思わずエアボしたくなる
目次
作品メモ
前のエントリー『ジャパニーズ・ストーリー』からオーストラリアつながり……って少し大ざっぱすぎますが。
『ジャパニーズ・ストーリー』の舞台がオーストラリア大陸の西側だったのに対し、『プリシラ』はシドニーから大陸真ん中の町までが舞台。
場所は東西でわかれていますが、どちらも広大なオーストラリアの大地あっての映画となっています。
内容をざっと紹介するなら、「地方公演のためにバスで移動する3人のドラッグ・クイーンたちを描いたロード・ムービー」……といったところ。
行く先々でのエピソードが順につづられていきながら、彼(女)たちのキャラや心情が時には面白可笑しく、時にはしんみりと描かれていきます。
実はドラッグ・クイーンという言葉はこの映画で知りました。
drugではなく dragですね。ドラッグ&ドロップのdrag。
いろんな過去を引きずっているから……ではなくて、衣装の裾を引きずっているところからきているとのことです(→ Wikipedia日本語 ドラァグ・クイーン 語源)。
この映画、どうしてもそちらのカルチャーに目線と比重がいってしまいますが、3人のキャラクター、衣装、エアボーカルのショー、そして懐かしのヒット曲をいやというほど使った、かなりベタベタな娯楽映画です。
シナリオの練り具合など決して器用な出来映えではないかもしれませんが、お客さんを楽しませようという作り手の心意気はしっかりと伝わってきて心地良い1本。
その世界に興味があろうとなかろうと、多くの人が楽しみ元気をもらえる快作となっています。
出演は、テレンス・スタンプ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ガイ・ピアースと今ふりかえってみるとなかなか豪華。
でも公開当時はテレンス・スタンプ以外は名前を知りませんでした(みなさんそうですよね?)。
テレンス・スタンプはベテラン俳優のど根性を見せてくれて拍手もの。
ヒューゴ・ウィーヴィングは、この後『マトリックス』『ロード・オブ・ザ・リング』の超大作3部作×2シリーズ全出演という偉業を成し遂げますが、むしろこういう映画で嬉々として生身の人間を演じている方が似合っているのかなと思ったりもしました。
ガイ・ピアースは映画デビュー作とのことで、がむしゃらなはじけぶりが初々しくも可愛い感じがします。
ロケ地
IMDbでは
Alice Springs, Northern Territory, Australia
All Nations Hotel, New South Wales, Australia
Argent Street, Broken Hill, New South Wales, Australia
Australia
Barrett Drive, Alice Springs, Northern Territory, Australia
Broken Hill, New South Wales, Australia
Central Australia, Australia
Coober Pedy, South Australia, Australia
Ernest Giles Road, Watarrka National Park, Northern Territory, Australia
Harbour Bridge, Sydney, New South Wales, Australia
King’s Canyon, Watarrka National Park, Northern Territory, Australia
Lasseter’s Casino – Barrett Drive, Alice Springs, Northern Territory, Australia
Mario’s Palace – 227 Argent Street, Broken Hill, New South Wales, Australia
Moon Plain, South Australia, Australia
Mundi Mundi Plains Lookout, Silverton, New South Wales, Australia
Mundi Mundi Plains, Broken Hill, New South Wales, Australia
New South Wales, Australia
Northern Territory, Australia
Opera House, Sydney, New South Wales, Australia
Pinnacles Road, New South Wales, Australia
Silverton, New South Wales, Australia
South Australia, Australia
Stevens Creek Hotel, New South Wales, Australia
Sydney, New South Wales, Australia
The Castle, The Breakaways, Coober Pedy, South Australia, Australia
(White and yellow rock formation)
Umoona Road, Coober Pedy, South Australia, Australia
Underground Motel – Umoona Road, Coober Pedy, South Australia, Australia
Watarrka National Park, Northern Territory, Australia
出発
プリシラ号が出発する場面。
場所はシドニーのErskineville。
背景の建物にTHE IMPERIAL HOTEL と大きく書かれていますが、そのまんま実在します。
Imperial Hotel
35 Erskineville Road, Erskineville NSW 2043
- Google Maps(SV)
目的地ははるか西、大陸のほぼ中央にあるアリス・スプリングス Alice Springs。
流れる曲はもちろん、ヴィレッジ・ピープルの「Go West」♪
“I’ll join this conversation on the proviso that we stop bitching about people, talking about wigs, dresses, bust sizes, penisrd, drugs, night clubs, and bloody Abba.”
“Doesn’t give us much to talk about, then, does it?”
途中の街
ド派手な衣装でお買い物をして住民(と犬)をあ然とさせた町はブロークンヒル Broken Hill。
出発点から西へざっくり900kmのあたりです。
画像はflickr.comから。
泊まったホテルは画面やセリフにも出ているようにこちら↓
Mario’s Palace
227 Argent Street, Broken Hill, New South Wales, Australia
画像はflickr.comから。
郵便局の交差点から西へ1ブロック。
しかし、すんごい内装ですね~
砂漠
シンシア
ピンポン玉の人妻「シンシア」は Julia Cortez
残念ながら、映画出演はほとんどこれ1本という感じです。
カセットにカタカナが書かれてありましたから、日本人という設定でしょうか?
まさか花電車をオーストラリア映画で観られるとは……
クーバーピディ
クーバーピディ Coober Pedy, South Australia, Australia
ブロークンヒルから西へ700kmのあたり。
バスを停めたのはこのあたり。
アリススプリングス
やってきましたアリススプリングス Alice Spring
景観的には南側に連なる山が特徴的ですね。
その山を背景にバスが街中を走ってくるカットはこのあたり。
Bath Stを北に向かってくるバスを(おそらく)北側にある小高い丘の上から撮っています。
カジノ
到着したのはこちら。
Lasseter’s Casino
93 Barett drive, Alice springs, Northern Territory, Australia
http://www.hotel.lhc.com.au/
御一行を迎えるホテルのドアマンは、この映画の監督・脚本のステファン・エリオットその人です。
クライマックス
小さいことにくよくよするのはやめようと深く感じ入る場面。
最初の方のセリフにもある通り、キングス・キャニオン。
カジノから西へざっくり140kmです。
King’s Canyon, Watarrka National Park, Northern Territory, Australia
ちなみに愛を叫んだりする世界の中心ウルルは、ここから南南西へ140kmほど。
ネタばれ的メモ
マラソンのおねーさんはどこまで一緒でしたっけ?
ロケ地マップ
※17/5/19追加
オーストラリアで撮影された映画
資料
更新履歴
- 2017/05/19 「ロケ地マップ」項目追加
コメント