメイクではなく続編のようでして、今度はフリン(ジェフ・ブリッジス)の息子が登場。
謎の失踪を遂げた父親を捜して、トロンの世界で冒険を繰り広げる……そんなお話のようです。

世界中でアリスの前にこの予告編を流しているようで、ディズニーの意気込みはかなりのもの。
前作は興行的には今ひとつでしたが、今度はリベンジなるでしょうか?

『トロン:レガシー』についてはこちら↓

(※2012/4追記  『トロン:レガシー』のエントリーも書きましたのでよろしかったらどうぞ。 → 『トロン:レガシー』

で、オリジナルの『トロン』ですが……

アイデアを盗まれ会社を追われた天才プログラマーが、真相を暴こうと会社のサーバーにアクセスして返り討ち。
開発中の転送装置によってスキャンされ、コンピューターの中へ放り込まれてしまいます。
なんとそこは人の姿をしたプログラムたちが住まう不思議な世界なのでした……

……といったお話。

とにかくコンピューターの中身をあっさりと擬人化してしまったのが楽しい1本。
プログラムたちが開発者(プログラマー)と同じ顔をしているのがご愛敬で、主要な人物は現実世界とコンピューターの世界の2役となっています。

主役のフリンは、今年とうとうオスカーを手にしたジェフ・ブリッジス。
元同僚のアランは、ブルース・ボックスライトナー。コンピューターの中ではトロンです。
悪い社長ディリンジャーはデイヴィッド・ワーナー。コンピューターの中ではサーク。
紅一点ローラはシンディ・モーガン。コンピューターの中ではヨーリ。
ギブズ博士はバーナード・ヒューズ。コンピューターの中ではデュモント。

監督はスティーヴン・リズバーガーでこれが監督デビュー作。
彼とドナルド・クーシュナー(製作)がディズニーに持ち込んだ企画で、監督の他脚本やVFXも兼ねています。
『トロン:レガシー』では、プロデューサー、ライター、そしてキャストにも名前が出ていますが、どこで登場するのでしょうか??

CGおよびCGっぽい映像を全面的に使ってコンピューターの中の世界を描いているのが特徴。
CGスーパーバイザーはリチャード・テイラー。
コンセプチュアル・アーティストとして、ジャン・ジロー(メビウス)やシド・ミードといった有名どころが名前を連ねています。

「トロン」オリジナル・サウンドトラック/ウェンディ・カルロス (CCCD) 音楽はウェンディ・カーロス。
『シャイニング』(1980)に続く映画のお仕事。
ピコピコサウンドだとあなどるなかれ。
非常に優れた劇伴で、変拍子と転調を駆使したテーマ曲などとても聴応えがあります。
同年のヴァンゲリスの『ブレードランナー』と同じく正規盤が出るまで歳月を要し、やきもきさせてくれました。

『トロン』のCG

今見返すと素朴すぎてレトロな雰囲気すら漂っていますが、当時は質量ともにかなり驚きました。
「SF映画におけるCG」を語る際に、同年の『スタートレックII』のジェネシス・プロジェクトと並んで、欠かせない作品。
実際には厳密な意味でのCG(コンピューターに計算させて生成した画像)は17分程度で、多くは手描きのアニメ作業に頼っています。

漢字のクレジット

エンドクレジットでハッとさせられるのが、ずらり登場する漢字の名前。
クレジットだけで、攻殻機動隊やブレードランナー的雰囲気をかもし出しています。

Ink and Paint Matting by
CUCKOO’S NEST PRODUCTIONS
TAIPEI, TAIWAN

とありまして、台湾の会社。
優れたCG技術を持っていた……というよりは、素材の実写フィルムを1コマ1コマ、マスク切ったりペイントしたりするための人海戦術のスタッフだと思います。
微妙にゆらゆら揺れるエッジが、手作りのぬくもりを伝えているような……

制作会社

CGは4社が分担(社名のリンクはすべて英語版Wikipedia)。

CGスーパーバイザーのリチャード・テイラーは当時I.I.I.に在籍。
その前はロバート・エイブル・アンド・アソシエイツで、その後はMAGIに移っています。

その時代、パソコンは……

1982年と言えば、日本ではNECの9800シリーズの原点PC-9801が登場した年。
アメリカでは前年に、Windows系のパソコンの原点と言えるIBM PCが登場。
8ビットから16ビットへ、マニアックなマイコンから仕事に使えるパソコンへ進化してきた時期。
外部記憶装置は8インチや5.25インチのフロッピーディスクが主流だったと思います。
グラフィックはせいぜいVGA。

当時のSF映画

1977年の 『スターウォーズ』、『未知との遭遇』の成功を受けて、盛り上がるSF映画。
ディズニーは遅ればせながら79年の暮れに『ブラック・ホール』を投入しますが、作品の出来映えとしてはちょっとアレでした。めげずにCGという新しい表現方法を たずさえて再度このジャンルに挑戦したのが『トロン』。
アメリカでの公開は1982年の夏。
この時期、SFファンタジー映画が目白押しでした(月日はIMDbによるアメリカでの公開日)。

6/4   『スタートレックII カーンの逆襲』
6/4   『ポルターガイスト』
6/11 『E.T.』
6/25 『ブレードランナー』
6/25 『遊星からの物体X』
7/9  『トロン』
7/18 『ファイヤーフォックス』 (N.Y.プレミア 7/14)

興行的に圧勝したのが『E.T.』。
心温まるファンタジー映画に全米が感動している状況において、マニアックなSF映画はことごとく苦戦。
『トロン』はSF映画の名声においても『ブレードランナー』に遅れをとってしまっているという、ちょっと不幸なポジションにあります。

それにしても、『ポルターガイスト』と『E.T.』の両方を用意するというスピルバーグは、やはりしたたか。

お役に立ったCM

当時確か某ハンバーガーショップのCMで『トロン』そっくりの映像が登場してニヤニヤしたものです。
タイアップしていたかどうか知りませんが、蛍光ラインの入ったコスチュームを着た子供たちが宇宙船を操って敵をやっつける、そんな内容でした。

ネタばれ的メモ

ロケ地

IMDbでは

Lawrence Livermore National Laboratory – 7000 East Avenue, Livermore, California, USA
Walt Disney Studios, Burbank, California, USA (studio)

FLYNN’S

フリンが経営するゲームセンター。
HOME OF SPACE PARANOIDS (スペース・パラノイアの店)。

IMDbのリストにはありませんが、あちこち探してみたところ、撮影はカリフォルニア州カルヴァーシティのこちらであることがわかりました。

Hull Building

今はレストランのようです。

AKASHA RESTAURANT, BAR, BAKERY
9543 Culver Boulevard, Culver City, CA 90232

http://www.akasharestaurant.com/

アングル的にはこんな感じでしょうか。

  • Google Maps


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アランとローラがクルマでやってくる場面を見る限り、内部のゲームセンターもここで撮影された模様。
今回この場所を見つけることができて、なんだかうれしいです。

なお、『トロン:レガシー』でもFLYNN’Sは登場するようですが、撮影はここではありません。

ENCOM社のビル

調査中。
全体が映らないので特定は難しそうです。

社内

フロアを突き抜ける巨大なレーザー装置はこちらで撮影。

ローレンス・リバモア国立研究所 Lawrence Livermore National Laboratory 

Wikipedia(英語)”Tron (film)”によると、同研究所内で撮影された唯一の映画。

マップ↓

資料

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