作品メモ
ひとつ前のエントリー『ザ・フォッグ』は北カリフォルニアの港町が舞台のアメリカ製ホラー映画でしたが、こちらも港町……というよりはひなびた漁村が舞台のスペイン製ホラー。
やはり町にまつわる因縁話が濃厚に描かれます。
完全にスプラッターといいますかイタい場面があるので、その手のものダイジョブな方だけどうぞ。
ラヴクラフト原作ということでDVDレンタルで見て、作品そのものは多少アレレ??的な感想でしたが、舞台となった漁村がとても印象的だったので、ロケ地重視の当サイトとしてはぜひ取り上げたくなる作品となっています。
監督スチュアート・ゴードン、撮影カルロス・スアレス、音楽カルレス・カセス。
出演は、フランシスコ・ラバル、エズラ・ゴッデン、ラクエル・メロノ。
気になる謎の美女にマカレナ・ゴメス(Macarena Gómez)。
原作
原作はH・P・ラヴクラフトのいわゆるクトゥルーもの。
“Dagon”と名乗っていますが、ごく短い同題短編の方ではなく、「インスマウスの影」The Shadow over InnsmouthW をベースにしていると思われます。
少しネタばれ気味ですが、原作にはないイタそうな描写や美女とのあれこれなどが加えられ、おかげでラヴクラフト固有の神経がじわじわ痛んでいくような怖さは失われているような……
「インスマウスの影」は創元推理文庫の『ラヴクラフト全集1』に収録。
(「ダゴン」は『3』に収録)
ラヴクラフトは1937年没。著作権は切れているはずで、原文ならあちこちで無料ないし格安で読むことができます。
最初にラヴクラフトを読んだのは、おそらく同じ創元推理文庫の『怪奇小説傑作集3』に収録されていた「ダンウィッチの怪」。
「怪奇小説傑作集」は「世界短編傑作集」(江戸川乱歩編)、「年刊SF傑作選」(ジュディス・メリル編)と並んで、青少年時代とてもお世話になったシリーズでした。
東京創元社の社屋がどちらにあるかは知りませんが、足を向けて寝られません。
ついでに『同5』はドイツロシア編となっていて、ゴーゴリの「妖女(ヴィイ)」が収録。
一度読んだら忘れられない内容で、ロシア文学に興味を抱いたのは、ドストエフスキーでもトルストイでもなく、この短編によってかも 🙄
一度見たら忘れられないソ連映画『妖婆死棺の呪い』の原作ですね。これこのサイトでも取り上げたいのですが、ロケ地が全く不明なので保留中。
ロケ地
IMDbでは、
Combarro, Pontevedra, Galicia, Spain
例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
この映画について興味は一点、あの漁村はどこ? ですが、IMDbのリスト通りこちら。
Combarro, Pontevedra, Galicia, SpainW
教会
映画では”ESOTERICA ORDE DE DAGON”とありますが、もちろん架空のもの。 → ESOTERIC ORDER OF DAGONW
浜辺(回想)
小さい建物が並んでいて中には先端に十字架が掲げられているものもありますが、この地方独特の高床式の穀倉で、オレオ(Hórreo)Wというそうです。初めて知りました。
これとは別 🙄
屋敷
不明。
ロケ地マップ
※17/2/12項目追加
スペインで撮影された映画のロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2017/02/12 「ロケ地マップ」項目追加
- 2016/04/09 新規アップ
コメント