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『ダーティハリー』 Dirty Harry (1971)

ダーティハリー 特別版 [DVD]

作品メモ

盛夏も間近。
プールで泳いでいて、ふとどこからか狙撃されるような不安感に襲われることがあったとしたら、それはこの映画のせい。

敏腕刑事の活躍を描いたヒットシリーズの1作目。
昔からテレビで何度も楽しませてもらった傑作です。
違法な捜査によって得た証拠は裁判では使えないとかミランダとかを知ったのも、この映画でかも。
楽しみながらLAW&ORDERの基礎知識も与えてくれた作品でもあります。

44マグナムをたずさえるサンフランシスコ市警ハリー・キャラハン刑事にクリント・イーストウッド。
市民を標的にして市を脅迫するサイコな狙撃手スコルピオ(さそり)にアンディ・ロビンソン。
上司のブレスラー警部補にハリー・ガーディノ。
相棒チコにレニ・サントーニ。
市長にジョン・ヴァーノン。

製作・監督ドン・シーゲル、製作総指揮ロバート・デイリー、撮影ブルース・サーティース、音楽ラロ・シフリン。

ロケ地

IMDbでは、

Bank of America Building – 555 California Street, San Francisco, California, USA (opening sequence)
Broadway, San Francisco, California, USA
California Hall, San Francisco, California, USA
City Hall – 1 Dr. Carlton B. Goodlett Place, San Francisco, California, USA
Forest Hill Station, San Francisco, California, USA
Hall of Justice – 850 Bryant Street, San Francisco, California, USA
Holiday Inn Select Downtown Hotel – 750 Kearny Street, San Francisco, California, USA (pool murder opening scene)
Kezar Stadium – Frederick Street, Golden Gate Park, San Francisco, California, USA
Marina Green, Marina District, San Francisco, California, USA
Mill Valley, California, USA
Mission Dolores Park, Mission District, San Francisco, California, USA
(where Callahan gets off the ‘K’ streetcar to use the phone booth in front of the park)
Mt. Davidson Cross – Mount Davidson, San Francisco, California, USA
New York Street, Backlot, Universal Studios – 100 Universal City Plaza, Universal City, California, USA
Portsmouth Square, Chinatown, San Francisco, California, USA
San Francisco General Hospital Medical Center – 1001 Potrero Avenue, Potrero Hill, San Francisco, California, USA
San Francisco, California, USA
Sir Francis Drake Drive, Larkspur, California, USA
St. Peter & Paul Church – 666 Filbert Street, San Francisco, California, USA
The Embarcadero, San Francisco, California, USA
Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA (studio)
Washington Square, North Beach, San Francisco, California, USA

と長いですが、基本はサンフランシスコ。
『めまい』『ブリット』等と並んで、同市をロケ地とする代表的な1本です。

この映画、いろいろなサイトにロケ地情報がアップされていると思いますが、映画の中で実在の地名や施設名がぽんぽん出てきますので、見ているだけでヒントどころか正解を得られます。
それプラス、ウェブマップがあればだいたい解明できそう。
というわけでひとつ前のエントリー『シェルブールの雨傘』同様、IMDbのリストとウェブマップだけという縛りで挑戦。
間違っていたら例によってごめんなさいです。

素材は最近WOWOWで放送された吹替え版。
昔からテレビ放送でなじんでいるので、やはり山田康雄さんでないと。

OP

屋上にプールのあるビルは、IMDbのリストにあるこちらのホテル。

Holiday Inn Select Downtown Hotel – 750 Kearny Street, San Francisco, California, USA (pool murder opening scene)

犯人が居たのは、数ブロック南にあるこちら。

Bank of America Building – 555 California Street, San Francisco, California, USA

この建物は、当サイトで言えば『タワーリング・インフェルノ』でグラスタワーの1階外観として登場しています(フレッド・アステアが入っていく場面等)。

両者の関係は、Bing Mapsの俯瞰図がわかりやすいです。

トランスアメリカ・ピラミッドのすぐ西側ですが、撮影時にはまだ建設中のはず。
どの程度出来上がっていたかは、フレームに入ってこないので確認できません。

銀行強盗

IMDbのトリビアによると、この場面はスタジオセット。

Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA (studio)

現在はこういった感じ。

ホットドッグ屋に入る時、すぐ近くの映画館ではイーストウッド主演・初監督作の『恐怖のメロディ』(Play Misty for Me)を絶讃上映中だったのはご愛敬。

市警ヘリ

市警ヘリの飛行とともに写るビルをチェック。

ヘリが通過するビル

ヘリとともにカメラが右にパンしたときに写る白い屋上。

Bellaire Tower
1101 Green Street, San Francisco, CA 94109

屋上ヘリポート

後ほど正面入口が写るHall of Justiceの屋上です。

背景の上から見るとLの字型の特徴的なビルは PacBell Building 。

その左奥に見える平べったい高層ビルはもっとずっと海岸寄りに建っています。

映画ではどちらもぽつんと立っている印象がありますが、現在は周囲に摩天楼が何本もそびえ立っていて、同じアングルで見るとどちらもほとんど姿が隠れてしまっています。
サンフランシスコ中心部の高層ビル群は、ここ数十年の間ににょきにょきと建ったことがわかります。

湾曲したビル

警官がギリギリに立っていてかなり怖いビル。

1024 North Point Street, San Francisco

狙撃未遂

1606 Stockton Street,

2人組みのターゲットが入っていったのは、IMDbのリストにあるWashington SquareW

背景の教会はIMDbのリストにあるこちら。

St. Peter and Paul ChurchW
666 Filbert Street, San Francisco, CA 94133

Photo from Wikipedia (public domain).

 

この場所は後でも登場します。

※2012/11/15追記

milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は2007年とのことです。

自殺未遂

警察無線で「現場はポーク・アンド・パーク・ストリートのカリフォルニアホール」。
つまりPoke St.とPark St.の交差点。

California Hall
625 Polk Street, San Francisco, CA 94102

2人目

背後にタンク。
もう少しでわかりそう。調査中。

Hall of Justice

ホンモノの外観。

張り込み

神父さまを囮にした夜の張り込み。
ハリーたちがいたのは前回犯人がいたところから1ブロック南。

身代金

犯人に電話であちこち振り回されるというアイデア、これがオリジナルと言うことはないと思いますが、それ以前にあまり記憶ありません。
いずれにせよ非常に良くできた描写で、何度見てもハラハラします。

マリーナ

セリフで「グリーンイーストハーバーのサウスサイドマリーナ」  

乗った駅

セリフにあるように、フォレストヒル駅W

Photo from Wikipedia (public domain).

前述マリーナからここまで直線で7km以上。
到底無理。

降りた駅

セリフにあるように、20th StreetW
電話ボックスがあったのは線路を渡った西側。

電話ボックスはやはり見当たりませんが、撮影時でもセットだったかも。

トンネルとハンバーグスタンド 

セリフで「海洋公園のハンバーグスタンド」

Aquatic Park のトンネルをくぐった先、ということでうろうろ探してみましたが、トンネルの出口らしきところはこのくらいしか見つかりませんでした。

「ハンバーグスタンド」が営業しているかどうかはわかりませんが、建物そのものは残っているようです。

なのでここが正解だと思いますが、そうなると逆に入口はこちら。

これもなんとなく映画と合っていそうで、おそらく正解かと。
このトンネルはもともと鉄道が走っていたようです。

降りた駅からトンネル出口までは直線で5km以上。無理無理。
実はトンネル入口は最初のマリーナのすぐ近くにあります。ひどい市中引き回しですね。

公園の十字架

セリフにあるようにこちら。

Mount Davidson

画像はハリー・キャラハン的視線で。

Photo from Wikipedia (public domain).

この十字架、ミュニ・メトロに乗ったフォレストヒル駅の近く。
ハンバーグスタンドからここまで、直線で8kmほど。
これも無理筋。

スタジアム

IMDbのリストにあるこちら。

Kezar StadiumW
Frederick Street, Golden Gate Park, San Francisco, California, USA

強盗

背景に見えるのはフェリーターミナルの時計塔。
周囲の柱はおそらく1989年のロマ・プリータ地震(サンフランシスコ地震)Wで被害を受けた高架。
『ブリット』でも(別の場所ですが)登場。

バスジャック

ツインピークスのどこかだと思うのですが、場所不明。

市庁舎

外観・内部ともホンモノ。

ゴールデン・ゲート・ブリッジ

※13/8/15追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♩)
撮影は2007年6月とのことです。

バスが通るトンネル

Waldo TunnelWというそうです。

鉄橋

名場面、バスの上に飛び降りるところ。
SVで見たところ、なんということでしょう、橋の部分がなくなっていました。劇的アフター。


大きな地図で見る

IMDbのトリビアによると、2003年8月に取り壊されたそうです。
このSVを右にぐるりと回すと、ハイウェイから降りてくるところを見られます。

▼22/5/16 追記
Stanfordさんから画像を提供していただきました。
コメントもそのまま転載させていただきます。
どうもありがとうございました 🙂

Stanfordさん 1988年8月撮影です。
その先のラストシーンの工場は、当時すでに住宅街になっていました。

この頃はまだ橋はつながっているようですね。

ラスト

そのまま山の斜面の方に進んだところ。
ラストのカメラ位置はその山の上。

今では池は埋め立てられ、あたり一帯宅地となっているようです。
SVで見るとこじゃれた戸建てや集合住宅が建ち並んでいますが、40年前はあんなんでした。
こちらの方が劇的アフターでしょうか。
これだけ変わってしまうと、住人の方たちが『ダーティハリー』見ても気づかないかも?

ロケ地マップ


より大きな地図で ダーティハリー を表示

資料

更新履歴

  • 2022/05/16 「鉄橋」にStanfordさんの画像を追加
  • 2012/07/17 新規アップ

コメント

  1. 70年代の映画好き男 より:

    BS12にて、懐かしの、山田康雄版ダーティーハリーシリーズの放送無茶苦茶嬉しい
    昔、淀川長治先生の日曜洋画劇場で観た興奮が蘇る
    とにかく、若き日のィーストウッドが、かっこ良すぎる
    日本の刑事物が、ださく見えてくる、ラスト警察バッチお投げ捨てる所も文句無し

  2. 居ながらシネマ より:

    70年代の映画好き男さん、コメントありがとうございます。
    BSでシリーズが吹替え版で放送中なのですね。
    私もこのシリーズやマカロニウエスタンなどはテレビ放送でなじんでいたので、山田康雄さんの声がすっかりすり込まれてしまい、後でオリジナルの音声で見た時逆に新鮮だったりしました。
    若い頃のイーストウッドは本当にカッコ良いですね。もちろん近年の熟成された出演作や監督作も大いに魅力的ですが、やはり若さというのは決して後から付け足すことはできない貴重な資産であり、その時にこういった傑作を数多く残してくれてありがとう、という気持ちです。

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