世界を抱えたいと思うのに
腕が短すぎる
目次
作品メモ
『マレーナ』、『明日を夢見て』と、シチリアを舞台としたジュゼッペ・トルナトーレ監督作品をチェックしてきましたが、今度は邦題がそのものズバリ、しかもびっくりマーク付きで2度も念を押すという、誰がどうみてもシチリアものとなっています。
原題«Baarìa»(バーリア)はシチリア語で、舞台となるシチリアのバゲリーア(Bagheria)Wのこと。パレルモの東にあるコムーネで、そこで生まれ育った主人公の半生を2時間半にわたって描く大作となっています。
そこはトルナトーレ監督の生まれ故郷であり、おそらくは主人公は監督の父親がモデル。そしてその息子、つまりトルナトーレ監督と思しき人物も、もちろんしっかり登場します。
少々ギミックがあるものの、ほぼ人生を順繰りにたどつつ、シチリアの世相や時代を描いていくこの映画。
エピソードが次々綴られ、どんどん時間が流れていくので、まるで戦前から現在までを描くNHKの朝ドラを総集編で見ているかのよう。
シチリアの歴史や社会についてこれといった予備知識がないいままぼーっと見ていると、置いてけぼりを食らう恐れもあったりします。
主人公は、朝ドラのような著名人ということもなく、ごくごく普通の庶民。社会の矛盾に怒り、共産党に入って積極的に社会運動に参加するも、現実の壁が立ちはだかり、なにか歴史に名を残すような大きなことをなしとげたわけではありません。
冒頭に引用したのは、故郷を離れようとする息子に主人公がかける言葉ですが、齢を重ねた後に何もなし得なかったことへの虚しさや諦観も持ち合わせている様子。
でもおそらく監督の狙いはまさにそういう人物にスポットを当てることだったように思えます。
朝ドラの主人公にはなれなくても、厳しいシチリアの歴史と風土の中で、家族とともに懸命に生きた名もなき同胞たちへの共感とリスペクトが、この映画にしっかり込められているような気がしました。
監督脚本ジュゼッペ・トルナトーレ、撮影エンリコ・ルチディ、美術マウリツィオ・サバティーニ、音楽エンニオ・モリコーネ。
なお映画の中ではシチリア語が飛び交っているかと思いますが、自分には全然聞き分けられないのが残念無念。
イタリア語版Wikipediaに拠れば、シチリア語バージョンの他にシチリア語訛りのイタリア語バージョン[1]同じ俳優による吹き替えも作られたとのこと。
で、自分が見ているのはどっちなの? てなレベルでございます。
ロケ地
IMDbでは、
Bagheria, Palermo, Sicily, Italy
Tunisia
Sicily, Italy
当然バゲリーアでも撮影されていますが、なにせ1930年代まで遡る必要があり、しかも大勢のエキストラを使って何日も実際の町中でロケするなどは、いくらVFXを駆使しても叶いません。
腹をくくって、チュニス(チュニジア)に壮大なセットを組み、年代に合わせて模様替えをしながらじっくりと撮影しています。
おそらく同監督作で一番予算がかかっているのではないでしょうか。[2]IMDbによれば、予算は€28,000,000 (estimated)、興行収入は全世界で$16,017,513、と厳しい数字……
このセット撮影は非常に見応えがありました。
IMDbのリストはあまり役立ちませんでしたが、例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
また場面ごとのメモや、年代が特定できる項目には年代も併記しましたが、これらも間違えていたらぜひお気軽にご指摘ください。
OP
ピエトロの少年時代。1960年代でしょうか。
主人公ペッピーノの息子で、つまりモデルはトルナトーレ監督自身。
赤い縞のTシャツを着たピエトロ君は、おつかいを頼まれて、猛烈ダッシュしていきます。
家の前
子どもたちがコマで遊び、オヤジたちがカードゲームに興じている交差点。
のちほど判明しますが、すぐ自宅前です。
これはおそらくチュニジアのセット。
続く駆けていく姿を後ろからクレーンで捉えたショット(左の家が自宅という設定)と正面から移動カメラで捉えたショットも、おそらくチュニジア。
背景はデジタルマットで、通りの向こうに見える山の形はバゲリーアのこちら↓からの眺め。
- Google Maps(SV) ……集合住宅が邪魔していますが、アングルとしてはここ(Via Guttuso)
- Google Maps(SV) ……一本北側の通りから
- 38.0767933,13.5019771
Via Guttuso(グットゥーゾ通り)は、ラスト近く少年が戻ってくる場面ではリアルの通りが登場しています。ですので、作り手の想定としては、主人公の家はこの通りにあることになります。
ラストで現在とのつながりがはっきりしますので、詳しい配置はそちらで。
続く、逆光の中こちらに駆けてくる上半身のショットは判別困難。
その次の、カメラ固定で、手前を脚を失った男が横切っていくショットは、もしかするとバゲリーア。
それ以降も同様。
ただし、バゲリーアのそれっぽい地区は大半がSVが使えるのでできるだけたどってみましたが、そのものズバリの場所を確認できませんでした。
となるとこちらもすべてチュニスかもしれません。
町の俯瞰
飛び立った後の町の俯瞰は、もちろんVFXの産物で、昔のバゲリーアをちょうど北向きに捉えているイメージ。
中央に太く伸びているのは、町の南北を走るCorso Butera通り。映画でたびたび登場する大通りとは、教会前で交差しています。
少年時代
主人公ペッピーノの少年時代。
具体的には1930年代初頭でしょうか。ムッソリーニとファシスト党が権力を掌握している情勢。
学校
0:02
ジャケットを着た少年が駆けていく校庭。
こちらがペッピーノ君。
映画表現的には、宙に舞ったピエトロ少年が時代をさかのぼり空から少年時代の父親を見下ろしていることになりますが、初めて見る際は誰が誰だか何がなんだかワケわからず混乱が生じます……
校庭にぽつんと立つ銅像は、バゲリーアのこちら↓に実在するものを切り取って(あるいはCGで制作して)映画に取り込んでいるようです。
- Google Maps(SV)
- 38.081547,13.505628
バゲリーア出身の数学者Giuseppe BagneraW。
失礼ながら存じ上げず……。
銅像の画像から文字を読み取り初めてどなたかわかりました。
バゲリーア生まれのバグネラさんということで、区別がつきづらいかも……。
- Google 画像検索 ……ただしこのマップ情報は間違い
校舎はまるっとCGか、あるいは実際の校舎にVFXをトッピング。
外観的には銅像がある校舎ではなく、800mほど離れたこちら↓が近いです。
- Google Maps
- Google Maps(SV)
- 38.079671,13.513530
校舎の右端に見えている陸地は、パレルモのこちら↓
銅像がある方の校舎ですと、(両翼の建物が短ければ)確かにアングル的に右端からこんな風には見えていても不思議はありません。
学校の外は選挙の場面(2:02)やラスト近く(2:18)に写りますので、そちらの項目で。
ペッピーノ少年、総帥を称える歌を歌わないことで教師ににらまれます。
さらに教科書を持ってこなかったことで、火に油、教室で隅っこぐらしをさせられます。
ヤギに食べられたからと本当のことを言ったのに……
そのままウトウト居眠りモード。
映画館
0:04
サイレント映画上映中。
«ソフォニスバの夢»ということで、かかっていたのは『カビリア』Cabiria (1914)W。
最近のエントリー、タヴィアーニ兄弟監督作の『グッドモーニング・バビロン!』でグリフィス監督が見ていたのもこれ。
イタリア人の監督にとって、この映画は誇りなのかも?
ここで喧嘩となって相手をガブリとやってしまったのは、ペッピーノ少年の父チッコ・トッレヌオヴァ。
顎自慢であること、そして文字が読めることが明らかになります。
おそらくこの場面のことだと思いますが、IMDbの出演者リストにSilent film audience memberとして『マレーナ』の主人公Giuseppe Sulfaroの名前がありました。残念ながらどのショットに写っていたのか判明せず。おわかりの方、教えて下さい。
顎自慢
0:06
いかにも傲慢で尊大そうな農場主。この後何度も登場します。
チッコが賢いことと歯が強いことが、再度強調されます。
撮影場所は素直にシチリアのように見えます。
周囲の景色から粘ればわかるかも。
農園
一緒に働いていたのは兄のニーノ。チッコの長男。
劇場
劇場内が写りますが、場所は不明。
ムッソリーニの肖像に向かって「私の命はあなたのもの」と歌い上げる歌手。
後ほど描かれる大通りでのソーセージの一件のように、投獄覚悟でファシストをおちょくる心意気を見せ、人々は密かに喝采するという図式。
当時のシチリアがそういった雰囲気だったのか浅学にして不明。
歌手とチッコは知り合いの模様。
チッコに託された本は、シェイクスピアの『ロメオとジュリエット』と、マンゾーニの『婚約者(いいなづけ)』。
村の俯瞰
0:11
羊飼いの奉公中での俯瞰。
同じアングルが後半ピクニックの場面でも登場します(1:55).
想定されるカメラ位置はこちら↓の台地の縁で、カメラ北北東向き。
- Google Maps
- 38.067474,13.502134
町並はリアルそのままではなく、たとえば画面中央やや左に見える大きな建物は大通りの聖堂ですが、このショットでは鐘楼がVFXで消されています。
あるいは街全体をすべてCGで起こしているかもしれません。
肉屋
店に入ってきたソフト帽の紳士はカルロ。
いかにもその筋っぽいです。
余りをもらい、自宅で煙と匂いを仰ぎだして見栄を張っていたのは、ターナ(Tana)。
床に伏していたのは娘のサリーナ(Sarina)。将来ペッピーノの妻となるマンニーナはまだ居ない様子。
母娘は一週間食べていないようで、かなり生活は困窮しています。
ターナの夫は遺影となっていますが、その経緯はだいぶ後の方で語られます。
3つの岩
0:13 0:44 2:13
羊飼いの名はミニク(Minicu)。
その家の近くに3つの岩があります。
1つの石が3つの岩に当たれば黄金の洞窟の扉が開くという伝説の岩ですが、これは実在するのでしょうか? それともCG??
少なくとも撮影場所は背景の山並みから推定できます。
一番後ろ、中央から右端にかけてうっすら見えている山が特徴的でしたので、そこからマップをぐりぐり回して探しました。
こちら↓から東南東を見ると、ちょうどすべての山並みの重なり具合や、下界の道路構成などが映画と一致します。
- 37.973033,13.565712
- Google Maps(SV) ……「難しいよ」
なので場所としてはこちらで間違いなさそう。
この山の頂きが映画のように白い岩が突き出ているようですが、Google Earthの時間スライダーで2014年9月を開いてみますと、岩の影が長く伸びていて、ちょうど映画と同じように3つ並んでいるように見えます。
もしかして実在するのかも?!
一攫千金を夢見て、一日中居座って石を投げ続けるのもあり? 😇
このあたりはSVがまったく使えませんので、たとえば一番背後の山が同じように見えるところとしては、別の場所ですがこういった感じ↓
- Google Maps(SV)
- 37.9757441,13.612496 ……カメラ南東向き
ここでペッピーノはヤギに本を食べられてしまいます。
学校の冒頭で教師に話したのはこのこと。
ということで、ここまでは教室で隅っこぐらしをさせられたペッピーノの回想(あるいはペッピーノのそれまでを描く神の目線)ということになります。
シンプルなようで、結構めんどくさい時間の流れです。
教会前の大通り
0:14
その前、0:09に夜景で登場しますが、日中はこの場面が最初。
教会を含め全体がセットかと思いますが、モデルはバゲリーアの中央を東西に伸びるCorso Umberto Iという通り。
教会前の広場↓
- Google Maps(SV)
- 38.0783605,13.5072337
今では向かって左側に鐘楼が建っていますが、この時代はまだないようです。
その後教会前から伸びる大通り(Corso Umberto I)をカメラはゆっくりと捉えていきます。
これも全部セット。VFXもトッピングしているかもしれません。
周囲の岩山はCG。
乳牛を連れて牛乳を売って歩くペッピーノ。
途中教会に向かって左側に開けた空間があり、屋根の下で人々が集まっていますが、とりあえず魚市場としておきます。
設定としてはおそらくこの位置↓
- Google Maps(SV)
- 38.078422,13.508242
現在SVではちょっとモダンな作りの建物を確認できます。
ここは後半、フランスから戻ってきた時のシーンで、この建物を模したと思われるセットが登場。現在につながる時間の経過を示しています。
ソーセージ売りが連れ去られた時、メガネをかけた男性が「悪党ども」と言いますが、これは後ほど嫌がらせをされるコミュニストの詩人。
黒づくめの指揮官がソフト帽の男に手を挙げて挨拶しますが、男は肉屋で登場したカルロ。
あれから日数が経っているはずですが、ネクタイは同じです。お気に入り?
向かいの店で牛乳を売った後、男が顔をじろじろ見て「完璧だ」と言います。
画家レナートが壁画のモデルに選んだのですが、じろじろ見る感じがなんだか『明日を夢見て』を連想しますね。
最後に0:16頃、カメラがクレーンで上昇し、通りの両側にある大きな門柱?を捉えながら教会までの通り全体を俯瞰しますが、この柱?は今も実在するもの。撮影もCGをはめ込んでいるのではなく実物大のセットと思われます。背景の岩山や通りに面していない家々の屋根はVFX。
フライ入りパン
0:16
待っている時の背景の山は、こちら↓を模しているでしょうか?
デジタルマットか、リアルかは不明。
修復中の聖堂
0:18
後ほど何度か登場。
まあセットかと。
戦時中
画家が顔をしげしげと見る場面から、父親に髪を切ってもらう場面に切り替わりますが、これはタイムワープ。
ペッピーノのティーンエージャー時代に飛びます。
親子揃って俳優さんが交代となりますが、顔を認識した頃には次の俳優さんになってしまい、ちょっとわかりづらいかも……
実家の前
父親に髪を切ってもらっている場面。結婚・独立する前に住んでいた実家。
おそらくチュニジアでのセット撮影で、周囲はVFX。
郵便が届くショットで背景に列柱が並んだ大きな建物が見えますが、これが後ほど戦争末期に人々の略奪にあうという設定の場所。建物そのものはほぼ同じ位置関係でバゲリーアに実在します(「列柱の建物」参照)。
あくまで設定上ということですが、そこから位置を逆算すると、実家はこのあたり↓
- Google Maps
- Google Maps(平面)
- 38.075532,13.502951
結婚後に住む家(冒頭の「家の前」)からは、100mほど南。
床屋
床屋に牛乳を届けに来たペッピーノ。
理髪師と客は「スターリンは何してる?」という会話を交わしているので、そこはコミュニストがひっそり集まり情報交換している場所だとわかります。
ペッピーノも加わりたいようですが、まだ若いと諌められます。
詩人
床屋の向かいの店で、ファシストに嫌がらせをされる「詩人のイニャッツィオ氏」は、おそらくバゲリーア生まれの実在の人物がモデル。
Ignazio Buttitta(イグナツィオ・ブッティッタ)W
出征の駅
0:22
撮影場所は不明。
大勢の若者とともに、兄ニーノも出征していきます。
その前に自らの足を砕いて徴兵を忌避した男が描かれますが、これは羊飼いのミニク。
駅前ですれ違ったのは、ターナと娘のサリーナ。
ターナは駅の倉庫で働いていたのを病気でクビになったようですが、なんとか娘を働かせようとアピール。
時系列的には、この時すでにサリーナは結婚していてマンニーナが授かっていたはず。
殺害
0:23
ファシストによる殺害現場に遭遇、警察へ行きますが相手にされません。
列車の上
パンの再現。
この列車の場面は前後のつながりがよくわかりませんでした。
空襲(1943年7月10日)
0:24
ペッピーノの母親は大パニック。
ここではじめて母親の名前がロザリア(Rosalia)だと判明。
上空に飛来したのは米軍の双胴戦闘機(P38……といってもワルサーではない)の編隊。爆撃機ではありません。
防空壕では、ターナ(祖母)とサリーナ(母)にはさまれて、まだ子供のマンニーナが怯えています。
ここで米軍上陸の報がもたらされます。
ということで日付が確定。1943年7月10日。
列柱の建物
0:27
米軍上陸の勢いを買って、人々が押しよせ金庫を襲う場面。
1:41でも登場。そちらは日中。
「実家の前」(0:18)でもVFXですが遠景が写っています。
場所はバゲリーアで、冒頭の「家の前」に相当すると思われる地区の南西側、あるいは「実家の前」からは西側のすぐそばに実在。
緑に囲まれた大きな建物で、マップでは現在結婚式場となっています。
サイトで沿革を見ると、18世紀に建てられた貴族の宮殿の模様。
Palazzo Villarosa
http://www.palazzovillarosa.net/
- Google Maps(SV)
- 38.075195,13.500393
一方夜の学校にも人々が押し寄せ、勝手にあれこれ持ち出していきます。
遅れてやってきたのは、幼いマンニーナと父親。
何も残っていなかったため、大きな扉を記念に持っていきます。
続く食堂のシーンで使われているはずですが、うまく見つけられませんでした。
戦後
サリーナは自宅で米軍相手の食堂を切り盛り。
米兵の言う「オニオン」がわからずひと苦労ですが、繁盛している様子でなにより。
マンニーナは米兵にもらったパラシュートの生地から子どもたちの服を作り、大好評♪
1カットの中で俳優さんが交代して、大人の美人さんになります。
ペッピーノは例の農場主があくどい手口で土地を買い占めていくのに我慢ならず、念願の共産党に入党。
ニコニコと写真館で記念撮影します。
ストロボがたかれると、こちらも俳優さんが入れ替わってハンサムな青年に。
というわけで、せっかく覚えた俳優さんの顔を、またリセットしなくてはなりませんが、ここからは老けメイクが加わっていくだけで俳優さんは最後まで替わりません。
ただサブキャラがなかなか弁別できないので、ドラマの流れにスイスイとは乗っていけないかも。
刺繍の学校
0:33
マンニーナを見初めたペッピーノが、牛を連れて覗きに来るところ。
場所不明。
その後男ばかりのダンス教室で、友人となるオノフリオ・パーチェ(Onofrio Pace)と知り合います。
国民投票(1946年)
0:35
教会前広場で集会が開かれますが、これは共和制か王政かを問う国民投票のもの。
結果王政は廃止され、イタリア共和国が誕生します。
1946年のことでした。
集会は黒服背広組に襲撃されますが、ここで騒ぎにお構いなしに「ドルを買う男」が登場。
その後も登場し続ける謎の繰り返しコント[3]0:44 1:05 1:12 1:13 1:37 途中でペン売りに転職? 1:51 2:02、キャラ的には『ニュー・シネマ・パラダイス』の広場の男ですね 🙂
逃げる最中で、ペッピーノは無事復員してきた兄ニーノと再会。
ダンスパーティではマンニーナと踊ることに成功。いよいよ2人の世界線が密着します。
それまで男女別に踊っていたのが一気に様変わりするのが面白いですね。戦後の開放感といいますか、自由な空気がうまく表現されていました。
ここでステージで歌っていたのが、劇場でムッソリーニをおちょくっていた歌手。
よくぞご無事で……と思いきや、よく見ると杖をついていますので、残念ながらセリフ通りかなり痛めつけられたことになります。
マンニーナの家
0:40
ペッピーノからの手紙を持って子供が駆けてきます。
マンニーナの家やその周辺は、おそらくチュニジアのセット。
無言のデモ(1947年)
0:41
喪章をつけたデモ。
先頭に、ペッピーノや詩人の姿が見えます。
これは1947年のメーデーで起きたデモ参加者への虐殺事件を悼むもの。
この虐殺事件はフランチェスコ・ロージ監督の『シシリーの黒い霧』(1961)でも描かれていました。
映画の原題が«Salvatore Giuliano»で、事件の首謀者である山賊。
他にマイケル・チミノ監督の『シシリアン』(1987)もこの人物が主人公でした。[4]ジャン・ギャバン、アラン・ドロンの同題映画とは別
事件が起きた現地には石碑が建てられています。バゲリーアから西へ20数km。
- Google Maps(SV)
- 37.976717,13.256594
映画館
気持ちを固めるきっかけとなった映画は、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースの『気儘時代』(38)。
米国映画なのにイタリア語で話してる
スピーカーはイタリア製だ
なるほど そりゃ考えつかなかった
結婚後
結婚式
0:52
ドタバタしながら式をとりおこなったのは、壁画を修復していた聖堂。
これもまあセットでしょうか。
このあとターナが妊娠したマンニーナに牛の生血を飲ませる場面が続きます。
自ら予言する通り、ターナの出番はここまで。
この牛の場面は実際に屠っているところを撮ったようで、削除されたバージョンもあるようです。
新居
0:55
第一子は残念なことになりますが、新居へ引っ越した後、立て続けに3人子供を授かったようです(ピエトロはお腹の中)。
チッコの話が皆を楽しませている間に、延々ブーツを磨き続けるサリーナはいつのまにか齢をとっていきます。
ここで俳優さんがアンヘラ・モリーナ(Ángela Molina)に交代。若きサリーナ(Nicole Grimaudo)はシチリア出身の女優さんでしたが、こちらはスペイン人。『欲望のあいまいな対象』でキャロル・ブーケと入れ替わり立ち代わり登場していた女優さんですね。
「怪物」
1:00
両脇に面白みたっぷりの像が立っている門。
奥に邸宅が見えます。
左へパンすると、教会の大通りとなります。
このアングルはこの場面が初めてでしょうか。
- Google Maps(SV) ……門
- Google Maps(SV) ……大通りと門
- 38.079133,13.512088
こちら↓は左側。面白すぎですね。
この場所は後ほども(1:28)登場。
どちらもワンカットで門と大通りをパンで捉えています。
門まわりだけ本物であとはセットかCGという可能性もあるかもしれませんが、ここはシンプルに門や像もセット(レプリカ)と考えるのがスッキリしそう。
ただし、1:28では内部の館もしっかり写りますので、その場面での館本体に関してはリアルと思われます。
帰宅
1:01
子供の名はミケーレとアンジェレ。
ピエトロ君はお腹の中にいる模様。
投票所で産気づいて無事誕生。
地主との争い
1:03
羊飼いの場面はシチリアかも。
チッコ父さんが例の地主に侮辱されて激怒。
ニーノとペッピーノ兄弟は、大通りで地主に警告を与えます。
その様子をだいぶ老いてきたソフト帽のカルロが感心するように見ていました。
ここで初めて、地主がジャチントという名前だと判明。
コート
1:06
階段を降りていき、同志リボリオ(Liborio)からコートを調達。
場所はパレルモでしょうか? 不明。
海辺の教会
1:09
ここで初めて教会の外観が写りますが、どうも合成っぽいですね。
質感の馴染み方というよりは、この場所にあるということが不自然に見えます。
建物本体をどこからか切り貼りしているか、あるいはフルCGで制作しているでしょうか。
ここから先は、共産党員として奮闘するも、なかなかままならないペッピーノが描かれます。
物乞い
1:10
新居前、サリーナが鶏を絞めるのを手伝った後、女性の物乞いが息子らしい男性を伴って登場。
その顔を見てサリーナが驚きます。見ているこちらもびっくり。
マジーナと名乗るその女性、亡き母のターナと瓜二つでした。
似ているのも当たり前で、俳優さんは同じ人。
ニコニコしながら「嫁さんきれい」を連発する息子は、とても長かったドラマ『輝ける青春』のルイジ・ロ・カーショ(Luigi Lo Cascio)。
この親子は後ほど再登場(1:35 2:02)。
家へ招き入れ食事をふるまっていると、ペッピーノがソ連の視察旅行から帰ってきました。
友人にも、ソ連で恐ろしいものを見たとしか語らないのが恐ろしい。
農地解放運動と父の死
1:14
赤旗をふりかざし蜂起する人々。
これは『明日を夢見て』の「誰もいない村」の出来事ですね。
大地主が所有する未耕作地を、実力で占拠割譲して耕していきます。
「コルレオーネの土地を農民に」と言っていますが、あのコルレオーネですね。
ペッピーノは人々の先頭に立ちますが、その間父チッコは臨終の床に。
笑ってはいけない場面ですが、天国にいる家族への言伝を次々に頼む村人たちにはついなごんでしまいました。
ピエトロ(幼少期)
このあたりでピエトロくんは赤ちゃんではなく自立歩行可能な子供として登場。
無料給食
無料給食は貧乏な家の子だけ、というルールで、子どもたちに親の職業を尋ねて事業仕分け(汗)していく先生。
果物屋は金持ち、漁師は貧乏……
結構エグい場面です。
市庁舎
1:21
失業を訴える群衆。
キリスト教民主党の市長が吊し上げにあいそうになりますが、市長が従兄弟だとわかるととたんに仲間扱い。
デモ(1960年)
1:22
お向かいの警察官ともども大怪我して戻ってきます。
一緒に聞いたラジオのニュースで、「タンブロニ内閣」と言っていますので、年代は1960年のようです。
友人パーチェが党を抜けて社会党へ行ったことが明らかに。友情はここまで??
記者の取材
1:26
眺めの良い頂きで、左へのパン。
場所は地形から粘れば判るかも。
同志トッレヌオヴァ
なぜ君は殺されなかった?
テレビ
テレビがある家にご近所が集まって団らんという、昭和?の光景。
その時ペッピーノはそっと去っていきます。
映画撮影(1962年)
1:28
怪物の館が再び登場。
野次馬が見守る中での映画撮影。
今度は敷地内も写ります。
- Google Maps
- 38.079824,13.511318
実際にこちらで撮影された映画の現場を再現しているのかと思いますが、イタリア語版Wikipediaに正解がありました。
こちら↓の日本未公開映画。
«Mafioso»(1962)
主人公(実は殺し屋)が妻と娘2人を連れてやってきたものの中へ入れなかった場面が再現されているようです。
本編を見ると門の周辺がしっかりと写っていますので、『シチリア!シチリア!』のセットは、この映画が資料としてだいぶお役に立ったと思われます。
少年たちの背中をぽんと叩いた口ひげの主役はアルベルト・ソルディ(Alberto Sordi)。
インタビューに答える監督はアルベルト・ラットゥアーダ(Alberto Lattuada)。
中へ入っていくと、こういった感じ↓
裏側へ回るとこういった感じ↓
- Google Maps(SV) ……裏門
- 38.079861,13.511247
- Google Maps(SV) ……裏門から見えた門
- 38.082962,13.507834
この館はミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』(1960)でも警察署として登場しています。
この後鍛冶屋で速度向上のためコマの中にハエを入れてしまうという、ラストにつながる場面となります。
つながりがちょっと唐突?
猛暑
1:32
猛暑で、床を使って体を冷やす場面。
空耳で「冷たくて気持ちいい」と聞こえます(笑)。
ペッピーノはフランスにいて、長期不在の様子。
後ほど届く手紙で、党の仕事を離れ、パリへ左官の出稼ぎに行っていたことがわかります。
理想は良いとして、家族を養っていかなくてはなりません。
果物泥棒
1:33
嫌な予感がしますが、ここでマンニーナがパラシュートで白い服を縫う場面で聞こえてきた地雷の話がつながってきます。
ピエトロ少年は赤い横縞のTシャツを着ていますが、冒頭に着ていたものとは似ているようで別の柄。
帰郷
1:37
フランスから戻ってきたペッピーノ。
町並みがだいぶ変化していて、自動車の往来も多くなっています。
ちょっとモダンな作りの建物の前を通り過ぎますが、ここはおそらく以前魚市場があったあたり(0:14 乳牛連れて牛乳売っていた場面等で登場)。
この建物はリアルのこちら↓を模しているものと思います。
戻ったペッピーノは、市会議員を目指し、共産党への投票を呼びかけます。
その最中、ふと懐かしい顔が。
羊飼いのミニクですが、徴兵が嫌で自ら足を折っただけでなく、障害年金のために腕も折っていて、満身創痍でした。
母方祖父のエピソード
1:41
列柱が並ぶ大きな建物の前で(「列柱の建物」参照)、サリーナはピエトロ少年に昔の話を聞かせます。
サリーナの父親……ということは、かつて母ターナとひもじい生活を送っていた時の描写で、遺影となっていた人物ですね。
ようやくそのいきさつが語られることになりますが、そこから1時間半も経っているわけでして、記憶をたどるのが大変。
エピソードとしては結構ぐいぐい来る話なので、作劇的には構成にもうひと工夫ほしかったかも。
共産党を好きなのはマフィアと戦うから
煙突のある施設(回想)
映画館(1962年?)
「毛むくじゃら」の死の後。
1:46
息子を連れて訪れた映画館。
住まいという設定の場所のすぐ近くに大きな屋根の建物があり、それがこの映画館でした。
SUPERCINEMA MULTISALA BAGHERIA
Via Carà 90011 Bagheria PA
https://www.supercinemabagheria.it/
- Google Maps(SV)
- 38.077917,13.502584
窓口の後ろのポスターは、シドニー・ルメット監督の『橋からの眺め』 A View from the Bridge (1962)W
学校
1:49
教室からラブシーンが見えて大騒ぎ。
女性はモニカ・ベルッチ。これだけの出番。
こういう登場の仕方って、なんだか意味がよくわかりません……
フィルム
- 『アルゴ探検隊の大冒険』
- 『国境は燃えている』
- 『絆』
- 『シシリーの黒い霧』
- 『奇跡の丘』
- 『続・夕陽のガンマン』
- 『天使の詩』
- 『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』
フィルムを見ているうちに、ピエトロ少年は十代に成長。
ピエトロ(十代)
ビーチ
1:49
学生デモ(1968年?)
1:51
ピースマークに毛沢東万歳、戦争反対のシュプレヒコール。時代ですね……
こういうのは1968年ぐらいといっておけば大きくは外さないはず。
ドル買いの男は、ペン売りに転職。
仕立て屋
1:53
袂を分かった旧友パーチェとの再会。良い場面でした。
店の外が見えますが、これだけでは撮影場所の判別が難しいかも。
おそらくパレルモ。
街を見下ろす山
1:55
村人こぞってピクニック。
俯瞰ショットのカメラ位置は、少年時代羊飼いの途中で眺めた位置と同じで(「村の俯瞰」参照)このあたり?
- Google Maps
- 38.067371,13.502069
しかし、後ろ手に縛ってパスタ大食いって、まるきり『セブン』の最初の犠牲者ですね 😅
国会議員選挙・露天掘り
2:01
露天掘りの鉱山か石切場のようなところをぐるぐる回り、石を投げられます。
- Google Maps(SV)
- 38.068063,13.496197
国会議員選挙・教会前
集まりがボチボチとなってしまった集会。
兄ニーノが話しかけたルイジは、みんなでテレビを見ていた時に窓を開けた男。すっかり白髪頭のお茶ノ水博士状態となっています。
国会議員選挙・学校前
2:03
最初の方の「学校」で書きましたが、こちら↓
- Google Maps(SV)
- 38.081586,13.506059
VFXではなく、リアルの校門前ですね。
道路(Corso Butera)を挟んだ向かい側からのショットで、向かって右側の建物は上部が半壊状態であるなど、VFXはかなり加えていると思います。
投票を頼んだはずの人物がキリスト教民主党のグループと話すショットで、カルロの名前が出ます。この党はその筋との関わりが深いことが示されているような。
この選挙……といいますかこの映画全体でなんとなく共産党とキリスト教民主党の一騎打ちのようなイメージが醸し出されていますが、実際には政党は様々。
それぞれから熱心に投票を請われると、もはやこうする↓ほかありません。
義母は民主党、女房は社会党、義姉は自由党、息子は共和党、俺は共産党
票の獲得を目論む涙ぐましいまでの努力は、例えば(シチリアではありませんが)『中国は近い』などでも描かれていました。
国会議員選挙・ライバルと
2:06
教会から伸びる大通りから左折して町を南北に走るCorso Butera通りを南へ。
このアングルは初めてかも。
ここはもしかするとセットではなくVFXかもしれません。
選挙には落ちましたが、子どもたちの弟か妹が授かりました。
家族みんなでシャンパンでお祝い。
お母さんも普通に飲んでいます(汗)。
ピエトロ(青年期)
祝賀会
2:08
ここでタイムワープ。
急に白髪が増えます。
乾杯つながりの場面。
中心の人物はレナート・グットゥーゾ(Renato Guttuso)Wと呼ばれています。
バゲリーア生まれの画家。Guttusoは住まいが面している(という設定の)通りの名前ですね。
乾杯の音頭をとっているのは、またしても「詩人」。なんだかんだいって、ペッピーノ一家の次に出番があるかも。
詩人のセリフの字幕が「レナート・グトゥーゾに」だけなので何のお祝いなのかわかりませんが、ペッピーノをはじめ共産党のメンバーが集まっているので、なにかそれに関する祝い事なのでしょう。
撮影場所は特徴的な柱と背景から、バゲリーアのこちら↓の建物と推定できました。
- Google Maps
- Google Maps(SV)
- 38.089042,13.507843
ペッピーノが不調を感じて窓際で休んだ時の背景に見える煙突↓
- Google Maps(SV)
- 38.089935,13.505992
ペッピーノは白髪が増えただけですが、ピエトロは俳優さんがニ眼レフを覗き込んだ瞬間に交代(Marco Iermanò)。今度は二十歳前後ぐらいの設定でしょうか。
カメラはローライフレックス。
診察の後
2:11
親子で話しながら歩くところ。
おそらくパレルモで、背景の噴水を探せば見つかりそう。
都市計画担当の議員のエピソードは実話なのか気になります。
旅立ちの駅(1981年)
2:14
ピエトロが旅立つ駅。
Stazione di Palermo Centrale(パレルモ中央駅)Wのようにも見えますが、そう見せかけているだけで実は他のターミナル駅かもしれません。
- Google Maps(SV)
- 38.1093294,13.3670561
最初のショットとペッピーノが追いかけていくショットで、映画«TRE FRATELLI»のポスターが見えます。
知りませんでしたが、フランチェスコ・ロージ監督の1981年の映画(Wikipedia IMDb)。
日本未公開で、タイトルは訳せば「三兄弟」でしょうか。
この監督さん、おそらく『シシリーの黒い霧』(62)や『黒い砂漠』(72)『コーザ・ノストラ』(73)みたいな社会派ドラマで評価が高いかと思いますが、個人的には『イタリア式奇跡』(67)みたいなのも好物だったりします。
なぜこうした大スターを迎えてのラブコメ?を撮ろうとしたのか、とても気になりますね……
それはともかく、映画のポスターから、この場面は設定が1981年と推定されます。
現代
冒頭教室の片隅ですみっこぐらしになってしまった少年ペッピーノが目覚めます。
あの時の教室ではなく、眠っているうちに自らの半生をだとりつつ現代に来てしまったという、ファンタスティックな展開。
正確な時代設定はわかりませんが、とりあえず現代としておきます。
校門の前
選挙の場面でも登場した、校門前。
校舎は選挙の時ではなくそのずっと前、映画冒頭のCGで作られた昔の状態。
それが校門を通過した瞬間にタイムワープして現代となります。
- Google Maps(SV)
- 38.081617,13.506396
通りはCorso Butera。
教会前の丁字路
続いて車の往来が激しい丁字路をふらふら歩いています。
これはCorso Butera通りが、教会前の大通りとぶつかるところ。
学校の前から通りを南へ進むとここへ出ますので、編集と実際の地理が一致しています。
- Google Maps(SV)
- 38.078354,13.507117
左折して大通りを進みますが、この場面に関してはセットではなくホンモノの町。
周囲はすべてエキストラかと思いますが、大掛かりな撮影で迫力がありました。
右折
バイクの前を進むカットの後はこちら↓へワープ。立ち止まって右(画面の奥)を向きます。
- Google Maps(SV)
- 38.0768733,13.5025939
右折して以後はVia Guttuso(グットゥーゾ通り)を西へと進んでいきます。
リノベート中のビル
リノベート中のビルを見上げる場面。
ここが自宅だったところ、という設定ですね。
冒頭の「家の前」でセットで表現されていた場所が、今度は現実の街角として登場しています。
Via Guttuso(グットゥーゾ通り)の先のこの位置。カメラ東向き。
- Google Maps(SV)
- 38.076816,13.502010
内装はまだまだ。外壁は半分ぐらい工事が進んでいますが、現在の建物と同じ壁材を確認できます。
リノベート中の様子がリアルなのかVFXなのかはわかりませんが、ともかく映画の世界と現実をきれいに結びつけたうまい表現となっています。
野暮な解説ですが、現場で拾ったのは、娘をぶっってしまった時になくしたイヤリング(1:28頃)。
いつ夢を見たのか?
今か 昔か?
逃げ出した後は、東向きに駆けていきます。
- Google Maps(SV) ……向かい側から
- Google Maps(SV) ……背中側から
すれ違う街角
タバコを握りしめたお使い帰りのピエトロ少年とすれ違うのは、そのままVia Guttuso(グットゥーゾ通り)を進んだこちら↓の丁字路。
- Google Maps(SV)
- 38.076944,13.503481
ピエトロの進路
ピエトロ君はそのまま西へ直進して、こちら↓の建物の前を通過。
- Google Maps(SV)
- 38.076805,13.502353
その後、1ブロックを通過し、ワンカットで映画冒頭の懐かしい家の前の交差点に出ます。
この場所は(おそらくチュニジアの)セット撮影のはずですから、このワンカットの途中で背景をリアルからセットへとVFXで切り替えていることになります。
撮影はチュニジアのセットだとしても、設定上の位置関係は実際のバゲリーアのマップと重なります。
- 38.076820,13.501945
- 南東の角が子どもたちのコマ遊び
- 北西の角がオヤジたちのカード遊び
- 北東の角の家が自宅
となっています。
最後に掲載したロケ地マップで表記してみましたので、拡大してご確認ください。
終わってみれば、一直線の人生譚と見せかけて、ラストの回収の仕方といい、ペッピーノの夢物語といい、いろいろ不思議な仕掛けがほどこされている映画でした。
納得していないようだね
だからいいんだ
ロケ地マップ
バゲリーアの拡大マップ↓
資料
更新履歴
- 2021/11/27 新規アップ
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