目次
作品メモ
太陽が昇らない闇の街を舞台に、殺人犯の濡れ衣を着せられた男が警察や謎の黒ずくめの男たちから逃れながらやがて街の秘密を解き明かしていく様を描きます。
最初に観たのは今はなき東銀座の松竹セントラル1でした。
ガラガラの夜の回を観て、ツボを何ヶ所も押されて興奮冷めやらぬ状態で外に出たら、夜の街が映画とシンクロしてさらに盛り上がってしまった記憶があります。
監督は『クロウ 飛翔伝説』のアレックス・プロヤス Alex Proyas。
主役のジョン・マードック John Murdoch はルーファス・シーウェル Rufus Sewell。
妻エマ Emma はジェニファー・コネリー Jennifer Connelly。
彼を追うバーンステッド警部にウィリアム・ハート William Hurt。
敵か味方かわからない謎めいたシュレーバー博士に、『24』で化ける前のキーファー・サザーランド Kiefer Sutherland。
なんといってもセットや衣装、小道具などの独特の造形が特徴的な映画。
資料ではドイツ表現主義をモチーフにしたとありますが、ざっくり言えば『メトロポリス』でしょうか。
ちょっとレトロが入った暗い街となるとどうしても『ブレードランナー』の影もちらついてしまいますが、『ダーク・シティ』は十分独自のビジュアルを見せてくれます。
しかもビジュアル主体の映画かと思いきや、物語の方も驚愕のアイデアが登場し、アイデアとビジュアルが結びついた終盤ではこれぞまさにセンス・オブ・ワンダーと言うべき壮大で感動的な場面が登場します。
正直ストーリー上よくわからない部分もありましたし、ツッコミどころも多々あるような気もしますが、これだけのものを見せてくれたら細かいことはどうでもよくなり、監督以下スタッフに拍手喝采という気持ちになります。
『ダーク・シティ』は残念ながら興行的にはあまり振るわなかったようですが、その後『アイ、ロボット』で見事雪辱を果たしたアレックス・プロヤス監督。
待機中の大作『Knowing』にも期待が持てそうです。
お役に立つ(ネタばれ)
他の作品との類似点に注目する「お役に立つ」コーナー。
ご覧になっていない方は読まずに飛ばしてください。
メインのアイデア
それ自体は特に小説ではよく見られる設定のような気がします。
映像作品で類似性がよく指摘されるのが、押井守監督の某アニメ作品。
例のひっくりかえる場面は某UFO映画を連想できるかもしれません。
同じ年の『トゥルーマン・ショー』も核となるアイデアは共通しているかも?
桟橋女優?ジェニファー・コネリー
お役に立ったというよりは単なる偶然の一致かと思いますが、いちおうメモ。
ジェニファー・コネリーが桟橋にたたずむ構図は、その後いくつかの映画で再現されています。
- 『ダーク・シティ』 Dark City (1998)
- 『レクイエム・フォー・ドリーム』Requiem for a Dream (2000)
- 『砂と霧の家』 House of Sand and Fog (2003)
特に『レクイエム・フォー・ドリーム』は『ダーク・シティ』の直後だっただけに類似性にびっくりしたものです。
ロケ地
IMDbでは
Fox Studios, Moore Park, Sydney, New South Wales, Australia (studio)
Hickson Road, Millers Point, Sydney, New South Wales, Australia
Los Angeles, California, USA
Museum Underground Station, Hyde Park, Sydney, New South Wales, Australia
Sydney, New South Wales, Australia (dark wet exteriors)
The Rocks, Sydney, New South Wales, Australia
とあるように、大半がアレックス・プロヤス監督の地元オーストラリア、シドニーでの撮影となっています。
スタジオ以外の撮影部分はごくわずかだと思いますが、わかったものを以下記していきます。
クルマが止まっている街角
車がずらりと並んで止まっている場所。
これはスタジオではなく実際の道路でした。
Hickson Road, Millers Point, Sydney, New South Wales, Australia
マップ↓
- Google Maps(SV)
オーストラリアは車は左側通行ですが、映画の中では右側通行の道路になっていましたね。 😉
電話帳でカール・ハリスを調べた電話ボックス
上記と同じHickson Road
300mほど先の陸橋の下です。
雑誌スタンド
電話ボックスを出た後立ち寄った雑誌スタンド。
地下鉄の駅
SHELL BEACH行きの急行が通り過ぎるところ。
Museum Underground Station
Hyde Park, Sydney, New South Wales, Australia
桟橋
ロケ地マップ
※17/5/19追加
オーストラリアで撮影された映画
資料
更新履歴
- 2017/05/19 「ロケ地マップ」項目追加
コメント