トロン……というよりフリン×3
目次
作品メモ
WOWOWにて録画鑑賞(放送は3月)。
昔なつかし『トロン』のリメイク……ではなく続編。
オリジナルの『トロン』は別にエントリーがありますので、そちらをどうぞ → 『トロン』
前作で無事エンコム社に返り咲いたフリンがその後謎の失踪を遂げていたという設定で、今度の主役は残されたひとり息子。やはり同じようにトロンの世界に飛び込んだ彼がそこで父親を捜し求めるというのがメインのお話となっています。
28年後に続編が作られるというのは世界記録かも?
無印トロンに比べてさすがにとてつもない進歩を遂げたビジュアル。
四半世紀分まとめてアップグレードされたアイテムが次々登場して、非常に目の保養になります。
その分筋立てはツッコミどころが倍増かもしれませんが、前作になじんでいたファンならニヤリとするようなネタがあちこちにちりばめられてあり、個人的にはとても楽しめました。
おそらく世評としては「映像は凄いけどお話がちょっと……」といったあたりになろうかと思いますが、ちょっとひいき目に見てしまうと、無印トロンがたとえば『オズの魔法使い』や『失われた地平線』、『スターゲート』、今で言えば『ジョン・カーター』などの別世界ファンタジーものに分類されても仕方ない(=SF濃度が濃いようで案外薄い)内容だったのに対し、今回は仮想世界SFとして自立しかけているような気がします。
仮想世界の中の生命体や、仮想世界と現実世界の相互性など、もっとスペキュレーションを深めれば、もしかするとグレッグ・イーガンの諸作のようなディープな境地に達することも可能なわけで、噂される「トロン3」にけっこう期待したくなってしまうのでした。
まあそんな風になることはまずないんでしょうけどね……。
キャスト
ケビン・フリンの息子でENCOM社の筆頭株主サム・フリンにギャレット・ヘドランド。
謎の失踪を遂げたケビン・フリンに前作同様ジェフ・ブリッジス。アカデミー賞俳優が堂々と演じてくれたおかげで作品がぐっと締まっていたように思います。ラストは個人的にはかなり盛り上がっちゃいました。
分身とも言えるクルー Clu 2.0 も同じ(デジタル処理で若返り)。
ケビンに仕える謎の美女クオラ Quorra にオリヴィア・ワイルド。こんなクールな美女が守ってくれるなんて……と萌え上がった男性観客も多かったのでは?? 個人的には『Dr.House』の「13番」役の印象が強いですが、実際あちらでもそれで人気が決定的になった模様。出演作も目白押しで絶好調のようですね。
クラブのオーナー、キャスター Castor にマイケル・シーン。
着替え?を手伝った謎の美女ジェム Jem にボー・ガレット。
クルーの右腕(になりたい)ジャービス Jarvis にジェームズ・フレイン。
人間の世界に戻って……
ENCOM社の重役でケビンの旧友アラン・ブラッドリーに前作のブルース・ボックスライトナー。
重役のひとりディリンジャーにキリアン・マーフィー……ですがクレジットなし。カメオなのか特別出演なのか。悪役だった前作のディリンジャーの息子という設定なので、かなり重要な人物と思われます。
プロダクション・ノート
IMDbによると撮影は64日間、ポスプロは68週間だとか。
製作費は170ミリオン、って無印トロンの10倍。
監督はこれが初監督のジョセフ・コシンスキー。
初監督作品では史上最高額の予算だそうですが、臆することなくしっかりお仕事したように見えます。
無印トロンの産みの親、スティーブン・リズバーガーは今回制作にはノータッチだった模様。
クラブのバーテンダー役として出演しているそうです。
音楽はダフト・パンク。
クラブのDJとして登場していましたが、そう言われたってホンモノかどうか確かめようないし(汗)。
作品メモ(ネタばれ含む)
ロケ地
IMDbでは、
1150 S Olive St, Los Angeles, California, USA
Canadian Motion Picture Park Studios, Burnaby, British Columbia, Canada
Shangri-La – 1128 West Georgia Street, Vancouver, British Columbia, Canada
(as ENCOM building)
Vancouver, British Columbia, Canada
ロケは主にカナダのバンクーバー。
エンコム社
エンコム社という設定の建物はホテル。
Shangri-La – 1128 West Georgia Street, Vancouver, British Columbia, Canada
http://www.shangri-la.com/vancouver/shangrila
パラシュートがひっかかってしまったのは、W Georgia St.を南東に半ブロック行ったところ。
合成ではなく、実際にこの通りでのロケ。
サムの家
鉄橋に挟まれたようなサムの住まい。
バンクーバーをウェブマップでせっせとスクロールさせて見つけました。
鉄橋の形や位置関係などから、ここと思われます。
FLYNN’S
無印トロンでのFLYNN’Sはカルヴァーシティに実在する建物。 → 『トロン』。
今回は別の場所で、おそらく実写+VFXの産物かと思われます。
コメント
はじめまして。
サムの家はどこなんだろうと検索していた時にこちらのサイトを見つけて拝読いたしました。バンクーバーだったんですね!GoogleマップのURLも助かりました!
感想もわかりやすく比較されて書いてあってなるほどと思いました!
さささん、コメントありがとうございます。
拙記事がお役に立てて嬉しいです。
この映画はコテコテのCGづくしですので、よけいにサムの家みたいな現実の場所が気になりますよね。
個人的にラストシーンも景色が美しくて好きなのですが、よく考えてみたら彼女、現実世界にやって来て、身体の方はどうなってるのか、大丈夫なのかが気になります。